※この作品はR-18です。

俺がメスガキに負ける訳がない。   作:ゆっくりシン

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今回はなぜ匠が童貞であり、エロを避けているのかの理由をめっちゃ匂わせています。
エロがあるのは後書きです。

ご了承ください。


10話 『過去』

 生徒が全員帰宅した午後七時半。

 俺は職員室でいつも通り今後のスケジュールの微調整をする。

 前回のテストで桃知がやれば大分できるという事が分かった以上、授業難易度をもう少し上げて様子を見ていくのだ。

 もう五月も終わりに近付き天候も安定している。

 少し最近の天気に思いを巡らせながら今日行った授業プリントを基に予定調整をしていると隣から三宅先生が声をかけて来た。

 

「またスケジュール管理ですか? 毎日少しずつ変更していますけどそこまで神経質にやる程の事ですかね?」

 

「今までの学業の遅れから考えればこれぐらいが普通です」

 

 そう答えると三宅先生は少し詰まらなそうに頬を膨らませる。

 

「まあ、あそこのやり方は月城先生に一任されていますから文句はありませんけど・・・」

 

 どこか納得いっていないような表情だが特に気にする事は無いだろう。

 そもそも、小学五年生でありながら(桃知だけ)小学二年生と同じレベルだったのだからその遅れを取り戻すためにスケジュールを詰めるのは仕方のない事だと思う。

 ただ、前回のテストで問題の桃知のレベルも一気に上がったのは少し嬉しかったりする・・・・・・のだが、ここで油断してはいけない。

 今回アイツが頑張ったのだって、反省文を書きたくないからなのだ。

 そんな下心丸出しで上がった学力を理由に油断をしていたら一気に学力が落ちるのは火を見るより明らかだ。

 ここからどう維持していくかを考えないといけない。

 顎に手を当てて少し思案していると三宅先生が手をパンッと合わせてから言った。

 

「そういえば、今週の金曜日に飲み会があるんですよ。良かったら参加しません? 再来週の運動会に向けてみんなで『頑張るぞー』と気合いを入れる目的のモノなんですよ。毎年この時期にやっているのですが、今年赴任されたばかりの月城先生は知らなかったですよね」

 

「あ、拒否します」

 

「・・・えっ!?」

 

 俺の言葉に三宅先生はオーバーリアクションに反応する。

 

「来ないのですか?」

 

「ええ、俺は酒が苦手なんです。飲むとブレーキが利かなくなってしまうんで」

 

「・・・なるほど。飲ませればいいのか(ボソッ」

 

「聞こえてますよ」

 

 話してはいけない事を話してしまった気がする。

 今後はこの人から渡された飲食物全般に注意を向けないといけないのかもしれない。

 俺は深くため息を吐くと荷物を纏める。

 そして、

 

「今日はこれで失礼しますね。お疲れ様でした」

 

「あ~、お疲れ様でした。今度ホテル行きましょうね~」

 

「行きません」

 

 この人の平常運転が理解できない。

 教師としてはまともな人なんだけどな・・・。

 少し呆れ笑いをしながら俺は職員室を後にした。

 

 

 

 ▼▼▼▼

 

 

 

 家に戻ると今日もまた春実さんが玄関に背を付けて立っていた。

 それを視覚すると同時に肩をがっくりと落として深くため息を吐いてみる。

 するとそれに気づいた春実さんがズカズカと足音を立てながら近づいて来た。

 

「何なのよ今の反応は!! もっと・・・こう・・・・・・マシな反応は出来ない訳!!?」

 

「言葉が出てこないなら無理に言おうとしなくていいですよ」

 

「くっ・・・・・・随分と言うようになったじゃない」

 

「この程度でその反応とは、子どもじゃないんですから・・・」

 

 ついつい呆れてそう言葉を漏らしてしまった。

 だが、彼女が顔をグイッと近づけて来たと同時に異変の正体に気付く。

 そして、つい鼻を塞いでしまった。

 

「酒臭いですよ。飲み過ぎなのでは?」

 

「は? この私が酒に飲まれてるとでも言いたいの? 馬っ鹿じゃないの? 私はアンタと違って酒に強いのよ」

 

「そうですか。それじゃあさっさと退いてください。明日に備えて休まないといけないので」

 

 俺はそれだけを言うと彼女の隣を通り抜けて部屋に入ろうとしてドサッと言う音に視線を向けてしまった。

 先ほどまで二本足で立っていたハズの春実さんが膝を付き尻を上げ上半身が地面に付いた何とも情けない状態で倒れていた。

 見捨てるのも気が引けて近づき話しかけるが返事が無い。ただの屍のようだ。

 

 ハァと深くため息を吐くと俺は春実さんを抱えて部屋に入る。

 そこら辺に放置して万が一な事あったら気分が悪い。

 と言っても俺の家にはシングルベッドしかなく二人で寝るのには狭いし、そもそも二人で寝る気もない。

 俺は春実さんを寝室のベッドに寝かすとソッとタオルケットをかける。

 

 そうして、寝室を後にすると晩飯をサッと作る。

 と言っても目玉焼きを作るだけだが。

 白米に関しては朝の残りがあるし、みそ汁はインスタントに余りがありさっさと消費したいのでそれで済ませる。

 目玉焼きに醤油をかけて食べる。

 そう言えば、目玉焼きには醤油派、塩派、ケチャップ派、ソース派がいるらしいがどれが一番美味しいのだろうか?

 まあ、人それぞれの味覚の違いで甲乙は決まるだろうけど。

 

 そんなどうでも良い事を思いながら食器を片付けて風呂場へと向かう。

 脱衣所に入り念のために鍵をかけておく。

 そうしてから服を脱ぎ、いつも通りシャワーを浴びる。

 ゆっくり風呂に浸かりたい気分だったのだが、春実さんの事がある以上のんびりしている暇はなさそうである。

 その事を思うとつい深くため息を吐いてしまった。

 風呂場を出て体を拭くとさっさと寝間着に着替える。

 普段はすぐにでも寝に入るのだが、今日は何時もよりも早めに帰宅しておりまだ寝るには早い。

 

「・・・どうしたものか」

 

 来週までの授業プリントはもう完成してしまっているし、スケジュールも学校で調整してしまったので手持ち無沙汰になってしまっている。

 仕方がないので3DSを開き、適当にポケモンの厳選をする。

 なんやかんや言ってもあの三人は頑張ってくれているのだ。

 たまには遊びに付き合ってやるのも良いだろう。

 

 下手に勉強を詰め込んでやらせても逆に身に付かない。

 どこかの某超加速インフレバトル漫画でも言っているが「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む」これは意外に重要だったりする。

 特に幼い子供には何よりも大切だったりする。――――大人になればある程度無理しても大丈夫だからよく遊んだりよく休む必要はあまりない。

 多少リラックスできればいいのだ。

 死ぬ気でやろう、基本的に死なないから。

 

 しばらく無心でタマゴの孵化をしていると気付けば午後一〇時を過ぎていた。

 いつもよりは早めだが、俺は3DSを閉じてタオルケットを被ってリビングのソファーに寝転がる。

 そして、眼を閉じれば俺の意識はスッと闇の中へと沈んでいった。

 

 

 

 ▼▼▼▼

 

 

 

 パッと目を覚ますと時計の針が4時35分辺りを指していた。

 いつもより一時間ほど早く起床してしまった。

 

(・・・・・・まあ、いいか)

 

 俺はゆっくり体を起こすと洗面所まで向かう。

 少し肌寒いのでお湯を出し、温まったのを確認してからそれで顔を洗う。

 そうしてから髪を櫛でとかす。―――ちなみに未だに床屋には行けておらず髪は大分伸びてしまっている。

 

 今週末にでも『アイツ』の経営している床屋にでも行こう。

 

 そう思いすぐにスマホを操作してメッセージを送ると数秒と経たずに返信が来た。

 ぶっきらぼうに『ん』とだけのモノだが、いつもの事なのでそのままスマホをしまう。

 普段はやかましいヤツなのだが、なぜかメール等の連絡では反応が薄い。

 まあ、ネットとかで性格が大きく変わる人がいるとどこかで聞いたことがあるのでそういったパターンと一緒だろう。

 

 俺は着替え、台所に向かうと余り物で朝食を作る。

 と言っても昨晩同様、目玉焼きを作りインスタントコーヒーを淹れるだけだが。

 白米に関しては昨日の残り。

 準備が終わる頃には五時四〇分ほどになっていた。

 それを確認してから寝室に向かうと、腹を出した状態で春実さんが寝息を立てていた。

 どうやら寝相の悪さは相変わらずらしい。

 俺は一旦台所まで戻りお玉杓子とフライパンを持って寝室に戻る。

 そして、

 

「朝ですよ~。起きなさ~い」

 

 二つを思い切りぶつけ合い大きな音を鳴らす。

 ガンガングワングワンと激しい音が部屋中に響き、春実さんは慌てた様子で飛び上がる。

 

「・・・・・・はへ?」

 

「はい、おはようございます。朝ごはん出来てますからそれ食べたらさっさと帰ってくださいね」

 

 それだけを伝えてリビングへ向かおうとすると頭に柔らかい物が当たり床に落ちる。

 下を見れば枕が転がっていた。

 

「なに、したの?」

 

「何もしていませんよ。泥酔して倒れたから放置するのもアレなんでベッドで寝かせただけですよ」

 

 俺の言葉に春実さんはジト目を向けてくるがそれを無視する。

 

「・・・アンタ馬鹿じゃない? 放置しておけばよかったのに」

 

「流石の俺もそこまで鬼ではありませんよ」

 

「見離しなさいよ。それが一番お似合いよ」

 

 春実さんは米を咀嚼し、飲み込んでから言葉を続ける。

 

「春香の時そうだったでしょ?」

 

「・・・・・・そうですね」

 

「あの子の手を離して未来を奪った人間が、人にものを教えているなんてね」

 

「彼女の未来を奪ってしまったからこそ彼女の夢を叶えようとしたんですよ」

 

「無理でしょ。アナタはどうせあの時みたいに手を離すわ」

 

「・・・次こそは離しませんよ」

 

 そう答えると春実さんは深くため息を吐く。

 そしてどす黒い瞳でこちらをジッと睨んできた。

 

「アナタが死ねばよかったのよ。春香もきっと恨んでいるわよ」

 

「そうですね。恨んでいるでしょうね」

 

 俺はそれだけを言うと目の前の食事に視線を落とす。

 春実さんもそれ以降何も言う事無く食事を続けている。

 そうして、食事を終えた春実さんは何も言う事無く部屋を出て行った。

 

「・・・・・・ホント、恨んでもらった方が楽なんだよ」

 

 無意識的にそう呟き棚の上に置かれている小さな額縁で飾られた写真を見る。

 まだ三人で笑顔でいられた頃、最後に撮られた写真。

 俺と春実さん――――そして春香が楽しそうに笑っている過去の幻影を。

 

 

 

▼

 

 

 

 いつも通り出勤するとほぼ同タイミングで出勤してきた三宅先生に声を掛けられた。

 

「おはようございます。なんか疲れ目ですね」

 

「おはようございます。・・・昨日色々ありましたので」

 

 そう答えると三宅先生はどこか楽しそうな顔になる。

 

「恋人とお楽しみでしたか?」

 

「・・・残念ながら、恋人と別れてもう一四年は経過していますよ」

 

「一四年、ですか。つまり小学生頃ですね。それから恋人いないんですね」

 

「えぇ」

 

 俺はそう答えながら手提げバッグ内の授業プリントを机の上に出してゆく。

 そして、しっかりと枚数を確認する。

 

「なんです? 喧嘩でもしたんですか? 子供って少しの事で遊ばなくなったりしますからね」

 

「・・・そうですね。喧嘩別れなら良かったんですけど」

 

「・・・・・・あっ。あの、すみません。変な事聞いてしまって」

 

 俺の言いたい事に気付いたらしい三宅先生はそう謝罪をする。

 それに対し、

 

「いいですよ。もう、昔の事ですから・・・」

 

 とだけ答えると俺は荷物を纏めて教室へと向かった。

 




イカろーす先生(https://twitter.com/tutanaijiru)に暗視波奉のエロ挿絵を描いていただきました。
物語で使うのはもう少し先になりますがここで一部公開しておきます。

桃知茜と早川優歌も現在描いていただいている所ですのでもう少しお待ちください。


【挿絵表示】

パーカー+ニーソ


【挿絵表示】

パーカーだけ


【挿絵表示】

全裸
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