1 北斎・マスター エッチ
「あっ……、そ、そこ…いい」
暗がりの部屋から女の艶めかしい声が漏れ出る。恥じらいと快楽が混じり合った女の言葉に男は更に興奮を高める。胸に口づけをして、その先端の果実を舌で転がす。女からまた、快楽の刺激による声が漏れ出る。それは女という楽器を響かせる演奏者のようだ。
くちりと指が女の濡れそぼった蜜壺を撫でた。ぎゅっと女の手に力がこもる。
「ますたぁ殿、もっとくちすいしておくれ……」
女が下腹部の刺激から気を逸らすためか、またはもっと欲しくなったのかキスをねだる。もちろん、それに男は激しく応じる。最初は優しくついばむように口づけを交わす。次にはお互いの舌が絡み合うように激しく交わる。
「むっ、あっ、はっはっは……」
呼吸も忘れるほどにお互いの口を貪る。指が女の秘部の中に入っていく。中はトロトロにほぐれている。愛液を掻き出すように指を前後させる。
「あっ、あっ、あっ!! 指気持ちいい……!! い、イクッッ!! んンンッッッ――――!!」
女がたまらずに声をあげる。腰が跳ねる様子は女の身体が女の意思を離れて肉体だけが快楽の刺激に屈してるようで男の欲を満たす。しかし、女の方は自分が一方的に攻め立てられたことに不服なようで反撃に出る。
「ますたぁ殿もここすごくしてるじゃねぇか」
女の小さな手が男の陰茎を擦りあげる。少女のような可憐な手が自分の膨れ上がった陰茎を擦っているという事実が更に陰茎を硬くする。また、女の手もゆっくりと一回、一回の摩擦の刺激を刻み込むようにじわりと男を攻めたてる。
「くっ……!!」
女の手がもたらす快楽に思わず声が出る。その様子に女はイタズラが成功した少女のような笑顔を浮かべ、男の陰茎を口に咥えた。
「あむっ……」
女の口の中の柔らかさと舌のヌメっとした感触、全てが男を昂らせる。
女はあらゆるやり方で男の性器を責めたてる。性器の竿の部分に舌を這わせ、時には激しく唇で性器をしごき、ペニスの先端部分を舌で器用に舐めたり。その一つ、一つに男は反応し、うぶな少女のような可愛らしさが感じられる。女はその反応一つ、一つに満足と興奮を覚える。熱に浮かされ、更に気持ちを込めて、男のモノを深く咥える。男が自分の舌の動き一つにピクリと下半身に力を入れる様子がとても愛おしい。
「あっ、気持ちいいよ、お栄さん……」
そんな言葉だけで女の気持ちが暖かく満たされる。男の性器を愛しく口で愛撫する。
女の心が男に気持ちよくなってもらいたいという情動に染まっていく。
そのまま、自分の口に男の濃い精液を放って欲しい。
女の動きが激しくなり、いよいよ男から精液を搾り取ろうとする。
「お栄さん、お栄さん、ストップ」
男からの待ったに女は動きを止める。せっかく、ここからという所でおあずけをくらってどこか不満顔である。
「お栄さん、俺……」
その言葉で女にも男が何を望んでるか分かった。男の性器が女の中で今すぐにも果てたいとピクピク主張している。女が足を崩し男のモノを自分の花弁の中に誘う。花の蜜に誘われた男は女に口づけし、そして自分の肉棒を女の中に沈めた。
「うっ……、あっ……!」
「お栄さん、気持ちいい……!! 気持ちい……!!」
男はもう無我夢中で女に自分の肉棒をたたき込む。女の膣は既にできあがっており、男の性器をたやすく受け入れた。そこはぐっしょりと濡れてヌルヌルした女の蜜と肉で出来上がっており、男の性器をちょうどいい絞まりで快感をもたらしている。男は女の気持ち良さに溺れ、女と自分を気持ちよくさせることしか頭にない獣となった。
「あっ、いい…!! うんっ……!! あっ、あっ…!!」
「お栄さん……!! もう出るっ! イキそう……!」
「ますたぁ、殿……もっと!! もっと!!」
熱に浮かされた二人はラストスパートに入る。
部屋に響く、お互いのあえぎ声と肉体がぶつかり合う音。淫らに響く夜伽の祭り囃子もいよいよ終わる。
「ますたぁ殿、そのまま中にっ! ――――あっ、あたしもイクッ……! イクッ……!!」
ドピュッ!! ドクンッッ!! ドクンッ!!
ビクンッッ!! ビクンッッ!!
女と男が同時に達した。男はありったけの子種を女に注ぎ込む。女は妊娠する危険がないとはいえ、大量の精子はそれだけで孕みそうなほど濃厚である。女は自分の
「はぁ……、はぁ……、ますたぁ殿……」
女が男に呼びかける。まだ、快楽の余韻を引きずっているが少し落ち着いたようだ。
「おかげで魔力も回復できたよ。ありがとうな。――――それに……」
「きもちよかったよ」
女のその屈託のない言葉に男はドキリとする。
かなわないなぁと男は内心でつぶやく。女性経験をこうして魔力供給という方法で積み上げている男ではあるが、未だに女性サーヴァントたちの懐の深さとでもいうのか、その魅力に男はいつだって負けている。そして、悲しいかな。若い男にとって、さきほどの言葉一つで性欲がまた出てきてしまった。
「おっ」
ぴたりとくっつき合ってた女はそれに気付く。先ほど溜まっていた精液を吐き出して、柔らかくなっていた男のソレがまた硬さを取り戻している。
「なんだい、ますたぁ殿。あんだけ激しくしたのにまだ物足りないっていうのかい」
「あ、こ、これは」
「しょうがないねェ」
そう言って、女はまた男の股に顔を
そして、その様子を覗いてる者がいることに二人は最後まで気付かなかった。
2 アビー オナニー
畳の上に広げられた本がそこら中に散らばってるのを見て、わたしはため息をつく。絵描きという人はみんな、こんなにもずぼらな人間なのだろうかとわたしは失礼なことを考えてしまう。それもこれも畳の上でナイトウェア、日本では寝巻きと言うらしいがそれも着ずにごろりと口を大きく開けて寝ている人が悪い。
「北斎さん、起きて!」
そう言って、わたしはクラス、フォーリナー。真名、葛飾北斎。日本最高の絵描きと言われるサーヴァントの肩を揺すった。北斎さんは日本で言う江戸時代に生きた人であるらしい。わたしが1680年生まれで、北斎さんはお父様は1760年ぐらいで北斎さんは1790年生まれぐらいらしい。お二人ともあんまり生まれ年については覚えていないらしいのだ。北斎さんは特殊なサーヴァントで身体は葛飾応為、わたしが北斎さんって言って、マスターはお栄さんと言う本物の葛飾北斎の娘。そこにたこのような可愛らしい姿で一緒にいるのが北斎さんのお父様で葛飾北斎その人。そして、お父様の意識と北斎さんの意識が混じり合って二人でサーヴァント葛飾北斎ということらしい。最初、聞いたときはちんぷんかんぷんだったけど、一緒にいるうちに北斎さんは北斎さん、お父様はお父様とわたしの中で整理はついたので、今はもう気にしていない。
北斎さんはとても美人さんなのになんて言うか、とても無邪気というか男の人みたいな喋り方をする。江戸っ子?という北斎さんの住んでた地域の人たちの喋り方はみんなそうらしい。
後はとても気さくで好奇心が旺盛だ。気になることがあれば、初対面の人にでも遠慮なく聞く。
カルデアでは色んなサーヴァントの方々がいらっしゃるので興味がつきないのだろう。わたしは少し人見知りする方だからそういう性格は羨ましい。
北斎さんと一緒にいると、お姉さんがいたらこんな感じなのかなと思うことがある。髪の色も顔も、生まれた国も時代も違うのにわたしと北斎さんは仲良くなった。同じフォーリナー同士というので北斎さんが声をかけてくれてたのが始まりで、わたしは最初、初対面で緊張しちゃって、ちゃんと会話できなかったけど、それでも北斎さんは笑顔でわたしのこと「こりゃァ、たまげた。西洋に天使ってのがいるってのは小耳に挟んだことがあるが、あんたはその天使そのままだな」って言うんだから、とても恥ずかしかった。
北斎さんといると時々ドキッとすることを平然と言ってくるから、びっくりしちゃう。日本の女性って奥ゆかしいって聞いてたけど、北斎さんは全然違う。いつも、北斎さんはご飯やお風呂以外はずっと絵を描いている。大抵は浮世絵っていう日本の絵を描いているけど、時々、カルデアのサーヴァントの方々から頼まれた絵も描いている。北斎さんはとても器用で相手が注文してきた絵柄に合わせて依頼された絵を描いている。
わたしは絵はあんまり得意ではないからまるで魔法のようと思っちゃった。北斎さんに言わせれば「絵描きが絵に関してできないって言っちゃア、商売あがったりよ」とのことらしい。続けて「まぁ、できない時はできないんだけどな」と呵呵と笑った。
「なんでェ、アビー。こちとら夜中まで作業してたんだ。もうちょい、寝かしておくれよ」
北斎さんのことを考えてたら、目の前の北斎さんが薄目を開けてゴロンと横返り、まだ寝たいと身体で表現してきた。
「北斎さん、もうお昼よ。それに今日は一緒にシミュレーターする日でしょ」
もぞりと布団にくるまった北斎さんが動く。そして次はううぅぅーーんとなにやら葛藤しているようだ。そして、考えが終わったのかまた動かなくなった。
「って、また寝ないでよぉ!! 北斎さん!!」
北斎さんを起こし、風呂にいれ、食堂で一緒に朝食兼昼食を食べ、シュミレーター訓練をした。北斎さんは「今日のアビーはまるでかか様みたいだな」と笑って言っていたが、本当に手のかかる子供みたいだ。北斎さんのお父様は北斎さんの横で一緒に笑っているように見えるのが、親子ともどもそういうタチなんだろう。北斎さんのお母様の苦労が偲ばれる。
「おーい、ちょうどよかった」
正面の廊下からマスターが声をかけてきた。
わたしや北斎さんのマスター。名前は藤丸立香。人類最後のマスター。人理が崩壊した後、マシュさんやカルデアのサーヴァント、スタッフの皆さんと一緒に人理修復という大偉業を成し遂げた人。
一応魔術師なのだが、本人曰く、街を歩いていたら献血をしていて、時間もあるし、ちょっとやっていくかと参加したら、いつの間にかカルデアに拉致されていたというくらいで、魔術に関してはあまり詳しくないらしい。それでも、戦闘ではサーヴァントを補助するためにガンドや強化の魔術を使っていたりする。
マスターは、はじめて会った時からわたしに優しくしてくれて、よく声をかけてくれてくれて、北斎さんと同じくらい、わたしにとってかけがえのない人。見ているとほっとするような陽だまりのような人。
「なんでェ、マスター。なにか用事かい?」
「あぁ。ダ・ヴィンチちゃんから連絡があって、微小特異点が観測されたらしい。それで二人にはその特異点に一緒に付いてきて欲しいんだ。なんでも、フォーリナークラスである二人が今回の任務には適任なんだって」
「そういうことなら、任せておくんねェ。アビーも大丈夫かい?」
「わたしも行くわ! マスター任せて!」
「ありがとう、二人とも」
そう言って、マスターはわたしたちの頭にぽんと手を置いて撫でてくれた。
ほんと、マスターってこういうところ、ずるいんだから。でも、となりの北斎さんの照れ顔がかわいいから許してあげる。それにしても、マスターが
微小特異点で問題のエネミーを排除して、無事、特異点を解決した後、なんだか北斎さんの様子がおかしい。エネミーの数が多くて、たくさん宝具を使っていたから、とても疲れているようだったけど……。今はマスターが北斎さんを自室まで連れて行ってる。わたしがもっと頑張っていれば、北斎さんがこんなに体調を崩すこともなかったのに……。
ベッドにボスンと身を投げる。身体を横にして、隣の部屋に想いを馳せる。じっと壁を見つめて、北斎さんのことを考える。息が荒くて、顔も赤くて、とても辛そうだったわ。
マスターが大丈夫と言っていたけど、やっぱり心配……。
目を閉じて、神経を集中させる。わたしの中の外なる神に意識を繋げる。カチリと鍵が開くような音が聴こえた気がした。その瞬間にわたしは隣の部屋に意識を飛ばす。意識が拡張されたような、自分の内に世界があるような感覚が一気に押し寄せる。北斎さんの声が聞こえる。これは――――あえぎ声?
「あっ、あっ、ま、ますたぁ殿。気持ちいい! そ、そこ、よ、弱いっ。ウンッ! はぁ、はぁッ。力がはいらないンッ!」
「!!!???」
な、なにがどうなってるの!!?? えッ、ほ、北斎さんとマスターってそういう関係だったのかしら。でも、マシュさんは? あれ、あ、でもいつも一緒にいるってだけで、そういう話は全然聞いてなかったわ。とゆうか、マスターとサーヴァントってそういうことしていいのかしら!?
思考が暴走する。いまだ、自分が広げた意識の中で北斎さんとマスターは見たことないほど、激しく身体を交わらせて、まるで獣の交尾という言葉がしっくりくるようにお互いの身体を打ちつけている。
今まで見たことのないような顔をしている北斎さんにわたしは胸がドキドキする。
マスターもいつもと全然違う。ちょっとこわい。
北斎さんとマスターがキスをする。その後の舌をお互い舐め合うのがとてもエッチだ。トロンとした顔に北斎さんの見てはいけない一面を見てしまった罪悪感がよぎる。
北斎さん、とても気持ち良さそう……。
ふと、わたしは自分がそんなことを思ってることに気付いて恥ずかしくなった。わたしったら、なんてはしたないことを。あぁ、神さまどうかこんなわたしを許してください。アーメン。
しかし、そんな祈りとは別に否が応でも身体は二人の大人の営みに反応してしまう。
下半身から何かが垂れてる感触があった。この歳でお漏らしかと一瞬焦るが、これはなんだか違う。おそる、おそる、ドロワーズの中に手を入れる。
ゆっくりと水源を探して、手をもぞもぞと進める。太腿の上から徐々に下に降りていき、女性器のとこに指がたどり着く。指先にぬちゃっとした感触が伝わる。その時にあぁ、自分は二人の行為で興奮してしまったんだと愕然としてしまった。
それでもわたしはなぜか下着の中に入れた手を抜くことはせずに、太腿から腰にかけてゆっくりと自分の愛液をこすり付けるように動かす。肌を撫でる手の感触が妙に気持ちいい。
わたしはまた愛液をすくうように手を下腹部の方にすべらせる。女性器の辺りに手を置くと妙に落ち着くのはなんでだろう。
垂れた蜜を指先でぬちゃぬちゃと遊ばせる。もっとぬるぬるを足そうと蜜壺を指で撫で回す。はぁぁと深い息が思わず出る。
今まで知らなかったこの行為にどんどんのめり込む。ドロワーズが邪魔になり脱ぎ捨てる。途端に下半身に訪れた解放感により興奮する。
「ふっ……、うんっ……」
強く触っていたら、声が思わず出た。でも、もっと触っていたい。
「はぁ……、はぁ……」
気付けば、わたしは足をはしたなく広げて指は性器の穴を遠慮なくなぞりあげて、性の快楽に身体を溺れさせていた。右手で性器を擦り、空いた左手はまだ小さい胸を揉みしだき、頂点の乳首を服の上から転がしてる。
わたしはいつの間にかマスターに身体を弄ばれる想像をしながら、この罪深い行為の深みに墜ちていた。けど、しょうがないじゃない。だって、まだ、マスターはあんな必死に北斎さんの胸を舐めて、腰は休むことなく北斎さんの身体を打ちつけているんだもん。その度に、北斎さんは「あッ! アンッ! 気持ちいいッ! そこ、もっとッ!!」って聴いてるだけで濡れてくる声をあげるんだから。わたしも、もっと気持ちよくなりたい……。
「あっ…、っつんンッッ……!!」
指先が膣の上の少しぷっくりとした部分に触れた。強烈な刺激がビリッと襲ってくる。電気が通ったみたいに身体がビクッと跳ねて、びっくりする。あれはなんなんだろうか。でも、あの刺激、少しこわいけど、――――とても気持ちよかった。
今度は軽く指で押してみる。指が触れた瞬間に「ンッ……!」と声が漏れた。さっきよりは弱いがほどよい刺激が返ってくる。
そして、ゆっくりとかさぶたを剥がすように慎重に指を離す。そうするとまた「アッ……!」と声が出た。自分がまるで子供のおもちゃになったかのような錯覚を覚える。次第にコツを覚えて小さなお豆の部分をこねくり回す。腕を口に当てて、はしたない声が漏れでるのを我慢する。身体を丸めて、自分の女の子の部分から響いてくる快楽に集中する。
頭の中が真っ白になるほどの刺激が花火のように広がる。敏感な部分を弄る手はもっと先の快楽の絶頂を求めて、より激しく動く。
自分の中で何かが駆け上がってくる感じが大きくなる。意識の片隅で北斎さんの声が甲高く悦びの声をあげている。あぁ、もしかしてこれがさっきから北斎さんが叫んでいるイクってことなのかしら。そう、ぼんやり考えて、最後の大きな花火がわたしの何もかもをはじけさせた。
「ンンッッッ――――!!!」
ビクンッッ!! ビクンッッ!!と身体が踊る。何もかも出しきったかのような解放感と虚脱感にぐったりする。身体が怠くて、もうこのまま、ずっと寝ていたいと思った。最後にちらっと北斎さんとマスターに意識を向ける。二人ももう同じように全て出しきってぐったりとしていた。けど、北斎さんのどこか幸せそうな顔がわたしを寂しくさせた。
3 アビー 相談
「はぁ……、わたしっていけない子……」
ついつい、そんな言葉ばかり口から漏れ出てしまう。昨日の痴態からずーんと気持ちが重い。うぅ、わたしってこんなにもエッチな子だったなんて……。
「あら、アビー」
「マタ・ハリさん」
声をかけてきたのは、その美貌で世界中の偉い人たちを虜にした踊り子で、更に女スパイとして世界に名を轟かせたというサーヴァントのマタ・ハリさんだった。
「どうしたの? なんだか元気がないようだけど」
マタ・ハリさんはよくこうやって、サーヴァントの中でも子供に分類される人たちに声をかけている。わたしも含めてみんなマタ・ハリさんのことを好きだ。一緒にいてとても安心する。まるで姉や母のような存在だ。
「あの、ちょっと悩んでいるんです」
わたしは思わず、マタ・ハリさんにそう返事していた。わたしが今悩んでることなんて、マタ・ハリさんに言えるわけないのに。なに言っているのわたし!
「あら、そうなの。わたしでよければ相談に乗るわよ」
わたしのそんな胸中も知らずに、マタ・ハリさんはその異名の『太陽の女』通りの誰もを照らす暖かい笑顔で答えた。
「あっ、で、でもやっぱりいいです! ごめんなさい」
「もう、そんなこと言われたら余計にほっとけないじゃない。さぁ、お姉さんにすべて話しちゃいなさい」
そう言って、マタ・ハリさんはわたしの脇に手を差し入れて、くすぐり始めた。
「マ、マタ・ハリさん! あ、アハハッ! くすぐったい! ちょ、ちょっと、止めて」
「じゃあ、悩んでることをさっさと言いなさい~」
「言う! 言うから!」
すっ、とマタ・ハリさんの手が身体から離れた。くすぐったさから解放されてはぁ、はぁと息を整える。
「それじゃ、お茶でもしながらアビーの相談を聞こうかしらね」
背景にルンルンと楽しそうな擬音が見えるぐらいに楽しそうな笑顔でマタ・ハリさんが言う。ほんと、素敵なお姉さんなのにこういうところは子供っぽいわ。それでも、その無邪気さが不思議と魅力的だ。少女のようであり、妖艶な大人の女性でもある。不思議な人だと改めて思った。きっと、それがマタ・ハリさんの魅力なんだろう。
「アビー! はやく、はやく!」
「はーい」
わたしはとことことマタ・ハリさんを追いかけた。
「あはは……。まさか、そんなことが起きてたとは」
マタ・ハリさんのマイルームで紅茶とお菓子をごちそうになりながら、わたしは昨晩のことをマタ・ハリさんに打ち明けた。とっても、とーーーっても恥ずかしかったけど、一人であれこれ考えている時より気持ちがちょっと落ち着いた。
「あの、わたし変ですよね……。その……北斎さんとマスターが……しているところを見て、してるだなんて」
改めて自分で言うと顔がボッと赤くなる。どうして、わたしはあんなことを……。ちらっとマタ・ハリさんを見るとうーんと困ったような顔をしていた。や、やっぱり、こんな話されても迷惑なだけなんだわ。あわわ、どうしよう。
「うーん、そうね」
マタ・ハリさんは紅茶を少し飲んで、口を湿らせてから、真剣な目でわたしを見つめながら語りかけた。
「あのね、アビー。それは全然変なことじゃないわ。アビーぐらいの年頃にはみんなそういうことに興味を持つものよ。サーヴァントに年頃って言うのも変だけど」
そう言って、少し表情を和らげてマタ・ハリさんはまた、わたしの顔を見つめる。その目はどこか遠くを見つめるような、ここではない何処かに想いを馳せているように思えた。
「あの……、マタハリさんにもそういう時期があったんですか」
わたしはついそんなことを尋ねてしまった。
「そうね……。うん。あったわ。と言ってもあたしの場合はまたアビーとは違った形だったけど」
マタ・ハリさんはそう答えた。その顔は少し自嘲めいたものだった。自分の中の遠い過去。その大切な欠片に久しぶりに触れて、チクリと痛みを思い出したかのようだった。
「それに私に対してそういう話を言い出したらキリがないわよ。私は稀代の女スパイ、マタハリよ。舞って、踊って、男を誘惑し、寝物語にあらゆる秘密を攫っていく。私はそういう者よ」
そう言いながら、くるりと一回転、舞う。その艶やかさ、その眩しさに目を細めなければ焼き焦げそうな魅力があった。明るく言っているが、その言葉の裏に光の当たらない常闇の世界を生きていた者の悲壮さが感じられた。この人は誰もを魅了する日向の世界を生きていた傍らで薄暗い夜の世界も生きていたことを感じずにはいられなかった。
「あの……ごめんなさい」
わたしは思わず謝ってしまった。それが失礼なことだとは言ってから気付いたが、しかし、どうしても不作法に彼女の過去に触れてしまったことを謝りたかった。
「アビーが謝ることじゃないわ。私はなんだかんだで私の人生に満足してるもの。だからそんな顔しないで」
マタ・ハリさんの手が優しくわたしの頭を撫でる。遠い昔、お母さまにこうやって慰められていた記憶がよみがえる。マタ・ハリさんは髪の毛を梳くように優しく手を滑らせる。
「本当に綺麗な髪ね。わたしは黒髪だからあなたの、この輝くような金髪は羨ましいわ」
その言葉に思わず照れてしまって、うつむいてしまう。こんな美人に褒められると何も言えなくなってしまう。
「それに私があなたに言いたいことはこんな人生相談みたいなことじゃないの。つまりね」
少し間を空けて、太陽のような女性は少し悪巧みをするかのように楽しそうに、こう言った。
「恋バナ上等ってことよ」
この人が、ウインクして無邪気にそういうことを言ってしまえることにふふっと笑みがこぼれた。
4 アビー・マスター エッチ
唾をゴクリと飲み込む。目の前にいる人に話しかけるだけのことが、こんなにも緊張して、できないだなんて。だけど、マタ・ハリさんに教えてもらったことを無駄にしないためにもわたし、頑張らなくちゃ。
「あのマスター、ちょっといいかしら」
「どうしたの、アビー」
食堂で都合よく、一人お茶してるマスターに声をかける。内心では緊張しまくりで、心臓がどくんどくんと大きく鼓動を打っている。
「ちょっと、お話がしたいのだけどマスターの部屋に行ってもいいかしら」
「もちろんいいけど、どうかしたの?」
「あ、あのちょっと相談があるの」
「相談?」と首をかしげるマスターの背中をむりやり押して「い、いいから早く部屋に行きましょう。そこで話すから」と食堂から追い立てるように部屋に向かう。真っ赤な顔が恥ずかしい。けど、勇気ださなきゃ。
なんとか部屋にたどり着く。最初の段階をクリアできたことに安堵の息を漏らす。
一緒に廊下を歩いてる時はこれからのことを考えて、まともにマスターの方を見れなかった。
うぅ、また緊張してきた。
「なんかアビー、いい匂いする」
「あ、あひぃっ!」
「わっ、ご、ごめん。驚かせて、なんだか黒髭(へんたい)ぽかったね」
「う、ううん、いいの。こちらこそ変な声をあげてしまってごめんなさい」
マタ・ハリさんが出かける前にかけてくれた香水の香りに気づいてくれたんだ。いい匂いって言ってくれた……。嬉しい。お化粧や髪とか整えてくれて、最初はこんなにしなくてもと思ったけど、実際に褒められるとやっぱり嬉しい。ありがとう、マタ・ハリさん。
「それで、話ってのは」
□マスターがベッドに腰掛けて、自分の隣をポンポンとしながら、座るのを促してくる。
少し、ためらいながらもマスターの隣に腰を下ろして、手のひらをぎゅっと握る。
「あの、マスターにお願いがあるの」
覚悟はできた。後は言うだけ。さぁ、言おう。
「わたしとえっちしてください!」
その時、時間は止まった。
い、いったい何が起きてるんだ。
俺はアビーに相談があるって言われて、自分の部屋に連れてきて、なぜそこでアビーから「えっちしてください」と頼まれてるんだ。考えろ、藤丸立香。おまえはいつもそうやって、ピンチをくぐり抜けてきただろう。
「あの、マスター?」
アビーが固まってる自分に声をかけてきた。そ、そうだ、固まってる場合じゃない。なんで急に「えっちしてください」ってお願いしてきたのか理由聞かなきゃ。いや、その前にほんとに「えっちしてください」って言ったのか。実際は「わたしとタッチしてください」とかじゃないのか。なんだよ、タッチって甲子園に連れていけばいけばいいのか。いかん、落ち着け、藤丸立香。クールだ、クールになれ……!!
「えーと、アビー。その」
「あ、あの……ごめんなさい! 急にこんなこと言っても驚かせてしまうわね。えっと、これにはちゃんと理由があって」
いったいどんな理由があったら、「えっちしてください」ってお願いにつながるんだろうか。とゆうか、頭の中がさっきからずっと「えっちしてください」のワードで埋め尽くされている。
いや、それよりもまず、アビーから理由を聞かなきゃ。そう気持ちを切り替えて、アビーに続きをを促す。
「あ、あの……わたしこの間、北斎さんとマスターがそのえ、えっちしてるの見てしまって、も、もちろん、あれが魔力が無くなった時の応急処置って知ってるわ(マタ・ハリさんから教えてもらった)。けど、それでわたしもその見てたら、……してみたくなったの」
ま じ で か 。
え、うそ。あれ、見られてたの。部屋にそんな隠れられる所あったか。とゆうか、すごく恥ずかしいぞ。なんか色々ショックだ……。
「マスター?」
アビーが心配そうな顔をこちらに向けている。いや、落ち込んでる場合じゃないぞ、俺。アビーだってこんなこと、女の子から言うんだ。相当な勇気がいるはずだ。俺もちゃんと答えなきゃ。
「あのね、アビー。あれはいわゆる医療行為みたいなもので。本当のエッチていうのはやっぱり好きな人同士でやるのが一番だよ」
なんか聞き方によっては明日あたり、お栄さんに富岳三十六景されそうなことを言ってるな。いや、でもまずはエッチは好きな人同士でするもんだと言っておかないとアビーが誰とでもそういうことする子になったらご両親(何百年前に死去)に申し訳ない。
「わたしマスターのこと好きよ? それでもダメ……?」
その可愛さに誰がノーと言えるだろうか。いや、言えまい。
部屋に沈黙の帳が降りている。聞こえてくるのは衣擦れの音だけ。お互い背を向けて、服を脱いでいる。まるで初体験の時のような緊張感に身体が強張る。
「あの、マスター。もうこっち見てもいいわよ」
「あ、うん」
振り返ると、そこには天使がいた。薄暗闇の中、輝くような金髪にまだ幼さが残る白く眩い肢体。少女のあどけない顔と一糸纏わぬ姿のギャップにくらくらする。
「綺麗だ……」
口から思わず言葉が漏れる。それほどまでに、彼女の美しさに心が奪われる。
「あ、ありがとう……」
目の前の天使が頬を赤らめてお礼を言う。かわいい。
彼女が隣に腰掛ける。隣の彼女を見てみると、視線がぶつかった。お互いの瞳を見つめ合う。綺麗な青色の瞳。そのまま深い海の底に墜ちてしまいそうだ。
彼女の瞳が閉じられる。口先を少し前に出す。その仕草が可愛らしくて笑みがこぼれる。
彼女の唇に自分の唇を優しく合わす。触れるだけのキス。そこに彼女への愛情をこれでもかと込める。
唇を離すとまた彼女と目が合った。幸せの花が開いたかのような可憐な笑みがこぼれ落ちた。その彼女の笑みが嬉しくてまた、口づけを交わす。チュッチュッと啄むようなバードキス。じゃれているようなそのキスに楽しそうに応じる。
「はぁっ……。ふふっ、なんだかすごいドキドキしてるのに、笑ってしまうわ」
一息ついて彼女がそう言う。火照った身体から香る彼女の匂いに更に興奮を覚える。
「ねぇ、もう一回」
今度は深く口づけをする。啄み、なぞり、舌で軽く彼女の口を愛撫する。舌の感触に少しびっくりしたようだが、彼女もおずおずと舌でこちらの舌を向かい入れる。気持ちいい。舌のざらりとした感触とぬめっとした感触を楽しむ。
「ちゅぱ……、うむ……、あむっ、んっ、はぁ……、んむ」
もっと、彼女を気持ちよくさせたい。自然と手が彼女の小ぶりな胸に吸い寄せられる。まだ、発展途上ながらもしっかりと女性を感じさせる柔らかさが心地よかった。
「あ、胸……。マスター、手つきがエッチ」
少し咎めるように言われた。けど、こんなの止められない。ずっと触っていたい。瑞々しい肌の手触りがまるで上質な絹の布地のように心地いい。
「アビーの胸、ほんと興奮する」
心の中の声がポロリと漏れ出る。もう黒髭のことは悪く言えないな……。
「男の人は胸が大きいのが好きなんじゃないの? パッションリップさんみたいな」
「好きな人のだったら大きくても小さくても好きだよ。後、パッションリップの胸は大きいとかそういう次元じゃないからね。飲み込まれるからね、あれ」
「ふふっ、パッションリップさんが聞いたら怒りそう。マスターさんが大きいの好きだったら頑張って胸を大きくしなきゃと思ってたの」
「胸が大きいアビーも見てみたいけど、今はこの胸に夢中だよ」
そう言って彼女の胸の頂点の敏感な部分に口づけをする。軽く濡らしてから舌で転がしたり、ちゅーちゅーと吸ってみたりする。やはり、乳首は特に敏感なのだろうか、こちらが刺激を与える度にぎゅっと身体に力が入るのが分かる。少し休憩とばかりに彼女の胸から口を離して、そのままキスをする。キスをすると安心するのか、身体から強張りが解ける。深く彼女の口の中を舌で味わう。彼女が遠慮がちにチロチロと舌を絡めてくる。くすぐったい感触が気持ちいい。
キスからまた胸に標的を定める。乳首の周りを舌でゆっくりとなぞり、焦らしてから乳首を口に含んで舌で舐める。彼女の固くなった乳首が確かな弾力として舌を楽しませてくれる。彼女の身体は本当に全てが自分を興奮させてくる。下半身の自分のモノがこれ以上ないくらい硬くなってるのが分かる。
「んっ、ふっ……。胸、気持ちいい。胸吸ってる時のマスター赤ちゃんみたい。かわいい」
そう言って、彼女は頭を抱きかかえてきた。少女でありながら、母親のような慈愛の気持ちが温かく身体を満たす。今、自分はその聖女のような女の子の胸に顔を埋めていると思うと、その背徳感にますます興奮を感じてしまう。うーん、なんかどんどん自分の変態性が開花していってるような。気をつけないと、いつか黒髭たちと一緒にされてしまう。
「アビーにこうされると安心する」
「そう? ふふ、マスターの方がお兄さんなのに甘えんぼね。でも、私もマスターにこうするの好きよ」
彼女が更にぎゅっと自分を抱く手に力を込める。彼女の心臓の音が規則正しくリズムを奏でている。その音色に安らぎを感じる。確か肉体の年齢的にはそんなに自分と変わらないはずなのに、普段は妹みたいだけど、今は姉のようだ。しかし、いつまでもまったりしているわけにはいかない。腕を下腹部へと伸ばす。まだ、おそらく誰も踏み入ったことのない秘密の園に手を這わせる。
「あっ、マスター、そこ……」
彼女も敏感な部分に手が当たっていることに気づいたようだ。目線で意思を問う。こくりと彼女が頷く。
ゆっくりと指を彼女の膣に侵入させる。きつく閉ざされた肉の壁を傷つけないように優しくほぐすように進んでいく。
「マスターの指が入ってくる……」
彼女も自分の中に異物が入ってくる感覚に戸惑っているようだ。
あまり、深くに入れることはせず、浅い所から柔らかくするようにゆっくり出し入れする。指を締め付けてくる力が強く、この後、自分のモノが入るのだろうかと心配になる。
「マスター、指……。んッ、気持ちいい。もっと、激しくしてもいいわよ」
「大丈夫かい。痛かったから言うんだよ」
「うん、大丈夫。どちらかと言うと、ちょっと、もどかしいの……」
少し恥ずかしそうにしながら、そう言ってくる彼女に欲情する。
「じゃあ、ちょっと動き変えるから、痛かったりしたら言ってね」
膣内を柔らかくする動きからGスポットを刺激するような快楽を与える動きに変える。膣のお腹側を擦るように動かし、彼女の弱い部分を探す。ざらっとした部分に指が触れた。その瞬間、ビクッと彼女が反応した。
「んっ!! 今のすごかった……。身体が勝手に動いちゃったわ」
「ごめん、アビー。痛くなかったかい」
「ううん、痛くはないけど、すごい刺激だった。あんなの何回もされたらわたしおかしくなっちゃう」
まだ、膣内の刺激は慣れていないんだろう。Gスポットへの愛撫はまだ早いかもしれないな。
「じゃあ、ちょっと指は止めて、口でしようか?」
「えっ! その…、マスターが口でわたし……のを、その……舐めるの?」
「あっ、その嫌だったら全然いいんだ。指よりかは舌の方が刺激的には優しいかなって」
「うんうん、全然嫌じゃないわ。マスターにだったらわたし、何でもされてもいいわ」
「いいかい、アビー軽々しく何でもだなんて言ってはいけないよ。約束だよ」
「は、はい……。分かったわ」
何でもという言葉につい強く反応してしまった。アビーに何でも……。駄目だ、想像力が追いつかない。いかん、頭を切り替えて、今はアビーに集中しなければ。
「それじゃあ……」
彼女の綺麗なサーモンピンクの割れ目に舌を入れる。指で解きほぐしたからか膣の中はトロトロとした蜜で溢れていた。少し、しょっぱい彼女の愛液が舌から喉へと伝わってくる。甘くはないのだが甘露という言葉がこれほどしっくりくるものもない。いくらでも飲めそうだ。
「あっ! マスターの舌、わたしの舐めて、これ……いい」
舌の刺激に彼女も酔いしれているようだ。彼女が気持ちよさそうな声をあげるとこちらも、もっと気持ちよくさせなきゃという思いが強くなる。クンニをしながら、空いた手でクリトリスを刺激する。
「んっ! また刺激強いの……!!」
「クリトリスもダメそうかい?」
「クリトリスって言うの? 分からないけど、マスターの好きなようにしていいわよ。わたしなんだかぽーとしてきて、とても気持ちよくなりたいの」
そんな言葉を聞いたからにはもう止まれない。クリトリスを舌で転がして、吸い上げる。その後にまた、指を膣の中に入れて、Gスポットの辺りを指で激しく責めたてる。
「あっ! あっ! マスター激しいぃ!」
頭が沸騰したように熱い。もう、彼女をイカせることだけしか考えられない。指を動かし続けながら今度は乳首を口で吸い上げる。ビクンと反応したことに手応えを感じて、さらに攻め続ける。
「わたし、きちゃう! なんかきちゃう! マスター!!」
「うううんんんンンンッッッ~~~~~~!!!」
激しく身体がビクッビクッと跳ねて、膣内もギュッギュッと収縮する。はじめて見る絶頂した彼女の姿がとても色っぽい。
「すごい……。あたま、真っ白になっちゃた……」
荒い息をつきながら、絶頂の余韻にぼーとする彼女の姿にもっと彼女を気持ちよくさせたい。もっと、彼女を抱きたいという欲が生まれる。カチカチの下半身の自分の性器もよだれを垂らしている。
「アビー、そろそろ入れるけどいいかい?」
我慢できずにそう告げる。深い海を思わせる青い目がこちらをじっと見つめる。そして、コクリと頷いて、男性器を受け入れやすいように体勢を変える。
「来て、マスター……」
誘われるままに彼女に覆いかぶさる。性器の敏感な部分は彼女の柔らかなぷにぷにとした膣の肌の感触を伝えてくる。カリの部分はがまん汁でヌルヌルとしたコーティングがすでにされてある。彼女を安心させるためにキスをする。柔らかな唇を楽しみながら、腰を彼女の中にズブリと進ませる。
「つっっ……!!」
はじめての男性器を受け入れるのに彼女の身体が固くなる。ギチリと彼女の膣が男性器のこれ以上の侵入を拒もうとする。
「アビー、大丈夫? 一度抜こうか」
「いいの、このまま続けて。わたしは大丈夫だから」
彼女の顔からは痛みを堪えてるような苦しさが感じられる。それを感じさせまいとこちらを逆に安心させようとする彼女の健気さに心打たれる。
「じゃあ、このままいくよ。身体になるべく力をいれないようにして」
「分かったわ」
腹に力を込めて一気に彼女が乙女だった証を貫く。彼女の痛みを必死に我慢する表情に罪悪感を感じる。
「全部入ったよ、アビー」
「はぁ……はぁ……、すごいお腹がマスターのでいっぱい……」
彼女の膣は未だ自分のモノをギチギチと締め上げて、気を抜いたらすぐに果ててしまいそうだ。
「ねぇ、マスターキスして……」
彼女の可愛らしいお願いにそっと優しく口づけをする。今日だけで何度も彼女と口づけを交わしてきたけど、飽きるどころかどんどんまた、口づけをしたくなる。彼女の魅力に溺れている自分がいることを認めなければならない。肌を重ねてやっと、彼女の魅力に気づくなんて我ながら何て馬鹿だ。
「わたし、嬉しいわ。マスターと魔力のパスだけじゃなくて、ちゃんと繋がってるの感じれて……」
なかなかに恥ずかしい台詞にこちらが照れてしまう。けど、確かに自分の性器が彼女の中に収まっているという事実に少し安心感を覚える。
「もう、痛いのも収まったからマスター動いて大丈夫よ。その……、男の人は動かさないと気持ちよくないのでしょう?」
こちらを気遣う言葉に下半身のモノがピクンと反応する。「んっ!」と彼女も突然に動いたきかん坊の動きにびっくりしたようだ。
「アビーの中、動かさなくてもすっごく気持ちいいよ。けど、動かして、もっと気持ちよくなりたい」
こちらも彼女の衒いない言葉に影響されたのか、思ったことを素直に言う。
その言葉が嬉しかったのか、彼女は柔らかな笑顔で「来て……」と短い言葉で答えた。
腰をまずは大きく動かす。いきなり速くせずになるべくゆっくりグラインドを深くする。自分の肉棒を刻み込むように深く彼女の蜜壺を満たす。
「あっ……! うんんんっ……! なんかじんじんするっていうかしびれる感じする」
「その感覚が慣れてきたら気持ちいい感じになるよ」
「はぁ……、はぁ……、本当?」
「多分ね。俺は女の子じゃないし」
「まぁ、マスターったら」
クスッと彼女から笑顔がこぼれる。今、男と女としてセックスをしてるとは思えない、あどけない笑みに気持ちが温かくなる。こんな清廉な彼女と今、性行為をしてるのが信じられないくらいだ。その背徳感がより自身の性器を硬くしているのだから始末に負えない。
「あっ、あっ、マスター、だんだんわたし気持ち良くなってきたかも」
「じゃあ、もっと動かすよ」
彼女の腰をしっかり掴んで、ピストンの速度を速める。
「あっ! あっ! いい! マスター、気持ちいい! わたし、気持ちい!!」
力強く腰を打ちつけ、容赦なく快感を与える。脳に痺れるような快楽の波が押し寄せる。彼女の蜜壺からあふれ出す愛液が潤滑油としてどんどん性器同士の摩擦をスムーズにさせる。
「アビー、ちょっと体勢変えるよ」
「はぁ……、はぁ……、えっ」
正常位から彼女の身体を起こし、自分は横になって、騎乗位の体位に変える。彼女が上になって自分の性器をくわえ込んでいるというシチュエーションに興奮する。
「やだ、マスターこんな格好―――あんっ!」
自分が上になっていることに恥じらいを感じているのが可愛らしかったが、それでも攻め立てるのを我慢出来ずに下からズンズン突き上げる。
「んっ! んっ! 下からっ、ずんずん、くるっっ!! あっ、あっ!!」
自分の上で彼女が踊るように揺れている。ベッドは軋み、彼女のあえぎ声が響き渡る。腰の動きも一切の遠慮なく肉の槍を突き刺すような激しさで、彼女の膣の最奥の部分に叩きつける。
「だ、だめっ! 力入んないっ! まっ、マスター。んちゅ、ぷはぁっ、んぅっ!」
もう姿勢を保つことが出来ずに彼女がこちらの胸に倒れ込む。それでも、射精までもうすぐのこの状態でピストンを緩めることは出来ずに、彼女を抱きかかえたまま、腰を打ちつける。
「あ、アビー、ダメだ。もうイキそう……」
もう、限界がすぐそこまできている。頭が焼き切れそうなほど快楽の火花が弾けている。
「わたしもイキそうだから、このまま……あんッ…強く抱いて」
「アビー、このまま出すよ……!!」
もう、相手を気遣う余裕もない。このまま彼女の最奥に溜まった精液を出すことしか考えられない。深く速く、快感を最大限まで溜めて爆発させるように。彼女の中に全てを解き放つために無我夢中で性器を穿ち続ける。
「あっ! あっ! このまま! このまま、出してマスターーーーー!!」
「うっ! あっ! い、イクっ!!」
お互い身体が痙攣するほどの快楽の爆発が起きた。自分でも信じられない程の勢いと量の精液が出ているのが分かる。膣の痙攣もすごく一滴もこちらの精液を逃すまいと吸い上げるように肉棒を締め上げる。お互い、全ての力を果たして、ぐったりとする。
「アビー、大丈夫だった?」
胸の上で、今でも絶頂の余韻でとろんとした顔の彼女に声をかける。
「ええ……、大丈夫だったけど……、なんというかとてもすごかったわ……」
まだ、息が整わずに一言、一言、ゆっくりと彼女は返事をする。やり過ぎたと反省する。けど、それ以上に素直な気持ちをまず、伝えなきゃと今日一番思ったことを伝える。
「アビーはとてもかわいかったよ」
「もう、マスターったらそんな恥ずかしいこと言わないで」
行為によって、火照った身体が恥ずかしさで更に赤くなったようだ。
普段はこういう風に恥ずかしがり屋なのに、時々大胆なことをするのが彼女の不思議な魅力かもしれないなと疲れた頭で考える。
「ふぁ、なんだか疲れちゃったな。シャワーは明日でもいいか」
「ふふっ、マスター子供みたい。わたしも、もう眠たいわ。今日はこのまま一緒に寝ていい?」
願ってもないことを言われる。胸の上の彼女をぎゅっと抱き寄せる。暖かい体温と柔らかな肌が幸せのぬくもりを感じさせる。
「そうだね。今日はアビーを抱きしめて眠るかな」
「マスター、子供みたい」
そう言って嬉しそうに笑みをこぼすアビー。彼女の中で自分の印象はどんな風に変わったんだろうか。明日、起きたら聞いてみようかな。いや、それはデリカシーのない質問かもしれないな。まぁ、いいや。今日はもう疲れた。
「おやすみなさい、マスター」
「おやすみ、アビー」
そう言って、すぐに意識は暗闇の中に落ちていった。疲れた身体と頭に彼女の安らぎを覚える香りが幸福を感じさせた。
5 後日談
「北斎さーん、起きてーーー!!」
朝からアビーの大きな声で起こされた。最近、なんというか以前にも増して元気がいいというか、肝が据わってきたというか。どこか変わったように見える。まぁ、いい方に変わったんだったら、それでいいんだろうねェ。
一緒に朝食を食べた後、珍しくこっちが絵の作業をする間、広げっぱなしの資料を整理すると言い出した。そんなのいいって言ったが、向こうさんがどうにも引く気はないらしいので、それならそれでいいかと諦めて絵の作業をすることにした。一度、集中してしまえば外のことは気にならない性質だしナ。
数時間、黙々と筆を振るう。今回は刑部のお姫さんの依頼で同人誌でげすとに何枚か指定のさあばんとの春画を描いてくれってことだったが、なかなかいい感じに仕上がったねェ。
ふと、隣を見ると、アビーがその絵を覗き込んでいた。
「うわぁ、アビー!! まだいたのかい。おめぇさんにはまだ早いから見るんじゃないやい」
そう言って、描いた絵を隠す。流石のおれでもこういう分別くらいはある。
しかし、普段ならこういう時、むくれるか、恥ずかしがるかするアビーがキョトンとしてる。はて、どうしたんだろうか。刺激が強すぎて、気でもヤッてしまったかい。
「アビー、でぇじょうぶかい?」
「うん? 大丈夫だけど。それより北斎さんの絵はやっぱりお上手ね。男の人の身体がすごいリアルに描けていてびっくりしちゃったわ」
「オ、オウ。そうだろう、そうだろう。いやぁ、やっぱり筋肉の描き方がこっちに来てから参考資料が多いから、だいぶ良くなってヨォ」
つい絵を褒められて気分良くなる。おれもたいていちょろい奴だ。
しかし、はて、何かさっき気になることをアビーが言ってた気がするが、まぁ、いいか。
にこやかに談笑する娘を見ながら、その鈍感さに頭を悩ます父がいた。娘の友達は成長して女に磨きがかかったていうのに。うちの娘ときたら。
まぁ、あれはあれでマスターとも上手く付き合っているようだし、問題ねぇか。
金髪の少女を見ながら、かつて同じように異邦の神に魂を売った男は思う。つくづく、女ってのは年端もいかない娘でも恐ろしいもんだ。一晩で化けやがる。
娘たちのたわいない会話を聞きながら、仲良きことは美しきことかなとぽつりと唄うのであった。