ダークサイド・ポケモン物語(ストーリー) 闇に堕ちたとある転生者 作:ナハト・リコリス
最後に、正気に戻ってスパイとなったリーリエの心の叫びになります。
ここらへんは作者のオリジナルですが、もしもまともに戻ったら、色々と思うところがあるのではと思っただけです。
ギンガトバリビルを拠点にしてから数日後、俺達はノモセシティのマキシを、キッサキシティのスズナを、ミオシティのトウガンを、クロガネシティのヒョウタを倒し、順調にジムバッジを集めていった。
そして今日は、前々から考えていたある計画を実行に移す事にした。
当初はこの計画を考えていなかったのだが、レイジの育て屋でのポケモン達への違法改造の現場と、ゴミのように捨てられたポケモン達の姿が原因で、今回の事を決意したのだ。
そう、全世界に対しての宣戦布告を・・・・・・
そのために、俺達はコトブキシティにあるテレビコトブキを占拠したのだから。
「準備はいい、カズマ?」
「あぁ。とは言っても、俺は【この格好】やるだけだがな」
「・・・ある意味面白いと思いますが、いいんですか?」
「別にいいんだよ。あのクソ女にだけ分かればいいだし」
そう言って俺達は宣戦布告の為の準備を開始した。ちなみにであるが、このテレビ局にいる人間は全員ジョクア信者だったので、宣戦布告後に全員死んでもらう予定である。
コトブキシティ
快晴の天気で、おだやかな陽気の感じであったコトブキシティ。
だがしかし、今日からは混沌とする日常に変わるとは誰も知らなかった・・・
【・・・・・・全世界の諸君、始めまして】
突如テレビ放送に、黒い変な仮面を被り、黒いコートを来た謎の人間の姿が映し出されたのだ。
しかも、どのチャンネルに変更しても、この謎の男の映像が流れていたのだ。
【現ポケモンマスターの庇護下で、今日(こんにち)まで生きていた人々よ。私の名前は『ゼロ』。この『世界を破壊する者』だ】
この言葉を聞き、大半の人間は『はっ?』と思った。何しろ不審者が滅茶苦茶と言っていいほど言っている事が可笑しいと思ったからだ。だからこそ、この放送を観ていた大半の人間達は『嘘』だと思っていた。
【この放送を観ても、嘘だと思っているだろう諸君に良い事を言ってあげよう。【イッシュ壊滅事件】、あの事件の首謀者は、この私だ】
【イッシュ壊滅事件】、まだ一ヶ月も経っていない大規模な事件であり、未だに行方不明者や生存者の確認すらすんでいない事件を言われ、しかも自身が首謀者だと名乗っているのだ。
【あの事件は、私と、私の協力者達が行なった、この余りにも腐りきっている世界に対して正義の鉄槌だ。この世に跋扈する非常識、最低最悪のクズの息の掛かったトレーナーを我々は殺している。そして、我々の言葉が真実であると言う事を証明するために・・・】
そう言うと、カメラの位置が変わってゼロと名乗った男と似た感じの服装をした女性と思われる体系の二人が、3人の年齢も違う男女を椅子に縛り上げた状態の近くで立っていた。
3人とも『助けてくれ!!』等と叫んでいたが、ゼロと呼ばれた存在はそんな言葉すら無視し、似た姿をした女性達も、その場を離れて行った。
【このクズの息の掛かったトレーナー達を、断罪する。リザードン、火炎放射】
そう言ってゼロに出されたリザードンが、火炎放射で3人のトレーナーを骨すら残さず灰にして死んだ。
流石の事態に、この放送を観ていた全員が、このゼロと名乗る男の言った言葉が【真実】だと認識してきていた。
【これで私の言った事が嘘ではないと信じれただろう。故に、私と私の仲間以外の人間達よ。自分達が今日まで【正しい】と思った存在を信じた天罰だと恐れながら、これから過ごすといいだろう。そして【全てを裏切った者達】よ、救いは無いと思うがいい】
そう言ってこの放送は消えた。この放送が終わった後、人々の叫び声が木霊し、全世界に恐慌がはしった。
そして占拠されたテレビコトブキは、ゼロの放送が終って1分後に建物は崩壊し、テレビ局内にいた全員の死亡がその後確認された。
リーリエ? Sids
アローラにある屋敷の自室で、この恐ろしい放送を観ていたリーリエは、この映像を見て笑みを浮かべた。
もしもこの場にリーリエを知る人間がいれば、この目の前にいるリーリエはまったく違う存在だというほどに・・・
「(そ、そんな・・・)」
「(あら?何をそんなに驚いているの、リーリエ)」
あの時精神が崩壊したリーリエの変わりに、カズマ(サトシ)によって堕淫の書で作り出されたリーリエ(今後はオルタと記載します)は、時間が経って少しはマシになったリーリエを、オルタは精神世界から現実に出れないようにし、変わり果てたサトシの姿をリーリエにみせつけていた。
オルタはリーリエの振りをし続け、家族であるルザミーネやグラジオ、スクールメンバーであるカキ・マーマネ・スイレン・マオ、自分達の元教師であり、今はポケモンを一緒に違法改造等を行なっている先生でもあるククイ博士、そしてジェイムズすら騙していたのだ。
島キングや島クイーン、自分が知る全ての人々がオルタがやっているリーリエの振りに騙されているのだ。
そう、オルタからすれば、このアローラという地方が自身の主人である【サトシ】がやって来て、この身体の本来の持ち主である【リーリエ】が死ぬその時まで、この女の振りをし続けるだけだし、おまけに身体の持ち主であるリーリエを虐めるのは楽しいのだ。
「(ふふっ、貴方達があの悪女(ジョクア)を信じた結果、ご主人様は闇に堕ち、そしてこんな事すら平気で行える存在になった。貴方達に取っては最高じゃないの?だってご主人様は、ジョクアに対して強姦魔で、最低最悪の犯罪者でしたものね?)」
「(ち、違います。わ、私の知っているサトシは『あら、貴方はそんな事を言える立場なの?』ッツ)」
リーリエはオルタの言った事に反論できなかった。
サトシによって真実を教えられたリーリエにとって、そしてサトシが知っている時間のリーリエという存在に戻った時、今の自分達の今日までして来たさまざまな事案が、世界中を余りにも酷い状況を作り出した元凶なのだと思い知らされているからだ。
スクールを卒業し、自分はククイ博士と一緒に、これまで何百、何千、いや何万といえるほどポケモン達に違法改造手術を行い、その命を平気で奪っていた。
スクールの仲間達と兄と一緒になってサトシを迫害し、その上大切なパートナーであったポケモン達に対しても酷い事をしていった。
自分自身も、産まれる前から一緒にいたパートナーポケモンのシロンを虐め、例え死んでも代えの利く【道具】のようにしていた。
ククイ博士の手伝いで他の地方に行き、恋人になったシゲルと、さまざまな博士達と一緒に、改造手術をポケモン達に行なっていった。
ジョクアを信じた結果、非常識なトレーナー達が、ポケモンを【道具】としか思っていないトレーナー達を自分達は、【トレーナーとして正しい姿】として、世界中の人間達の認識を大幅に変化させていった。
サトシによって精神が崩壊し、正常な人間としての状態に戻って今までして来た事を思い起こせば、それ等は全て悪行としか言いようが無い所業しか存在しなかった。
「(そう、それが貴方(リーリエ)だもの。私は正常になった貴方の変わりに、貴方がして来た事をしているだけよ?)」
オルタに言われ、リーリエにとってアローラに帰ってからの日々は、最低最悪な生き地獄であった。
ククイ博士と一緒に笑みを浮かべながらポケモン達を違法改造していき、スクールメンバーと一緒にポケモン達を虐め、母や兄と一緒に、ポケモン達の違法改造用の薬や道具、そしてジョクアに対しての献金を集めていく日々。
恋人であるシゲルから、違法改造による結果で、死んでいったポケモン達を嗤い、違法改造手術の素晴らしさを楽しんでいる会話を、同じようにして楽しんでいた電話での対話。
何度も何度もオルタによって外の世界をみせつけられ、その度に自分達のしている悪行で苦しまされた。
サトシが自分を殺すその日まで、この生き地獄で生きなければいけないと言う事と、サトシが味わった苦しみの一部を味わい続けたのだ。
「(・・・サトシ、お願いです。早く、早く、私達を殺して下さい。もう、わたくしは・・・)」
最早リーリエには、そう思っている事しかできない状況になっていた・・・
そして自分が終ると思うその日まで、今までと同じようにポケモン達の怨嗟や悲鳴とも言える声を聞きながら、その声から逃げられない悪夢へと進んでいくしかないのだ・・・
サトシ達がしていたゼロの姿ですが、コードギアスに登場したゼロの姿です。
ちなみに、この姿にしたのはただ単に作者の趣味です。