何とかしてゾロを思いとどまらせるか、逃げ出せないだろうか。そんな事を、必死で考える。
けれども、その答えが出るより早く口に押し込まれたのはゾロの無駄に立派な一物。それを拒む為に首を動かそうとしたのに、片手で簡単に頭を押さえられてしまう。
怪力過ぎるその力に、首が限界を訴える。けど、ルフィ以外のソレを奉仕なんてしたくない!
でも、必死でバタバタと暴れる私を面倒くさそうに見たゾロは、大切な刀の鞘でで出入口をバタンと閉めてしまう。そして、首を傾げる。
でも、首を傾げたいのは私の方。そう言いたいけど、口に無理に押し込まれたものが邪魔でできないでいれば、ゾロが口を開いた。
「鍵掛けて、このまま俺に抱かれるか……鍵を開けたまま、船に響くように蓋を開けてから俺に犯されるか……どっちがいい?」
「
「選ばせてやる。……望んで抱かれるか、拒んで犯されて、ルフィ達にその声を聞かれて、犯されてる姿を見られるか。どっちがいいんだ?」
「
「その状態で俺の名前呼んでるのが分かるのって、凄えとは思うけどな」
そう言ってじっと私を見詰めるから、答えさせる為にそれを抜くのかと思った。なのに腰を動かし始めたから嫌でも気づく。
それだけの事で、まずはどちらにしても
それでも、それを強要されて喜ぶ訳もないのだ。私が意識して覇気を放つと、ゾロが少しふらついた。
これも覇王色のひとつと聞いてるから、上手くすれば気絶させられる。そう思ったのに……。
「この状況下で、誘惑して来るとは……良い覚悟だ」
「
なんで!?どうしてそう解釈したの!?
可笑しいでしょ!?可笑しいわよ!!
その言葉は言葉にならなくて、喉の奥を突くように腰を動かされて、口内にゾロのそれが広がっていく。明らかにサイズと硬度を増すそれに、そういやちゃんと洗ってあるんでしょうねと思う。
ゴム無しでの口淫は、感染症の要因のひとつ。と言うか、膣での受け入れとは異なり感染症になるリスクだけなら口と肛門の方が高いのだ。
もし……洗ってなかったら……後でチョン切ってやる。そんな怒りを滾らせている私の様子に、ゾロは満足そうに笑う。
「ナミ、お前……」
呼び掛けられて思わず噛み切りたくなる。勿論、今はやらないけど……ロビンとかに手を出したら、宦官にしてやると半ば本気で思いつつ視線だけ上げた。
そんな私にゾロは笑う。悪役にしか思えないいつもの笑顔で。
「俺が本気で戦える相手と、常に切り結んでいたいと思ってるのは知ってるよな」
「
だから何?と問い掛けた瞬間、膨張するゾロのそれに流石に苦しいと思う。その上何故か目元を押さえて……耳が、赤い?
……熱があるなら、休んで欲しいんだけど。ああ、具合が悪い時程盛るって事だったのね。
ならさっさと出して満足してもらいましょう。そうしたら、開放される筈よね。
「ナミ、てめえ……人の好戦的な部分を刺激して……その上、そんな顔で誘惑するとは……余程、激しく揺さぶられたいらしいな」
「
はぁ!?何言ってんのこの馬鹿!
そう言いたかったのに、言葉にならない音さえ発し切る前に腰を動かし始めるから、それどころではなくなる。膨張したゾロのそれが喉の奥を刺激する形で放たれると、熱さと苦味、そして、その独特な臭いと圧力に耐えられなくて嘔吐いてしまう。
口が解放されても嗽さえできない今、ただ辛いだけ。でも、これで満足したならと下から這い出ようとしたのを簡単に止められてしまった。
「選べよ、ナミ」
「なっ……ゲホッ……にを……」
「抱かれるか、犯されるか」
「……最低」
いくら嫌がっても、この場を行為無しで終える手段は無いのだろう。それでも、ルフィとしかこんなのしたくないのよ。
そう思って見詰めれば、ゾロは仕方なさそうに離れてくれた。辞めてくれるのかと思ったら、出入口に鍵をかけて、戻って来る。
「ゾロ……」
「ナミが濡れてなかったら、辞めてやる」
そう言うとゾロは、逃げようとした私の足を掴んで引き寄せる。そうして足の間に顔を入れようとするから、必死で暴れてしまった。
だけど、逃げられない。やだやだやだ!
「いやっ……!ルフィ……!」
「こんなに譲歩してやってんのに……本当に我儘な女だな」
「私は、ルフィじゃなきゃ嫌なの!」
何だろう、クラクラする。でも、ここで倒れたら穴だらけになるわ。
泣いても無駄なら、睨むくらい当然。そう思うのに、ゾロの言葉一つで心と瞳が揺れてしまう。
「……なら、濡れてねェだろ。堂々と足広げて確認させれば話は済むだろうが」
「や……酷い……」
「酷いのは寧ろ……ナミの方だと、俺は思うけどな」
何か言わなきゃと思うのに、何を言っても双方が傷付くばかりな気がして言葉にならない。声を、言葉を口にして拒絶しなければと思うのに、同時に身体をまさぐられているが故の喘ぎ声を出したくなくて、矛盾したそれが心と身体を蝕んで行く。
歯の根が噛み合わず、ガチガチと意味の無い音を立てている。でも、目の前にいる男は、ただ一つの目的の為に突き進む事しか考えては居ないのだ。
「抵抗するなよ。……砕いちまいそうだから」
そう言い放つと胸や腰を撫でる手はそのままに、もう一方の手で私の足を軽々と持ち上げた。一瞬浮いた両腿の下に膝が割り込んできて、あっと言う間に高々と腰が掲げられてしまう。
抵抗と拒絶の悲鳴が室内に谺響する。信じられない程みっともない体制を取らされ、明らかに濡れている恥ずかしい場所を覗き込まれていた。
「見ないでっ!いやっ!ルフィ、ルフィー!!」
「……悪かった」
「え、辞めてくれるの?」
「まさかナミが、そんなに酷くされる事を趣味にしてるとは知らなかった。ご希望通り、大切に……犯してやるよ」
射るような視線。でも、信頼してる仲間だからこその甘えから零れ落ちる涙が、己の情けなさを余計に痛感されられる要因となる。
ゾロは私が泣く程に、懇願する程に、その双眸に得体の知れない欲望にも似た色を深まらせて行く。それは何故か哀しみを強く宿しているようにも見えてしまう。
だけど……これで、何度目だろう。ゾロが、私を仲間として見てくれないのは。
修行を終える前は、こんな事しなかったのに……再会してから、これで何回目だっけ。ゾロが私の言葉を完全に無視して、欲望をただぶつけて来たのは。
拒絶の言葉を、悲鳴を繰り返す私に、ゾロはそっと唇を重ねて来る。そのまま当然のように、口腔に舌が押し入って来た。
それは蕩けるように甘く、それでいて貪るように激しく舌を絡め、吐息の一つまでも呑み込んでいく。深く、濃厚な、まさに食らうという表現がピッタリの口付けの間中、ゾロは私の蜜を啜り、また自分のを流し込んで来る。
息苦しさに喉を鳴らし、必死にそれを飲み込むが、結局果たせず。唇の端から溢れた滴が、顎を伝って零れ落ちていく。
その絖った感触すらも心地好くて、私は自分の淫蕩さを更に深く思い知らされる。ああ……どうかしてる。
これは今、仲間であるゾロでは無い。ただの雄でしかないのに……。
可愛くて、大切で、突き放せない。ルフィを傷付けると分かっていて、ろくな抵抗もできずに受け入れようとしている現実。
押し付けられる筋肉の感触が、やっぱり堅いだけでちっとも気持ちよくはない。触れ合う肌は熱すぎて、汗の臭いに胸苦しくなるばかり。
唇も、舌も、吐息までも、あまりに容赦が無く乱暴過ぎる。失望の中で、けれども拒めない現実に打ちのめされて……。
ふうっと軽い酩酊感に陥った瞬間、グンッと身体が大きく突き上げられて、下半身な鋭い圧迫感と引き裂くような痛みが走った。濡れてはいても、突然のそれに身体が驚いたのか、心が拒むからか。
「う……ぐっ……!」
悲鳴を上げる事さえ叶わぬその衝撃に、喉を仰け反らせて鈍い喘ぎに似た声を吐き出す。それによりゾロの唇が離れた。
「力を抜け」
命じる声に、だが、雄を受け入れたくない身体は素直に従ってくれない。掲げられた両足が、助けを求めるように虚しく宙を切る。
下半身にゾロの鼓動がある。ドクドクと脈打ちながら迫り上がってくるその圧倒的な質量に、声さえも枯れてしまいそう。
だけど、その灼熱の塊がいつもの感じやすいポイントを擦り上げた瞬間、痛みでは無いものが走る。血管を沸騰させ、神経を弾かせ、一気に身体中に広がったと思うと、焼き切るような熱さで脳髄を貫いた。
「あっ……!やあぁぁっ!!」
自分でも驚く程の甘ったるい嬌声が飛び出し、ガクガクと身体が震える。耳障りな程に高鳴る動悸。
ひっきりなしに漏れる、甘い喘ぎ。汗を弾かせながら、悦びの色に染まっていく肌。
そんな私の反応を確かめて、ゾロが意地悪く笑う。残酷な響きを乗せて。
「悦いんだな。ルフィじゃなきゃとか言いながら、俺で感じてんだな?」
「……違っ……あっ……やぁ……!!」
「可愛い声で否定されて、ハイソウデスカってなるかよ。なら、ナミが認めるまで泣かせてやる」
その宣言に従うように、乳首に食らいついてくる唇。玉の汗を弾きながら、胸が大きく上下する。
舌で転がされ、甘噛みされて、強く吸われる度に下半身までも甘い痺れが伝わっていく。ゾロを呑み込んでいる部分が、私の意思を無視してキュウッと収縮する。
「キツ……い……!ナミは、乳首を弄られると締まりが良くなるな」
弱い所はこれ迄に繰り返された望まぬ行為で、知り尽くされている。容赦無く繰り返される行為は、既に拷問に近いと思う。
右の乳首、左の乳首……と交互に吸われては突き上げられ、その締り具合を試される。幾度も、幾度でも……。
その度に私はゾロの逞しい男芯を締め付け、更に奥へと飲み込もうとあられもなく腰をくねらせた。私の心が拒絶するのと反比例するように。
夢であれば……そう、どこかで願ってる。それが叶わないと知りながら。
胸苦しい程の悪夢の中、湧き上がる愉悦に乱され、淫らな喘ぎを漏らすだけ。声を抑えるだけの余裕は、私に残されていない。
ひっきりなしに迸る悲鳴をじかに感情とするかのように、首筋に押し付けられた熱い感触。一瞬感じた恐怖は、すぐに甘い疼きに掻き消されていく。
「ナミ……俺は……」
何かを言おうとして途中で飲み込んでしまったのか、触れるゾロの唇から発せられた声が何処か切なさを含んで消えていく。それを訝しく思ったのも一瞬の事で、埋め込まれたモノの刺激と、首筋に押し付けられる唇の熱さに狂わされそう。
長い、長すぎる官能という責め苦の終わりに、熱い愉悦の迸りを身の内に感じ、意識を失いそうになる。その時、涙で滲んだ視界の中、何処か苦しげに歪んだゾロの顔を見た気がした。
けれどもそれは、焦りと怒りを滲ませた声により消える。私の意識はその声の主へと向けられた。
「ナミッ!……ゾロ、いい加減にしろ!!何やってんだ!!」
「ルフィ……ルフィ……ッ!」
助けを求めたのか、救いを求めたのか、ただ……愛しい男に触れたかったのかも知れない。私はルフィへと手を伸ばして、名を呼び続けた。
その言葉しか知らないかのように。ただ、泣くまいと思いながら、必死で。
その瞬間、先程とはまた違った光をゾロの双眸が宿す。溢れ出る欲望を示すように、唸り声に近い声が放たれる。
「まだまだ、足りねェ……!!」
言葉である筈なのに、私には意味をなさない荒い咆哮の中、身体も思考もドロドロにとけて……ただ貫かれ、揺らされるだけの物体と成り果てて行く。消えそうになる意識の中で、ルフィを想う。
既に、想う権利なんて無いのかもしれないけど。助けて欲しいと、願う権利さえも私には無いのかな……?
「辞めろっ!ゾロ!!」
「自分の女だからかよっ!?」
「そうだよっ!!それの何が悪いっ!ナミは、俺の女だっ!!」
そのまま取っ組み合いの喧嘩に発展していく二人により、私は漸く解放され、気怠い身体を無理矢理起こしてシャワーを浴びに向かう。今にして思えば、この時には既に兆候は来ていた。
シャワーを浴びている中、騒音が響いて皆が起きて来たのが分かる。けれども私には、それを止めるだけの体力と気力も無い。
シャワーを終えて、身支度を整えて歩き出せば身体が不調を訴えて来た。何か目の前がチカチカするなー、と思った途端胸の奥から不快な感覚が迫り上がってきたのだ。
慌ててトイレへ飛び込んで吐いたのは、ストレスなのかも知れないわね。最後には胃液しか出て来ない程、何度も嘔吐きながらも何とか始末を終えて必死で部屋へ向けて移動して行く。
部屋に向かう為に通過しようとしたキッチンは、心配そうな顔をしてるサンジ君の姿が確認出来る。それを見て笑おうとした途端、クラリと目眩に襲われた。
何かに縋ろうと手を伸ばした先に、サンジ君が片付ける為に重ねていた食器が乗ったテーブルがある。だけど、既に両足には身体を支えきる力さえない。
綺麗に並んだお皿やコップをなぎ払いながら、ズルズルとその場に倒れ込んだ。何事かと、洗い物をしていた皿を投げ出して駆け寄ってきたサンジ君の声に反応して、僅かに首を動かすと不安に歪んだ顔が見えた。
「ナミさん!?チョッパー!すぐに来てくれ!ナミさんが!!」
私を支えてくれるこの腕が、ルフィじゃない事に、悲しみが渦巻く。今ルフィは、ゾロと殴り合いをしているのだろう。
慌てて飛び込んで来たのは、チョッパーとフランキーで……フランキーは私の様子を見て、表に視線を向けると後から飛び込んで来たウソップに視線を向ける事無く言った。その声は、妙に低い。
「ウソップ、ナミを連れて甲板に来い。チョッパーは、甲板で治療してくれ」
「「おう、分かった……!」」
逆らってはならない空気を感じたのか、二人は迷いなく従う。そうして芝生の上でチョッパーに治療されていると、ルフィとゾロの悲鳴のようなものが聞こえてきて見張り室から大量の手が見えた。
その直後、二人が甲板に降って来てロビンが二人に冷たい視線を投げつける。その背後にブリザードが見えるのは、私の気のせいなのかしら。
そう思った直後、文句を言う為にゾロが口を開いた瞬間を狙ったかのようなタイミングで、フランキーがゾロの頬を殴り船縁まで吹飛ばす。見事な吹っ飛びようだったと言うのに、ゾロはそれによるダメージが少なかったのか、即座に身体を起こすと軽く口の中に生じた血を吐き出すだけ。
ただそれだけの動作で元に戻ったらしいゾロは、フランキーを睨み付ける。けれども、彼を殴り飛ばしたフランキーではなく、普段はおチャラけが仕事のようなブルックが前に出て声を響かせた。
「失望しましたよ。仲間にやっていい範囲を超えているとは、考えなかったのですか」
「これは、ブルックに関係「ない!と、本気で言うおつもりですかっ!今、私は怒っていますよ。ルフィさん、あなたの事も含めて」」
「俺も!?」
突然のとばっちりにも似たそれに、焦った声を出すルフィ。けれども、この場に二人の味方は誰も居ない。
ルフィを責めないでと言う為に開いた筈の唇は、けれどもコヒュー……という音を出すだけで声になってはくれなかった。それに逸早く気付いたチョッパーが泣きそうにその顔を歪ませて、大丈夫だと優しく背中を撫でてくれる。
その手を心地好く感じながら、呼吸を整えて行く。その間にブルックが言う。
「この船に居る者なら、ナミさんが健康的な生活が送れない生き物である事は、存じていた筈でしょう。だと言うのに、顔が土気色になるまで追い詰めたのは、お二人です!」
いや、ルフィは悪くないから。……なんて、そんな言葉を言う事は空気的にも許されなくて、私は成り行きをただ見守っていた。