※この作品はR-18です。

月が綺麗だから   作:観測者と語り部

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性衝動

「はむ……ちゅむ……」

 

 さくらが俺にキスしていると理解したのは、唇を貪られているのとほぼ同時だった。慌てて引き離さなければならないと思うのに、身体が思うように動いてくれない。自分の口の中にさくらの舌が侵入してきて、激しく口内を蹂躙してくる。舌と舌が触れ合う感触。自分の頬に彼女の手が触れてきて、顔を固定される。なのに、触れている手つきの感触はとても優しく、そして愛おしむようだった。

 

「ぷはぁ……はぁはぁ……」

 

 激しいキスの後に、さくらの顔が離される。足りなくなった酸素を求めるように激しく息を吸っているのに、何かの衝動は収まっていないように喘いでいる。

 

「これじゃ、たりない……」

 

 どこか虚ろな表情で、熱に浮かされたようにぼうっとした瞳で俺を見つめ、それから俺の寝巻のボタンを脱がしにかかる。それをそっと押しとどめて自分で上から下まで脱ぎ捨てた。

 

 さくらが求めてきたキスのせいで、やけに頭の中が興奮している。触れ合った時の温もりが、彼女の匂いが、熱い吐息が異性を求めていいんだと、性的興奮を促している。けれど、本当に抱いていいのかと迷っている自分がいるのも確かで。そもそも性行為の経験なんて皆無に等しいから、どうすれば良いのか分からなかった。

 

 本当に彼女を抱いていいのかと躊躇する。やっぱり、さくらを止めたほうがいいのでは? そう思っている間に、彼女を華奢な身体に似合わない力で、俺の事をゆっくりと押し倒してきて、俺の胸に顔を埋めてしまう。

 

「っ――」

 

 すぐに感じるのは舌で肌を愛撫される感触。乳首を歯で甘噛みされて思わぬ刺激に声が漏れてしまう。さくらの唇が肌に吸い付き、汗を舐めとり、舌で愛撫される感触は胸からお腹へ移動していく。それからさらに下へ、下へと。彼女の愛撫とキスの感触がくすぐったくて熱い。思わず身をよじってしまう。それを逃げようとしたと思ったのか、俺を押さえつける力がいっそう強まった。でも、痛くない。ちゃんと力加減してくれている。

 

 さくらの右手が身体に触れる。柔らかな肌の感触。彼女の温もり。それは自然と俺のパンツを脱がしにかかりって、ちょっと待て……

 

 思わずパンツを抑えて抵抗する。興奮が高まっているせいでモノは破裂しそうなほど急激に膨らみ、固くなってとても敏感になっている。さくらが顔をあげてこっちを見つめてきた。その顔はどうして?というように本当に疑問に思っている様子だ。これから気持ちの良いことをするのに、どうして抵抗するの?と不思議に思っている顔だ。

 

 いやいやと生娘のように抵抗する俺を、さくらはあっさり陥落させてパンツをぬがせてしまった。俺は一糸纏わぬ姿にされてしまう。何も着ていないから、夏の空気が直接感じられて、開放感が凄まじい。そのまま押し倒された俺は、さくらにされるがままになる。

 

 肌と肌の触れ合う部分がとても熱い。心臓はバクバクと激しく動いていて、鼓動の音が頭の中で響いていてとてもうるさい。そのままさくらの心臓の音まで聞こえてきそうだ。それから微かな期待と一抹の不安を感じる。体は緊張していて動けそうにない。それなのに興奮しているせいで、下半身のそれは大きくそそり立っている。

 

 さくらがモノに触れる。やさしい手つきで。

 

 ぎゅう、ぎゅうと軽く握られ、それから小さく舌先で、先端から全体を愛おしげに舐められる。

 

 誰かに舐められ、握られているという背徳感に背筋がゾクゾクする。下半身から頭のてっぺんまで駆け上がってくる快感が恐ろしく気持ちいい。しかも、してくれるのは今まで見てきた誰よりも美しい人外の美少女だ。興奮しないわけがない。目を瞑り声を出さないようにするので精一杯だった。

 

「あむ、ちゅむ……」

 

 それから舌全体でモノを舐められて、急に口で咥えられる感触に、びくりと身体が一瞬跳ね上がる。未知の刺激と快感に思わず反応してしまったらしい。さくらはそのまま口に含みながら、安心させるように俺の心臓のあたりを右手でなでなでしていた。

 

「ん……」

 

 口でされるという感触は、自分で握ってするよりも何倍も気持ちよく感じた。さくらが上手なのか、夜の一族と呼ばれる吸血鬼がそうなのか分からないが、異様に上手いのだ。口と舌を使ってモノを気持ちよく圧迫してくれる。あまり歯も立てず、されたとしても甘噛み程度のもの。全然痛くない。

 

「ん、んん――」

 

 何よりもぎゅっぎゅっと短い間隔で圧迫しながら吸い出そうとしてくる行為自体が、射精感を促してくる。あまりの気持ちよさと、駆け上がってくる快感に我慢ができなくなる。ベッドのシーツを握っていた両手で、思わずさくらの頭を掴んでしまった。掴んだといっても耳に触れて、押さえつける程度のものだが。さくらの耳は大きな狼の耳で柔らかい感触をしていてちょっと戸惑った。それも快楽の波に飲まれていく。

 

「―――っっ!!」

 

 俺はうめき声のような。あるいは声にならない悶えるような悲鳴をあげた。頭が真っ白になる感覚とともに、ドクン、ドクンと射精した感覚があった。

 

 やってしまったという後悔にも似た感覚と。あまりにも気持ち良くて達したという達成感と。それから心のどこかで初体験が口でいいのかという僅かな疑問とか。いろいろな感情が湧き上がっては消えていく。ただ、心地よい疲労感だけが全身を包んでいる。

 

 目を開けてさくらの事をみる。

 

 俺の精液を残さず飲み干した彼女は、あまりにも淫靡な姿を無防備にさらしていた。含んでいたモノを口から離し、上体を起こして女の子座りのまま口元を拭っている。そのまま唇の周りを舌で舐めとり、拭った自身の手の甲に付着した体液も残さず舐め取ってしまった。

 

「はぁはぁ……」

 

 さくらはまだ足りないのか、荒い息を吐きながら興奮していた。瞳は何処か虚ろで焦点が合っていなくて、まるで夢見心地みたいな様子。

 

 潤んだアイスブルーの瞳と目が合った。

 

 そのまま俺を素早く押し倒して、彼女は覆いかぶさってきて首筋に牙を突き立てた。ああ、血を吸われるんだなと思ったのも一瞬。再び強烈な快楽が俺を襲い、下半身のモノが一気にそそり立つのを感じた。背筋がぞくぞくして止まらない。また、したい。もっと貪りたいと。快楽とともに収まらない欲求が頭の中を支配する。

 

 首筋に甘噛みしているさくらが顔を離し、熱い吐息が一瞬だけ首に掛かる。それだけで一瞬の快感が駆け巡る。

 

 頭の中がどうにかなりそうだった。それでもさくらの姿を目に焼き付けようとした。薄暗い夜の寝室は、月明かりに照らされてほのかに明るい。そんな中で僅かな光に照らされたさくらの白い肌が、姿が美しい。濃い桜色の髪はとてもきれいで、深い青空を思わせる瞳は吸い込まれそうだ。同じ桜色をした獣耳と尻尾がいっそ幻想的ですらある。

 

 さくらは俺のお腹のあたりに跨り、そこに触れている肌と肌はやけどしてしまうと思うくらいに熱く。そして暖かい。肌と肌を重ねるだけでお互いに溶けてしまいそうになる。

 

 そして太腿と布団のシーツと、お腹でねっとりと濡れる感触。よく目を凝らす。さくらが手を自身の下腹部から下へと進める。

 

「ん、くっ――」

 

 くちゅくちゅと厭らしい音が聞こえた気がした。さくらのあそこから愛液があふれ出て止まらない。さくら自身も無意識にあそこを弄って、自身を満足させようとしているが、達することができないらしい。尻尾と耳が自慰した気持ちよさで反応していたが、満足できないとわかると、尻尾は垂れ下がり。耳はしゅんとなってしまった。

 

 それからも気持ち良くなろうと頑張るのだが、もはや我慢できなくなったらしい。さくらが腰を上げて位置を調整する。片手で自身のあそこを弄りながら、もう片方の手で俺のモノを掴む。

 

 思わずごくりと生唾を飲み込む。興奮と期待が全身を支配する。もはや不安も後悔も感じなかった。あるのは、この可愛らしい少女と繋がりたいという想い。彼女のすべてを全身で感じたいという欲求。あまりにも前座が気持ち良すぎて、自分でも快楽を止められない。

 

「いい、の……?」

 

 はぁはぁと荒い息を吐きながら。目の前で自慰しながら、さくらは最後の確認をするかのように呟いた。ほんとうに自分と一線を越えていいのかと。それを俺は黙って受け入れた。一瞬だけ驚いて、それからさくらは嬉しそうな顔をした。涙と喜びがない交ぜになっている。

 

 それはようやく繋がれるという喜びもあっただろうが、本心は人間とは違うばけものの自分を、愛して受け入れてくれるという嬉しさからくるものだったんだろう。さくらは微笑みながら、目尻から涙を一筋こぼして。それから。

 

 俺のモノを秘部にあてがってゆっくりと挿入した。

 

「はぅっ、あ、あああっぁぁぁぁ――――!!」

 

 甲高い悲鳴が上がった。抑えようとして抑えきれない声が、無意識に悲鳴となって零れ落ちてしまったんだろう。いま、さくらの身体の中で。いや全身で俺とは比べ物にならないほどの快楽が駆け巡っているはずだ。背中がのけ反り、ベッドのシーツを握りしめるくらいに。きっとそうでもしないと頭の中を駆け巡る快感に耐えられないのだ。

 

 さくらの膣内はすさまじい気持ちよさだった。握ってもらったり、口でするのとはわけが違う。ぎゅうぎゅうと痛いくらい締め付けてくるのに、モノが奥へ奥へと進むほど気持ち良さが増すのだ。これで腰を何度も動かされてしまったら、信じられないくらいの快楽が襲ってくるだろう。意識がぶっ飛んで気絶しないように耐えるのが精いっぱいだ。

 

 しかも、締め付けてくるのに、包み込んでくるという訳の変わらない感触が射精感を促してきて、気を抜けば何度も達してしまいそうである。

 

 俺のモノが根元まで挿入された。

 

 さくらがゆっくりと腰をうごかす。女の子座りで、馬乗りになったまま。

 

「これっ……これ、いい」

 

 そして一番気持ち良い感触を見つけたのか、根本で短くゆっくりと腰を動かす。その間隔も次第に早くなっていく。どうやら子宮口を先端で突かれるのが、彼女にとってとても気持ちが良いらしい。さくらはあまりの心地よさに目を瞑りながら、一心不乱に動く。口からやんっ、あん、と可愛らしい嬌声が漏れている。

 

 俺はといえば今まで感じたこともないような快楽に必死に耐えるので精一杯だった。頭の中は何も考えられないくらいに真っ白で、既に何度も達したんじゃないかって言うくらい満足感と疲労感に満たされている。むしろ、知らない間に何度も射精してしまっているかもしれない。あまりにも気持ち良すぎて、何が何だか分からなくなってくるから。

 

 手は無意識にさくらの柔らかい太股を握り、なんとなく手を繋ぎたくなって。さくらの温かい手を掴んだ。さくらもぎゅっと両手を握り締めてくる。それがちょっと満たされた気分になって嬉しくなる。それでも、さくらの腰は止まらない。

 

「気持ち、いい―――」

 

「あなたも、気持ち、良い――?」

 

 締め付ける感触と膣内の熱さに耐えながら、俺は頷く。

 

「良かっ、たっ――んっ!!」

 

 さくらの、はあっ、ああっ、ああっ、といった嬌声を聞きながら快楽の波は最高潮を迎えようとしていた。

 

 いっしょうけんめい腰を動かすさくらの動きがだんだんと早く、短くなり。膣を押し付けて密着させようとする動きに変わっていく。

 

 無意識に子宮口の奥で射精してほしいのだと。彼女の体が訴えているらしかった。俺もきっと何度も腰を打ち付けて射精している。けれど、最後の絶頂はきっと信じられないくらいの長さになるかもしれないと無意識に思った。何かがわきあがる感覚がさっきから止まらないのだ。疲れているのに、止まらない。心地よくて満たされているのに足りないと。身体がさくらの動きに合わせて強制的に動いているみたいだった。

 

「いく、いきます。いく、いく、いっちゃう、の。ん、んんんんぅぅっっ!!!」

 

 さくらが声にならない悲鳴を上げた。華奢な身体を震わせながら、目を瞑って自身の絶頂を感じているようだった。モノを包んでいる膣内が痛いほど締まり、ぎゅうぎゅうと断続的に締まったり、緩んだりを繰り返す。吐き出した精を搾り取って、最後まで飲み込んでしまおうとする。

 

「あっ……あぁ――」

 

 そして全身を震わせながら、さくらはふと、身体の力を抜いた。絶頂を迎えて心地よい疲労感に身を任せているらしい。繋がったそれを引き抜くと、ぬちゃりと結合部からいやらしい音がした。股から精液と愛液が混ざって零れ落ち、布団のシーツに染みを作る。さくらは俺の身体の上に寄りかかって身を任せた。

 

「んっ」

 

 それから俺の胸元で頭と獣耳をこすりつけて、甘えるようにすりすりした。それが余りにも愛おしかったものだから、思わず頭を撫でて、獣耳の感触を堪能してしまう。ふさふさした耳を弄るたびに、さくらはくすぐったそうに気持ちよさそうに声を漏らす。尻尾が左右にゆっくりと揺れ動く。

 

 それからも俺たちは、綺麗な月明かりに照らされながら、何度も何度も行為を繰り返した。時には血を提供し、時には欲情に身を任せたまま激しく犯すように。

 

 気が付けば日は昇りかけていて、鳥の歌声が聞こえ始めていて。その頃にはあまりの気持ちよさと疲労感に、お互いに抱き合いながら一緒の布団に包まれて眠ってしまった。

 

 

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