ウオノラゴンでエラがみ3タテ楽しいなぁ。
ウーラオス、ナットレイに打点ないしすいりゅうれんだで勝手に死んだからクビね。次からは君の枠にバシャーモ入るから。
俺が持って来ていた飲料水を渡すと倒れていた人物はそれを一気に飲み干す。
そうして、口を拭ってから俺の方へと視線を向ける。
少し丸く幼さの残る顔に水面のように青い瞳をしている少女だった。
「いやぁ、ごめんねぇ。ちょっと道に迷っちゃってさぁ。はっはっは。普段はそこら辺の自販機でテキトーに買っておくんだけど今日は飲みたい物が全部売り切れでねぇ・・・あれ? 今日だっけ? 昨日だっけ?」
少女は体についている砂埃を払いながらゆっくりと立ち上がる。
「私は『
「・・・・・・月城」
「そうか、月城。君のおかげで助かったよ」
そう言って少女は笑う。
倒れる程なのだろうか、と歩いて来た道を少し振り返ってから言う。
「ほんの数十メートル歩けば寺あるけど」
「・・・・・・あれ? 戻って来ちゃった?」
「戻って、か。・・・どこに向かう予定だったの?」
俺は水守にそう問いかける。
その問いに少しキョトンとした表情を浮かべてから答えた。
「山に住んでる変わり者の友達の所。私って方向音痴だからすぐに道に迷っちゃうんだよねぇ。いや~、まいったまいった」
「友達に迎えに来てもらったら? 連絡はつく?」
「ん~、彼は連絡できるアイテム持ってないからねぇ。やるとしたら狼煙だけだよ」
「現代にそんな古い連絡手段を使っている人がいる事に驚いたよ」
「まあ、そうだよね~。私だってスマホ持ってるのに。所で、月城はどこに行くつもりだったの?」
水守は俺の渡したペットボトルをポケットにしまう。
「・・・少し滝に当たりに」
「滝? ・・・・・・あ~、あそこか。当たりに行く人間なんて何時振りだろうねぇ。後に憑いて行っていいかな?」
「字が違う気がする・・・」
「合ってるよ。まあ、君には関係ないさ。そんな事より早く滝まで連れて行ってくれ。何度でも言うが私は方向音痴なんだ」
自信満々で胸を張りながら言う事では無い気がする。
ただ、そんな自分のマイナスの面だろうと誇れているというのはもしかしたら強い証なのだろう。
くよくよせずに前へと進める心は、きっと素晴らしい物なのだろう。
「まあ、いいよ。その友達ってのは滝の近くにでも住んでいるの?」
「いいや。もっと奥地。でも滝あたりまで行けば基本会える」
水でも汲みに行っているのだろうか?
そんな疑問を覚えながらも俺は何かの縁と道を歩き始める。
―――いや、待て。滝までは一本道のハズなのになぜ迷うのだろうか。
少し疑問を覚えるが聞くのもヤボだろう。
数分歩いていると、先の方から水音が聞こえて来た。
そして、道を曲がるとそこに小さな滝があった。
そこまで勢いもなく素人が当たったとしても(上から何かが落ちてこない限り)危険性はそこまでないだろう。
そんな事を思いながら滝を眺めていると、視界の端で何かが動くのが見えた。
視線を向けるとそこに黒い和服(袴)を着ている青年がいた。
「よう、水守。そっちの人間は?」
「ん~、さっきそこで知り合った学校教員の人。道案内してもらってたんだぁ」
水守がそう言うと青年は俺の方に視線を向ける。
「まあ、なんだ。アンタのおかげでコイツを探す手間が省けた。礼を言う」
青年は軽く頭を下げる。
俺もそれに返すように頭を下げる。
「それじゃ、行くぞ。大森が待ってるぞ」
「ほいほ~い。それじゃあね、月城。また縁があれば」
「お、おう・・・」
ブンブンと大きく手を振る水守に俺は軽く手を振り返す。
そうして、二人は森の奥へと姿を消した。
不思議な雰囲気の人たちだった。
縁がない限りもう会う事は無いと思う。
「・・・まあ、良いか」
俺はさっさと自分の中で結論を出して近くの小屋に視線を向ける。
小さな小屋で、滝行をする際に着替えをしたりする為の物らしい。―――小屋近くの立て札にもそう書かれてるし。
俺は小屋に入ると水着に着替えて外に出る。
山という事もあってか水は冷たかった。
もしかしたら夏に来た方が良かったかもしれない。
鳥肌の立つ感覚を全身に味わいながらも滝壺近くまで足を進める。
沢の深さは足首より少し上程で、人が溺れるには十分の深さと言えるだろう。
一般的に人は三〇cm程の深さの水場でも溺れると言われている。
何かあれば十分ここで死ねる。
「・・・・・・しっかりと注意を払うか」
どれだけ注意を払おうと何かあるかもしれないが・・・。
俺は少し身を屈めて水の中に手を入れる。
ちゃぷっ、と手が濡れる冷たい感覚に少し気分が落ち込む。
水の中から幼い手が伸びてきてそのまま引きずり込まれる、そんなイメージが頭を過った。
それが現実だったなら俺は一切の抵抗をせずに身を委ねていただろう。
「・・・・・・いや、今はまだやるべき事があるか」
俺は立ち上がると、手を前に出して滝の勢いを肌で確かめる。
多少の刺激はあるが痛いという訳でなくむしろマッサージの際の刺激と同じくらいだろうか。
それを確認してから、俺は全身を滝の中に入れる。
目を瞑り視界が塞がると水の音と体が打たれる感覚だけが今、俺の全てになる。
そんな自然の中の流れを受けながら俺は頭の中を空っぽにした。
何も考えず、ただ視覚以外の感覚が受け取る刺激だけを受け入れ続ける。
どれくらいの時間が経過したかはもう分からない。
ただ、体の先端からじわじわと熱が失われていく感覚だけが脳に伝わる。
流石にこれ以上続けると低体温症になりかねない為、ここで切り上げる事にした。
滝から体を出して空を見るといつの間にか日が傾いていた。
ここに来たのが確かお昼過ぎくらいだったのを思えば数時間は滝の中にいた事になるだろう。
そう考えたら急に寒くなってきた。プラシーボ効果というヤツだろうか。
俺は体を震わせながら小屋に戻り持って来ていたタオルで全身を丁寧に拭くとすぐに着替えて外に出る。
そうしてすぐに帰路に入りながら少し森の方へと視線を向けた。
森は深く黒く暗い穴をポッカリと開けて不気味な雰囲気を発していた。
▼▼▼▼
翌日。
俺はいつも通りの時間に起床していつも通りの時間に家を出た。
昨日の滝行が良かったのかは分からないが、頭がスーッと冴えている気がする。
いつも通りの運転のハズだが、いつも以上に周りに視線を向ける事ができている。
学校に到着して車から降りると丁度三宅先生も到着したところだった。
「おはようございます。大分さっぱりしましたねぇ。もっさりした陰鬱な雰囲気からさわやかな雰囲気に変わっていますよ」
「流石に放置し過ぎていましたからね。あれ以上伸ばしっぱなしにするのは流石にアレだったので」
「そうですね。そこら辺しっかりした方が良いと思いますよ。せっかく整った顔立ちなんですから♪」
三宅先生はそう言ってクスリと笑う。
俺は軽くため息を吐いてからその言葉に返す。
「お世辞でもそう言ってもらえるのは嬉しいですね」
「お世辞じゃないですよぉ。ここで言うのも何ですが月城先生の顔って私の好みなんですよ」
「この地味顔がですか?」
「変に飾ってなくて変に崩れている訳でもない普通の顔だから、です。アイドルとかイケメンの人たちって顔が整い過ぎてて見分けがつかないんですよねぇ。あっ、T〇KI〇は見分け付きますよ」
「最近じゃ農作業していることの多いあの人たちをアイドル判定して良いのか微妙なラインだと思いますけどね」
そんな会話をしている内に職員室に到着していた。
職員室では俺よりも先に到着していた教員たちが授業の準備をしていたり駄弁っていたりしている。
それを横目に自身の席に着くとバッグから今日の授業で使う予定のプリントを取り出して最終チェックをする。誤字脱字はないか見ている内に朝礼の時間が近付いて来たので、俺はプリントをバッグにしまって職員室を後にした。
渡り廊下を通り階段を上り教室へ向けて足を進める。教室からはいつものように三人の話し声が聞こえており、声色から察するに元気であるようだ。
俺は扉に手を掛けてガラッと開く。
開く音に反応して三人はこちらに視線を向けて来た。
そして、
「あ~、先生♡ おはよう~」
桃知が席から立つとトテトテと近づいて来た。
そうして、流れるように抱き着いてくる。
ギュッと体を寄せて頬を赤らめて真っ直ぐこちらを見上げるその姿に俺はため息を吐いてしまった。
俺は手刀を作ると桃知の頭に軽くチョップをする。
「あぶっ」
「アホなことしていないで席につけ。朝礼をやるぞ」
そう言って桃知を剥がす。
思いの他力強かったが、体と体の間に手を差し込んでグイッと押し退ける。
「うぅ~」
俺は教壇まで向かうとバッグからプリントを取り出す。
そして、いつも通り口を開く。
「それじゃ、朝礼を始める」
▼▼▼▼
昼休み。
少女たちは教室で駄弁っていた。
特に会話の発端となった茜は机に突っ伏して項垂れる。
「全然ダメだったじゃん~」
「う~ん、先週までは確かに大丈夫だったんですけどねぇ。休みの間に何かあったんでしょうか?」
優歌は顎に手を当てて頭を捻る。
匠に媚薬を盛り快楽を刻み付けた事で難攻不落状態であった城壁の堀を埋めて攻めやすくした筈だったのに、ほんの僅かな時間で堀が再出現して再度難攻不落になってしまっていた。
かの有名な徳川家康でも埋めた堀が一瞬で再出現したら心が折れて呆けてしまうかもしれない。だが、優歌は違った。
今まで関わってきた(家族を除く)異性が少し誘惑するだけで簡単に盛った獣になっていた経験が次の行動を導き出す。
どうであれ脳は快楽を覚えているだろう。ならば、再度それを強く思い出させれば良いのだ。
「ふむ・・・」
優歌は思考を先へ先へと掘り進めていく。
背後から襲い掛かる作戦は二度目となれば警戒されている為通じないだろう。同様に睡眠薬も警戒されている。
誘惑はそもそも効かない為に選択肢に含まれないだけでなく確実にスルーされる。最悪は怒られて反省文提出になるだろう。
まず第一に注意で済むラインと確実に怒られるラインを見定めないといけない。
今までにも色々と仕掛けてきているが確実に行動を起こして匠に対して何かしらの危害が加わった時は確定で反省文になっている。
つまり、誘惑で興奮させなければならないだろう。
ある程度のラインが曖昧である以上、今は『触れたらアウト』と考えて行動をすべきだ。
優歌の思考は一つ一つ曖昧な点を除外して行き、今後の行動を導き出した。
「ふふっ、少し時間が掛かりますが少しずつ慣らしていくしかなさそうですね」
そう言いながらソッと傍観をしていた波奉の方に視線を向ける。
今まで気配を消していた波奉は感じた事のあるデジャブにタラリと冷や汗を流す。
そして、突っ伏していた茜に助けを求める視線を送るが、求めた救助先も優歌と同じような視線を向けて来ていた。
逃げ場がない状況に再度デジャブを感じると同時に次自分がどうなるかを察した。
「ね、ねえ。茜ちゃん、優歌ちゃん・・・。また、やるの?」
「大丈夫ですよぉ、はっさん。次は私たちもやるので」
「優歌ちゃんが何を考えているかアタシは分からないけどとりあえず酸性」
「『賛成』ですよ茜さん」
もはや茜のソレは言い間違いとかそんなレベルではないし、それに的確なツッコミを入れられている優歌もおかしいのだが、その点に割り入って指摘する者はいなかった。
いや、そもそもとして教師とセックスしようとしたり、どう性的に襲うかを計画している時点でおかしいがそこに何もツッコミが無い以上は言い間違い(?)程度にとやかく言う事自体がヤボというモノだろう。
「とりあえず、昼休みは後一五分ほどありますし準備をしますか」
優歌がそう言ってポケットから取り出したスマートフォンを軽く操作すると、サングラスをかけたスーツの男たちが現れてどたどたと行動を開始する。
「うわぁ、お嬢様の力をふんだんに使ってるねぇ。何度も見たことあるけどやっぱり慣れないなぁ」
「ふふっ。使えるモノなら使い潰すまでですよ」
「あぶ・・・うぶぅ・・・・・・(ガクガク」
楽しそうに会話をする二人を余所に波奉はドタドタと現れた人波を前に気絶をし、軽く痙攣をしていた。
人見知りとかそんなレベルではない気がするが気にしてはいけない。