ダークサイド・ポケモン物語(ストーリー) 闇に堕ちたとある転生者 作:ナハト・リコリス
バトル等を期待していた方には悪いですが、バトル等は有りませんので、ご了承下さい
カントー地方で最後に調べにやって来たセキエイ高原で、俺達は残っているのだろう全てのカース団と戦いとなった。
何しろセキエイスタジアムに行くまでの道筋に、何百人と言うカース団の面々を確認したのだが、俺達はマサラタウンでの出来事もあったので、これ以上は時間をかけていくのは危険だと判断し、全員で何度か話し合いの末、俺が先行してスタジアム内に行く事にした。
無論、セレナ達は囮役とも言える危険なものであったが、セレナ達もマサラタウンの出来事もあり、この世界で起きた、俺が受けた迫害から始まった全ての事件を終らせようという思いで、囮役をかってでてくれる事になったのだ。
そして俺はセレナ達の誘導で、セキエイスタジアムに行くまでの道ができ、その道を振り返らずに、セレナ達の無事を祈りながらセキエイスタジアムに侵入した。
スタジアム内の施設がある場所には誰もいなかったのだが、バトルステージのある場所で、人を馬鹿にした態度をしたテンザンが椅子に座っていた。
俺は自分が知っているテンザンで合っていたと思いつつ、同時にこれまでの元凶がいる事も考えて警戒していた。
「ははは。まさかお前がここに来るとはな、サ~ト~シ」
「・・・お前の下らない遊びもここまでだ、テンザン」
「(ピクッ)下らないだぁ~、お前みたいな雑魚が、この俺様に指図するんじゃねぇ!!!」
「はっ、弱い犬ほどよく吼える。お前の知っている俺と、今の俺とじゃ差がありすぎるんだよ」
俺がそう言ったのをきっかけに、テンザンは6対6のフルでのポケモンバトルを俺に挑んできたのだが、結果は呆気ないものだった。
メガシンカした状態で、ステータスも6Vの最強個体だと思い切り自慢して出してきたテンザンのポケモン達であったが、メガリザードンXは俺のリザードンに呆気なく敗北し、メガジュカインのゲッコウガのスピードに付いていけず、相性の差すら感じさせないほどに簡単に蹴散らされ、メガガブリアスはカブノクスの一撃で倒され、メガハガネールはルカリオに倒され、メガバンギラスはサーナイトに、メガスピアーはピカチュウに呆気なく倒されてしまった。
と言うかだが、俺のポケモン達は一体もメガシンカやフォルムチェンジすらしない素の状態で、ステータスが6Vのメガシンカ個体を圧倒したのだ。
流石の事態にテンザンも驚いていたが、俺としては何ら驚く事でもなかった。
何しろ俺は別の世界で、自分よりも相当各上と言える存在と戦って来たりしたし、バトルに関しても乱戦やら何やらで、毎回命がけとも言える戦いをしてきた。
だがしかし、テンザンに関しては自分のポケモンの高いステータスと違法改造等が原因で胡坐をかき、おまけに周囲には洗脳等を使って一種の接待試合とも言える状況だけをしてきた。
バトルを通じて切磋琢磨して育ててきた俺のポケモンと、高いステータスと改造頼みな上に、接待試合と言う手抜きとも言える戦いばかりを今までしてきたテンザンのポケモンとでは、最初から明確な差が出来ていたのだ。
6Vと言う優遇されるべきステータスの自分のポケモンが倒された事にぶち切れたテンザンは、残っていた改造6Vポケモン達を使って襲って来たが、テンザンが使っていた面々よりも扱いが色々と酷かったのか、呆気なく全滅してしまった。
何しろ大半が一撃で倒せた上に、倒したポケモンの中には口から泡を吹いて倒れた個体も複数体いたので、過度な改造が原因で、最早ポケモン達の身体が色々とダメになってしまったのかも知れないと思ったほどだ。
戦っている間にテンザンは逃げようとしていたのだが、俺はこの場をポケモン達に任せ、俺はテンザンを追いかけて行った。
そしてテンザンを追いかけて見つけたのだが、その際にテンザンの近くにいた人物に俺は驚いた。
テンザンの近くにいたその人物は、俺やリーフが知っている【テンザンの母親】だったからだ。
だがしかし、テンザンは目の前にいるのが【自分の母親】だと言うのに、まるで【赤の他人】のようにしていた。
そして同時にテンザンの母親の目も、テンザンを【自分の息子】として見る目ではなく、まるで【ムシケラ】を見るような目であったので、俺としては別の意味で恐怖を感じた。
俺が知っている限りでも、テンザンの母親は、テンザンがどれだけ罵詈雑言を言おうと、テンザンを【ムシケラ】のように見たと言うことはないのだ。
だがしかし、同時に俺はこの不気味な光景を見て、一つの仮説に行き当たったのだ。
と言うのも、俺はテンザンの母親の名前を【思い出すことが出来なかった】のだ。マサラタウンで、テンザンが原因で何度か名前を言っていた覚えがあると言うのに、俺はテンザンの母親の名前を【思い出せない】のだ。
そしてその仮説は当たっていた。
テンザンの母親が【三回回って「ワン」と言いなさい】と言ったら、テンザンは言われたとおりに実行してしまったのだ。
そして母親を襲おうとしたのだが、まるで強力な重力を叩きつけられたかのように、地面にめり込むようにして叩き伏せられたのだ。
「・・・そうか。あんたが本当の黒幕だったんだな」
「ふふふっ。えぇそうよ、サトシ君。いえ、山田和真君と言ったほうがいいかしら?」
流石に前世の名前を言われたので驚いたが、テンザンの母親、いやエーデルが全てを教えてくれた。
自分とテンザンが、エーデルの上司である神の遊びに選ばれた存在であると言うこと
そして自分はマサラタウンのサトシに転生させ、テンザンはそのままの形で転生させ、自分がテンザンを監視と言う事で育てたと言うこと
そして、テンザンにとって最も認めない偽の未来の世界を見せ付け、その上でテンザンのやろうとした事を支援したこと
そして俺がアローラスクールで起きたジョクアによる冤罪事件の始まりを計画したした事も
全ては俺とテンザンの目の前にいるエーデルが計画した【自身の上司である神へ見せるための娯楽】だったと言うことを
そしてこの言葉にテンザンは怒ったのだが、エーデルはテンザンに何の迷いも無くテンザンを自身の力で出した大剣で上半身と下半身を基準にして分けて殺し、その後全てをバラバラにした。そして、テンザンの遺体だった肉片は全て宙に浮き、エーデルの後ろに現れた黒い渦のような物に消えていった。
「あぁ~、これでスッキリしたわ。あんなクソガキの命令を聞くなんて、私としてはストレスが溜まって、美容に良くなかったのよね」
「あんた、それでも神の使いである存在の一つだろうが。幾らあんな奴でも、育てていて、何とも思わなかったのかよ!!」
「・・・思うわけ無いでしょ、あんなクソガキ。貴方と違うやり方で転生させて、その上でやってきたのだから。それに、あのガキは転生前もあんな感じよ。他人が何を言おうが何にも思わない快楽主義の刹那主義、そのせいで最後は無縁仏を預かる場所すら遺体を引き取ろうとせず、仕方ないから葬儀業者が骨を完全に廃棄させる為に、宇宙に行こうとしているあるバカ社長に頼んで、宇宙から大気圏に向けて捨てられたほどのクズだもの」
流石にテンザンの前世でのやり方に色々と突っ込みたいと思ったが、相当な悪ガキだったようだ。
だがしかし、テンザンを使って俺の【今】の人生をぶち壊したのは代わりがないのだ。
そして同時に【神の遊戯】と言う名目で、何千・何万と言うこの世界の全てのポケモンや人間も被害を受けたのだ。
「例えテンザンが理由でも、あんたを俺は許しはしない。エーデル、あんたの遊びも、ここで終らせる」
「ふふふ、面白いわ。貴方達の力が、私に通用するのか、見せてみなさいよ!!」
そしてここに、本当の意味での最終決戦が始まったのだ。