※この作品はR-18です。

光源氏シリーズ   作:夢枕 七変化

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むり(光源氏16)※

 体が、色々な意味で悲鳴を上げている。それでも辞めてと言う事は出来なくて、嫌だなんてもっと言えなくて……。

 目の前にある私を追い込んでいる筈の温もりに、私は愚かにも縋るように手を伸ばす。追い込んでいる相手が、唯一私を解放できる相手でもあるから。

 もう、許して……と何度口にしたか分からない。それでも終わる事の無い快楽地獄の中で、必死になって喘ぐように言葉を紡ぐ。

 

 「テゾーロ、も……むり……」

 「何を馬鹿な事を……まだ2回目だろ」

 

 呆れたような声で言われるけど、いつもなら数日空けてくれるのに珍しく連日連夜続いているのだから、今のだけで計算しないでほしい。私は普通の民間人なのだから、体格差もあり余裕なんてある筈も無い。

 

 「んぁっ……テゾーロの、おっき……か、ら……苦し、の……」

 「…………それ、天然で言ってんのか?怖い奴だな」

 

 テゾーロはそう言うと、中にある熱い楔を膨張させるから私はそこから何も考える事が出来なくなる。私の言動は男を煽るのだとテゾーロは言うけど、それは違うと心から思う。

 単純にテゾーロが、疲労から溜まってる欲望を発散したくなってるだけなんだと、本気で思う。それを言ったら私の中に入れる事なく私だけを高めて、泣こうが何しようが許してもらえない快楽地獄に落とされた事があり、2度と口にはしないと誓ったけど。

 あれはつらかった。テゾーロは間違いなくサドだ。

 

 「……何を、考えている?」

 「んっ……テゾーロの、こと」

 「……ナミは、どうしてそう……」

 

 言葉を不自然に止めたテゾーロが、私の中を埋め尽くしている熱い楔を大きくさせたから、私はその刺激で悲鳴のようなものを響かせる。それに気を良くしたのか、テゾーロは私の中を掻き回すから何かを考える余裕も無くして、テゾーロに縋るようにしがみついた。

 

 「んぁっ!テゾ……ロ、もっ……むりっ」

 「ここからが本番だ、馬鹿ナミっ!」

 

 普段から3日とあけずに抱かれているけど、それでも基本的には数日の間を置いてくれているのは私の事を気遣っているのだと知っているから、私も文句の1つさえ言えはしない。だけど……こんなハードな生活を16歳でする事になるとは、考えても見なかった。

 ただ、それでも私は幸せだと思える。激し過ぎて体が追い付かないけど、間違いなく私は深く愛してもらっているもの。

 意識が飛んで、再び意識を浮上させた時には全て綺麗に整えられていて、私が意識を取り戻したのに気付いたテゾーロが苦笑しつつ、背中を支えるように起こしてくれる。それから口元にグラスをあてがうから、栄養剤入りだろうそれを口にする。

 味が蜜柑ベースなのは私への気遣いだと分かるから、感謝しつつそれを嚥下する。グラスの中身を飲み終えるまで、テゾーロは体を支え続けてくれて、すなわち飲み干せと言われてる訳で……。

 

 「も、むり」

 「……諦めるな。飲んどけ」

 「んっ……」

 「…………いちいち、エロい奴だな」

 

 何を言われてるのか全く理解出来ずにテゾーロに視線を向ければ、小さく俺の育て方に問題があったか?なんて言われる。でも、多分問題はあったと思う。

 14歳の時から性的な事を毎日されて育ったわけだし、その癖私を性奴隷としてでは無く本気で恋人として愛してくれてるのだから、嬉しいし感謝してるけど問題は大有りだと。……光の君とテゾーロってきっと仲良くなれると思うわなんて、紫式部が書いた事で有名なそれを思い浮かべる。

 個人的にはとりかえばやの方が好きだけど、現状を鑑みるとそんな阿呆な事を言っても何も解決しない。何とか水を飲みきると、優しくベッドに寝かせてくれるテゾーロに、掠れた声でありがとうと言えば頭を優しく撫でられた。

 

 「……少しは抵抗しろ。そのうちやり殺しそうだ」

 「抵抗してる、つもりなんだけど?」

 「ナミのそれは、煽ってるって言うんだ。覚えておけ」

 

 いつも言われるそれに、本気で無理だと思うから素直に抵抗してるのになぁと思う。それからテゾーロが私を抱きしめて寝るから、私もまたその温もりにホッとしつつ体の力を抜く。

 翌日にどんな事が待っているのかを、私もテゾーロも知らないままに、いつものように深く眠りに落ちて行った。暫くの後、私が目覚めた時にはテゾーロはまだ眠っていて、その額に軽いキスをしてから腕を抜け出す。

 今日は舞台の予定は無いからと案内人としての衣装を着て、その上からエプロンを身につけつつ部屋にある小さなキッチンへ向かう。連絡1つですぐに食事が運ばれてくるのはわかってるけど、見えないところで誰かも分からない人が作った物は食べられないのだから仕方ない。

 パンがあるのを見てクロックムッシュを作る事にすれば、焼けるまでの間に野菜スープを作り、ついでに目玉焼きを用意する。お皿に半分に切ったクロックムッシュと目玉焼きを乗せて、ちょっとした温野菜サラダを添えれば、後はスープをカップに入れるだけとなる。

 ここでテゾーロには珈琲を、自分用にはペパーミントティーを用意した。まだ眠気が何となく取れないから、眠気覚ましに丁度良い。

 テーブルにそれらを運べばテゾーロがそのタイミングで起きてきたので、笑顔でご飯出来たわよと言えば何故か楽しそうに笑われる。毎朝のこれが、テゾーロには楽しいらしい。

 

 「美味そうだな」

 「そう言って貰えると、作った甲斐があるわ。でも、私の作る物じゃなくて、テゾーロはちゃんとプロの作った物を食べてもいいのよ?」

 「……ナミの手料理は、優しい味がするから気にしなくて構わねェよ」

 

 こう言ってテゾーロは笑うから、私もそれ以上は言わない。いただきますと呟いて食事をしてから、いつものようにテゾーロと今日の客目に目を通していく。

 その時、表が騒がしくなり不安になってテゾーロを見るとすぐに確認を取ってくれた。それから、少し考える様子を見せてから私に案内人をやるように言って来た。

 

 「今回は陥れなくていい。普通に案内して、明日にでも帰って貰え」

 「珍しいわね。手を出すと危ない相手なの?」

 「あァ、だが……女に危害を加える質では無い筈だから、任せる」

 

 その言葉にホッとして私は頷いた。それからテゾーロに手渡されたその海賊団の資料を手に、入口まで車に乗って移動する。

 テゾーロはあれで意外と忙しいので、今日は裏のお仕事なんだろうなと思いながら、車の中で資料を開いて……固まってしまう。だってそこには〝赤髪海賊団〟と、記載されていたから。

 私は車が止まると震えそうになる体を強く抱き締めて、それから深呼吸を繰り返す。漸く落ち着いた時、立ち上がった私は案内人の顔を作る事を諦めた。

 どだい無理な話なのだ。シャンクスとベックが船から降りてくるのを見て、そう確信する。

 シャンクスとベックもまた、私の姿を見て、まさかと小さく呟いているのがわかった。私はその場で動かずに笑顔を向けて、優雅にお辞儀してみせる。

 それを見ながら赤髪海賊団の面々は、船を降りて私の前まで歩いて来る。ある程度の人達が揃ったのを感じて顔を上げると、私は微笑みを浮かべて言葉を口にした。

 

 「ようこそおいで下さりました。赤髪海賊団の皆様。私、VIP専属コンシェルジュナミと申します」

 「……ナミ、なのか。本当に」

 

 シャンクスの声が微かに震えているのが分かり、私は営業スマイルから普通の笑顔に切り替えて頷く。涙が出そうになるのだけは、根性で抑えたけれど。

 

 「久しぶり、会いたかったわ!シャンクス、ベック、皆!」

 

 言いながらシャンクスに飛び付いてそのまま抱きつけば、躊躇う事なく抱き締め返してくれる。その身長差が随分と減った事に違和感を感じるのは、いつもが自分の倍の身長の人と共に居るからだろうか。

 

 「何があって、こんな所に……」

 「シャンクス達と別れてから今までの事、話した方がいい?」

 

 シャンクスに抱き着いたまま顔を上げてその瞳と視線を絡める為に見上げれば、シャンクスができるならと言うので笑って頷く。それから車に案内して、車の説明をしつつ車に乗って貰った。

 それから移動する車内で観光案内をしながら、大まかにここに至るまでの事を話せば、シャンクスの眉間に皺が寄った。その眉間の皺を見ていたら、言葉が向けられる。

 

 

 「あのな、ナミ。ここは16歳の子供が働くような所じゃ……「14歳の時から働いてるわよ?」」

 「オーナーは、何を考えて……」

 

 シャンクスは苛立たしげにそう言うけど、私はそれに対して小さく笑って首を横に振る。だって、強要されてる訳じゃないもの。

 

 「私がテゾーロにお願いしたのよ。働かせてって。私が言わなければ、望まなければ、多分テゾーロは私の事を真綿で包むように大切に守ってくれるわ」

 「って事は、やっぱりここから発信されてる新曲は、全てナミが作ってたか」

 「えぇ、少しでも助けてもらった恩返しがしたくて……それに」

 

 テゾーロの事が好きだから、どんな形でも良いから役に立ちたかった。テゾーロが望むような事の大半を、私は出来ないから。

 陥れたり、傷つけたりする事は出来ないから、せめて……。そう思って黙った私に、ベックが心配そうに言葉を向けて来た。

 

 「オーナーはナミを大切にしてくれてるか?」

 

 私は笑顔でベックへと振り向く。そして頷けば、溜息を落としつつ何故か優しく抱き寄せられた。

 

 「そのオーナーに、挨拶しておきたいが、会えるか?」

 「テゾーロに?聞いてみるわ。なんか、今朝の様子では忙しそうだったのよね……」

 

 多分裏のお仕事で。今日はショーの予定無いもの。

 全長10キロにも及ぶ、グランテゾーロ。ここには、娯楽に関して無いものは無いとされている。

 ホテルも最高級の物しか存在せず、ショッピングモールも1流の物だけを取り揃えているし、プール、水族館、劇場にゴルフ場も完備されている。世界政府にも手を出させない為にと、定期的に恐ろしいような額を献上する事で、独立国家となったのはつい先日の事。

 そのお陰で海軍も海賊も同じ扱いとなり、このグランテゾーロでは1切捕縛される事は無い。だから私はそれをシャンクス達に伝えながら、皆が望むカジノへと案内する事となった。

 カジノに到着すると、何故かテゾーロが待っていて、その表情はどうしてか引き攣っている。何かあったのかとシャンクス達に断りを入れてテゾーロの元へ向かおうとしたらシャンクスに腰を抱かれて、背後から抱き締められた。

 

 「……お客様、うちの従業員が何か致しましたか?」

 「いや……気に入ったから、今晩貸して貰いてェと思ってな」

 「申し訳ありませんが、そういった事は受け付けておりません。それ用の者は別におりますので、その中からお選び頂けますか?」

 

 シャンクスの巫山戯てるとしか思えない言葉に、テゾーロは間髪入れずに断りを入れてくれてそれに少しホッとするけど……。それ用の者って、そんなのいるの?

 テゾーロに視線を向けると、テゾーロが私を見て視線で大人しくしてろと言うから、それに私は首を横に振る事で答える。だって、戦って欲しくない。

 

 「シャンクス、冗談は辞めて。テゾーロ、大丈夫よ。シャンクスは私の師匠で、ベック達はお兄ちゃんみたいなものだから」

 「ナミ、少なくともそちらの船長殿は本気の様子だぞ」

 「テゾーロ?」

 

 よく分からなくて首を傾げた時、背後から抱きしめていたシャンクスが私の項に吸い付いて来た。それに体が勝手に反応する。

 何が起きているのか分からない驚きと、戸惑いとで混乱しつつも漸く抵抗を始めた。そんな私の眼に映ったのは、これまでに1度も見た事が無い獣のような眼差しのシャンクスで。

 

 「……シャンクス?」

 「言ってなかったか?俺達はナミを迎えに来たんだ。とりあえず今夜は、俺の腕の中にいろ」

 

 その瞬間ゾクリと背筋に冷たいものが走り、大好きなシャンクスなのに……その安心できる筈の温もりが今はただ、怖い。咄嗟に首をふりながら言葉を口にする位しか、出来はしないけど。

 

 「や……やだ!シャンクス、冗談は……「ナミに触れるな」」

 

 テゾーロの声が私の声と重なり、迷う事無くシャンクスに攻撃を仕掛けるテゾーロと、それを軽く躱して見せるシャンクス。私は必死で抵抗するけど、シャンクスの腕は私を離してはくれない。

 それどころかシャンクスはテゾーロに見せ付けるように、私の唇に自らのそれを重ねて、嫌がる私の口内を蹂躙する。激しくも官能的なそれに、私は嫌だと首を横に振ろうとするけど、それさえも許されない。

 

 「ンンっ……ゃ……テゾ……たす、け……」

 

 その時シャンクスの足が金に変わり、シャンクスは驚いた様子で私から唇を離す。そして、揶揄うようにテゾーロへと視線を向ける。

 

 「1晩で構わねェから、貸せよ。そこから先は、ナミが自らの意思で俺を選ぶだけだ」

 「巫山戯るな。ナミは、俺の女だ!」

 「シャンクス、もうやだ!テゾーロッ!」

 

 その時1発の銃声が響いて、視線を向ければヤソップが呆れた様子で私達を見ていた。それからゆっくりとシャンクスに近付いてくると、思いっきりシャンクスを殴り飛ばして私をその腕から解放してくれる。

 

 「ナミを虐めるな!ったく……」

 「ヤソップ……」

 

 思わず縋るようにしがみつけばヤソップが頭を優しく撫でてくれて、それからテゾーロに私を返してくれた。迷う事も躊躇う事も無く私を受け取ったテゾーロは、私を片手で抱き締めつつも隙なくシャンクスへとその視線を定めている。

 

 「今のはお頭が悪いな。オーナーさん、悪かった。ナミを……大切にしてやってくれ」

 

 ベックの言葉に、テゾーロは忌々しいと言わんばかりの声で言葉を返す。その声にさえ、泣きそうな位安心してしまう私は、何処かおかしいのだろうか。

 

 「……言われるまでもねェよ。っとに、厄介なのにばかり好かれやがって」

 「テゾーロ……」

 

 微かに身体が震えるのは、シャンクスの先程の言葉の大半が演技だとしても、僅かではない本気を感じ取ってしまったから。それでもテゾーロはそんな私を見て、耳元で囁くように言葉を落とす。

 

 「今夜は、覚悟しとけ」

 「なっ……ん、で?」

 

 私、悪くなかったよね!?

 そう思って見ていたら、能力を使わなかっただろうと囁かれてしまう。でも、だって、相手はシャンクスで……。

 そう思って俯けば、テゾーロはわかったなと追い打ちを掛けてきて、抵抗する事が許されなくなる。そんな私とテゾーロを見て、シャンクスは聞こえよがしに溜息を落とす。

 

 「……ナミ、その男で本当に良いのか?」

 「私は……」

 

 テゾーロの腕の中でシャンクスに視線を向ける。それだけでテゾーロが不愉快そうになるのが分かるけど、答えないとなんか、戦いになりそうな気がして私はテゾーロのそれを無視してシャンクスに答える。

 

 「私が、テゾーロを好きなのよ。テゾーロじゃなきゃ、嫌なの」

 

 私の言葉にシャンクスは嫌そうに顔を歪めてから、なら仕方ねェかと呟いて立ち上がった。どうやってテゾーロの金から解放されたのかは知らないけど、シャンクスが無傷な様子でそれに微かにホッとしてる自分がいる。

 

 「……テゾーロだったな」

 「あァ……」

 「うちの弟子で、妹分だ。泣かせるなよ」

 「……妹なら、手を出すな。〝お兄ちゃん〟なんだろ」

 「嫌味な奴だな。まァいい。結婚式には呼べよ!」

 

 シャンクスはそう言ってから、この先は案内はいらねェと言う。適当に遊んで帰るから、気にするなと。

 それに対してホテルだけは用意してやると返したテゾーロは、何故かシャンクスの言った結婚式と言う単語は聞こえなかったかのように黙殺した。

 多分そんな事を欠片も考えていないからだろうと分かっているので、それは良いけど……なんだってシャンクスはあんな暴挙に出たのか。師匠として、心配してくれていたからだろうか。

 

 「……それも、考慮に入れとくか」

 「え?なに?」

 

 テゾーロの突然の言葉に理解が追い付かなくて問い掛けるけど、テゾーロは何も答えずに私を部屋に運び込む。それからタナカさんを呼ぶと、スケジュールの変更について話を始めたので、シャンクス達の為かなと考える。

 確かに四皇を敵に回すのは得策じゃないから、穏便に済ませたいのだろうと分かる。だから大人しくそのやり取りを見ていたのに、テゾーロはタナカさんが退出すると私に冷たい視線を向けて来た。

 

 「脱げ」

 「テゾーロ?」

 「聞こえなかったか?脱げと言ったんだ」

 

 戸惑う私にテゾーロは逃げる事は許さないとその視線で言うから、私はテゾーロに見られながら震える手で自ら衣服を脱いで行く。それに対してテゾーロは特に反応を示さない。

 下着姿になった私にテゾーロは漸く口を開いた。

 

 「全て脱げ。……流石に今回は、少しこたえた」

 

 疲れ果てた様子のテゾーロに、私は逆らう気持ちも羞恥心も消え失せて、素直に産まれたままの姿になると自らソファに座るテゾーロを抱き締める為に歩み寄る。勿論、手袋だけは外さないけど。

 

 「テゾーロ……大好き。ごめんなさい、迷惑かけて」

 「……ナミが悪い訳じゃねェ事は、分かってるんだがな。それでも、ナミが身内枠に入れてる相手に懐く姿は、見ていて気分のいいもんじゃねェよ」

 「テゾーロ?」

 「映像電伝虫で、ナミの様子は見守ってる。常にな」

 

 成程、だからいつも何かあるとすぐにテゾーロが姿を見せてくれてたのか。そう納得するのと同時に、情けなくなる。

 役立ちたいと思ってるのに、いつも心配かけてると分かってしまうから。そんな気持ちを押し隠してテゾーロを抱き締めれば、テゾーロが突然私の足を掴んだ。

 驚いてる間に、前座も無しにテゾーロを宛てがわれて流石にそれはと身を引くけど、テゾーロはそれを許してはくれない。だから私はテゾーロの首に抱き着いて、せめて情けない悲鳴だけは抑えようと心に誓う。

 その直後にテゾーロが私を自らの上に下ろす形で侵入して来るから、その圧迫感と濡れてない為に来る痛みに耐える。それでも、慣らされてる体は次第に快楽を拾い始めて、勝手に痛みを軽減してしまう。

 入口付近だけで私を翻弄するテゾーロに、声も息も殺していたら突然そろそろ良いかなんて言葉と共に両足を持ち上げられてしまう。それによりバランスを崩した私は重力で身体が落とされ、1気に奥まで貫かれる形となる。

 明らかに嬌声ではなく悲鳴としか聞こえないそれを発しながら、体を弓なりに反らす事しか出来ない。隙間なく密着しているのが嫌でもわかり、呼吸さえままならない。

 それなのにテゾーロはその状態で私の腰を抱くと、突然立ち上がって移動を開始する。

 

 「やっ……ぁ!テゾッ……アァッ」

 

 痛みなのか快楽なのか分からないそれに耐えるようにテゾーロの首にしがみつく私に、テゾーロは無言のまま部屋を歩き移動する。その歩く振動で動く振動で中は掻き乱され、際限なく突き上げられて……淫らな声が室内に響く。

 

 「……俺以外に、自ら抱き着いた罰だ」

 「あっ……ゆる、し……きゃァ!」

 「このまま赤髪に用意した部屋まで、連れて行ってやろうか?」

 「んァ……やだ、ごめっなさ……も、ゆるし……ヒッゃァー……ぁ!も、むりィー……」

 

 テゾーロはいくら謝っても許してくれなくて、遠回りしながらソファからベッドへと私を運んで行く。その僅かな距離で1体何度私は達せられたのか。

 痙攣を繰り返す私に、その最中でさえ歩みを止めてくれないから既に何が起きているのかさえ、私には理解が出来なくなる。ベッドに到着してからは、これまでのそれが全て随分と手加減されていたのだと言う事を、嫌という程に思い知らされる事となった。

 喘ぎと嬌声と悲鳴、そして僅かな哀願以外を私は発する事が出来ずに、テゾーロの怒りと悲しみか昇華されるまで意識を何度飛ばそうとも無理に覚醒させられる。朝も夜も無く抱かれ続ける。

 声が全く出なくなっても続くそれにより、私が衰弱すると無理矢理薬で持って回復させられてまで続けられている。それは、既に愛の営みでは無く拷問だと思う程に苛烈。

 なのに、抵抗しようなんて気持ちにならない時点で私も相当狂ってると思わされる。そんな私にテゾーロは、時折優しく微笑むから……私は音にならない声で愛を紡ぐ事で応える他何が出来るだろうか。

 愛してる……テゾーロ。だから……そんなに悲しまないで。

 そんな私の唇の動きを見たテゾーロは、泣きそうな顔で私を見てから馬鹿な奴だと呟いた。それが捨て犬のような弱々しさを醸し出していたから、精一杯の想いをこめてテゾーロを抱き締めたのだった。

 この時テゾーロの中でどんな考えがあったのかは知らない。けど、テゾーロはこの日から半年程、私を部屋から1歩も出してはくれなくなった。

 ただ、テゾーロに抱かれるだけの半年にいったい何の意味があったのか、私には全く分からない。テゾーロは、その間可能な限り私の傍を離れなかったから、それが何処か幸せにさえ感じていたのは確かな事。

 それでも執筆や作曲はさせてくれたし、必要な物も揃えてくれていたから、何か理由があったのだろうと今でも信じている。そして、身体が悲鳴を上げていた他には、問題だと思えなかった私は、きっと少し狂ってるんだろうなと小さな笑みが浮かんだ。

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