どうやって俺達に手紙を出していたのかと聞いた初回、ナミは〝ニュースクーに運んで貰った〟と答えた。……確かに、嘘では無いがねぃ?
つまり、送付手段ではなく情報を得た手段を知りたかった俺としては、脱力したのもわかって欲しい。それでも、隠すつもりでの発言ではないとわかっていたので、素直にそれを受け入れたのだ。
これが隠す為に誤魔化したと言うなら、それなりの対応を取っただろうがナミに悪意は無い。寧ろ素直に答えたに過ぎないのだ。
それから少しして話をしっかりと聞いてみれば、ナミは未来を時に見る事があるのだと言う。それにより母の死を防ぎ、姉の孤独な人生を覆せたと言われれば納得する他無い。
それを納得させたのは、自嘲的に笑うナミの大人びた様子ももちろんあった。それの他に、状況証拠と言えるものも数多存在したのが大きい。
思い返してみれば確かにナミの村の人間達の話から推察するには、ナミが幼い頃から何かに焦った様子で準備を進め、アーロン1味に挑んだと考えられる。つまりは、辻褄は合う。
その上姉も、魘されると言っていた。それは夢で未来を見るとすれば、全ての問題が解決する。
だが……だとするならばナミは本当に狙われたくてこの世に産まれたかのような、核爆弾よりも危険な存在だと痛感させられる。あの日、ジンベエを目の前にして謝らなくていいと言い切った幼いその姿を、俺は忘れられそうにない。
そう……あの日からもうすぐ2年だ。そんな他愛ない事を考えていたある日、親父に会いたいと、会って戦いたいと騒ぐルーキーの存在を聞いていた。
その時、ナミが血の気の失せた顔でフラリとその身体をよろめかせた。即座に支えれば、その身体は心配になる程に細く軽い。
「マルコ……私、マルコから離れたくない。家族を喪うなんて、私には耐えられない」
「突然不吉な事言うなぃ。何か見えたのか?」
俺の言葉にナミは申し訳無さそうな顔をしてから、小さく首を横に振った。それからその身を預けてくれるので、甘えてくれてるのだと気が付く。
……可愛いもんだねぃ。いつも無理して自分だけで解決しようとするから、余計にそう思えるのかも知れないが。
「大丈夫よ、何も見えてないの。ただ、前に見た状態に近付いてるから……不安で」
まァ、そうだろうねぃ。ナミは夢で見るのだから、今見たと考えるのは確かに可笑しい。
その言葉により先程共に聞いた情報を思い出す。その会話の中に、何かあるとするなら……。
「〝火拳〟のエースかよぃ?」
「うん、私の弟だし……」
……今、なんて言ったんだよぃ?いや、聞こえちゃいたが。
「…………待てよぃ、それは聞いてない筈だねぃ?」
その瞬間、表情だけで〝あれ?話してなかった?〟と言ってくる歳若い恋人の様子に、思わずその頭をグリグリしたのは当然だろう。その勢いで吐かせてみれば、出るわ出るわ、ナミの核爆弾発言。
オヤジ相手に大喧嘩して、勝利を勝ち取った時点で気付くべきだったかもなぃ。赤髪の弟子であったのなら、ナミが赤髪の女神で間違いないだろう。
それを責めるつもりはねェが、とりあえず親父に報告だけ入れておけば流石の親父も頭を抱えて唸った。ナミに関わると案外この姿を見せるので、俺としては人間らしくて微笑ましく思えると言ったら怒るだろうかねぃ?
「それで、親父は〝火拳〟のエースをどうするつもりだよぃ?」
「実際に見てみねェと何ともな。だが……ナミの〝弟〟か。……爆弾が増えるかもな」
「親父は〝爆弾〟が好きだからねぃ」
二人で笑い合えばそれが答えだ。恐らく本当に〝火拳〟のエースは俺達の弟となるのだろう。
そうなるとナミの未来視も、いよいよ本物だねぃ。そんな事を思いながら、俺は足早にナミの元へと帰る。
それから数日後、ジンベエ親分が戦っているという所へ船を進めれば、ナミから聞いていた通りの状態が待っていた。それにより親父へと視線を向ければ、俺達には待機との指示だ。
親父が圧倒し、けれども立ち向かう事を辞めないそれに、確かにナミの弟だと思う。頑固で融通がきかなくて、意地っ張りで強がり、その癖……大切な存在だけは命懸けで守ろうとする。
あァ……自分の事を無価値だと信じて疑ってねェなぃ。あの瞳は、ナミとはまた違った形で己を呪ってると分かる。
「そんなに似てなくて良いだろうに」
「エースと私、似てる?」
「あァ、内面がそっくりだよぃ」
「そうね、見た目はエースのが可愛いもの容姿の話じゃ無いわよね」
本気で言ってると伝わるこれについては、コンコンと膝詰めで語り合いたい所だねぃ。ナミより可愛い存在がいてたまるかよぃ……と、そこまで考えて、声に出す前に正気にかえれた事に胸を撫で下ろす。
親父が結局犬猫を拾うようにして意識を失った坊主を連れ帰り、そうこうしてる内にナミの言っていた通りに仲間達がそれを助けに飛び込んで来た。本当に信頼されている、良い船長だったらしい。
その間ナミには念の為に留守番をさせておいたが、その間数年ぶりの再会だと言う弟に張り付いているらしいと知って、軽食を持って行く。どうせまた、自分の事は蔑ろにしてるんだろうからねぃ。
医者泣かせな恋人を思いながら向かった先で、ドア越しに聞こえて来たのは甘い声。そっと様子を伺えば、本人的には抵抗してるんだろうなと思う程度の、微かな抵抗しかしてないナミがいる。
とりあえず引き剥がしてやれば、震えながら抱き着いてくる細い身体。守ってやりたいし、甘やかしてやりたいが、それと同じくらいの強さで抑えが効かなくなりそうな怒りも湧き出る。
「弟、じゃ……無かったのかよぃ?」
「寝惚けて、襲ったみたい……で、も……私も流石に、弟は殺せないもの……」
成程と、確かに思う。ナミは甘いから、殺す気でやらなけりゃ抵抗にもならない程度の事しか出来ないんだろうと、理解は出来る。
それでも、自分の最愛の女に手を出されて冷静に笑っていられるような育ち方はしてねェんだよぃ。震えるナミが、俺に縋るようにしているのは本気で怖かったんだろうと分かるが……悪いな、この苛立ち、ぶつけさせて貰う。
「ナミ、今夜は覚悟しとけ。余裕、無さそうだからねぃ」
俺の言葉にナミは小さく頷くから、そこで甘やかすと俺に貪り殺されるぞと本気で思う。それでも弟を放置できずに戻るナミに、やはり少しくらい虐めても良いかと考えを改めさせられるのである。
そのまま仲良く会話を始めたのを見守り、他の弟の名が出て来るのを静かに聞いていた。当初は入墨を隠す為に、許可を得た筈のその誇り。
今では、立派な戦闘員としてのそれだと当人を除く皆が思っている。だがなァ……俺はナミの実力をしっかりとは知らねェんだよなぃ。
そんな事を考えていたら、ナミと火拳の会話の中で聞き覚えのある名前が飛び出した。そして、俺の想定する人物がそれだと気付かされれば、眉間に皺が寄ったのも当然だろう。
「生きてる……のか?」
「……だから、生きてるわよ。私が見えないの?てか、さっきまで襲って来てたじゃないの」
火拳の言葉が通じない様子で、ナミは言葉を紡ぐ。呆れた様子で……だが、何か隠してるな。
それに騙される弟に、だが仕方ないかとも思う。それだけの動揺を与えられる内容だろうからねぃ。
「違っ……!いや、そうなんだけど違くてさ!あの!サボが、生きてるってのは……」
「何?サボの事死んだと思ってたの?新聞で何度も取り沙汰されてるのに?……新聞くらい読みなさいよね」
頭が、痛くなって来た。つまり、あの故郷にいる姉と同様にナミの弟達は全員血の繋がりはないと言うことなんだろう。
だが、それだとしても、革命軍の参謀総長はナミよりも年上の筈だ。なんで、それが弟なんだよぃ。
思わず脳裏に浮かんだそれを問い掛けちまった俺に、ナミは小首を傾げる。それから、相変わらずの爆弾プリを披露して見せた。
「……私より、弱いから」
「そういや本気のナミを知らねェなぃ」
その理由の1番大きな所は、やはりナミが逃げ回るからだろう。戦わずにただ逃げ回ると言うのは、ナミに勝る者を探すのが困難にしか思えない行為だ。
もしそれが攻撃にし転じても近い事になるのならば、相当な実力だ。ナミを隊長に押し上げるのも、不可能じゃ無くなるだろう。
「嫌よ」
「えー!!」
「……昔はエースも悪魔の実食べてなかったから勝てたの。それに、手加減してくれてたんでしょ?」
「は?してねェし。擦り傷1つ負わせられなかったのは、流石に悔しく思ってて……」
「は?……だって私、あの時、クリマタクトを、本来の使い方では使ってないのよ?」
その瞬間、流石に俺も火拳に同情した。自分は全力で挑んでいたのに、相手は余裕綽々だったとなれば……ねぃ。
文字通り燃え上がる火拳に対して、ナミは難なくクリマタクトで対応する。そして器用に覇気を纏わせたそれで、軽い調子を崩さないままに火拳を殴り飛ばした。
「なんで痛ェんだ!?」
「……私、1応覇気使えるもの。ロギア相手に、覇気を使わないでなんて……戦わないわよ」
肩を落としてのその発言に、正論だと脳内で頷く。その後何とかナミから引き剥がす事に成功した俺は、ナミと共に部屋へと戻った。
部屋へと戻ればわかりきっている事だが、やるべき事が大量にある。そんな書類の山を見て、歴戦の勇士を思わせる勢いで作業に取り掛かる俺の恋人は、若干16歳の筈であり、それに頼りきりな現状が少しばかり情けない。
それらが片付いた所で、先程
背後から覆い被されば、ナミは微かに身体を震わせる。それからフワフワと蜜柑の香りを漂わせて、頬を染めて……本当に愛らしい。
「……マルコ、あの」
いい歳したおっさんが、美少女を抑え込んでいいのかと少しばかり思う。だが……全て受け入れて微笑む少女を前に、海賊稼業で生きて来た男が我慢なんで出来る筈も無い。
ベッドへと放り投げて、その身体に纏わりつく邪魔な物を剥ぎ取ってしまう。それによりナミは恥ずかしそうにするが、別にこれが初めてという訳でもない。
初めて抱いたその日から今日まで、殆ど日を開けずに繋がっている身体は俺の形をしっかりと覚えているし、俺しか知らない為に教えた通りの反応を返してくれる。だと言うのに、恥じらい方等は処女の頃から変わらないのだから、征服欲に翻弄されるのも仕方の無い事だと思う。
「何時までも初々しいねぃ。だが……今夜は泣いても、辞めてやらねェよぃ。全て、話してもらう」
既に俺の中に罪悪感も戸惑いもない。ナミの全ては、俺のものだと決めている。
「あっ……マルコっ……!」
だと言うのに、この甘い声とよく似たものを弟に聞かせてしまう無防備さ。二度と、1人では立てなくしてやりたくなるよぃ。
俺だけを見て、俺だけを愛して、可愛く鳴いていて欲しい。何も無くとも癒し効果の高い生き物だが、欲望をも満足させてくれるのだから、手放せる筈がないだろぃ。
白い指先が空を舞う。その様子が、艶めかしい。
声を必死に抑えるその姿がいじらしくて、恥ずかしそうに耐える姿が時に嗜虐心を煽る。だからこそ、当然の事としてナミから俺を誘うまで煽り、舐め回し、だが……イカせずに翻弄していく。
「んっ……ぁ……!!」
蜜を溢れさせて、それでもなかなか俺をいつも求めないナミは、だが俺の為に、俺が気兼ねしてると思い、羞恥を押し殺して求めているのだと知っている。それを知っていて、誘わせる俺は鬼畜なんだろうか。
己を本能的に宛てがい、だがまだ誘われていないからと耐えていた時、ナミが気遣うような視線を向けて来た。これでまだ、成人してないと言うのだから恐ろしい。
「……私が子供だから、なんて罪悪感いらないわよ」
「ナミ?」
「マルコ……滅茶苦茶に、して」
細くて、小さくて、か弱い。だからこそ、傷付けたくなくて扱いは慎重になるが……やはり俺はナミが欲しい。
好きにしてと、滅茶苦茶にしてと強請る癖して、理性が残るナミは時に快楽に溺れきれない。そんなナミだからこそ、つい……完全に堕としてやりたくもなるのだ。
余裕もなく打ち込んだ己の灼熱。それにより背を弓形にしならせるナミ。
僅かな刺激にさえ反応してビクビクと震える身体と、抑えきれない艶のある声が室内に響く。直後に自らの手の甲を噛んで、声を抑えようとする愚か者の手を掴み引き剥がす。
「滅茶苦茶にして欲しいなら……声も抑えるなぃ。家族全員に聞かれても、俺は構わねェよぃ」
寧ろ、聞かせたい。俺だけの女なのだと知らしめる為に。
けれども泣きそうな顔でナミは首を横に振るから、その声が音になれば拒絶を意味する言葉を紡ぐとわかっちまう。俺のナミだと分かれば、流石に家族は手を出さねェだろぃ。
「やっ……それはっ……」
これはナミを守る為だと、そんな大義名分を引っ提げて、大人の余裕なんざ投げ捨てて、ただの1人の男として、ナミに言葉を向ける。そうなるように誘導しておきながら、ナミが悪いと告げる言葉を。
「恥ずかしくて、つらいかよぃ?」
真っ赤な顔で頷くナミに、本当にまだまだ幼いところがあるのだと痛感させられる。実際まだ、歳若いってより、本来ならば子供と呼ぶに相応しい年齢だからねぃ。
そう思いながらも、耳元で囁く。それは、俺の性格の悪さを物語っている。
「誘ったのは……ナミだよぃ」
ハッとしたような顔で俺を見て、抵抗の言葉を押し殺して俺を受け止めるそれに息を飲む。俺の焔に照らされるナミは妖艶で、誰にも見せたくはないと思う。
俺になら何をされても許し、受け入れちまう優しい生き物。俺は、ナミを連れ出した事の他に何を返してやれただろう。
悲鳴のようなそれを響かせるのを聞いて、そろそろ体力的に限界かとそっと己を抜いてやる。その為に腰を引いていたら、ナミが声を掛けてきた。
「マルコ……私から、何を聞きたかったの?エースにキスされた事?」
「それもあったけどねぃ。弟の名前に驚いたのもあるし、思ったよりもずっと戦える事にも驚いたからなぃ。その辺の事を、全て聞きたいと思ったんだよぃ」
だが、海賊なんてのは互いに知らない事だらけで共同生活してるのが普通だ。つまり、俺の事は話せない物や話し尽くせないような事があるのに、ナミの事で知らない事があるからと責める権利なんてありはしない。
そう気付いたから、ただ貪るに留めたのだ。だと言うのに、ナミは大人の顔をして笑うのだから堪らない。
「……でも、自分の事は全てを語ったりしないのに、私の事は知りたいなんて言えないと思って辞めた?」
頷く事で返事をした時、ナミが唇に触れるだけのKissをして来た。それから幼子に話すように言葉を紡ぐ。
幼少期の頃から挨拶としてエースにはキスされたのだと言うナミに、あの様子は姉として見てねェから本気のキスだった筈だよぃ……と、内心で思いつつ言葉にはしない。それ故か代わりに出た言葉は情けないものだ。
「…………年齢も近いし、親しそうだったから、大人気もなく妬いたと言ったら、ナミはどうする?」
その瞬間、まだ抜け切ってない俺の腰に足を絡ませて、笑いながら俺の首に腕を回す。そして力を入れたナミが囁くように言った。
「嬉しくなっちゃう。……それだけ、私をちゃんと求めて、愛してくれてるのだとわかるから」
誘われて、それに乗る。本当なら辞めてやるべきだったんだろうが、理性なんざもう……残っちゃいねェ。
最奥迄一気に貫く乱暴な俺に、ナミは爪先をピンとさせて痙攣する。その間も悲鳴のような喘ぎ声が聞こえてくれば、嬉しくならない筈も無い。
「……本当はねぃナミ、俺はもう罪悪感なんて無いと言ったら、どうするっ?」
その言葉に信じられないと言う反応を見せるナミに、健気に誘う姿を見たかったと白状すれば、真っ赤に染まるナミの顔。怒っているのだろうかと思いながら、狡い大人だから、優しさに漬け込んだのだと罪の告白を続けてしまう。
そんな俺にナミは腕を回し直すと、全力で抱き締めてくれる。香り高い蜜柑の香りに包まれて、俺は許されたのだと気付かされた。
「マルコに、なら……何されても、多分、いいと思ってるわ」
「殺されても?」
「……馬鹿ね」
返された言葉に、緊張する。だが、フワリと花が綻ぶように微笑まれては、それ以上何も言えない。
「当然でしょ」
あァ……こう言うやつだったねぃ。俺が気をつけなけりゃ、ナミは本気で身を犠牲にしちまうだろう。
だから、護るべきなのに、慈しむべき立場なのに、俺は……甘やかされて、守られている。全力で襲い掛かる俺に苦しそうな反応を見せながらも、時に微笑み、好きにしていいと頭を撫でるそれは……既に母のそれだろう。
気が付いた時には空が白んでいて、明日というか、今日の業務に支障が出るなと思う。それと同時に、親父よりもナミを優先しそうになる自分に気が付かされちまった。
「……甘やかすな。俺の中の優先順位が変わったら、どうしてくれるんだよぃ」
「変えなくて良いのよ、マルコの1番は親父様で、2番に家族。私はその次で良い。私を庇わなくて良いの。……でも、そうね、私が死ぬ時は……マルコの腕の中で死にたいわ」
ただの甘言として無視するには、甘過ぎる言葉。その上、家族に自分が含まれてないと思ってる所は問題だろう。
そう思うのに、素直な言葉を紡げなくなっている俺は、別な言葉を返しちまう。まだまだ、俺に余裕が足りねェ証拠かねぃ?
「俺が死ぬほうが早いとは、思わねェのかよぃ」
「マルコが死にかけたら、私が抱きしめに行くから……私も殺して連れてってね」
微笑むナミに、そんな言葉を言っていいのかと、本気で実行するぞと脅しをかけても効果はない。本気なのだと、一生分の恋なのだと笑うばかり。
「参ったな……」
これ以上惚れられないと、堕とされるなんて有り得ないと思っていたのに、まだ深みがあったらしい。ナミと言う泥沼から、俺は永遠に抜けられないだろう。
一生分の恋をしているのは、寧ろ俺の方だ。そんな事を思いながら、ナミとの睦言を繰り返し、静かに語られた過去に思いを馳せる。
守り抜こう。この命朽ちるまで。
愛しぬこう。この身体朽ちた後も。
その後問題児の弟が正式加入する迄、ナミと並んでその様子を眺める日々が待っているとは知らないまま、俺はただ、ナミ両腕にしっかりと抱きしめ、隠していた。俺以外の誰にも、本当は見せたくないのだと思いながら。