nibiiroと申します。
やっっっっとコラボできた。
もう少し早めに書きたかったのになぁ……くそう。
最近また新たな崩壊世界作品が増えてきましたね。
自分にはない発想を持つ方々の文章は見る度にこちらもやる気が滾ります。
ついにアルテマさんのとこへお邪魔する回。
さてさてどうなることやら。
以上、前置きでした。
それでは、いってらっしゃいませノシ
「宛名はどうしますか?」
「ホテルタウンのオーシャン・ビヨンド 、で」
無事に東京へ到着した俺達。
道中モンスターの迎撃アトラクションをし、難民でごったがえす通りを外れて何とか滞在予定のホテル前へと辿り着いた。
「……よし、はいどうぞ」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ご利用ありがとうございます!それでは!」
料金を払い領収書を受け取ると、タクシーはあっという間に見えなくなった。
ちなみに、今回の料金はQP。
商売人の中には円を取り扱っているとこもあるため、融通が効くようにカード払いで口座から引かれるようになっている。
今世は1円=1QPの換算が殆どで、口座に関しては俺とマリー2人の一緒の口座。
円でもQPでも、カードならその場で払えるから助かる。
「やっと着いたぁ〜……」
「マスター!早く行きましょう!」
「はいはい」
腕に抱きつきグイグイと引っ張られながら、宿泊予定のホテルへと入った。
●
それからしばらくして大荷物を部屋に置き、外へと繰り出す。
行き先は勿論、シルク・ド・ルカンだ。
「結構並んでるなぁ」
続く長蛇の列に大人しく並ぶ俺達。
関係者のスタッフが忙しなく動いている。
「寒かったり暑かったりしない?」
「えぇ、大丈夫よ」
並ぶ人達の中にはサーヴァントやマスターらしき人物の姿も窺える。
それでも、1番多いのはやはり小さな子供達みたいだ。
「ねぇ、あなた?」
「ん?」
「もう少し、くっついてもいいかしら?」
「……もう少しどころか思いっきりどうぞ」
繋いだ手を一旦解き、左腕へ抱きついてきた。
指はしっかりと絡めて恋人繋ぎだ。
「大好きよ、あなた」
「……俺もだよ」
デート、サイッコー(迫真)
そんな風に戯れていると列はあっという間に短くなり、順番が近づいてくる。
そんな中、俺達は変わらず触れ合っていた。
「マスター、もう少し近くに」
「んー……。こう?」
「バッチリだわ。はい、チーズ!」
ガシャッとマリーの持つスマホが音をだす。
覗いて見るとカメラを向き、寄り添った俺達が綺麗に写っている。
「誰かに送るの?」
「えぇ。あとは、SNSを通してアップするわ。《サバッター》っていうのが最近流行ってるの」
「へぇ〜。どれどれ?」
マリーがアプリアイコンらしきものをタップすると、色んな呟きが流れてきた。
おっきー@引きこもりたい
『寝起きのまーちゃんが可愛いよ!』 写真付き
フォックス☆キャット
『これぞ!ご主人のために考えたキャット特製オリジナル料理‼︎レシピも載せて置くワン!』 写真付き
太陽を落とした淫乱ドM駄メイド
『ハインド商会はお陰様で大繁盛さ!これからもご贔屓にってね!』
あなたのお姉ちゃんです!
『今日も弟君と元気にイルカショーです!ぜひ来てくださいね!』
嘘つき絶対焼き殺すウーマン
『愛しのマスターから着物を頂きました。如何でしょう?』 写真付き
……なんともまぁ個性溢れる呟きだ。
しかも、これから見る予定のシルク・ド・ルカンの花形であるジャンヌらしきサーヴァントもいる。
「色んなサーヴァント達がいるんだなぁ。……ん?」
ふと、スクロールされる画面で気になる一文を見つけた。
聖女だけど何か文句ある?
『マズいわ。そろそろ使用済みパンツを拝借してたことがバレそう。誰かいい案があったら教えて』 写真付き
「…………」
俺はすぐさま自分のスマホを取り出し、ある人物とのチャット欄を開いた。
『おっす。突然なんだけど最近パンツ減ってるとかあったりする?』
『え、何で知ってんだ?』
『サーヴァント達がツ◯ッターみたいなやつで呟くのが流行ってるらしい。そんでもって、その中に何処かのステゴロ聖女がマスターのパンツを拝借してるみたい』
『オーケー把握。助かった』
『……ちなみに全部使用済みだって』
『マルタァ!!!』
チャットの相手は野中 仁。
世界崩壊時に親しくなれたあの友人で、数ヶ月前に噂やSNSを通じてやっと連絡をとることができた。
それからは頻繁にチャットを交わしており、今回の旅行でとったホテルやタクシーも仁が教えてくれたものだ。
(仁は相変わらず苦労してんなぁ)
「お、そろそろ入場だ」
「どんなショーなのかしら!ワクワクしちゃう!」
従業員へチケットを渡し中へと入る。
と、スマホが震えた。
「ん?」
ポケットから画面を少し覗かせして見れば、仁からのチャットだった。
『たすけ』
速攻で見なかったことにした。
●
「レディースアーンドジェントルマーン!皆様!大変お待たせしました!!」
予定通り舞台の幕は開かれた。
開かれた天井から照らし出す日光が水面を輝かせる。
中央に鎮座した巨大プールを囲うようにされた観客席に座り、天然のライトが彩る空間がほんのり暖かく感じる。
「イルカさーん!集まってー!」
やはりというか当然というか、アーチャーである水着ジャンヌが競泳水着姿でホイッスルを吹く。
小気味いい音が鳴るとフラフープからイルカ達が現れ、優雅に泳いでこちらへアピールをし始めた。
「見て見てあなた!イルカさんがいっぱい!」
「どうどう。落ち着いて落ち着いて」
目をキラキラさせながらはしゃぐマリー。
すっかり見惚れてしまったようだ。
「ジャンヌもイルカさんも素敵ね!」
「だなぁ」
夢中になってるマリーを他所に、俺はあることに気づいた。
(なんか、嫌な感じがする)
嵐の前の静かさというか、何かの予兆、前触れみたいな空気が漂っている気がした。
「はーい!キャッチ&リリース!」
「キューイ!」
五感を研ぎ澄ませる。
「イルカさーん!」
「うおぉぉぉ!ジャンヌー!」
周りにいる観客にスタッフ。ジャンヌとイルカ。隣にいるマリー。
いくつかのボヤけた気配とは別に、鋭い気配の波を感じる。
「……マリー」
「どうしたのマスター?」
「何があっても大人しくしてて」
「え?」
直後、乾いた銃声が響いた。
「我々は人間同盟!そして葛城財団である!」
『────ッ!』
前に相手をした人神教と似たような奴らがゾロゾロと武器を構え乱入してきた。
同時に2人して気を引き締めるが、俺はマリーの腕を掴む。
「……マスター?」
「…………」
静かに、首を横に振る。
マリーが率先してどうにかしようとするのはわかっていた。
しかし、俺は恐れた。恐れてしまった。
ここで俺とマリーが立ち向かったとして一体何人が味方になってくれるのか。
ましてや、この場で妨害を俺達が止める意味はあるのか。
ここにはジャンヌとそのマスターがいるのだから、わざわざ俺達が割って入る必要はないんじゃないか。
そんな戸惑いが頭の中で渦巻いてるが、何よりも重要なのはマリーと自分の身だ。
「マリー、お願いだ。少し落ち着いてくれ」
微かな小声を振り絞る。
刹那の間に視線が交差し、彼女はニッコリと笑みを浮かべて告げた。
「……大丈夫よ、マスター」
「え」
掴んでた腕を優しく振りほどき、立ち上がった。
「させないわ!!」
「マリー、やめ────」
「こんな事したって、子供達は喜んだりしないもの!」
何とか止めようと静止に入るが、それでもマリーは訴え続ける。
「ここはみんなを笑顔にする場所。そんな物騒な物を持ち込むところじゃないもの。そうでしょう?」
すると、それまで怯んでいた観客達が意を決したように立ち上がった。
「そうだ……俺達はそんなこと望んでない!」
「私達は楽しむためにここに来ているのよ!邪魔しないで!」
「かえれー!」
反旗の波紋が広がってゆく。
「ジャンヌが悪魔なわけあるか!」
「流石にあの胸で悪魔は無理でしょ」
「俺達はジャンヌを見に来てんだ!てめぇらの説教なんざ聞きたくねぇんだよハゲ!」
会場がマリーの一声で一体化となった。
「みんなありがとう!ヴィヴ・ラ・フランス!」
良かったと溜息と共に胸を撫で下ろす。
結果論かもしれないが、俺の心配はどうやら杞憂だったみたいだ。
「ごめん、マリー」
「え?」
「俺は……。俺は、君を信じることができていなかった。ごめん……」
思わず顔を伏せる。
自分に対しての悔しさや羞恥でいっぱいになる。
すると、項垂れていた顔に両手が添えられ顔を上げられる。
「悲しまないで、マスター」
「マリー……」
「その気持ちを隠さずに、ちゃんと伝えてくれる貴方が。私には、できないことを思ってくれる貴方が。私は大好きなの」
ゆっくりと、お互いの唇が触れあう。
一瞬の行いだったはずなのに、かけがえのないほどに愛おしい時間。
「……ありがとう。愛してる」
「私も、愛してるわ」
見つめ合い、再びキスをしようとするが……。
「お前ら!いい加減にしろ!」
武器を構えた奴らが怒なり散らし、俺達を囲むようにしていた。
「いつまでもイチャイチャしやがって!状況がわかってんのか!」
「その女も悪魔だな!拘束する!」
「男の方も同罪だ!悪魔と親しくするなどもってのほか!」
……こいつら。
「撃て!」
構わず発砲。
鉛の銃弾がお互いを弾くような雨嵐が襲い来る。
しかし────
「……む、無傷、だと」
「ば、馬鹿な……!」
マリーの囲むように張ったバリアの前では一発も通ることはなかった。
「せっかくいい雰囲気だったのに、無粋な横槍入れやがって」
「マスターとの甘い一時を邪魔するなんて……。許さないわ」
俺は左手に宝石。
マリーはデート服からライダーの最終再臨に。
「マリーが悪魔、だって……?」
「マスターが、何……?」
「う、撃て────」
2回目の一斉射撃の前に、光弾と宝石が横に扇状へ広がった。
「がぁっ⁉」
「ぐっ⁉」
取り囲んでいた全員が吹っ飛び目を回す。
見事なまでに気絶し、少し離れたところで警戒していた他の奴らが後退っていた。
「お前ら」
「あなた達」
『────覚悟しろ(しなさい)』
●
それからというもの。
『海に降り立つ水辺の聖女!キュア☆ドルフィン!』
『キラキラ輝く海辺の光!キュア☆オッキー!』
『ふたりは水着アーチャー!!』
『マスター!私もあれやりたい!』
アーチャージャンヌとアーチャー刑部姫によるニチアサ舞台によって騒動は沈静化された。
あまりの展開に思考が一度停止したが、はしゃぎにはしゃぐマリーといつの間にかペンライトを振って声援を送るハメに。
「あ!マリー!」
「ジャンヌ!」
見世物としてこれ以上ないショーを終えた今、ぶらぶらと館内にあるちょっとした出店を回っていると、ジャンヌとマスターと思わしき男の子と偶然出会った。
「初め、まして。シルク・ド・ルカンのオーナーをやらしてもらっています」
「初めまして。ホテルタウン、オーシャン・ビヨンドでカウンセラーとマリーのマスターやってます。武田広海と申します」
お互いに握手をし、えらく緊張した面持ちのオーナー君。
せっかくだがらと思い、俺は彼の緊張を解すために話を振った。
「初対面で申し訳ないんだけど、敬語じゃなくて普通に話してもいいですか?」
「も、勿論です。お好きなようにしてください」
「ありがとう。そっちも気楽にしていいよ」
一区切りしたところで、ジャンヌがオーナー君の後ろから抱き着いて豊満な胸を頭に乗せた。
「ちょっ、ジャンヌ⁉」
「初めまして!マリーのマスターさん!弟君のお姉ちゃん!ジャンヌです!」
「……」
もう全てを察した。
これは苦労人枠だ、と。
「それじゃあ私も!改めて、マスターの奥さんのマリーです!よろしくね!」
「お、奥さん……」
「大変素晴らしいとお姉ちゃん思います!」
対抗してか、左腕にガッチリと抱き着き自己紹介をするマリー。
立ち話も何だということで、レストランへ移動して軽くつまみながら談笑することに。
「その、さっきはありがとうございました。マリーさんと広海さんが率先して動いてくれたおかげで、スタッフや観客の人達に被害がなくて助かりました」
「いやいや、俺達は大したことしてないよ。それに、俺よりもマリーの方が賞賛されるべきだから」
机に置かれたクッキーやお菓子、紅茶を飲みながら互いの情報を共有する。
「あの襲ってきた人達について教えてもらえるかしら?」
「えぇ、構いませんよ」
貴重な東京での出会いだ。
逃すわけにはいかない。
「今日来た彼らは人間同盟。そして、葛城財団という2つの組織なんです」
「人間同盟は今まで耳にしたことはあったけど、葛城財団は初めて聞いたな」
「そうね。どちらも嫌な人達なのは変わりないけど」
「人間同盟は知っての通り、サーヴァントを悪魔だと訴えている集団です。彼らには前からショーの妨害を受けてたんです」
話を聞いてると、人間同盟という組織がどれだけヤバいかが伝わる。
ここでは妨害の度にジャンヌとイルカが撃退してどうにかしていたらしいが、中には妨害の度を越えた事もあったらしい。
(……ったく、どっちが悪魔だよ)
宗教を相手どった経験があるからこそ、こういう手合いをまともに取り繕うのがとても面倒に感じてしまう。
「葛城財団っていうのは何なの?」
「彼らも人間同盟と同じです。当初はスポンサー希望で来てましたが、代わりに私の身柄を渡せと言ってきました」
「無茶苦茶だな」
察するに、スポンサー云々よりもジャンヌそのものが目的だったみたいだ。
何の為かは知らないが、どうせロクな事じゃないのは間違いない。
「はい、あーん」
「あ~~~ん♪」
「このクッキー美味しいな」
「マスターが食べさせてくれたからもっと美味しいわ!」
いつものようにマリーと食べさせ合いをしてると、オーナー君……いや、弟君だな。
弟君がジャンヌに迫られていた。
「弟君、あーんですよ。あーん」
「ク、クッキーくらい自分で食べられるよ……」
「……お姉ちゃんビ────」
「あ!あーん!」
パクリ、とジャンヌが摘まんだクッキーが弟君の口へ運ばれた。
「モグモグ……。あ、これ美味しい」
「そうでしょうそうでしょう!お姉ちゃんパワーのおかげですね!」
お姉ちゃんは関係ないと思う。
てゆうか、さっき何かやろうとしたな。
何かはわからないが、弟君が凄い恐れているのはよくわかった。
「もう少し、人間同盟と葛城財団について聞いてもいいかな?後は他のカルト教団について知ってることがあれば……」
「わかりました」
それから数分間存分に情報を共有し合い、お菓子や紅茶も綺麗サッパリ無くなった。
「人神教……。そんな組織が……」
「俺達が潰したのはほんの一端なのは間違いないから、そっちも気を付けて」
と、話が丁度一段落したところでマリーが口を開いた。
「弟君とジャンヌに館内を案内してもらいたいのだけど……。いいかしら?」
「勿論です!」
「僕らで良ければ……」
「いつまでも辛気臭い話するのもあれだもんな」
ゾロゾロとレストランを出て、館内を巡りが始めるかに思えたが……。
「ごめん、ちょっとトイレ行くから3人で先に行ってて」
「それくらいなら待ちますよ?」
弟君が気を使って言ってくれたが、時間は有限だ。
少しでもマリーに楽しい思いをしてもらいたい。
それに────
「大丈夫。ちょっと職場に連絡も取らなきゃいけないから気にしないで」
「……それじゃあ、先に行ってるわね!」
「……そうですね!ほら、弟君行きましょう!」
「わわっ!」
半ば引きずられる形で弟君を連れて3人の姿が遠くなる。
ここはそこまで広くはないし、マリーと連絡も取れるから後から追いつけるだろう。
(マリーに後でお礼言わなきゃ)
言葉の綾を察してくれたみたいだ。
俺を、信じてくれたのだろう。
(さて、と)
応えなければならない。
「初めまして。最古の英雄王」
「おや、気づいていたんですね。これは侮れません」
振り向けば、幼年期のギルガメッシュ。
通称小ギルが余裕たっぷりの表情で、初めからそこにいたかのように立っていた。
「あなたに評価されるほど自分は凄くもなんともないですよ。それで、私に何か御用でしょうか?」
「えぇ。少し、お話でもどうでしょう?フランス王妃のマスターさん?」
登場人物紹介
オルタクシー 安曇とアルトリアオルタ(ライダー)
空の移動手段が豊富な中で、陸の移動手段として話題となっている。
マスターの安曇は元自動車整備士の20代でFate関係は興味がなかったが、CMでのライダーオルタを目にしてドハマりした。
崩壊時に現れたオルタに大喜びしたのも束の間、3日間徹底的に絞り取られた。
生活費を稼ぐため2人でタクシー業を始め、夜はお決まりのカーセックスらしい。
シルク・ド・ルカン
姉なるものジャンヌと弟君(愛玩動物)が運営する場所。
スポンサーはあのギルガメッシュの幼年期。
詳しくは下のリンクから。
面白くてえちえちだから、見てない人は見て下さい。
https://syosetu.org/novel/201236/
サバッター
ツイ○ターみたいなもので、SNSへの繋がりを持つサーヴァントなら誰でも使用可能なアプリ。
広海君の補足
気配察知(ランクはない)
元となったエルキドゥやエネミーの蚊が持つ気配感知とは違い遠距離の把握は不可能且つ、二酸化炭素や体温を察知するのも不可能。
ただし直感に近い部分を持ち合わせているため、集中力や勘といったもので広く浅くを朧げに察知できる。
広海君の人外化(控え目)への第一歩の証である。
ってことで、もう少しコラボが続きます。
大丈夫かなぁと不安になりながらコラボ先を考えて書くのはやはり大変ですね。
既に経験している方々ほんと尊敬します。
年末までにはもう一度更新できるとは思いますが、仕事がウボァー状態なので気長に待ってもらえると幸いです。
それでは皆様、ヴィヴ・ラ・フランス!