※この作品はR-18です。

俺がメスガキに負ける訳がない。   作:ゆっくりシン

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さてと、投稿遅くなって申し訳ございません。

ただ、言い訳をさせてください。
ポケモンでPT編成がなかなかうまく行かずストレスでネタパ作成に走ったりと馬鹿な事をしまくり時間がなかったのです。
ホントすみませんでした。


6話 『重なる問題。痛くなりだす胃(ストレス)』

「ふぁぁぁぁああああああ・・・・・・」

 

 俺は大きなあくびをする。

 現在は生徒も帰り、他の教師たちも帰宅を始める午後八時。

 当たり前だが職員室もほとんど人は居らず、いたとしても雑談をしているか明日のスケジュールを再確認している者だけだ。

 ちなみに俺はスケジュール確認でも雑談でもなくプリント作成をしている。

 ここ数日、午後になると極端に眠くなり仕事に手がつかなくなっているのだ。

 気を抜くと船を漕いでしまっているので定期的に手や足を抓ったりすることで半強制的に目を覚ましてはいるが、如何せん効果は薄く昨日からは某翼を授けるカフェイン接種用ドリンクに頼っている。

 体育教師である権藤先生からは、

 

「見た目完全に社畜だぞ」

 

 と言われた挙句に仮眠室へ行くことすら勧められた。

 俺はその勧めに眠気眼を擦りながら答える。

 

「いえ、まだ仕事が残っているので・・・」

 

「まだ五月なのに七月の日程調整をするのはさすがに進み過ぎだからさすがに休め」

 

「なに言ってるんですか、もしも何かしらの問題が発生した時の為に先々まで考えておく方がいいでしょう・・・」

 

「だとしても詰め込み過ぎは体に毒だ」

 

 権藤先生はそう言ってテストプリント作成をしていたノートパソコンを勝手にパタリと閉じた。

 あっと思った時には帰りの支度が全て終わっていた。

 とてつもない早業に反応出来ず、思考が追いついた時にはもう机は綺麗さっぱりに片付けられている。

 権藤先生は見た目の厳つさに似合わ繊細な作業が得意らしく、こういった早業を時折しているのを横目で見てはいたが目の前でやられるとその速さに驚きしか浮かばない。

 

「ほれ、お前はさっさと帰れ。・・・・・・一応仮眠をとってからな。その状態での運転は危険すぎる」

 

「分かりました」

 

 俺は権藤先生がまとめた荷物を受け取るとゆっくりと立ち上がる。

 少し覚束ない足で職員室を出ると学校裏の駐車場を目指す。

 あまりにも視界がブレている。

 階段を降りる時も少し体勢が崩れて転びそうになってしまった。

 慌てて手すりを掴んで転落は避けられたものの、心臓が止まるかと思った。

 どうやら、思っている以上に意識が消えかけているらしい。

 フラフラとしながらもどうにか車まで到着すると崩れるように中へと入る。

 そして椅子を倒すと、アラームを設定して意識を落とす。

 人間は睡眠までに一〇分から二〇分ほど掛かるらしいのだが、俺が意識を落とすまでには数秒と掛からなかった。

 これは就寝ではなく気絶になるらしいのだが、俺はそんな事に思考を使う余裕などなく眠りに入るのだった。

 

 

 

  ▼▼▼▼

 

 

 

 ピピピ・・・と単調な音が鳴る。

 俺は再度落ちそうになる意識を無理矢理覚醒させて時間を確認する。

 時刻は深夜零時を過ぎており、駐車場には俺の車以外はなかった。

 それを認識すると、大きなあくびをしてからキーを回してエンジンを掛ける。

 シートベルトを付けてライトで前方を照らし、ギアをバックに入れると車の方向転換をして駐車場を後にした。

 この時間になると大通りであろうと車通りは少なくなり出歩くものはそうそういない。

 だが、こんな時間だからこそ油断していると重大な事故に繋がったりするモノだ。

 俺は眠気眼を擦りながら安全運転で賃貸マンションまで到着した。

 そうして部屋まで向かおうとした所で一階共有スペースに何故か設置されているベンチに誰かが座っているのが見えた。

 近づいてみると、その人物は懐かしく見知った人物でありそして誰よりも会いたくない存在でもあった。

 

「あら? こんな時間にお帰り? 教師ってのも大変なのね」

 

「今日は少し個人的な事で遅れただけで普段はもっと早く帰宅していますよ。・・・それで、何の用事ですか?」

 

「随分と他人行儀ね。私とアナタの仲じゃない」

 

「ええ。そうですね」

 

 この人物の名前は『望月(もちづき) 春実(はるみ)』。

 俺の幼少期からの知り合いであり、“彼女”の双子の姉に当たる存在だ。

 腰まである茶色く長い髪の内側を赤く染め、眼に赤いカラーコンタクトを入れる事で独特な雰囲気を放っている。

 服装は薄灰色の肩・へそ・胸の谷間部分だけが隠されていないハッキリ言って非合理的でこじゃれたワンピースに白いニーソ、赤いヒールという何ともどこかのパーティー帰りとも思えるモノだった。

 春実さんと会うのは数年ぶりであり、この住所を教えた記憶もなければ連絡を取った覚えもない。

 年賀状も高校卒業辺りから特定の悪友にしか出しておらず、そこに書いている住所は実家のモノで固定してあった。

 一体なぜ春実さんがココにいるのか分からず少し訝しんでいると、彼女は妖艶な笑みを浮かべながら言う。

 

「ねぇ、教師生活ってどんな感じなの?」

 

「まこと残念なことに特殊学級配属になったので貴女が聞きたい答えは返せませんよ」

 

「あらそう、それは残念」

 

 春実さんはそう答えると何故かその場でクルリと回転した。

 それにいったいどんな意味があるのかなんて分からないが、変に質問しても機嫌を損ねるだけなので何も言わない。

 

「春香から未来を奪っておいて結局は何もなせてないのね」

 

「そうですね。これでも自分なりに精一杯やっているんですが周りから雑務や汚れ仕事を押し付けられて毎度毎度貧乏くじを引かされる生活ですよ。やはり理想と現実は違うらしいです」

 

「ふ~ん・・・。その疲れで生気のない顔を見る限り嘘ではなさそうね。・・・・・・ま、良いわ。今日は私も色々あって疲れてるし、今回はこのぐらいにしといてあげる。また来るわね」

 

「では、その時までに引っ越しておきます」

 

 俺がそう返すと春実さんはクスリと笑った。

 

「逃がさないわよ。私が目の前に現れた理由を察せれないほど馬鹿ではないでしょ?」

 

「そうですね」

 

 彼女の言葉に俺はそう返事をした。

 その理由なんて最初から察しているし、それを止めようとも思わない。

 恨みというのは例え筋違いでも勘違いでも逆恨みであろうと先へ進む原動力になる。

 彼女を突き動かす原動力が俺への恨みなのだから、それをどうこうするつもりはない。

 俺の返事を聞いた春実さんは鼻歌交じりに俺の横を通り過ぎ去って行った。

 

 

 

 ▼▼▼▼

 

 

 

 俺はいつも通りの時間に起きると、いつものように準備を済ませて家を出る。

 そして愛車を見てついため息を吐いてしまった。

 春実さんは昔からどこか大人びていて何か問題が起きた時の解決方法も今思えば効率の良い方法ばかりであった。

 学業に関しても優秀で、俺なんかじゃ逆立ちしても勝てない存在。

 そんな彼女には致命的といえる欠点がある。

 それは、

 

「一〇円パンチって、昭和世代の子供かよ」

 

 あまりのしょぼさに俺はそう呟きながら軽くため息を吐いた。

 どんな壮大な復讐をするのかと思いきやいきなり期待を裏切ってくれる。

 ここで、何も知らない人たちなら子供のいたずらだと思うかもしれないが、俺には確信というより確実な証拠が目に入っていた。

 車につけられた傷はサインになっており、このサインは春実さんが昔から使っている物なのだ。

 やるのだとしたら足の付きそうにないようにやれよ、と思いながらも運転できなくなっている訳ではないし愛車と言っても長年使っているから愛着があるというだけで後々修理知ればいいだけの事なので別段気にすることもなく車に乗り込みエンジンを掛けた。

 流石の春実さんもエンジンに細工をすると言った事は無かったらしく、異常はなさそうである。

 まぁ、もしも細工がされていたとしても命を落としかねない改造はしないだろう。

 彼女なら、性格上長い間苦しめる方法を取るはずだ。

 俺はアクセルを踏み、車を発進させる。

 この時間であっても早めに出勤する社会人はちらほらと居て、大通りだと一部渋滞になっている所もある。

 普段はここまで混むことはそこまでなく、こうなるといつもより一〇分から一五定を組み立てていく。

 空は雲がほとんどない晴天であり、またいつも通りの日常の始まりを照らしていた。

 

 

 

 ▼▼▼▼

 

 

 

 給食も終わり午後の授業の時間になった。

 今日の五、六時間目は自習時間で、普段なら遅れている勉強内容を進めたり、少し応用勉強をさせたりしているのだが、今回は自習にした。

 三人に自習用のプリントを渡すと、俺は告げる。

 

「俺は少し『仮眠室』で横になっているから。何かあったらすぐに報告に来るように」

 

 そうして教室を出ると、東校舎二階にある『仮眠室』へと足を向ける。

 仮眠室は職員室の隣にもあるのだが、なぜか東校舎にも設置されており、部屋の中にはベッドが四つほど設置されている。

 なぜ四つだけなのか等いろいろ深く考えたいと所はあるが、今俺がすべきことは疑問を解消する事では無く、俺の中にある疑惑を確定させることである。

 俺は一つのベッドの上にある掛け布団を丸めると、朝の内に用意しておいたビニールテープで固定する。

 これは、ダミーだ。

 どうせ俺が寝ていると分かればアイツらは確実にここへ来るだろう。

 俺はダミーをベッドに寝かせるとその上に他の掛け布団を掛ける事で簡易的だがそこに人が寝ているかのように偽造して寝息を録音したボイスレコーダーを設置する。

 そうしてから、いつも持ち歩いているバッグから休日に買っておいた万能ロープを取り出すと、二本を編んで一本にして強度を上げると、次はそれを編んで丈夫な網にする。

 ガキの頃に手に入れた技術がこんな風に役に立つとは思っていなかった。

 

 幼少期、田舎に住んでいた頃によく悪友たちと山に罠を仕掛けたモノだ。

 誰が一番すごい罠を仕掛けられるかを競い合い、どんどんと過激で発見し辛い罠を作っていっていた。

 俺もその例に漏れず色々なモノを作った。

 特にロープを使った罠が得意で、酷い時はタコ糸を編んで強力なロープにして使ったりもした為にこういった事は得意なのだ。

 気付かれぬように仕掛けたり、二重三重のトラップにすることで確実に捕縛できるようにしたりと子供の常識に捕らわれない自由な発想で色々作ったモノである。

 昔取った杵柄、とはよく言ったモノで過去に経験した事は大人になっても役に立つことがある。

 ほら、今まさに役立ってる。

 

 そういえば、「山に世界最高の落とし穴掘ってくるわ」って言ってそのままになくなったチビ助(名前忘れた)はどうなったのだったか?

 大分昔の事なので一切思い出せない。

 夜になって大人が大騒ぎして、山に入って行った何人かが罠に引っかかった事でより被害が拡大し、そっちが大きな問題になったせいでチビ助の事が一切思い出せない。

 見つかったのか行方不明のままなのか、ハッキリとしない。

 今度旧友と会う予定があるからその時にでも聞いてみようか。

 等々と考えている間にトラップが完成し、俺はボイスレコーダーのスイッチを入れてから入り口側のベッドの下へと体を潜り込ませた。

 目線の低い子供だと奥のベッドの下はバレる可能性があるのだ。

 しばらくして五時間目終了を知らせるチャイムが鳴った。

 それが鳴り止んでから数分後、彼女らの話声と廊下を歩く音が近づいてくる。

 息をひそめて気配を消していると『仮眠室』の扉が開かれた。

 

「ね、ねぇ・・・やっぱり止めようよ。先生の顔を見てたでしょ? すごく疲れてたじゃん・・・・・・」

 

「疲れてるって事は多少何かしてもすぐには起きないって事よ☆ それに薬もあるんだし」

 

「そうですねぇ。それに、この日の為に簡単には解けない縛り方を練習してましたもんね。・・・それで自分で試して酷い事にも・・・・・・くすっ」

 

「それは言わないでよォ~~」

 

 いや、流石に声が大きい。

 俺はガックリと項垂れ、軽く小さくため息を吐く。

 いくら疲れて寝ていたとしてもこれだけ大きな声で話していればいくら何でも起きる。

 予想が当たっていたことに驚きはなく、やっぱりそうかという感想しか出てこない。

 最近やけに眠かった事に対しコイツらが薬を盛っているのではないかという漠然とした予想があったのだが、今それが確定した。

 信じたい気持ちがなかったわけではないが、それでも今までの経験から信じられそうにはなかった。

 しばらく観察していると桃知たちはゆっくりとダミー人形へと近づいてゆく。

 

「スヤスヤと寝てるねぇ」

 

「そうですね。あと少しで・・・・・・ふふっ」

 

「・・・・・・むぅ~」

 

 そんな会話をしている三人を俺は観察する。

 目線が低い為に事情を知らない者が見たら通報案件な角度になっているが今は置いておく。

 桃知は何か不気味な笑い声を出しながら指をうねうねと動かしている。

 そして、ダミー人形に飛びついた瞬間、トラップが発動した。

 人形に軽く括っていたロープが外れ、大きな網が俺の隠れているベッドから飛び出して三人を絡め捕った。

 独特の編み方によって作られた網は人体に簡単に絡まり動きを封じる。

 

 昔に比べたらやはり腕が鈍っており絡まりが甘いが、子ども相手ならあれで十分だろう。

 ちなみに、コレは藻掻けば藻掻くほどより絡まるようになっている。

 ガキの頃の柔軟な発想によって偶然作られた方法は、悪友たちは真似できず俺だけの技術だった。

 つまり、これは俺の努力の結晶であり強く自信を持てるモノなのだ。

 

「ちょぉ、何!? 何なのぉぉおおお!!!?」

 

「もしかしたらバレてたのかもしれませんねぇ」

 

「ふぇぇ・・・」

 

「ハァ・・・・・・。オマエらは、おとなしくしておくという事が出来ないのか?」

 

 俺がそう言うと三人は同時に俺の方へ視線を向けた。

 桃知は相当藻掻いていたらしく雁字搦めになっていたが、早川と暗視は下手に動いていなかったからか特に絡まってはいなかった。

 

「さて、俺に何か言う事はあるか??」

 

 もしもマンガみたいに表現するならば俺の体からはどす黒いオーラが発せられているだろう。

 それだけキレている。

 

「えっと、あの、その・・・・・・ごめんなさい」

 

「よし」

 

 俺はそう前置きしてから言う。

 

「今すぐその縄解いてやるからそこに正座しろ」

 

 

 

 

 そうして、俺は三人を相手に放課後まで説教をしたのだった。

 さすがに喉が痛くなった。

 




【次回予告(嘘)】

オッス、オラ チビ助。
うわー、アイツこんな大変な目に合いながら生活してるんか。
メスガキ相手にするんはもう『理解(わか)らせ棒』を使った方がええぞ。
というか早く使わないと最悪の場合タイトル詐欺だ!

次回、『運動会の前触れ』!
ベッドの上でレッツ運動☆




[注意:この次回予告は完全なるネタでありベッドの上で運動会の予定はありません]
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