※この作品はR-18です。

【三次】 みほエリを見たかった俺はこの先生きのこれるのだろうか?   作:米ビーバー

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激闘の末に黒森峰(シュバルスシルト)に勝てなかった聖グロは、プラウダ(アラスカ)へ向け進路を取る。

しかし疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。

後輩をかばいすべての責任を負った天翔エミに対し、

車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは・・・。





    < う そ で す >


PHASE-22 紅に染まるエミ

 

 空母アークロイヤルをモチーフとした学園艦【聖グロリアーナ学園艦】は本日も日々是良好。ゆったりと流れる午後の風景を背に紅茶を傾け、いつもよりずっと静かな紅茶の園で執務を早々と終えて席を立つ。

 

「……あら?お帰りですかダージリン様?」

 

 紅茶の園に出入りできるようになった新入生に「ええ、ごきげんよう」と返してさっさと帰っていく。英国風の建造物の間をすり抜けるように足早に、然し淑女然としてドタドタと足音と埃を立てぬよう。

 

グロリアーナ学院からそれほど離れていない場所にある学生寮の一室。自分に宛がわれているそこに、ノックを2回。反応がないことに一旦嘆息してドアを開ける。

 

 

「……戻りましたわよ?お加減は、よろしくて?」

「―――これが大丈夫に見えるか?」

 

 

 ベッドの上で、掛布団に包まるようにして―――血色を失ったような青白い顔で天翔エミがこちらを睨みつけていた。視線に人を射殺す機能があるとしたら、その視線だけで2~3人くらい死者が出ているかもしれない。

 

「……檸檬などのフルーツ類と、いくつか鉄分の足しになりそうなものを買ってきておりますけれど?」

「―――恩に着る」

 

短くそう言って布団に潜り込む彼女の姿を見て肩を竦めて嘆息していた。素直でないにも程度がある。などと思いながら。

 

 

 

 

> Emi

 

 エミカスは転生TSガルパンおじさんである。

 

 エミカスはこの世界に転生した際TSし、美少女となった。

 

 故にエミカスには乙女というものがわからぬ。元を正せばエミカスはガルパンおじさんであった。みほエリを妄想し、独り遊びで暮らしてきた。けれども解釈違いには人一倍敏感であった。

 

 

 ―――俺という存在が世界にPOPしてから早13年になるわけであるが……

 

当然、俺もいっぱしの大人(?)だった記憶が存在する以上、保健体育等で知識の上でのみではあるが“そう言ったものが存在すること”だけは知っていた。

 

 世の女性の皆様、本当に申し訳ございません。(五体投地)

 

もうね、舐めてかかってました。「言うてそんな大したもんじゃないやろwwwwwm9(^Д^)プギャー」くらいの気持ちでいたし、何なら「元ガルパンおじさん=♂やし?12年生きてきて一回もそういうの無かったし?原作でもそういうシーンなかったし大丈夫やろwww」って思ってました。

 

 

 

 

 

 ―――いやーほんとキッツいッスわ……【生理痛】

 

 

 世の女性たちは毎月毎月の痛みと血と気分の悪さに耐えて生きているとかすげーな人類って思った件。実際はダージリンからの証言により俺が普通よりだいぶ重い症状で普通の世の女性たちってのはここまで酷い症状になることは稀らしい。悲しいね、バナージ。

 

 聖グロリアーナ女学院で寮生活始めて数か月。中等部一年目の大会が終わった後のある日。「そろそろ寄港だし、帰省を視野に~」なんてダージリン(仮)が部屋で言っていた当時―――唐突に、“それ”はやってきた。

 

 激痛と称しても良い下腹部の疼き。腹痛=便意かとトイレに入るも朝からの気分の乱下降でテンションはダダ下がり、身体のだるさも相まってメンタルが割かしボロボロもボロボロの状況で―――

 

 

 ―――力んだタイミングで下っ腹に走る痛みで思わずトイレから腰上げた時に便器に残る赤茶けた血液である。

 

 

 もうね。声上げたね。松田〇作ばりに

 

「なんじゃこりゃああああああ!!!!」 って(Gパン感)

 

 その当時のことは本当に混乱しまくっていてよく覚えてないが、

「俺はまだ何も成してない」「死ぬわけには行かない」「まだこれからなんだ」

とか訳の分からないことをうわごとのように呟いていた。と俺を助け出した女生徒―――ダージリン(仮)は語っている。

 

 

 ええ、はい。多少とはいえ流血&朝から低血圧モードの状態で用を足した直後に血を見て大音量で声を上げたことで瞬間的に血の気が巡ったことでレッドアウト起こしてトイレ一体型のユニットバスのヘリに寄り掛かってパンツレスでぶっ倒れていたそうです。

 

 きがつくとぼくはりょうのへやのべっどのうえにいました。

 

 

 ******* > E to D

 

 

 「―――なんじゃこりゃあああああああああああ!!!!!?」

 

 

 学生寮のフロア1棟全体に響きそうなほどの大音量が聞こえた時、私はまだベッドの上でした。すやすやと安眠していたところに唐突にあがった叫び声で強制覚醒された私が目にしたのは、青白い顔で各部屋備え付けのユニットバスにもたれかかるようにぐったりと倒れている天翔エミの姿でした。その姿がまるでドラマなどの愁嘆場で目にする【バスタブに身を預けリストカットをした姿】に酷似していたこと、ユニットバスの狭い空間にツンと臭う鉄錆染みた濃厚な血の匂いと、地面に水滴のように残る濃い血の痕――――まるでパズルのピースを後から誂えたように寸分なくパチリと嵌っていく状況痕跡に

 

 

「―――天翔さん!?」

 

 

 うすぼんやりとしていた意識は一瞬で覚醒して、反射的に駆け寄って抱き起こしていた。寝起きのままのためか水分の足りない顔で、力なくぐったりとしている身体は軽く、血の気を失った顔色のまま唇をパクパクと動かしうわごとのように呟いていた。

 

「―――ねない―――ぁだ、ぃねない……まだ……こ、から……」

 

 

 思わず半狂乱で「誰か!助けてください!!」と寮内に響く勢いで叫び声を上げたのは間違ってないと信じたい。それはそれとして盛大に大恥をかく羽目になり、しばらくの間外を歩くたびに生暖かい目で見られることになったのは生涯恨み続ける所存ですけれど!!

 

 

 

 *******

 

 

 

「これまで兆候もなかったんですの?」

「―――なかったなぁ……いや本当……きっついわこれ……」

 

 ベッドに横になって擦り下ろした林檎をスプーンですくって口元に運んでいる天翔エミにそんな風に声をかけると力なく返答が返ってくる。彼女らしからぬ力の無い弱弱しい声色はその幼い体躯と童顔から庇護欲を掻き立ててくるのだから始末が悪い。普段の言動を知っているからこそよりそのギャップから不心得者が見ればよからぬ心を呼び覚ましてしまいそのまま……という想定が有り余るほどあり得る未来予想図から彼女の醜態を見せる人数を限られたものに絞ることをこの時点で試案していた。

 

 結論として天翔エミのこのザマ(・・)を見ることが叶ったのは当時彼女の身の回りの世話をしていた後のオレンジペコと、彼女の今後を考えるうえで外せなかったアッサムと、当初巻き込むつもりはなかったが、こちらのブロックをものともせず、我関せずで無遠慮に突撃してきたアールグレイ様のみにとどまった。

 

 

 アッサムから見ても、天翔エミの生理は「重い」ものに当たるらしい。

 

これは由々しき事態と言える。女性として生まれたからには生理痛とは無縁ではいられないとは言え、その症状で動けないほどになると―――戦車道にとっては致命的だと言える。特に彼女の体重と体型では、生理の際の「重さ」が増すことで出血量が増加しでもしたら最悪生命にかかわるレベルの貧血を起こす可能性があった。

 

 天翔エミから口頭で聞き出した症状としては

 

・腹部に痛烈な痛み。立って歩くことすら困難。腰部も痛むため背を伸ばすのも辛い。

・断続的にズキンズキンと頭痛が続いている。そのせいか吐き気が酷い。

・全体的に気分が気だるい。貧血症状なのだろうが眩暈と思考能力の低下により何もしたくないという気分になっている

 

 ほぼ生理における症状の満漢全席。配牌ダブル役満という状況に軽く頭を抱えざるを得ない。折角の戦力、しかも彼女の力は一騎当千に相当する。それが試合に使えないというのは明確な戦力低下につながる。しかもそれが事前の兆候なく突然に起こるハプニングイベント状態。指揮官なら頭が痛い問題だろう。

 

 

 

 

「よって、貴女の生理周期を完全に把握する必要があります。毎日の体温チェックは必須。そのデータをアッサムと私に提出なさい」

「―――なんで?」

 

 

 生理通がおさまった三日後にそう提言した私に非常に嫌そうな顔でそう返してきた彼女に滾々と生理について説明しなければならなかったことが顔から火が出るほど恥ずかしかったと述懐して置く。ニルギリや他の紅茶の園のメンバーを使うことができないため、大型図書館で生理についての本を山積みにして深く読み進めている姿を誰にも見られていないことを祈りながら情報を集めていた私の気持ちがわかりまして?誰のせいであんな恥ずかしい姿を衆目に晒す危険を冒したと思ってますの?

 

 

 

 いえ貴女のためじゃありませんけれど!!貴方のせいじゃありませんけれど!!すべては聖グロリアーナの未来の栄光のため!私の勝利のためですけど!!

 

 

 

  ********   > D to E

 

 

 

 〇〇月××日

 

 『はじめてのせいりつう』イベントの後マジで死ぬかと思う程の不調が月一でやって来ると聞いて軽く絶望していた俺のとこにダージリンがやって来て

「生理周期を把握しないといけないから毎日体温を測って提出しろ」と言われた。なんで?

 いや言わんとしてることはわかる。大事な戦車道の試合の時に生理痛で動けないとかシャレにならんよなって話よな?でも事前に分かったところでどうにもならんくね?と思ったが、どうやら生理周期って薬とかで多少前後させることができるらしく、試合当日に被った場合それを薬で後日にずらして試合に出場できるようにすることができるらしい。

ただしそのためにはきちんと生理周期を把握している必要があるらしく、そのためデータ人間のアッサムによる徹底管理で生理周期を把握して適宜薬の申請を行って服用しないといけないそうな。めんどくさいねバナージ。

 

 

 こうして俺は生理周期をダージリンに把握され、管理され、毎度の生理の度に介護を受けることになった。(胃袋にスリップダメージと毎回PPに累積アップキープが加算された!)

 

 

 

―――後に、俺こと天翔エミが初潮の流血で気絶し失神、その様子を見て絶叫して錯乱したダージリンの様子が語り継がれ、『生理の渦中で哀を叫ぶ事件』。略して「生渦中(せかちゅう)」と呼ばれ聖グロの伝統を記した事件のひとつに数えられていることを俺は死ぬまで知らなかった。

 





***** ↓今回の話を書くきっかけ↓ *****

ビーバー「エミってTSガルパンおじさんですけど、生理ってどうなってるんですか?」

本家様「重いです。ものっそい重いです。でも表には出しません。家に帰って悶絶してます。なんてことだ!俺は別に考えてなかったのに米ビーバーさんの質問によりエミがひどいことに!」

ビーバー「えぇ……?(滝汗」


次回更新(お相手)

  • ダージリン
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  • アッサム
  • 舎弟ヒップ
  • パイセン
  • 本編やって、やくめでしょ?
  • 聖グロ以外の学園艦
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