※この作品はR-18です。

光源氏シリーズ   作:夢枕 七変化

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抱いてくれる?(光源氏16/部屋)※

 少しの間を置いて、余計に混乱している。だって……ど、うしたら、いいの!?

 この部屋に入って来る可能性なんて、マルコさんが1番高いじゃない!でも、そうなったらエースを裏切る事になる。

 そんなのは嫌だし、でも、だからってエースが入ってきたとして、私……どうしたらいいの!?

 エースとは付き合ってるし、何度も体を重ねたけど、でも、だからってあんな球体を楽しませる為にエースを誘うとか……出来る筈もない。震える体を強く抱き締めて床に座り込んだ時、ドアが無情にも開かれた。

 

 「入らないで!」

 「え?」

 

 私の声に驚いた顔をしているエースは、けれども即座に反応出来なかったのか、それとも理解できなかったのか。お盆を手に部屋に入って来てしまった所だった。

 そのお盆は恐らくエース用だと思われる食べ物の山がある物と、紅茶セットと軽食のセットが用意されたものになっている。……私が食事をしに行かなかったから、サッチさんが用意してくれたのだと気付く。

 

 「え?何、ナミ飯いらなかったのか?」

 「うん、まぁ、それもだけど……」

 「ンな事言ってねェで、ちゃんと食っとけよ。……サッチ怒ってたぞ。もう2食抜いてんのにまた食べに来なかったって。だから俺が持ってきたんだし」

 

 そう言って机に2つのお盆を置いたエースは、椅子に座って山になってるそれを食べ始めた。早く来いよと言わんばかりのエースに、食欲無いと呟くように言ったら心配そうな顔をされてしまう。

 手品か!?と言いたくなる速度で食事を終えたエースは私の方へひょいっと近付くと、額を合わせて熱の有無を確かめて来るけど……エースのが体温高いから、これ無駄なんじゃ?

 

 「……少しは照れるとかしてもいいと俺は思う」

 

 そう言って突然いじけだしたエースに、私は首を傾げてしまう。……だって、熱って普通ならそうやってはかるでしょ?

 エース、ルフィ、サボ、3人にそうやって接して来たし、シャンクスやベックにもそうして来たから何を今更と思う。そんな私の腰を強く抱き寄せて、エースは自然な動作であるかのように唇を合わせる。

 今食べていた物はどうやらトマトソースを使った肉だったらしいと、そんな事を考えていたらエースに余裕だななんて苛立ち混じりに言われてしまう。それに素直に謝ってから、実はねと言って現状について説明した。

 

 「……つまり、ナミを俺が抱いてイかせないとこの部屋から出られなくて、ナミを抱いてる所をそいつが見てるって事か?」

 「ま、ぁ、うん……そうなる、かな」

 「俺のナミなのに、見せろとか許せねェよ。そんな変質者に……見せたくねェな」

 

 エースの言葉が嬉しくて、切ない。どうして、エースはこんなにも優しいのだろう。

 

 「エース……」

 「誰にも、見せたくねェ……」

 

 そう言って強く抱き締めてくる熱い腕に、私は泣きそうになる。だって……私を守ろうとしてくれてるのが分かるから。

 それが嬉しくて、思わず笑えばエースに睨まれてしまった。笑い事じゃねェって言うその顔が、声が真剣で……不覚にもドキッとしてしまう。

 

 「……わ、たしの、不注意だから。私の事は気にしないでいいから、その……抱いて、くれる?」

 「馬鹿ナミ。〝俺が〟見せたくないんだよ。でも、そうだな……見られてても仕方ねェ状態なんだって思えたら、我慢出来るかも知れねェな」

 「仕方ない状態?……私が奴隷で、エースが品定めしてるとか?」

 

 首を傾げて問いかければ、エースがじっと私を見てうーんと唸った。そして少し悪戯な顔をするから、嫌な予感がしてしまう。

 

 「とりあえず……俺に何でも従ってくれるか?」

 「な……!?」

 「命令に逆らえない状態にしてあげらるわよ?この部屋の中なら、そう言うのアタシの自由に出来るもの」

 

 言葉を失った私の代わりに球体が答えると、エースはお前が閉じ込めた奴かよなんて言って睨み付ける。それから私を見て、球体を殴り飛ばした。

 

 「な、なァにすんよのォー!!」

 「俺の女をオモチャにすんな!」

 「もう、怒った。その女裸にして縛り上げてやるわ」

 

 その言葉と同時に服が消えて、腕が後ろ手に縛られてベッドに転がされてしまった。体を隠せそうな布が部屋から消滅して、私は身を隠す事が出来なくなってしまう。

 

 「ほら、アタシの前で早く犯しなさい。もう隠れてやんない!」

 「てめェ……!」

 「彼女裸ね。よく見えるわ。早くしないと、もっと恥ずかしい格好にさせるわよ?」

 

 その瞬間、エースは悔しそうに舌打ちしてから私を強く抱き締めて、その体で私を隠そうとしてくれる。そんな状態でエースは球体に余計な事してんじゃねェと言いながら、私を縛る紐を私が火傷しないように気を付けながら焼いてくれた。

 

 「エース……!」

 

 エースの首に両腕を回すと、エースがそうしてろなんて言うから必死で抱き着いていたら、弱い所をエースが弄り始めた。それに反応する体が浅ましくて、声を必死で押し殺していたらエースが何故か大きく固くなっているのが抱きついてる為に分かってしまって……。

 

 「エース!?」

 「声抑えて頑張ってるのが、妙にエロくて……唆られる」

 「あっ……ンンっ!」

 

 言いながらも指の動きが止まらないから、私はそれにより反応する自分を絞め殺したいような気持ちになる。そっとエースが押し当てられた時、私は自らエースにキスをしてそっと体を沈めた。

 それにエースが驚いた様子を見せるけど、今回は全部私の落ち度だから……エースに罪悪感なんて抱かせたくない。だからね、私がエースを襲ってるの。

 

 「ナミ!?お前、苦手な、癖に……!」

 「エース、いい子ね……」

 

 できるだけ妖艶に見えるように笑えば、エースが息を飲んだのが分かる。それと同時に中で増す質量と熱に、背中がゾクゾクとして倒れそうになるのを耐えていたら、エースが私の背中に腕を回して支えてくれた。

 

 「その強がり、俺を煽るだけだぞ、ナミ」

 「エー……スッ」

 

 やっとの思いですべてを埋め込んだ私に、エースはナミは可愛いと笑ったかと思うとその直後に腰を動かして来る。だから私は、声を抑えながらエースに抱き着く他に出来る事が無い。

 見られたくないとか、聞かれたくないとか、色々な羞恥心もあってそれから逃れようと眼を強く瞑る。そうすると、エースの動きを……呼吸や汗迄もが強く感じられて、そのすべてが刺激になる。

 お姉さんぶる事も、何かを演じる余裕もなくエースに縋るようにすると、エースが中でまた熱量を増したのが分かる。まだ余力があったの!?と内心で悲鳴を上げながらその熱が私の中で荒れ狂い、翻弄して来るのを必死に耐える。

 それにより、私の体は弓形になり途中からは声を出さない事の他は何も考えられ無くなっていた。それでも、縋るようにエースの名を何度も呼んでしまう自分が情けない。

 体の奥に熱いものが広がるのを感じつつ、私は自分の意識が白く染まるのを感じた。体が弛緩して、どうやって呼吸しているのかさえわからない感じになっている所に、舌打ちが聞こえて来て意識が浮上する。

 

 「殆ど後ろ姿しか見せない上に、声も限界まで抑えるとか……つまんなァいー!アタシを楽しませなさいよ!」

 「ふっざけんなァ!ナミの可愛い声も、色っぽい顔も、妖艶な肉体も俺だけが楽しめばいいんだよ!」

 「少しはお裾分けしてやろうって気にならないの!?小さな男ねェ!」

 「なる訳ねェだろ!俺のナミだぞ!俺は7歳の時から、世界の中心はナミなんだよ。ぽっと出の奴に見せてたまるか!」

 

 不毛な争いを殆ど聞き流しながら、でも、そっか……エースってそんな頃から好きでいてくれてたんだ。気づかなかったよと内心で思う。

 あれ?でもエースが7歳って私6歳だから……会った時の年齢、よね?

 その頃にエースにファーストキスを奪われたのを思い出せば、もしかしてと思い至り全身が赤くなる。それから、羞恥と幸福の狭間で、そっとエースに腕を伸ばした。

 そしてそっとエースに甘えるように体を預けて、早く2人になりたいと呟くとエースが息を飲み、球体はまたいつでも本を開いてねと言って姿を消した。残された私とエースは、まだ繋がったままだ。

 消されていた布達は、部屋の隅にその球体の代わりとでも言わんばかりに現れて積み上げられていて、でも今は……。

 

 「エース」

 「ん?」

 「普通に、抱いてくれる?なんか……エースが足りない感じ」

 

 遠慮されてたし、遠慮してた。その上、そんな頃から想われてたなんて知ったら、欲しくもなる。

 

 「…………止まれねェと思うけど、許せよ」

 「へ?」

 

 その後、マルコさんがドアを蹴り破り助けに来なければ私は衰弱死していたかも知れない勢いで抱き潰された事だけ、ここに残しておく。今後、不用意に人から物を受け取らないようにしようと、私はこの日、心から誓ったのだった。




エースの光源氏シリーズは現在書きあがってるのがここまでになりますので、この先は不定期更新となります。
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