え?他の子はまだかって?
(そそくさ)
「あれ?上杉君。早かったですね」
「あぁ、らいはがお菓子持ってけって、作ってくれてな」
出迎えてくれたのは五月。そして、今日は家庭教師の日。らいはが「いつも何も持っていかないのは、めっ」と、言って、お菓子を作ってくれた。
「らいはちゃんのお菓子.....」
五月は受け取ると目を輝かせる。
「すぐにお茶入れますね!」
「あ、おい!まずは勉強しろ!.....ったく」
風太郎も中野家へ上がり、居間で荷物を下ろす。
「.....」
なんともなしにお茶を入れている五月を見る。私服の彼女を見たのは久しぶりだ。前の不慮の事故から、まだそんなに日は経っていないが、ついつい、目に入れてしまう。五月を見るとあの日の五月をフラッシュバックしてしまう。
「〜〜っ、はぁ.....」
風太郎は深くため息を吐くと、五月の方へ歩を進めた。
「五月」
「はい?.....え?」
そのまま、後から抱きしめた。鼻に触れる甘い香りと、女性の香り、サラサラの髪の毛。ふくよかな体。
まるで、本当の恋人のように抱きしめる。
「風太郎君?」
五月は抱きしめる風太郎の手に自分の手を重ねて振り返る。
「.....」
「あの、えと.....」
満更でもない五月はもう少し堪能したかったが、風太郎の腕を引き剥がした。
「っあ.....わ、悪い!五月!その、これは.....」
「あ、いえ!違います!嫌という訳ではなくて、その.....嬉しいですけど、まだ皆寝てるので。その.....するのでしたら、キスだけでお願いします」
と、言いながら五月は両腕を広げて迎え入れる準備をした。風太郎もそれを見て我慢が出来なくなり、飛びつくように五月に包まれた。
「ん.....っは、ぁん.....んにゅ.....」
唇を押し付け合うキスから、互いの口の中に舌を入れ始める。抱きしめ合うのは何度目か。だけど、飽きることは無い。むしろ、もっと欲しがる程に愛おしくなる。
「ん.....ふふっ」
「?、なんだよ急に」
「いえ、なんだか必死そうで可愛く見えまして」
「っ.....そんなにがっついてるつもりはなかっんだが」
「それにしては、いきなり後ろからギューしてきましたよね?」
「う.....」
「ほーら、必死だ♪」
五月らしからぬ言葉が少し飛んできた。それは五月が風太郎に素直になっている証拠。風太郎も、そんな五月をまた抱きしめる。
「んむっ」
「そら、今度は正面からだぞ」
「〜♪」
五月が嬉しそうに顔を風太郎の胸に擦り付けると、五月のお尻が掴まれる感触。
「っあ.....やっ、風太郎君.....んっ」
さらには、ついでのように顔を上げてキスを仕掛けてきた。そのまま、押し付けるかのように抱き寄せる。五月も風太郎を掴む腕が次第に強くなってゆく。
何度もしているのに、こんなにする度に足りなくなるのは困りものだ。
「〜〜っは.....はぁ.....はぁ.....皆、起きちゃいますから.....続きはまた.....あ.....」
息が持たなくなり離れようとすると、五月が自分に当たるもう一本の風太郎に気づいた。
「あ.....っ....すまん」
「..........えっち」
「っしょうがないだろ。あんだけしたんだからな」
「むぅ.....」
「......なぁ、ダメか?」
五月の頬に手を添えて、切なそうに風太郎は聞いてくる。五月はそんな風太郎を見て、ゾクッ、と自分にスイッチが入ったような感覚に苛まれる。
「ずるいですよ......風太郎君」
五月は風太郎と手を繋ぐと、上目遣いで風太郎を見た。
「そんなの....断れないじゃないですか」
・・・・・・・
「んっ.....っは.....はんっ.....んん.....んふぅ.....んっ、あっ.....」
濃厚なキスを交わしている内に風太郎は五月の秘裂に手を伸ばしていた。
「んんっ!.....あっ.....そんなっ.....指、入れるのは早っ.....んっ!」
「声抑えろ、バレるぞ」
「〜〜〜〜っ.....」
五月は自分で口を抑える。
「っはは、指二本は余裕だな」
「っ!、ん〜ん!!」
風太郎が言うと、五月は目つきを鋭くして風太郎を睨む。でも、顔は赤い。五月にとってはかなり恥ずかしいとは風太郎も分かっている。風太郎も微笑すると、指を抜いた。
「可愛いな、お前は」
「っ.....今そんなこと言わないでくださいよ」
「思ったことを言っただけだぞ?」
「今言わないで欲しかったんです」
じゃあいつ言えばいいんだよ。
危うく口から出そうになったが、言ってしまったら五月の機嫌を損ねてしまうので心の奥に閉まっておく。
「足、少し上げるぞ」
「はい」
片足を上げて、下着をずらして押し当てる。
「いくぞ?」
「っ.....うん」
五月の同意を聞くと、そのまま五月中へ押し込む。
「ゃ、あ、あああぁ.....」
中へ侵入してくる風太郎を感じる度に声が出てしまう。
必死に抑えるが、余りにも強い快感に声が漏れてしまう。風太郎がその声に興奮してしまい、少しだけ強く腰を打ちつける。
「っあん!.....んっ」
ひときは大きい声が出てしまったので、風太郎は慌てて五月の口を抑える。
「声がでかい、アイツら起きるんだろ?」
「す、すみません。でも風太郎君がイケナイんですよ。いきなり動くから.....」
「それは謝る」
繋がっている部分を見る五月の息がどんどん荒くなっていく。そのまま、壁に背を預けると五月が小刻み腰を動かし始めた。
「風太郎君.....しないんですか?」
「っ!」
五月の甘い誘いが風太郎に刺さる。まるで毒のように体に染み入ってくる。
少し体を押し付けると、五月は風太郎の首に腕を回してきた。風太郎もしっかりと五月の腰を支える。
「動くぞ.....」
「うんっ.....!.....っあ、やっ、っ.....んっ、んっ、んっ!」
壁に寄りかかった、五月をノックするように腰を振る。五月の膣がノックの度に締め付けてくる。その快感はそれはもうたまらない。引き抜くと、五月の膣が吸い付いてきて少し秘裂がめくれてしまう程吸い付く。
「五月っ.....五月っ.....!」
「あっ、あっ、ふぅ....たろっ.....くん.....っ!」
風太郎も力が抜けてきて、壁にもたれかかってしまう。
「んっ.....んふぅ.....んむ.....」
それを狙ってか、五月はキスを仕掛けてきた。
舌を絡めるキスのせいで二人とも限界に達していた。
「五月っ.....そろそろ出るっ.....」
「はいっ、出してっ.....出してっ!受け止めますから!」
ゾクゾクと背筋に快感が走り、一層強く腰を打ち付ける。脳が溶けていくような感覚。頭がぼぅっとして何も考えられない。今は五月だけが目に入って、五月だけを感じる。
「っ、くっ、あっ、あっ、あっ、ひっ.....っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「うっ.....ぐっ.....!」
五月への愛が注がれる。五月も風太郎をしっかり抱きしめて果てた。互いに息が荒くなり、力なくゆっくりと床に座り込んでしまった。
「結局.....最後まで.....」
「悪い.....五月.....」
「いいんです.....んっ」
終わりのキスをして二人の不慮の事故がまた一つ増えてしまった。
・・・・・・・
授業を終えて.....
「今日もありがとうございました。上杉君。またよろしくお願いしますね」
今日の家庭教師の時間が終わり、風太郎の見送りついでに買い物へ来ていた五月と共に帰り道を歩く。
「あぁ、まぁテストまでは時間あるし焦らないで勉強すれば大丈夫だろ」
「.....」
「.....」
沈黙が二人を包む。いつまでも体だけの関係を続ける訳にはいかない。前々から、決めていた。どんな答えが帰ってこようと、必ず伝えると。
「五月」
「?、はい」
少し前を歩いていた五月が振り返る。
「いつまでも朝みたいな事故ばかり起こしてちゃ、いけないと思うんだ。だから、五月.....」
「.....」
「五月、俺と.....ん」
言おうとした。言おうとしたのだ。だが、言えなかった。帰ってくる答えを知っていた訳ではなかった。なのに、『言わせて貰えなかった』。
五月は風太郎の口を人差し指で塞いだからだ。
「その気持ちは、嬉しいです。とっても。でも、風太郎君が言うセリフではありません。元はと言えば私からだったので。ですから言わないでください」
「五月.....」
「風太郎君のその言葉の続きは、私から伝えるから」
笑顔と共に風太郎の言葉。続きはどうやら彼女が伝えてくれるらしい。風太郎は口元を緩めると。五月を、抱き寄せてキスをした。
「待ってる」
「うん」
風太郎は待つことにした。
その掌にある温もりが再び自分と彼女を繋げてくれると信じて。
終わり.....。
あの五月の謎の人妻感.....感じる.....感じない?