朝から激しく求め合ったので身体中がベトベトだった。
あの後、ソファの上で抱き合いながら、しばらく余韻に浸っていたが。熱が冷めてくると、身体が急速に冷えていく。だから、風邪をひかないうちにお風呂に入ることにした。愛液と汗だらけになった身体も綺麗にしたい。
「あの、出来れば一緒に……」
寝ていたソファから起き上がって、さくらにお風呂に入ることを告げると。彼女はそんなことを言ってきた。俺の右腕に、さくらは腕を絡ませてきて抱きついてくる。まるで、片時も離れたくないと告げるように。
柔らかな胸の感触と、彼女の鼓動が腕越しに伝わってきて、自分の鼓動が早くなる。だから自分の心臓の音が、彼女の胸の音だとでも錯覚してしまいそうになる。
端的に言えば、急に抱きつかれて頭の中が混乱している。胸がどきどきしている。湧き上がる恥ずかしさに、体が固まってしまうくらいに驚いている自分がいて。それでも、さくらを受け入れるように優しく抱きしめた。
最近、さくらは甘えん坊になってきた気がする。肌を重ねて受け入れあった時から、一定に保たれていた距離が一気に縮まってきて。何というか、積極的になってきた気がする。
それはいいことなのか分からないが、抱きしめ合う身体が暖かくなるのと同じように、少しでも彼女の心が満たされて、不安が払拭されたらいいなと思う。
「くしゅん」
さくらが可愛らしいくしゃみをした。
ああ、いけない。このままだと本当に風邪をひいてしまう。
さくらの手を引いて脱衣所へ行く。とりあえず洗濯機の中に脱いだ服も下着も突っ込んで、そのままお風呂に。
さくらは結構恥ずかしがり屋さんなので、一緒にお風呂に入ろうとするのは珍しい。それでも一緒にいたいということは、心の何処かで寂しさのほうが上回っているのかもしれない。
ボイラーのスイッチを入れて、シャワーからお湯を出す。さくらを風呂用の椅子に座らせて、お湯の温度を確かめながら、さくらにどうするか聞く。つまり、自分で身体を洗うのか、それとも俺が身体を洗ってあげるのか。
「ええと、その……」
「洗って、欲しいです」
椅子に座りながら上目遣いで見つめられる。恥ずかしそうな表情に、どこか期待するような眼差し。潤んで輝いて見えるアイスブルーの瞳。綺麗な桜色の髪と同じ色をした大きな獣耳が、嬉しそうにゆっくりと上下する。
そういうの、ずるいと思う。
そんな風にお願いされたら断れない。
でも、さくらが望むならできる限り、お願いを叶えてあげたいし、優しくしてあげたい。この愛しい少女に笑っていてほしい。
それはそれとして、女の子の身体を洗うなんて初めての経験だ。とにかく優しく、優しくと念じながら、慎重にさくらの事を洗っていく。
シャワー、熱くないだろうか?
「えっと、大丈夫ですから」
さくらの言葉に頷くと、シャワーをいったん止める。それから濡れた髪を洗うべく、壁に立てかけたカゴに入っているシャンプーに手を伸ばした。普段使わないような高級シャンプー。女の子の髪を傷めないように配慮された逸品。使っているだけで髪の艶が維持される代物だ。
送り主のさくらの姪っ子には感謝しないといけない。
シャンプーを両手に塗りこんで、それからさくらの髪を傷つけないように優しく洗ってあげる。特に大きな獣耳は慎重に洗わないと。耳の中にシャンプーの泡が入ったら大変だ。
気持ちいいだろうか? かゆいところは無い?
「はい」
心地よさそうな声ではいと告げるさくら。声に込められた感情はとても気分が良さそうだった。
「ん――」
髪を洗っていると、さくらの尻尾が感情を表すかのように揺れた。そうそうこっちも洗わないと。
尻尾も髪と同じようにケアしないといけないので、こっちも洗っていく。洗っていくと尻尾が機嫌良さそうに動くので、シャンプーの泡が飛び跳ねてちょっと大変だった。
こらこら、落ち着いて。
「ごめんなさい。その、勝手に動いちゃうから」
上からシャンプーを洗い流すようにお湯を掛ける。
「んぅ……えへへ」
そうすると、さくらは目を瞑りながら気持ちよさそうな声を上げて、笑った。
大きな獣耳も嬉しそうに動いて、毛並みに付いた水気を飛ばす。
それからボディタオルを手に取って、ボディソープを泡立たせる。天然素材の綿で出来たタオルは、肌に優しくて、触り心地も良い。これで、さくらの綺麗な白い肌を傷つけないように優しく丁寧に洗う。
「んんっ! くすぐったいです」
首周りから肩にかけて。それから伸ばしてもらった腕から脇の下。背中まで優しく洗っていくと、その度にさくらはくすぐったそうな声を漏らした。けれど、何も言わない所をみると、まだ洗っていて良いらしい。
「ひゃんっ!!」
後ろから抱きしめるようにして胸を洗ったときは、漏れそうになる声を、恥ずかしそうにして堪えていた。手のひらで包み込めるような膨らみは、揉んでみると柔らかくて確かな弾力がある。
「やっ、んんっ……そこは、変になっちゃうから……」
胸の先端をタオルが擦ると、さくらは艶かしい声を漏らしそうになった。さくらの喘ぎ声を聞くと、再び頭の中で性的興奮が高まってきて、下半身が反応してしまうのを抑えられなくなる。それでも、さっきしたばかりと、自分の欲望を押さえつけて耐えた。
行為のしすぎで、お風呂場で倒れてましたなんて笑えない。心配した近所の母娘が見に来たら、それこそいろんな意味で大惨事だろう。
一度、深呼吸して落ち着く。これ以上はちょっと耐えられそうにない。勿論、自分の欲望的な意味で。
あと、自分でできそう?
「はい、あの、ありがとうございました」
「その……優しくしてくれて、嬉しかったです」
俺の言葉に、さくらは恥ずかしそうに頷いて、そう呟いた。ちょっと胸の洗い方が厭らしかったかもしれない。小声で、気持ちよかった――なんて呟きまで聞こえてきて。こっちも変な気分になりそうだった。
さすがにデリケートな秘部は洗えないので、自分で洗ってもらう必要がある。さくらにボディタオルを手渡して、俺は目を瞑りながら自分の頭を濡らして、髪を洗い始めた。
お湯の流れる音に、タオルが肌を擦る音がする。静かな空間。会話はあまりないが、居心地は悪くない。むしろ変な気恥ずかしさのほうが湧き上がってきて、胸の音が激しくなるほうが問題かもしれない。
落ち着いて考えてみると、綺麗な美少女と二人っきりでお風呂に入っている状況。それを考えると、変に意識してしまって、心臓の鼓動がさらに早くなるのを抑えられなくなる。いかんいかん、落ち着け落ち着け。
それでも、一緒にいて居心地がいいと思うのは、俺が満たされているからか。それとも彼女に魅入られているからなのか。
それは分からないが、少なくとも、さくらに傍にいてほしいと思っているのは確かだった。
ふと、誰かの手が俺の頭に添えられた。目を瞑っていて見えないが、さくらだろうと当たりをつける。
「さっきのお礼です」
「今度はわたしが、あなたを洗ってあげますね」
どうやら身体を洗ってくれるらしい。そういう事ならばと、身を任せることにした。
そうして一生懸命、頭を洗ってくれるさくら。それに対して何だかこそばゆい気持ちになってくる。洗われていた時のさくらも、こんな気持ちだったんだろうか。
「かゆい所はないですか?」
こっちを気遣ってくれるさくらに、大丈夫だと言葉を返しながら、ゆっくりと脱力していく。さくらが髪を洗ってくれる音だけが静かに響いていく。
「お湯、流しますね」
頭からつま先までお湯が流れて行って、シャンプーの泡を洗い流す。それから同じボディタオルで、身体を優しく丁寧に洗われた。さくらにしてあげたのと同じように、首筋から背中。腕から太腿とまでと、全身をくまなく丁寧に擦ってもらう。
特に胸の前と、お腹を洗われる時は大変だった。さくらが後ろから腕を回してきて密着するのだ。おかげで俺の背中に、彼女の胸の柔らかい部分が当たって感じてしまう。下半身の欲望が文字通り膨れ上がってしまう。
しかも、胸の膨らみを擦り付けるようにしながら、洗ってくるので変な気分になってくる。
「やっ……あっ、んんっ」
耳元でさくらの微かな喘ぎ声が聞こえてくるので、もう堪らなくなる。
きっと俺の顔は気恥ずかしさでいっぱいになってるだろう。
思わず大きくなったモノを、無意識に掴んで何かを抑え込もうとするくらいに、ヤバイ。隣から、さくらの甘い香りがしてきて、頭の中が変になる。
そして、全身を洗い終わると、またお湯で洗い流される。それでも、性欲が収まらない。もう、耐えられそうにない。一度、欲求を吐き出さないと……
そう思っていると、モノを掴んでいる手に、さくらの手がそっと添えられて。
「……その、こっちも洗わないと」
そんな、さくらの消え入りそうな声が聞こえた。今にも恥ずかしそうで、俯いてしまいそうな。そんな感じの声。
はぁ、はぁ、と、さくらは熱に浮かされたように息をしている。熱い吐息が聞こえてくる。そして耳元で、お願い。させて欲しい。なんて囁かれてしまったら。もう、すること以外に考えられなくなるのも仕方のないことで。
俺は頷き、抑えていたモノから静かに手を放しながら、さくらにされるがままになる。
そして、背中から回されたさくらの手が、膨れ上がったモノに添えられる。硬くなったそれを感じさせるように優しく握り、何度も感じさせるようにぎゅっ、ぎゅっと握ってくれる。
「―――っ!」
変なうめき声が出そうになるのを我慢する。自分でするよりも、ずっと気持ち良くて、変な気分になる。
しかも、後ろから密着されたままだから。柔らかな胸の感触がまた伝わってきて。モノと背筋から同時に快感が駆け巡っていく。
握られたまま、それを上下に動かされると快楽はさらに加速する。
間近でさくらの体温を感じる。自分の心臓の音がうるさくなる。耳元から聞こえてくるさくらの吐息が熱くて、色っぽくて。頭の中も熱くて、何も考えられなくなるほど興奮してしまっている。
自身のそれから感じられるさくらの柔らかな手の感触が気持ちよすぎる。
「あむっ」
そして、どどめに首筋を甘噛みされると、我慢できないとばかりに射精した。
さくらに噛まれると、背筋がぞくぞくして頭の中を快楽が支配してしまう。目の前が真っ白になってしまう。
さくらが握っていた手が離されると勢いよく精が吐き出されて、お風呂場の一部を白く染めた。
「れろっ、ちゅむ……」
「はぁああああ――」
そんな吐き出された精の一部が、さくらの手を汚していて。彼女はそれを美味しそうに舐めとると、恍惚とした表情を浮かべたようだった。血と同じように精液も美味しく感じるのかもしれない。そんなことをぼんやり考えていると、俺の正面に回り込んださくらが、屈んだ。
「まだ……少し、残ってる――」
熱に浮かされたような表情。見てわかるくらいに紅潮した頬。アイスブルーの瞳はとろけたように潤んでいる。
何か声を掛ける間もなく、俺のモノはさくらに咥えこまれていた。俺はぐっ、と呻き声を上げながら、さくらの頭に両手で触れた。
さくらの髪を傷つけないように、手は添えるだけ。さくらの濡れた艶やかな髪の感触がする。大きな獣耳はとても柔らかくて温かい。
「ん……ちゅむ、んん……」
口でするさくらの舌遣いは巧みで、あまりの気持ちよさに立っていられなくなりそうだ。座っていなければ、腰が砕けてへたり込んでしまっていただろう。しかも、先端を舌先でくすぐられるたびに、背中から快感が駆け巡ってくる。もう、堪らなくなる。
「んんぅ……!? んぐっ、こく……こく……」
気が付けば二度目の絶頂を迎えて、射精していた。驚いたような表情をするさくらだが、彼女は口内に出された精液を喉を鳴らして飲み込んでいく。
「ぷはぁ……、美味しかったです」
それから嬉しそうに唇についた精を舐めとって、俺に微笑んでくる。
ああ、もうダメだ。さくらの全部が愛おしい。ただでさえ虜になっているのに、もっと愛おしさが溢れてくる。
俺の膝の上に座って、背中を預けてくる彼女を後ろから抱きしめて、しばらく余韻に浸っていた。お互いの体温で肌を温めあう。ずっと抱きしめていたくなる。それからお互いの身体を洗いなおして、ようやく湯船に浸かった。
一人で入ると、足を伸ばせるくらいの広さしかないお風呂。だから、二人で入るには、並んで体を縮込めないといけない。
二人してはぁ~~と声を出す。ちょうどいいお湯の温かさが、疲れた体に染み渡るようだった。行為の後だから、余計に心地よく感じる気がする。脱力してしまう。
お互いに盛んな年頃で、好きあう異性とお風呂に入ると、ついついしたくなるんだなぁ。
「ん、幸せです」
さくらが肩を寄せてきて、愛おしそうに俺の腕に顔を寄せた。柔らかい獣耳の感触が心地良い。
「―――だいすき❤」
そして、機嫌がよさそうな声で、甘えてきて。
俺の身体に何度も何度も頭をすり寄せて甘えてくる。
ああ、もう。可愛いなぁ。
そんな事を思いながら、俺はさくらとお風呂の温めあって、しばらく余韻に浸っていた。
できるだけ、この時間が長く続けばいいと思う。
いっその事、永遠と思えるくらいの長い時間を。ずっと一緒に過ごしていたい。
この初恋のような胸の高鳴りも。一緒にいて安心できる心地よさも。愛しい人の温もりすらも。手放したくない。
いつまでも、いつまでも、こんな時間が続きますように。