レースカーテンが靡く。5月頃の気候であれば、窓を開けておくと気持ち良い風が入ってくる。風が入った先の部屋では1人の少女がピアノを弾いていた。その腕前は確かなもので、滑らかで、艶やかな旋律が部屋を包み込んでいた。少女がいる部屋は白を基調としており、壁紙も置いてある家具も白が殆どであった。その部屋の中央に黒のグランドピアノが鎮座していて、白ばかりの世界では一際、存在感を出していた。今、少女が弾いている曲は「ラ・カンパネラ」というかなり難易度が高い曲である。
「ふぅ~…。」
ピアノを弾いていた少女、「白金燐子」は一息つくと、何気なく、周りを眺めた。そして、風で揺れるレースカーテンを見て、窓が開いていた事に気付いた。そして、慌てて窓を閉めに向かった。音が外に漏れていた為、恥ずかしかったのか、頬を赤く染めていた。
「あっ…。もうこんな時間…。」
燐子は時計を見ると小さな声で呟いた。そしてまた、何かを確認するように自室を見渡した。
「もぅ…。来ちゃう…のか…。うぅ…。部屋は掃除した…けど…。」
燐子はそう呟くと、トムソン椅子に腰掛けた。
「私が…ピアノの…レッスンなんて…。」
燐子は3日前に、母親からピアノのレッスンを頼まれていた。レッスンをする子は向かえに住む小学生6年生の男の子で井戸端会議の時に頼まれたとのことだった。
「お母さん、勝手過ぎるよ…。私に…できるわけ…ないよ…。」
レッスンをしてと頼まれた時に言えなかった事を今更になって燐子は口にした。そして、もう1度「はぁ。」とため息をつくと、「ピンポーン」と軽快なチャイムの音が響いた。燐子は立ち上がり、もう1度ため息をつくと、思い足取りで玄関に向かうのであった。
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「よ、よろしくお願いします!」
時間ピッタリに来た少年を自室に招き入れると、緊張をしているのか、きちんと姿勢を正し、深々と礼をした。その様子を見た燐子は心の中で「可愛い」と呟いた。
「こ、こちらこそ…よろしくお願いします。…えっと…お、お名前を…教えて下さい…。」
「は、はい!み、水野悠真(みずのゆうま)です!」
ちなみにだが、燐子と悠真は家が真向かいの為、顔を見るのは初めてという訳ではなく、たまに顔を合わせたら挨拶くらいはする仲ではある。しかし、ご近所さんでも、名前まで知っている訳がなく、こうして聞いたのであった。
「えっと…。み、水野さん…ですね…。わ、私は…」
「り、燐子さん…ですよね?で、でも、ち、ちゃんと先生と呼びますので…。」
燐子は自分の名前を知っていた事に驚いていたが、モジモジと恥ずかしそうにする悠真に「まぁ…いいか。」と思い直していた。
「み、水野さんは、ピアノは習ってましたか?」
「は、はい。い、い、今も習ってます。」
尚も緊張しながら言う悠真に対して、燐子は習っているのに、何故、自分に習いにくるのか不思議に感じたが、人見知りが発動し、聞けずにいた。
「…分かりました…。でしたら…1曲…何か…弾いてみて…下さい。」
燐子はそう言うと、悠真は「はい!」と返事をし、燐子のグランドピアノに向かっていた。自分のピアノに他の人が弾こうとしている状況に違和感を覚えつつも、いつもオンラインゲームをしている時に座っている椅子に座り、聞く体勢に入っていた。
「ふぅ~。」
悠真は深呼吸を1回すると、大きくまた息を吸い込んだ。それだけ息を吸い込んだならどれだけ激しい曲なのかと思いきや、静かな、優しい旋律が燐子の部屋に響いた。
「…え?」
1小節、2小節と曲が進む中、燐子は目を見開いていた。
「(凄く…上手…。私…。教えるところが…ない。)」
悠真が弾いていたのは「カロ・ミオ・ベン」と言う曲だった。ゆったりと美しい旋律で、繊細で、心が癒されるような曲である。
「(あれ?…確か…この曲は…。)」
燐子は聞きながらも、「えっと…。」と考えていた。
「(確か…。この曲って…愛の曲…だった…かな。)」
燐子は朧気に思い出していた。燐子が思い出したことは正しく、そもそも「カロ・ミオ・ベン」が「愛しい人」と言う意味である。
「(たまたま…だよね?)」
燐子がそう思っていると、丁度、曲も終わり、悠真は「ふぅ~。」と息をついていた。
「…えっと…。お、お疲れさま…でした。」
「ど、どうでした…か?」
「…き、休憩に…しません…か?」
「も、もうですか!?」
燐子の提案に悠真は驚いた。その声に燐子は「ビクッ」となっていた。
「あっ。お、驚かせてごめんなさい…。」
「い、いえ…。わ、私の方こそ…。」
燐子は呟くと、顔を赤くした。
「え、えっと、き、休憩…ですよね?母からこれをと言われてまして…。」
燐子は白い箱を受け取ると中身を確認した。中はクッキーシューが2個入っていた。
「あ、ありがとう…ございます。…き、休憩と言ったのは…その、聞きたい事があって…。え、えっと、お、オレンジジュースは…お好き…ですか?」
燐子はそう言うと、立ち上がった。悠真の「はい。」と言う返事を聞いて、台所に向かった。
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オレンジジュースとクッキーシューが1つずつ並んだテーブルに、燐子と悠真は向かい合うように座っていた。
「せ、先生…。聞きたいことって何ですか?」
なかなか喋らない燐子に悠真は口を開いた。「聞きたいことがある」と燐子から言ったので、ずっと燐子から聞いてくるのを待っていたのである。
「ご、ごめんなさい…。み、水野さんは、どれくらいピアノを習っているのですか?」
「3才からです。気付いた時には習ってました。」
「…し、正直に…言って、わ、私が教えることは何もないのですが…。」
燐子は困った様に言った。嫌々ながらもレッスンを引き受けたとはいえ、その責任は果たそうと燐子はしていたが、こうも上手く、弾かれてしまったら、どうしようもない。
「そ、そんなこと…。」
「ありますよ?」
謙遜しているのか、手をブンブン振りながら悠真は言ったが、燐子は否定をした。
「うぅ…。」
「水野さんは…なぜ…あの曲を…演奏したのですか?」
「えっと…。せ、先生はあの曲知ってますか?」
「はい…。カロ・ミオ・ベン…ですよね?」
「そうです。あの曲の意味は知ってますか?」
「…確か…。恋の曲…ですよね?」
燐子は少し、悩みながら言うと、悠真はサッと下を向いてしまった。
「カロ・ミオ・ベンって、愛しい人へって意味なんです。」
「知らなかったです…。そうなんですね…。」
人見知りで感情があまり表に出ない燐子だが、とても関心をしていた。
「(よく…。音楽の勉強もしてます…ね。)」
と思いながら悠真を見ると、何故か、悠真はモジモジとしており、顔を真っ赤にしていた。
「水野さん?どう…しましたか?」
「あ、あの!き、気付きませんか…?」
悠真は必死に燐子を見て言っていた。その様子に燐子は「(まさか…。)」と思っていた。
「ほ、本気ですよ…。先生の事、す、好き…なんです。で、でも、僕はまだ子供だから…相手にされないのは分かっています。で、でも、思いを伝えたくて!」
悠真はガチガチに震え、ギュッと目を瞑りながら言った。燐子は初めて受けた告白に驚き、固まってしまっていた。
「あ、あの…。僕、帰りますね…。本当にすみませんでした。」
驚いて固まってしまった燐子が、悠真には無関心で無視をしているように見え、泣きそうな表情で、立ち上がっていた。
「ま、待って!」
悠真を傷つけてしまったと気付いた燐子は慌てて、悠真の手を掴むと、自分の方に引き寄せた。そして、そのまま燐子は悠真を抱き締めてしまっていた。流れでそうなってしまったが、燐子も悠真もあまりの恥ずかしさに固まってしまった。それからどれくらいの時間が経ったか、ピアノの音色が駆け巡るこの部屋で無機質な時計のカチカチと言う音しか聞こえなくなっていた。
「せ、先生?」
「…ご、ごめんなさい。」
悠真に呼ばれ、我に返った燐子は抱き締めていた手を緩めようとした。チラっと下を見ると、自分の胸に悠真が顔を埋めていた。一般的な女性に比べ、かなり大きなその胸は、小学生の悠真の頭がすっぽり隠れてしまっていた。その事実に今更気付いた燐子は、顔を真っ赤にした。恥ずかしさから悠真を突き飛ばさなかっただけ奇跡である。
「く、苦しい。」
悠真の声が耳に届き、燐子は慌てて、離れた。
「し、死ぬかと思いました。」
悠真が後ろにひっくり返りながら言うと、燐子も、その場にペタリと座ってしまった。
「あ、あの…。本当にごめんなさい。」
蚊の鳴くような声で下を向きながら謝罪した。
悠真が「大丈夫です。」と言ったが、燐子には届かなかった。下を向いた際に、あることに気付いてしまったのだ。
「み、水野…さん?」
「何ですか?」
悠真が体を起こしながら返事をしたが、燐子は顔を背けていた。
「な、何でもない…。」
燐子はそう言うも自信の心臓が信じられないくらいドキドキしている事に気付いた。
「(水野さんの…。あそこが…お、お、大きくなってる…。まだ…子供だけど…反応しちゃうんだ…。)」
燐子はそう思うと、だんだん自分の体の内側が熱くなっていた。燐子も年頃の女子高生、そういった事に興味がないと言えば嘘になる。
「(どうなってるのだろ…。硬い…のかな。)」
チラッと悠真の方を見るとキョトンとしていた。燐子はそっと手を伸ばすとズボンの上からテントを張っている部分にそっと触れた。
「ひゃ!」
突然、触られた悠真はおかしな声をあげてしまった。
「せ、先生!?」
「…燐子です。」
「へ?」
「その…先生は、恥ずかしいので…。出来れば名前で…。」
燐子はそう言いながら、指先で、テントの頂点を優しく撫でていた。その指に会わせて、悠真は体をビクッと震わせていた。
「ふふっ…。ピアノみたい…。」
「へ?あ、あの!わ、分からないけど…は、恥ずかしいです!」
悠真は抵抗したかったが、不思議と体に力が入らなかった。
「(この中は…どうなっているの…かな?)」
燐子は撫でる手を止めると、ズボンのファスナーに手を伸ばした。ジーと言う音が大きく聞こえて、燐子の胸は高鳴っていた。
「先…じゃなくて…。えっと…。」
「ふふっ…。なに?」
「えっと…。お姉ちゃん?」
「可愛い…。」
悠真がなんて呼ぶか悩んでいる間に、ズボンのファスナーはしっかり下ろされていた。そして、トランクスの間からそそり起つ陰茎を出した。
「(こ、こんな風になってるんだ。小学生でも、い、い、意外と…大きい…?)」
「お、お姉ちゃん!ほ、本当には、恥ずかしいです!」
悠真はそう言うと、手で隠したが、いくら男子と女子とはいえ、小学生と高校生では力が大きく違った為、悠真の抵抗は虚しく、あっさりと手を押さえられてしまった。そして、燐子はゆっくりと優しく陰茎を握ると、静かに上下に動かし始めたのだった…。
初のR18の連載です。
不定期でゆっくり書いていきます。