「はっ!こ、ここは!?」
目を覚ますとそこはベッドの上だった。起き上がると頭から湿った布が太ももに落ちた。周りを見ると木造の家なのだろう、木材で出来た家具や木ふちの窓ばかりだった。そしてドアの方から、ギシギシと誰かがこちらへ向かってくるのが分かった。ガチャッという音がし、そこから白い髪とひげを持った爺さんが入ってきた。手には水が入っているのか、桶と布があった。
「ベル〜。起きたかのー?まぁ、医者の見立てだとまだじゃからまだだとは思u……。」
バッチリ目が合った。何なら、そのまま数秒経ち外からチチチという小鳥の声すら聞こえた。
「ベル〜!!!起きたのかの〜?!!大丈夫なのか!いや〜、良かった良かった。」
そして、ブワァッという音が聞こえそうなほど涙が溢れたかと思うと、手元の桶などを放り出しこちら、というか俺に抱きついてきた。……なんか苦しくなってきた。
「ちょい、ギブ、ギブ。苦しいよ、爺さん。ちょっと離して。」
「おおう、すまんのベル。お前が起きたのがつい嬉しくての…。ん?爺さん?」
「?なんだ、爺さんじゃないのか、その顔で。んじゃおっちゃんで良いか?後、ベルって誰だ?それにここは、ウッ!!??」
そして俺は過去の事を思い出そうとすると、頭痛を感じた。今まで感じた事がないほどの痛みだ。頭を潰されてもここまで痛くはないだろう。そして俺は気絶した。気絶寸前の視界で爺さんがなんか叫んでいたが読舌術なんて持ってないからな。分からん。
あれからどれくらい経ったのだろう。窓を見ると夜のようだ。そして俺はドアを開いてこの部屋から出るために足を床につけようとすると、ズキンと体に痛みが走る。
「痛え!!?」
と俺は叫んでしまう。すると、ここは二階なのだろう。階段を駆け上がってくる足音がしてきた。
「ベル!起きたのか!」
バァーン!という音でドアが開けられ、やはりそこにはあの爺さんがいた。
「おーう、良かった良かった。儂は心配したぞ〜。しかしベルよ。お主、本当にベル・クラネルなのかの?」
「……あ〜、やっぱりバレたか。あぁ俺はベル・クラネルじゃねぇ。
なぜ、俺はここが異世界だと分かったのか。それは思い出したからだ。はじめの頭痛は一気にこれまでの事を思い出し脳がキャパオーバーしたためだ。それも寝ている間に整理でき転生やら何やらを思い出せた。
「ふむ。そうか。そう…なのか。……すまん、少し頭を整理させてはくれんか。」
「あぁ。というか俺も何がなんだかほぼ分かってないんだ。」
そして爺さんは部屋を出ていった。
数分後、下の方、つまり一階からすすり泣く声が聞こえてくる。どうやらあの爺さんが泣いているようだ。……まぁ当たり前か。自分の家族が死んだも同然な事になったんだ。だが俺にはどうすることも出来ない。出来る事はベル・クラネルの分も生きてやることぐらいか。…おこがましいと言われるかもしれない。だが俺は生きていく。この二度目の人生、あんな風に無駄にすることにしないように。