ばあちゃる学園の屋内温水プール
最新鋭のばあちゃる学園には温水プールがあり、監督員がいれば放課後に解放されていたりする
とある日、もこ田めめめはクラスメイトに誘われてプールに来ていたが、諸事情により先に帰宅することにしたようだが…?
( 番外編)
ロッカー攻防戦(もこ田めめめ)
ばあちゃる学園は新設校であり、設備も最新鋭となっている。それは至る所で見れるものであり、他校に通う者たちが訪れるとそのハイテクさに驚く。また、施設も快適に使用できるように全教室は冷暖房完備で体育館も同じである。そして、それは現在『もこ田めめめ』がいる屋内プールもその一つだ。
「ふぅ。じゃ!先に上がるねー」
プール内に残る友人に一言伝え、めめめは更衣室に向けて歩き出す。
ばあちゃる学園のプールは屋内にあり、常時温水であるため、たとえ冬であっても水泳の授業が行える仕様だ。また、水泳部が休みで有り、なおかつ監督の教師がいる場合に限るが放課後には解放しているという『いたせりつくせり』である。めめめはこれといった部活には所属しておらず、あえて言うならば『帰宅部』だ。そのため、本日のようにクラスの友人に誘われたりすれば一緒に泳ぎに利用することもある。未だ遊泳をする友人を残して先に帰宅するのはアイドル部のリレー配信を視聴するためだ。
「一発目はすずちゃんだったっけ?」
身体につく水分を取るためにプールまで一緒に持って行ったスイムタオルを利用する。友人に紹介されて使用してるが吸水力もあり、絞ればすぐに再利用できるスイムタオルはプールを利用する際においてめめめの必需品となっていた。とりあえず身体と水着に吸い付く水分を取り、あとは髪を拭く用のタオルを取り出すために自身が使用するロッカーを開けた。
「…ウビ」
「…めめめはね、疲れてるんだ」
ロッカーの中にはばあちゃるがいた。何を言っているんだと言われるだろうが文字通りアイドル部のプロデューサーである『ばあちゃる』がそこに収まっている。
めめめは自身の目を疑い、ロッカーを閉め再び開けるが、やはり内容は変わらず、狭いロッカーに無理やり納めるようにばあちゃるが入っていた。
「ちょいちょーい!?めめめめ、助けてくださいよー!?」
「いや、この状況を受け入れるのはさすがのめめめでも無理なんだが!?」
いくらばあちゃるが常識外の存在だとしてもなんの脈拍もなく、こんなトンデモ状態を受け入れるほどめめめのキャパシティは大きくなかった。その感情を爆発させるようにばあちゃるの身勝手さについ言葉を荒げる。
「そもそもここは女子更衣室だよ!?しかも私のロッカーの中にプロデューサーがいる状況ってなんだよぉ!?」
「はいはいはい。何も言い返せなくてばあちゃる君もさすがに肩身が狭いっすけど、言い訳していいっすか?」
とりあえず吐き出すものを吐き出し、感情を落ち着かせる。少し冷静になり、改めてばあちゃるの状況を確認した。いつものスーツ姿ではあるが上着とネクタイを着ておらず、さらにいつもしている馬のマスクもつけていなかった。めめめはとある日から、ばあちゃるの自宅にて朝食を共にしているのでその素顔は見慣れたものだ。
「はぁはぁ。うん、落ち着いた。いいよ教えて」
「はいはいはい。ほら、ばあちゃる君ってあれが使えるじゃないっすか。瞬間移動。負荷が高まっちゃうから最近はやらないっすけどね」
「あーそういえばプロデューサーはそんな特技あったな~」
昔見たばあちゃるの動画を思い出す。武空術や瞬間移動など仕組みは不明だが使用しているのを動画内や最初期ではあるがめめめの前でも披露していたことがあった。
「実はですね、その能力についてなんっすけど、最近使用して無くてですね。今できる限界は何回か確認の為に学園内を転々と瞬間移動してたっすよ」
「ああ。だから少しでも動きやすいように脱いでるんだ」
袖を腕まくりまでしているのを確認する。発言通りに限界までやっていたのだろう。その額には滅多に見ない汗が浸っていた。
「そうっすそうっす。それで最後の力を振り絞って瞬間移動してみれば」
「めめめのロッカーにとばされた、と。どんな確率だよ!?」
「ばあちゃる君もびっくりっすね、完全に」
ロッカーを開くと同時に飛んできたのだと補足する。学園内を転々と飛んでいたというし、めめめのロッカーに飛んでくることだって隔離はゼロではない。わかってはいるがこんな丁度のいいタイミングで飛んで来ようものなら作為的なものを感じても仕方がなかった。
「むー。プロデューサーが悪くないのはわかった。けど、さすがに女子更衣室にいるのはまずいし。なとちゃんに見つかる前に早く出たほうがいいよ」
「いやー、そうしたいのは山々なんっすけど、限界までって言ったじゃないっすか。おかげでばあちゃる君、負荷が過去最大に貯まって今はとても動けそうにないっすね。はいはいはい」
「げぇ!?マジンガー?」
「残念ながらマジンガーっすね、完全に」
「えぐー!?って、いやそれどことじゃないぞぉ。どうするの!?」
焦るめめめにとは対照的にばあちゃるは落ち着いていた。めめめが危惧しているように他の生徒に見つかるものならば大問題であるが、奇跡的に見つけたのはめめめだ。また、めめめ自身もばあちゃるを庇う行動をしてくれることを先程の言動から読み取れる。なら、プール利用者が戻ってきたのならば、ばあちゃるをこのままロッカーに放置して、閉めてしまえばいい。そして誰もいなくなった後に改めてロッカーから脱出をする。それがばあちゃるが考えた案であった。しかし、現実はそう綺麗に事は転ばないものだ。
「げぇ!?もう戻ってきた!?」
「声からして2,3人っすね。全員っすか?」
「全員だよ!やばー、どうしようどうしよう!?」
焦るめめめにばあちゃるは愛おしい視線を送る。自分の身を案じて焦るめめめの姿がどうしても可愛くて仕方がないのだ。ここで、案をしっかり伝えておければよかったが、時というものは戻らない。焦るめめめは既にばあちゃるがいるロッカーに足を踏み入れた。
「ちょ!?めめめめ!?」
「ごめんプロデューサー!ちょっと引っ付くね!」
広めのロッカーではあるが、さすがに平均以上のばあちゃるとめめめが入ってしまえば余裕などなくなる。めめめは向かい合う形でばあちゃるの懐に収まり、ロッカーを閉じた。
「ふー。これで一安心」
「いや、これは。どうあがいても炎上案件っすね」
タオルである程度水分を拭き取ったとはいえ、プール上がりだ。めめめの身体は運動後であることも含めてある程度火垂っており、高い体温を感じる。さらに濡れた髪に瑞々しい肌がばあちゃるの劣情を駆り立てた。
「そ、そもそも、おれ、じゃなくて。ばあちゃる君をロッカーに放置してくれればよかったっすよ。他人のロッカーの中なんて除くような子たちじゃないっすよね?」
「あ、そっか。そうすれば確かに問題ないや。焦って損した」
そしてめめめも落ち着くと同時に現在の状態を理解し、顔に熱が集中する。少しでも引けばロッカーが開いてしまう。しかし目の前には恋心を抱く男性の首筋。あまりの状態にめめめは混乱してしまう。
「ごごごごご、ごめんプロデューサー!?これってさすがにやばいよね!?」
「確かにヤバいっすけど、ここで出たらさらにヤバい状況になっちゃうので我慢っすよ」
「おぉぅ。この状態でか」
目の前には首元。それは人体に置いて匂いが濃いと呼ばれる部分でもある。離れることが出来ないため、必然的にばあちゃるの匂いがめめめの鼻孔をくすぐる。もともと高い体温がさらに上昇するのを感じた。
「うぅ」
「大丈夫っすか?向こうはこっちに気付いてないっすから落ち着いて」
耳元でいつもより優しげな小声がよりめめめを深淵へ引き込む。何もしていないのに動悸は激しくなり、頬、というより顔全体が熱を帯びる。何故か唾液もいつも以上分泌しているのか口の中も大洪水だ。朦朧とする意識の中、めめめを心配してか、ばあちゃるは濡れている髪を優しく撫でる。それが決定打。既に限界ギリギリであっためめめの理性はそれで『溶けた』。
「…ばあちゃるさん」
めめめはばあちゃるのことは名で呼ばない。その為、名を呼ぶ声にばあちゃるは一瞬呆気を取られ、外へ向けていた視線をめめめに向けた。向けてしまった。
その表情をばあちゃるは知っていた。熱を帯びた頬に、口元から妖艶に零れる唾液。熱に浮かされ、理性を完全になくしているその瞳。その表情は『少女の顔』ではなく、『女の顔』だった。
「ッ!?」
めめめの表情、そして雰囲気に飲まれ気付くとばあちゃるはその腕をめめめの腰へと伸ばしていた。普段であれば理性の化け物よろしくの自制心で何とかするであろうが、今は事情により体を動かすことが辛いほどに疲労している。また女性所帯の環境により貯めてしまっていた劣情が暴走した結果でもあった。
「へへ、いいにおい」
「め、めめめ。だめっすよ」
完全に体を密着させ、ばあちゃるの身体を堪能する。また自身の身体を相手に堪能させるために、密着だけでなく擦りつける。水を含んだ水着によりばあちゃるのシャツもまた水分を含み始めた。そしてばあちゃるの肉体もまた、彼の意志とは裏腹に本能が暴れだす。
「ふぁ、ばあちゃるさんのおっきぃ…」
「さ、さすがにそれは不味い。こら、やめなさい」
「その声すきぃ。もっとめめめに囁いて?」
指の腹でズボン越しにばあちゃるの陰茎をなぞる。これ以上の好意はさすがに危険と思い、外にいる生徒にバレない様な声量でめめめに諭すがそれすら彼女にとってはスパイスでしかなかった。彼女の本能による手淫はばあちゃるの劣情を見事に駆り立てる。このままではよりいけないことになると危機感を覚るが、打開策が見つけれない。その時、腰に回していた手が偶然にも彼女の太腿を撫でた。
「ヒャッ。ふ…ぅん…」
軽く撫でただけであったがめめめの反応は予想以上だ。どうしようもない状況の中、ばあちゃるは劣情を胸に反撃に出た。
「今、楽にしてやる」
「みみぃ。その声…ダメだよぉ」
めめめを抱き寄せ、弱点と思われる耳へいつもより少し低い声で囁く。同時に腰に回した腕から、片方は太腿。そしてもう片方は無防備な背中を撫でた。
「ひぅ、ま、ってぇ。ばあちゃるさぁん」
「またない」
「うううぅぅぅぅ。またそのこえぇ…ずるいぃ」
ばあちゃる学園のスクール水着は制服と同じく指定でのものではない。カタログから好みを選ぶことになっている。めめめは普段の衣装から背中をが開く衣装が好みなのだろう。水着も同じく、背中は趣を感じるほどに開いていた。ばあちゃるはそんなめめめのセンスに感謝を送る。
「あ、ああ。ダメ、ダメだよぉばあちゃるさぁん」
「だめじゃないよね?」
よほど敏感になっているのか何度も触れるようにめめめの身体を慰める。徐々に声が大きくなるめめめに限界が近いことがわかる。それを読み取ったのか太腿を撫でていた腕をめめめの口元へ押し当てた。そしてばあちゃるは唯一、肉体関係を持つ者から頂いたありがたくもないアドバイスを実行する。
「さぁ、いい子だ。そのまま力を抜いて。そう。大好きだよ、めめめ」
「っっ!?んん!!」
背中を撫でられながら今まで聞いたことも無いような優しい声で、予想以上の言葉にめめめは我慢の限界を超えた。抑えられた腕から呻き声をあげながらばあちゃるの腕の中で大きく痙攣し、その後もなんども小さく痙攣した静かになる。その顔を覗き込むとどうやらそのまま意識を飛ばしたようだ。
改めて換気用の小さな窓から更衣室を覗き込む。気付くと既に帰宅などして離れたようだ。ロッカーを開け、めめめをベンチに寝かせた。そして、熱情が暴走した自身の分身に目を向ける。
「…どうしよう」
寂しげなばあちゃるの声が二人きりの更衣室に響いた。
翌日の早朝。ばあちゃるは頭を抱えていた。どんな理由であれ、自分が担当するアイドル候補に完全とは言えないが手を出したのだ。頭を抱えないほうがおかしい。とりあえず退職届を出すことにしたばあちゃるは文面を打つためにノートPCを開いく。その時、ピンポーンとチャイムが鳴る。まさかと思い、ばあちゃるは急ぎ玄関へ赴き、扉を開いた。
「おはようプロデューサー!へへ、今日も来ちゃった」
「え、いや。めめめ?」
いつものテンションを忘れ、つい素で名を呼ぶ。だが当の本人であるめめめはそれに気づかず、いや、気付かないフリをしてばあちゃるの自宅へ足を踏むこんだ。そこでさすがのばあちゃるもめめめの意図に気付く。彼女は『何もなかった』ことにすることを選んだことに。めめめにそんな選択を取らせてしまったことにばあちゃるは罪悪感に胸を痛める。しかし、それが彼女が選んだことならと無理やり納得し、その意思を汲むためにいつも通りの対応をしようとした。その時。
「あ。もし、またあんなことになったらその時はよろしくね。ばあちゃるさん」
振り向き、先日に自分の劣情を沸かせた『女の顔』で、もこ田めめめは妖艶に微笑んだ。
その笑みに、ばあちゃるは見惚れることしかできなかった。