nibiiroと申します。
新年明けましておめでとうございます。
今年も何卒、よろしくお願いします。
それはそれとして、楊貴妃出ないんですけど(絶望)
エウロペおばあちゃまも出なかったし・・・。
ハッ、これが現実か(血涙)
まぁ、いいです。
自分はマリーがいてくれればそれでいいのです。
でも崩壊世界で楊貴妃とエウロペとライネスが見たいから誰か書いて。
さて、前置きは以上で。
それでは、いってらっしゃいませノシ
稀に、どうしようもなく怖くなる時がある。
考えすぎて、わけがわからなくなって眠れない時がある。
不安が。恐怖が。後悔が。
身体を蝕んでゆく。
小さな影がどんどん広がってゆくのを、止めることができなかった。
彼女は知っている。
俺の中に暗い部分があることを。
俺は知っている。
彼女が何かを抑えているのを。
半年間一緒にいて、俺達はお互いに最後の一歩を踏み出せないでいた。
●
「どうぞ」
「あぁ、これはすいません」
「いえ、お気になさらず。遠慮なく飲んで下さい」
「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えて」
ショー館内にある自販機。
その横に置かれたベンチへ俺と子ギルさん……でいいのかな?
子ギルさんと俺は缶コーヒーを片手に腰掛ける。
「プハァ。それで、話ってなんでしょう?」
ひと口飲んでから、問うことにした。
「大したことではありませんよ。あの有名なホテルタウンで働いている方とお話をしてみたかっただけです。そう身構えないで下さい」
対して、向こうもひと口飲んでから再び話し始める。
「このご時世には慣れました?」
「……慣れていくしかないと思いますけど。うだうだやってるとあっという間にお陀仏になる世の中に変わっちゃいましたし」
「一理ありますね」
そこでまた、お互いに同じタイミングでひと口。
「マスターは……いないんですね」
「ええ。僕は僕のやりたいようにしたいのでパートナーは必要ないんです。単独行動もありますし」
「スポンサーになったのには何か理由でも?」
「……オーナーの彼、見てて凄く面白いんですよね」
あっ(察し)
「愉悦、ですか」
「嫌だなぁ、僕は大人の僕ほど悪辣ではありませんよ」
そうニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべる子ギルさん。
その笑顔だけなら紅顔の美少年に違わない綺麗なものなのだが、何故かその笑みに怪しい影を感じてしまう。
弟君の周り爆弾多すぎない?
「それに他人の恋愛事情はいくら見ても飽きませんから。あなた達も同様に」
「え」
「どんな気分です? 夢にまでみた王妃様のマスターは」
「…………」
緊張感が身体を包む。
これは……もしや見透かされているのだろうか。
「この上なく幸せですよ。今の自分は彼女と一緒にいれるならそれで満足です」
「ですが、不安と後悔はある」
「────っ」
「どれだけ取り繕うとあなたは人間だ。後ろめたい部分は隠し通せない」
冷や汗が額に馴染む。
「どうして……?」
「先程の言葉が嘘じゃないのは伝わりましたが、どこか強がっているように見えたので」
「……強がってるわけじゃないんですけどね」
わかる人にそう見えているのだろうか。
「……いつも思いますよ。彼女のマスターが自分でいいのかって」
マリーは真っ向から否定してくれたが、簡単に拭えるような物ではなかった。
「それだけじゃないです。この先彼女と一緒にいていいのか……。なんて、他にもいろいろと考えてしまいます。でも、そんな弱音を見せないって決めたのは自分なんで」
「難儀な性格ですねぇ」
「我ながら馬鹿で面倒だなと思ってますよ」
マリーが悲しむのは見たくない。
なら、自分がどれだけ歪んでいこうが構わない。
「マリーだけは、絶対に幸せにします」
「……そこまでする必要はあるんですか?」
「ありますよ。俺は彼女のマスターで、夫で、心の底から愛してると言えますから」
「ベタ惚れですねぇ」
「外見も性格もどストライクなんで」
飲み終わった空き缶を離れたゴミ箱に放る。
カランとした小気味良い音を奏で、綺麗に収まった。
「彼女のためにも、もう少し気楽に生きていくことをオススメしときます」
「ありがとうございます。心掛けます」
カウンセラーが悩みを抱えてるのどうかとも思うが……。
「まぁ、そのうち向き合う時が来るでしょうしね」
「その時は、その時です」
「そうなると後は……」
ギルさんが空き缶を宙に放り、蹴り飛ばす。
見事な曲線を描き、ゴミ箱へシュートされた。
「後は肝心の王妃様、ですね」
「……やっぱり何か、あるんですね」
「おや、気づいてたんですか」
「出会った当初はわかんなかったですけど、半年も一緒にいれば流石に察せます」
といっても気づき始めたのは最近の話で、時折彼女から何かを感じるようになった。
「何でしょう。恐怖というか、その、知らないうちに呑まれてしまうような……。俺の知らない何かをマリーが抑えてるイメージを感じるんです」
「さてどうですかね?」
(……まぁ、教えてくれるわけないか)
追求するのはやめておこう。
相手はあのギルガメッシュなんだ。こんなとこで、危険な橋を渡る必要はない。
思考を巡らせ、静かな腹の探り合いをしていると声が聞こえた。
「マスター!」
声の掛かった方へ顔を向ければ、マリーと弟君にジャンヌがやってきた。
「あれ……。どうしたの?」
「その、マリーさんがやっぱり武田さんと一緒がいいって言うので」
「少し回ってからこうして戻ってきた、というわけです!」
「……なるほど」
ガッチリと弟君をホールドしたジャンヌに、なすがままの弟君が説明してくれる。
「って、お、お疲れ様です。ギル……さん」
「お疲れ様です!スポンサー!」
「お疲れ様です。そして、初めましてフランス王妃様。ここのスポンサーをやってる幼きギルガメッシュです。気軽にギルくんと呼んでください」
「彼の奥さんのマリーです!よろしくね、ギルくん!」
簡単な自己紹介をすませ、俺の方を向いたマリーが怪訝な顔色を浮かべた。
「あなた、大丈夫? 何かあった?」
「……何でもないよ。心配してくれてありがとう」
気遣ってくれた彼女の頭をいつものように優しく撫でる。
目を細め、嬉しそうに微笑んでくれた。
すると、突然の横槍が。
「強がっていますが、先程から少しお疲れのようでしたよ?」
「ちょっ」
「でしたら、今日はこれでお開きにしましょう!」
「まっ」
「ホテルでゆっくり疲れをとりましょうか♡」
何だこの連携は。
謎の急かしように狼狽えていると、弟君が声を上げる。
「す、すいません。その前に1ついいですか?」
「あぁ、丁度良かった。俺も1つ用件が」
こうして、旅行1日目のイルカショーは幕を閉じた。
●
しばらくして、とあるオーナー室。
「……ねぇ、ジャンヌ」
「あの時、マリーさんに勧めてた薬ってもしかして────」
「────お姉ちゃんビーム♡」
「アッ♡アアッ♡」
「ふふっ♡弟君、お口あーんしてお薬飲みましょうね〜♡」
「うっ……♡あう……♡」
●
「……フゥ、美味しい」
「良かったわ」
ホテルへ戻ると、マリーが紅茶を淹れてくれた。
ベルガモットが少し強めみたいだが、クセもなく飲みやすい。
口から注がれる風味とマリーが隣に寄り添ってくれることで、落ち着きを取り戻してきた。
「急に引き返すことになってごめんね」
「いいのよこのくらい。あなたの具合の方が大事なんだから」
「ありがとう。明日になれば平気だから、また行こう」
「今度はイルカさんに触れるかしら?」
「どうだろうなぁ……。指名されるのはランダムだからなぁ」
とはいえ、弟君から余っていたチケットを貰ったことだし、マリーが満足するまで存分に使おう。
連絡先も交換できたし、また改めてSNSでお礼でも言わなくては。
「……マリー」
「なぁに?」
彼女は恐らく気づいている。
気づいてもなお、俺を愛してくれている。
「……もしも、もしも俺が君に隠してる事があるなら。君はどうする?」
我ながら最低な問いかけだと思う。
でも、何て言ったらいいかわからないんだ。
正直に自分から伝えればマリーがいなくなってしまうかもしれない。
1人になってしまうのが、堪らなく怖くて、不安で仕方ない。
息苦しさで噎せ返ってしまいそうだ。
「待つわ」
「え?」
「あなたが言ってくれるその日まで、私はいつまでも待つわ」
「マリー、やっぱり気づいて────」
柔らかな笑顔を浮かべ、優しく包み込むように抱きしめられた。
「ずっと、ずうっと一緒よあなた。急ぐ必要なんて何もないの」
「マ、リー……?」
「息を引き取るその時まであなたと私は夫婦なんだから。悩んで、励まし合って、分かち合って、そうしていくのが私の望み」
胸に顔が収まる形で抱きしめられる様子は、はたから見れば母と息子のようにすら見えるかもしれない。
それほどに、慈愛に満ちたオーラを彼女は放っている。
「何があろうと、あなたが私を愛してくれるのは確かにわかるのだから」
「う……?」
視界が歪む。
大きな睡魔が突然襲ってきた。
「好き。大好き。愛してるわ、あなた」
「……っ」
「今はゆっくりおやすみなさい。私の愛しいマスター」
意識が、落ちた。
●
「んっ♡」
眠りにつき、膝枕をされた青年に少女がキスをする。
「……っは♡」
確かな幸福が唇から注がれるのを感じた。
しかし、すぐにそれは溶けてゆく。
「んっ♡ちゅ♡」
2度目の口付けは舌を絡めた。
「じゅっ♡じゅる♡ちゅぱ♡」
まるで襲っているように彼の口内を貪る。
そこには1つの狂気が混じっていた。
「ちゅば♡もっと♡んっ♡もっひょお♡」
まるで、満たされぬ欲求を埋めるような行為。
まるで、今まで隠していたかのような雌の衝動。
「じゅる♡」
口まわりをベトベトにしながらキスを繰り返すと、ある変化が起きる。
────青年の身体が縮み始めた。
「まぁ♡」
やがて、それは止まる。
青年の姿はぶかぶかの服に身を包んだ少年へと変貌を遂げた。
「はぁ♡可愛い……♡」
うっとりとした吐息が漏れる。
寝息を立てる少年を恍惚の表情を浮かべながら優しく頭を撫でていると……。
「ん……」
少年が目を覚ます。
「え……。っ!」
ガバっと起き上がり、大きなベッドの上で後ずさる。
「だ、誰?」
普段見ることができない彼の怯える姿に、少女の情欲が一層燃え上がる。
「こんにちは、私の愛しいマスター♡」
登場人物紹介
シルク・ド・ルカンのスポンサー ギルガメッシュ(幼少期)
クラスは変わらずアーチャーでマスターはいない。
崩壊した世界で愉悦部を堪能し、情勢を傍観している。
マリーが購入した 謎のお薬
出張店ということでやってきていた怪しいお店で、ジャンヌに勧められて購入した謎の薬。
その正体は大魔女特製若返り薬。
コラボ先紹介
崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話。
https://syosetu.org/novel/201236/
タイトルを改めて見てとんでもないタイトルだと思いました♨︎
唐突なシリアスぶっ込んで申し訳ないです。
とはいえ、当初の予定通り主人公の掘り下げはこのタイミングで入れるつもりでした。
歪というより一種の苦悩とも思えますが・・・。
改めまして、今年もよろしくお願い致します。
感想やお気に入りはとても嬉しいです。
そして、アルテマさんとのコラボ回はひとまずここで終わります。
ありがとうございました。
次回はマリーの軽い暴走回(エロあり)
小さな広海君はどうなってしまうのか・・・。
不穏でも、行き着く先はハッピーエンドなのでご安心を。
それでは皆様、ヴィヴ・ラ・フランス!