世界の脅威である魔王討伐を志して故郷を飛び出してから、俺は冒険者として生活はとても順調にすすんでいた。
それはあらゆる剣技を極めたジョブであるファイナルフェンサーの俺の実力もそうだが、なによりも俺が故郷を出るときに一緒に着いてきてくれた姉妹の存在が大きい。
穏やかで気立てがよい性格と共に芯の強さも併せ持つ、母性を感じさせる柔らかな体つきが表すように回復魔法のエキスパートである幼馴染み。
何かと強気な態度を見せるが本当は誰よりも寂しがり屋な、細身ながらも軽快な身のこなしで斥候や探索、さらには華麗に舞うようにして戦闘までこなす盗賊職の妹。
苦難は色々あった。だが、このふたりの存在があったからこそどんな障害でも乗り越えられたのだと俺は思う。
魔王を倒す道のりはまだまだ遠い。だが、俺達が揃えば無敵だ。そう、俺達の旅はこれからも続いていくのだ!
◇
そんな俺達であるが、今は大規模なクエストをクリアして、我らがホームハウスに帰ってきたところ。
妹の方は疲れたからと言って早々に自分の部屋に行ってしまったが、今回のあいつの獅子奮迅の活躍を鑑みればそれも仕方がない。
むしろ今回のMVPにはゆっくり休んでもらおうと、今日の残りの雑務に関しては俺達の方でやると話は通っているのだから文句があるわけがない。
そんな理由もあって、俺はふたりで雑務を今日中に終わらせるために幼馴染の部屋を訪ねると、勝手知ったる幼馴染の部屋と軽くノックをするといつものように扉を開ける。
「はぁ、はぁ、ん、あ……っ」
そして俺の目に飛び込んできたのは、頬を主に染めながら自分の体を抱きしめて荒い息をつく幼馴染の姿だった。
一体どうしたのかと一瞬慌てるが、彼女の足元に転がる空き瓶をみて状況を察した。
あれは以前悪徳商人を懲らしめた際に押収した品のひとつで、サキュバスの体液から精製された媚薬だ。
そのあまりに高すぎる効力に当然のように取引を禁止されている品だが、悪徳商人は外観を通常のジュースに偽装して裏ルートで販売していたところを俺達が捕縛したのだ。
どうやらその時の品がたまたま棚の中に紛れ込んでいたのを、外観でただのジュースだと勘違いしたのを彼女がたまたま飲んでしまったのだろう。
落ち着いていれば魔法のエキスパートである彼女ならこれがただのジュースでないとすぐに気付けたはずなのに、まったくもってのうっかり屋である。
「あ、あ、これは、その、……ち、ちがうんですっ」
彼女は俺の存在に気付くと、より強く自分の体を抱きしめてサキュバス印の媚薬の効力に抗おうとする。
だが、それにより服の上からでもよく分かる胸の膨らみがより強調させつつ、熱に潤んだ瞳を恥じ入るように伏せて床にへたり込む姿は、どうしようもなく俺の胸の内を掻き立てる。
まるで誘われるように俺は部屋へ踏み入り彼女に手を伸ばす。
「う、ひゃうっ!?」
そのまま彼女を抱き上げると、俺の腕の中であがる可愛らしい悲鳴を無視するようにまっすぐベッドへ向かい、彼女の体を横たえる。
「あ……」
仰向けに寝転がった彼女は、至近距離で俺と視線がぶつかると、ただ小さく声を漏らす。
薬のせいでまともな思考が出来ていないなりに、今の状態が正常ではない事は分かっているハズだ。それでも、その瞳の中には確かな熱が籠っている。
俺がさらに手を伸ばしても、彼女は緊張に体を強張らせるようにはしても、はっきりとした抵抗の意志を示そうとしない。
むしろ、何かに期待するように熱い吐息を繰り返す。
そんな彼女に俺は、
「いや、みなまで言うな。これは薬のせいなんだろ。俺がきちんと処分しきっていなかったせいでこんな事になって、ほんと悪かったな」
「え……、あ……っ!?」
彼女が風邪を引いた時に何時もやるように頭を撫でながら、何時もの調子で謝っていた。
俺の行動が予想外だったのか、彼女は驚きに目を見開きながら俺の顔を見つめて、やがて自分が何を考えていたのか思い至ったかのように一層に顔どころか耳まで真っ赤にする。
「とりあえずは時間が経てば効果も薄れるだろうし、俺は部屋の前で誰も来ないように見張っているから、落ち着いたら声をかけてくれ」
そして俺は紳士然とした態度を崩す事無く彼女が何か言うより早く立ち上がり、振り返る事無く真っ直ぐ部屋を出ると、あとは扉を閉めて壁に背中を預けると大きく息を吐き出す。
彼女には見張るとは言ったが、最後の同居人は既に夢の中のハズであるため殆ど意味はない。だから俺は何をするでもなく瞼を降ろして待機するだけ。
正直に言えばあのまま押し倒してしまいたい衝動はあったが、あんな薬で正常な判断が出来ない状態につけ込むような真似は彼女に対する裏切りだ。
ちょっと以上に惜しいと思う欲によく耐えたと自分をほめてやりたいと思いながら、背中に壁の冷たさを感じながら静かに瞳を閉じる。
ただ、サキュバス印の媚薬は非常に強力だ。確かに時間経過でも効果は弱まるだろうが、中毒性もまた高いこの薬が抜けるのに必要な時間はどれほどか。
その間はずっと薬の効果に苛まれ続ける。困難や苦痛なら精神力で耐えられるかもしれない。だが、快感とは苦痛を紛らわせる類いのモノでもあり、そもそも耐える意味をなさない。
彼女は今、部屋の中にひとりきりであり、誰の目もない。そして俺が誰も来ないよう見張っていると言った以上、自分が呼びかけるまで誰もこの部屋に来ない事は保証済み。
あとはただ我慢をすればいいのだが、火照りは落ち着くどころか時間が経つごとに薬がより回って強くなる。これを静めるためには彼女はどうするのか。
周りを見ても誰も居ない。誰も見ていない。なら、ここで何があっても知っているのは自分だけと彼女は思ったりしないだろうか。
『はうんっ、……んんっ、ぁ、ぁ、ぁ、うくっ……』
まるで俺の予想通りの展開が壁の向こうで起こっていたかのように、やがてくぐもった彼女の喘ぎ声が漏れ聞こえてくる。
最初の1回だけは思っていたよりも大きな声だったが、次からは非常に籠った声となって俺の耳朶を打つ。
きっと最初は上げてしまった嬌声に自分で吃驚して手を引いてしまったが、一度始めてしまえばもう止められるはずもない。
それでも声を出すのはどうしても恥ずかしくて、ならせめてと、声を抑えようと枕なりなんなりで顔を抑えながらいたしているだろう。
もっとも、本人は声を抑えられていると思っていても実際にはこうして丸聞こえなのだから、世の中は世知辛いものである。
『はぁ、はぁ……、んんっ、んんっ……!』
そして薬のせいで正常な思考能力が奪われていた彼女は、誰にも見られていないし聞かれていないという思い込みによって、徐々にそのタガが外れていく。
最初はおっかなびっくりだったのだろう事を感じさせていた声は、やがてより一層の快感を求めた激しさを伴ったものへと変わりゆく。
うつ伏せの状態で必死に枕に顔を押し付けて声を抑えながらも両手は別の生き物のように自らの衣服の下に潜り込ませて、その白く長い指先で自分の弱点をかき回しているのか。
口から声が漏れないように手で押さえながら、ふくよかな胸の先端にある淡いピンクの突起を捏ねたりつねったりしていじめているのかもしれない。
この薄壁一枚の向こう側で今、彼女はどんな格好で自慰に耽っているのか。彼女の声とベッドの軋む音に、想像を否が応でもかき立てられて俺の息子もはちきれんばかりにいきり立ってしまう。
『ぅ、ぁっ、あっ、あっ……、んうぅぅぅ~~~~っ!』
やがて余裕がなくなってきたのか、既に声はもう殆ど抑えられている意味もなかった状態だった。
そんな中で、それまでとは違う深く長い嬌声が漏れ聞こえてくるのを最後に、彼女の部屋は余韻に浸るようにひと時の静寂を迎える。
耳を澄ませば大きく繰り返す彼女の吐息が聞こえる。どうやら今の瞬間にイったらしい。
だが、サキュバス印の媚薬がこれで終わるのか?
『あっ、あっ、だ、だめっ、止まらない、気持ちいいのがっ、止まらないのっ、ふぁっ、んん~~っ!?』
答えは否。まるでそう示すかのように、壁の向こうでは早速二回戦が始まる。
彼女はこれで終わったと思ったのに、体はその想いを裏切るより一層の快感を求める。その事に戸惑いながらも、一度味わった甘さの奔流に流されて動かす手は止まらない。
『ふあぁっ、いいっ、いいのぉっ、私のナカ、ぐちゅぐちゅって、んぁっ、すごいっ、すごいえっちな音立てちゃってるっ! おっぱいも、すごい敏感で……ひぃんっ!? ああ、だめっ、もっと……気持ちいいのがもっと欲しいの~っ!』
彼女は自分が一番欲しい場所がどこかを叫ぶようにして、なりふり構わず快感を求める。
もはや声を抑えようという意志は呑まれたのか、耳を澄まさずともはっきり聞こえる行為の音と声が、彼女の自慰の激しさを物語る。
俺にも壁に阻まれ見えるはずなどないのに、まるで目の前で行われているようにはっきりと彼女の乱れる姿が想像できる。
そこには普段の清楚で大人しい彼女の姿は無い。ここにいるのは、何度絶頂を迎えても飽きる事無く繰り返す淫乱な女だけ。
『ああっ、だめ、足りない、こんなんじゃ全然足りないのっ。もっと、もっと……』
どれくらい俺はここに立っていたのか、まるで迷路に迷い込んだかのように時間の感覚があやふやだった。ただ、気が付いた時には、壁の向こうは静寂に包まれていた。
先ほどまでの激しさと打って変わってのそれではあるが、気配は確かにこの向こうにあることから、間違いなく彼女はいるはずだ。
もしかして薬の効果が切れたのかもしれない。そう思うと安堵を覚えるが、それ以上にこれで終わってしまうのかという無念さの割合の方が圧倒的に勝っていた。
俺は、もっと、もっと彼女のあられもない姿を知りたい。だが、俺を信じてくれている彼女を裏切れない。そんな葛藤に苛まれていると、俺と彼女を遮っていた扉がそっと開けられる。
「うおっ!?」
そしてようやく人ひとりがギリギリ通れるような程度まで開けられ共に向こう側から腕が伸ばされたかと思えば、抵抗する間もなくそのまま部屋の中に引っ張り込まれてしまう。
突然の事であったが何とか転ぶような無様を堪えつつ、一体どういうつもりなのかを問いかけようとして、彼女の姿を視界に収めて思考の全てが吹き飛んだ。
行為に没頭する中で邪魔だった衣服の殆どを脱ぎ捨てたのか、彼女が身に着けているのはシャツ一枚だけで、それすらも肌蹴させて辛うじて体に引っ掛かっているような状態。
視界の端には脱ぎ捨てられたらしい、妙に濡れて水気を滴らせる下着が落ちている事から、彼女が下に何もつけていない事は間違いない。
どれだけ激しく自分を慰めていたのか、しっとりと汗に濡れたその姿は何とも言えない妖艶さを纏っていた。
どろどろとした欲望の熱をたたえるようで、どこか俺にすがるような瞳の彼女の姿に、どうして冷静でいられようか。
「ごめんなさい、もう無理っ、精液が欲しいの、精液ちょうだいっ。ほんと、ちょっとでいいからっ。じゃないとわたし、おかしくなっちゃうっ。
大丈夫、口でするだけでいいからっ。だからこれはノーカンだから。だからいいよね、いいよね?」
彼女は普段なら絶対に言わないような単語を口走りながら、返事を得るより先に膝立ちになって俺のズボンに手をかけかと思えば、抵抗する間もなくパンツごとずり降ろされてしまう。
そうなれば当然、ここまでの彼女の痴態を目の当たりにし続けていきり立っていたモノは拘束から解き放たれたかのように勢いよく跳ね上がる。
「ああ、これが……。だめ、我慢できないっ。あむっ、んん~~っっ!!」
「うあっ、ちょ、いきなりすっ……!?」
「んっ、んっ、んっ、ずずず~っ!」
彼女は俺のモノを初めて間近で目の当りにして、驚きからかその瞳に冷静さの色が宿る。だが、それも一瞬、すぐさま情欲に理性は押し流さる。
そのまま一切の躊躇なく、彼女はいきなり一気に自らの口の中に咥え込むと、これまで耐えてきた反動でタガが外れたかのように、欲求の赴くままに激しく吸い付いてくる。
まるで全部を飲み込んで食べてしまうのではないかという程に頬張りながら、口内に広がる味わいを逃さず堪能するべく舌が先端から根元、裏筋などの至るところを舐めまわる。
そこに相手に気持ち良くなってほしいなどという気遣いはなく、自分の欲求をただ相手に叩きつけるかのような自分勝手な動きでしかない。
だが、本能なのかサキュバス印の媚薬の効力なのか、その動きは的確に俺の気持ちいい場所ばかりを刺激し続ける。
「じゅぶぅ、ん、ふぁ……、ああ、この人はあの子の想い人なのに、ん、ちゅ、はぁ、はぁ、こんなの、ダメ、なのにぃ、あむっ、んっ、んっ、むぐっ、んんんっ!」
「うあっ、ちょ、待……っ」
扉の前で散々かき立てられた欲情が無理矢理引きずり出されるような快感が身体の奥から耐える間も無く駆け上がってくる。
最早彼女が何を言っているかも耳に入らない。それでもこのままではいけないとなけなしの理性を総動員して彼女の身体を引き剥がそうとする。
「んぐぉっ、ぐ……ッ!?」
だが、そんな動きを察知した彼女は逃すものかと、彼女はしがみつくように俺の腰に腕を回して引き寄せる。
結果、より一層に俺のモノが彼女の口内に押し込まれて喉奥を抉り突く。その先端が到達した口内の柔らかさとは違う強烈な締め付けに、俺はあっけなく決壊してしまう。
もはや意志の力でどうこう出来ず、むしろより一層奥に注ぎ込もうという本能が無意識に腰を突き出させて、彼女の中へと白濁の欲望を注ぎ込んでしまう。
頭の中がスパークするような心持ちで、まるで俺自身の中身をすべてが変換されたかの量と質を彼女の中へ注ぎ込んでいく快感の奔流に翻弄されるばかりで思考が定まらない。
こんなのはダメだと分かっているのに、喉を通して彼女の胃を直接精で満たす行為が気持ちよくてたまらないと思ってしまう。
……ようやく俺に思考が戻ってきたのは、出せる物は全て出したと精根尽き果てて小さくなったモノが自然と彼女の口から抜けおちるのを感じてだった。
我ながらどれだけ出したというか搾り取られたのか、力がまるで入らず腰が砕けたかのように無様にその場にへたり込む事しか出来なかった。
だが、これでようやく終わ……
「──ねぇ、もっとちょーだい?」
……気付いた時には押し倒されマウントを取られていた。見上げる先にあったのは、夜の暗闇の中にあって情欲に濡れ、獲物を前に舌舐めずりする彼女の姿。
もはやそこには理性の光は見えず、普段の穏やかで理知的で彼女とはまるで結びつかず、この女性はいったい誰なのだと感じてしまう。
だというのに、窓から僅か差し込む月明かりに照らし出されるその艶姿は、間違いなく俺の初恋のその人であり、見惚れている内に尽きたはずの精根がいきり立っていく。
その先端がぬめりのある何かに触れる。視線は彼女の顔から外せない。だが、彼女が腰を下ろしていくのを俺のモノが分け入り、包み込まれていく事で感じ、理解する。
「ああっ、来たッ、わたしのナカに来たのっ、コレッ、コレがッ、今までずっと欲しかったの~ッ!」
やがて何かを突き破る感触を得ると共に、彼女はもはや何も取り繕う物はないと喜びの声を上げると共に俺の精力をむさぼり始めるのだった。
……そして俺はこの時、ひとつの事実についぞ気付く事は無かった。
「──そんな、お姉ちゃんと、あいつが……」
俺が連れ込まれた時からきちんと閉められずに開いたドアの隙間から覗く視線があったという事に。
◇
「──という感じの設定でお願いしたいんですけど、出来るんですか!?」
「もちろん、夢ですから」
アクア様は素敵なお方。汚れた湖を浄化するために魔法を行使する姿には胸の高まりを抱かずにはいられない!(アニメ一期感)
さて、今回は『この素晴らしき世界に祝福を!』から、主人公達がいるアクセルの街で、お代(意味深)を払う事でイイ夢(意味深)を見せてくれるサキュバスのお店に来たお客さんの話となります。
ファイナルフェンサーなんてジョブは存在しねーよっ、なんて伏線分かるわけないよなぁ……。
ぶっちゃけ、書いている途中で「これってこのすばの二次というよりただのオリじゃね?」と思って一度お蔵入りしていたのですが、「別にこのすばの二次と言い張ればよくね?」と思い直したので投稿です。