※この作品はR-18です。

波間の向こうを目指して(新・本編side)   作:夢枕 七変化

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白ひげ海賊団2番隊隊長〝火拳〟ポートガス・D・エース
出逢い


 信用できるものなんて、この世界には何も無いと思っていた。俺にはサボがいて、他は世界の全てが敵だった。

 ジジイだって俺をここに連れて来て、ダダンに全て押し付けて、それからは完全に放置されてるんだから信用しろって方が無理がある。世界の全てが憎くて、世界の全てが荒んで見えた。

 強くなければ生き残れない。その中で唯一信用出来ると思えた相棒が、サボだったんだ。

 そのサボでさえ、俺に何か隠していて、でも俺もまたサボに父親の事については話してねェんだから、それを責める権利なんて本当は無い事も本当は分かってる。それでも、俺は多分寂しかったし、心が渇いていたんだと思う。

 そんな時に出逢った運命の女が……ナミだった。そう……俺はナミが運命の女だと〝信じている〟と言うより〝確信している〟と言う方が正しいだろう。

 いつもの様に金を奪い、食い逃げして、追いかけ回されていた時、いつもなら隣にいる筈のサボが居なくて、振り向けば誰かを支えていた。心配そうに子供に声を掛けているのを見れば、俺にとってはこの時サボが全てだったから滅茶苦茶腹が立って、冷たい声が出たのは自覚している。

 

 「なんだ、そいつ?」

 

 その瞬間、躊躇い無く俺とサボの手を掴んだ女の子は、裏路地へと移動して唇の動きで黙ってなんて言う。直後にさっき食い逃げした店の奴が俺達を探している姿が見えれば、まさか庇ってくれたのかと1瞬考えるが、そんな事有り得る筈もねェ。

 俺達を突き出すなら有り得ても、守るなんて有り得ねェよ。俺は……生きる事も、産まれて来た事も許されない〝鬼の子〟なんだから。

 

 「……助けて、くれたのか?」

 

 それでも微かに縋るように考えていた俺の心を代弁するように口にしたのは相棒のサボで、それが気恥ずかしくもあり、同時に変な苛立ちを覚えた。なんだよ、このガキ、サボに色目使いやがって!

 

 「偶然だろ!ほら、離せよ!」

 

 俺の言葉に少し驚いたような顔をした少女は、多分、普通に考えて美少女だ。これ迄そんな言葉を向けられた事の無い、蝶よ花よと育てられた苦労知らずなんだろうと思った時、小さくごめんねと言ってから俺とサボの手を離した。

 それが、何故か今度は寂しく思えて、苦しいような苛立つような、変な気分になる。……コイツ、笑ったら、もっと可愛いのかな。

 

 「何事も見つからないようにやれないなら、今後は気をつけた方が良いわよ。坊や達?」

 

 そんな事を考えていたからか、俺の想像とは違ったニンマリとした笑みを浮かべて、その胸元から俺達の稼ぎを見せて来た。それに慌てて手を伸ばしたが、軽い調子で屋根まで跳ね上がると、悪戯な笑みを浮かべてその少女は姿を消してしまい俺とサボは暫くその場から動けずに居たのだった。

 その後綺麗に失ったその日の稼ぎを取り戻す為にと少女の事を調べてみたが、あまり有益な情報が集まらなかった。少女の身のこなしや着ていた物から考えて見ても、不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)の人間ではないだろう。だが、中心街の人間であるならばもっと情報が集まって然るべきだ。

 

 「なァ、エース。コルボ山の向こうに港町があるって噂を聞いた事があるんだ。もしかして、そっちから来てんじゃないか?」

 「……コルボ山の山賊と、この街、ゴミ山、それと貴族の住む中心街しか無いと思っていた。けど……なんでそんな場所があるなら皆は知らねェんだ?」

 「忘れられた村……そう呼ばれてる。間にコルボ山があるから、悪臭も何も届かないって聞いてるし、貴族も山越え迄して寂れた田舎町に行く理由なんてねェだろ」

 

 言われてみれば納得出来て、そんな田舎なら必要な物が足りなくなればまた買い物とかで姿を見せるかも知れねェなと思う。にしても……あの女、相当強いな。

 1瞬で屋根に登ったあの身のこなし。俺もサボも盗られた事さえ気付けない程に素早い動きと、気配を読ませない能力。

 ……年齢も俺達と同じ位だろうかと思えば、少しでは無く悔しくなる。

 

 「何者だよ、あの女……。相当強いぞ」

 「ならさ、エース」

 「ん?」

 「仲間に引き入れたらどうかな?」

 「……は?」

 

 サボの言葉に声を失った俺は、恐らくおかしい所なんてどこにも無かっただろう。それからサボと話し合い、俺の強いから本気で殺そうとしても怪我ひとつしないだろうと言うそれを、信じきれない様子のままサボは俺の作戦に従った。

 それだけサボもまた、あの女に何か思う所があったらしい。美味そうな匂いのする、強くて可愛い女はそれから暫くの後また姿を見せた。

 様子を見てみると人の多い所を通りながらも、人にぶつからずに進み、自然な動きで俺は入った事の無い類の店に女は迷い無く足を踏み入れた。その店から嬉しそうな顔で出て来た女は、単なる無邪気な美少女にしか見えなくて1瞬息を飲んで見惚れてしまう。

 袋の中身を確認して嬉しそうにしているから、余程欲しかった物なんだろうか。少し人が減ったところでサボと視線を交わし同時に武器を手に殴り掛かったが、想像していた通り、やはり流れるような動作で躱されちまう。

 その流れを殺さずに武器も持たないその女は、俺達をキッと睨み付けて来る。だけど、怒りの他に俺の知らない感情の色が女の瞳から見えて、それが何だか分からないのに、何故かこの女を欲しいと思ってしまった。

 

 「……女の子1人に男の子2人が武器で襲い掛かるなんて事、していいと思ってるの?」

 「ほらな?」

 

 強いだろとサボに視線を向けて、だが、その実、ただ睨まれている事が苦しかったなんて言ったら、サボに笑われるだろうか。そんな俺の言葉にサボは本当だ、なんて言って呆然と頷く。

 その直後荷物を抱えているとは思えない俊敏な動きで俺とサボに回し蹴りを食らわせて、よろけた俺の腹に容赦無く蹴りが入る。その勢いのまま踏み倒され、俺の腹に女は足を思いっきり落とした。

 俺には女の動きが全く見えなかった。受けた衝撃とその後の姿勢等から、何をされたのか判断出来ただけだと言う現実に、己への憤りを感じる。

 

 「グッ……!」

 

 悔しい。同じ位の年頃の、それも女に簡単に地に倒されて、しかもその足を退かす事も出来ねェなんて……!

 

 「……1言、謝罪さえすれば許してあげたのに。先に手を出したのは君達よ?……覚悟は、出来るわよね」

 「待ってくれ!悪かったよ、話を聞いてくれないか」

 

 俺が女を睨み付けていると、女は言葉と共に俺の腹に置いている足に更に力を込めて来て、反射的に嘔吐きそうになる。そんな俺に慌てたのか、サボが言葉を紡げば女は俺に静かな視線を向けて、そっと足を退けた。

 咳き込みそうになるのを意地で耐えていたら、溜息を落としてから話を聞いてあげるわと言ってくれた。なので、俺達の隠れ家に案内すると言って歩き出せば、迷わずに着いてきてくれる。

 ……コイツ、女だろ。男二人に迷わずついて来るって、大丈夫なのかよ?

 そんな事を思いながら到着した隠れ家に登り、上からここだと言えば軽く飛び上がった女は瞬時に隠れ家迄登って来て、身軽過ぎるそれに言葉を失う。それなのに、そんな俺達の様子を無視して女は小首を傾げるばかり。

 その仕草や表情が可愛くて、俺は喉が鳴るのを自覚する。酷く……渇いているような気分になるのは、何故なんだろう?

 

 「それで、話って?」

 

 隠れ家の中に入ると、手にしていた荷物を置きながら女は言う。それを見ながら奥に入って俺とサボが腰を下ろすと、漸く女も入口付近で腰を下ろした。

 人に懐かない猫みたいだと少し思う。可愛い事は自覚してるのに、他は全て無自覚で無謀な猫。

 

 「お前、強いみたいだから、1緒に行動しないか」

 「断るわ。私忙しいの」

 

 俺が誘ったそれを、心底嫌そうに返して来た女は面倒そうに風で揺れる髪を押さえた。風に乗って女から果物の匂いがして、せめて名前を知りたいと、逃がしたくないと思い手を伸ばしかけた時、声が聞こえて来た。

 

 「ナミー!どこだー?ナミー……!」

 

 泣きながら誰かを呼ぶ幼い声。それに女は溜息を落とすと、俺とサボに静かに視線だけを向けて来た。

 その表情は明らかなる苦笑で、その声は何処か優しい。だが、それよりも紡がれたその言葉に驚かされる。

 

 「足手纏いにしかならない弟みたいなのがいるから、私ではエースやサボの期待に応えられないの。他を当たって。まぁ、あの子ももう少ししたらそれなりになるから……嫌わないで欲しいところだけど」

 

 俺もサボもこの女……恐らくはナミと言う名だろう……の前では互いの名を呼んでねェし、名乗ってもいねェ。なのにどうして、今ナミは俺達の名を自然に呼んだんだ?

 動揺してる間に隠れ家から荷物を持って降り立つナミに、慌てて立ち上がると追い掛けていた。下では俺やサボより少し年下に見える子供を、優しく抱き留めて微笑むナミが居る。

 俺はそれを見て、胸が締め付けられるような不思議な感覚に陥る。望むだけ無駄と思っていた、命懸けで俺を産んでくれた母親が見えた気がした。

 泣きながら何かを説明しているそいつの言葉は聞き取りにくいし、何が言いたいのかよく分からない所もある。なのにナミはそれを理解しているのか、優しく頭を撫でながら優しく慰めるように笑う。

 泣くしかしないそいつに、探しに来てくれたからとお礼を言うナミに、俺を産む為に命を落としたという母親をその中に見てしまう。……俺の父親が、アイツでさえ無ければ俺も得られていたかも知れない、今では望むだけ無駄としか思えないもの。

 それを得られないと知っていて、渇望するからいつも渇いて、飢えてるんだと思い知らされる。俺も……それが欲しいと、願っちまう。

 

 「でもよ、ナミは用事だったんだろ?」

 「大丈夫よ。でも、荷物少し持ってくれる?重たくて」

 「おう!全部持ってやる!」

 

 得意気に笑うチビが気に入らねェ。明らかにナミがチビの為に、やる事を用意したのが分かるから、余計に。

 荷物が重いだ?巫山戯んなよ、お前俺とサボを軽く蹴り飛ばして片足だけで俺を押さえ込んでた癖に、その程度重い訳ねェだろうが!

 その苛立ちをぶつけるようにナミに襲いかかれば、荷物を持ってるチビごとナミは移動して見せる。それに思わずと言った様子でサボが口笛を吹きつつ拍手しているが……ほらな、荷物が重いなんて大嘘だ。

 チビを庇うように前に出たナミに、俺は楽しくなって笑っちまう。そんな楽しい気分をチビが壊す。

 

 「何すんだよ!」

 

 チビはそう言って俺達に挑みかかろうとして、だがそれをナミは即座に止める。……気に入らねェ。

 そのチビが挑み掛かってくれば、問答無用で叩き潰してやったのに。再起不能にしてやったのに。

 

 「ルフィ!私の荷物お願いしたでしょ!今は辞めて!」

 

 その心を、男としてのプライドを傷つけない為に、それでいてしっかりとその身を守り抜く為に荷物を持たせているのだと分かる。……その瞬間、俺はそのチビが物凄く嫌いになった。

 憎いくらいに思ったのはきっと、俺が飢えて、渇いて、それでも無理だと諦めた、どう足掻いても手に入らない暖かなものを当然のように持っているから。だからきっと……怨めしい程に、憎く感じて居たんだろう。

 

 「ルフィってのか、お前。女に守られて、悔しくないのか」

 

 挑発する為に笑えば、チビは飛び掛って来ると思っていたのに、ナミの言葉がある為か俯くに留めた。その代わりにナミが俺を射抜くように睨み付けて来て、先程までチビに見せていた優しく暖かなそれが嘘のように冷たいその視線を向けられる。

 それに、ゾクリとしたものが身体中を駆け巡り、気圧されたように無意識で1歩足が下がっていた。なのに、何故か嬉しくも思うのは、対等な相手として俺を見てくれているのが伝わって来たからだろうか。

 

 「……ルフィはね、まだ幼いだけ。すぐに強くなるわ。それに……私が勝手に守ってるだけだから、ルフィに非は無い」

 「ナミ……俺……」

 

 言葉をまともに紡げないチビの頭を優しく撫でて、微笑むナミは多分俺の理想とする、想像の中に生きるお袋の姿なんだろう。……欲しい、俺は、ナミが欲しい。

 その願いが通じたのか、ナミはチビを虐めないのならば話を聞いてくれるという。その言葉にチビは不安そうにナミを見詰めるが、ナミにとって優先すべき事案はどうやらそのチビらしい。

 

 「……ルフィ、お前幸せ者だな。ナミはお前の姉ちゃんか?」

 

 サボが少し寂しそうな声でそんな事をチビに問い掛けると、チビはキョトンとした顔で違うと言う。それにナミは少し寂しそうに笑うと、優しく頭を撫でる。

 家族でもないのに、そんなに……なんて言うんだろう。あァ、愛されているって言うのか?

 

 「ナミは俺の仲間になるんだ!俺は海賊になるから!その時ナミは俺の仲間になって、コーカイシとして1緒に居てくれるから、その時は俺がナミを守るんだ!船長だからな!」

 

 このチビが、海賊の船長希望だ?

 夢見んのも大概にしとけと言いたくなった時、ナミが呆れを隠さずにチビに言う。何処か困った様子でさえあるそれに、何だか笑いそうになる。

 

 「……ルフィ?私1度も誘われて無いし、私は忙しいんだって言ってるでしょ?」

 「でもナミは俺のだろ」

 

 その瞬間、このチビも俺と同じなんだと気付く。このチビも、ナミを欲してるんだと。

 デコピン1発でチビを撃退したナミはサボに視線を向けて、幼い笑みを浮かべた。これ迄ずっとチビ以外には無表情だったからこそ、その笑顔による破壊力は凄まじい。

 

 「……阿呆だけど、可愛いでしょ?私の友達よ」

 「「お前、鈍いな」」

 

 思わず口にしたそれがサボのそれと重なる。それなのによくわからない様子を見せるナミに、女の方がそういう意味で早く成長するとかって言ったのは何処のどいつだよと少し思わされた。

 

 「……ナミって言うのか、お前」

 

 分かってて問い掛けた俺にナミは頷いてから小首を傾げた。それが可愛くて、顔が勝手に熱くなる。

 その瞬間ナミが手を伸ばしてきて、その目的が何だか分からない為に身動きを取れずにいたらその腕が首に回される。何が……起きてるんだ!?

 俺の額にナミの額が触れる。触れられる距離に、ナミの唇がある。

 

 「……エース、熱あるじゃない!っとに、サボ!休ませられるところはある?」

 

 言いながら俺を横抱きに抱えるから、咄嗟に暴れたら大人しくしなさいと1喝されちまう。サボの先導で移動したのは、地上に作ってある隠れ家でそこに俺を寝かせたナミは、心配そうに俺を見る。

 ……チビを、虐めなければナミは、俺にもこうしてその愛情をくれるのか。俺は、この優しい温もりに、包まれていたい。

 俺を気にしてくれるのは、ジジイの手前があるからって理由のダダンの他は、これ迄ずっとサボだけだった。そこに突然割り込んで来た温もりは、耐え難い程の幸福感を俺に与えて来る。

 そんな俺の心情に欠片も気付かずに、隠れ家の中を確認したナミはサボに指示を出しつつ、チビを残して表に飛び出して行く。残された俺とチビは思わず顔を見合わせて、俺が溜息を落とすとチビが言った。

 

 「もう、二人共ナミの中じゃ身内だな」

 「身内?」

 「……ナミは甘やかしてくれるぞ。〝姉〟として、大切にしてくれる」

 

 ……このチビ、ナミに本気だ。何をどうすれば良いのかは分かってなくても、ナミは自分のモノだと決めているのだけは分かる。

 今はお前のものだとしても、すぐに奪ってやる。ナミは、誰にもやらねェ!

 

 「ナミは、俺が貰う」

 「やらねェよ。ナミは俺のだ」

 「俺に勝ってから言えよ。泣き虫小僧」

 

 そんな会話をしていたら表からいい匂いがしてきて、それに釣られるように顔を出せばナミが何か作ってくれてるのが見える。腹がぐーっと鳴ると、ナミが振り向いて笑った。

 優しく笑うナミは、当然のようにそれを俺達に提供しようとして来る。だから俺は、そんな毒にも近い甘やかさに危険だと分かっていて溺れたいと願う。

 この甘さを、温もりを1度得てしまえば、失った時の代償は限り無く大きいだろうと分かっている。それなのに……手を伸ばさずにはいられねェ俺の愚かさ。

 

 「サボが帰って来たら、皆で食べましょう」

 

 そう言いつつもナミは手をずっと動かしていて、当然のように食事を作り続けてくれて……休んでてと言われた俺とチビは、サボが帰って来るのを待つ。サボが帰ると同時に始まった食事に、俺達は揃って喜び勇んで楽しい食事を開始した。

 食ってみるといつもの獣肉で、なのに、美味い。なんだこれと思いながら食べ尽くすとナミはそれを優しく微笑みながら見ていて、俺とサボは顔を見合わせて気恥しさを誤魔化した。

 永遠に手に入らないと思っていた暖かなものを、ナミは当然のように俺達に与えてくれた。優しく包み込み、労り、守ってくれるそれに、必然的に依存していく。

 それなのに、寝る時は港町に帰っちまうし、突然姿を消して暫く帰って来てくれなくなる。分かってたし、言われてたけど正直寂しい。

 ナミは強くて可愛いだけじゃなくて、頭も良くて……そう、教え方が上手いんだ。俺達は航海術を教えて貰いながら簡単な料理も教えて貰い、簡単な治療も教わる。

 ナミが俺達の側にいない間は海に出てるのも知ってて、だからこそ焦る。俺は、ナミが欲しいのに何1つナミにかなわねェ。

 1つでもいい、ナミを上回って、だから俺と来いって言いたくて、俺は必死で力を求める。そうして後に兄弟となる俺達3人は、目の前で微笑む1人の少女を求めて、力を得ようと足掻き始めた。

 これが、俺とサボがナミとルフィに出逢った時の話。まだ、所有欲と愛情の違いすら分からなかった俺の、初恋の話だ。

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