シャワーを浴びて一息。
ベッドの汚れから現実逃避したくなりつつ、とりあえず軽く綺麗にはしておく。
ぱたぱたと手で熱気を払う酒呑童子は気にしないようにしよう。
なんて思っていてもいつの間にか汚れに顔を近付けていたりと、結局余計面倒になりそうでそれとなく言葉を交わすことになる。
すると彼女はいつの間にやらすぐそばにいて。
ああまた、距離が狭まる。
彼女にとってちょっとしたからかいなのだとしてもなかなかどうして辛いものがある。
同じように体を洗ったのに纏う香りがまるで別物というか、いや、意識してはいけない。
おかしな想像を消し去りながらため息をつく。
そんな、緊張感ある時間を過ごしていると突然酒呑童子の表情が変わった。
嫌な予感に眉をひそめながら遅れて動いた彼女の視線を追うと同時にあ、と戸口から小さな声が聞こえ。
それは二度目には数倍に膨らんで。
そして。
風紀委員長が乱入してごちゃごちゃになってしまった。
酒呑童子はもはやいつもの空気、いつもの格好であり。
騒ぎでたちまちマシュや他のサーヴァントも顔を出し、喧喧囂囂とした部屋はもはや数秒前とは別な世界のようだ。
それはそれでどこか落ち着くような気がしないでもない。などと逃避をしつつも何とか治める努力だけはして。
今日も一日が始まる。
レイシフトや種々のやるべきことをこなし、研鑽と交流を。
昨晩からのあれこれよりは落ち着いてできるだろう、なんて思っていたのだけれど。
酒呑童子とのあれこれのせいで気を張りすぎていたのだろうか。
それとも頬の傷のせいだろうか。
何気ない会話からの誘導でダ・ヴィンチちゃんには色々とバレてしまった。
まぁ、溜まってるのかな。などと軽い調子で流してはくれたけれど。
自分が勝手に感じる後ろめたさはともあれ、それよりも。
執拗に、お説教のように。
マシュとするときについては優しくと念入りに言われ、コンドームや薬についての話なぞ困惑と何かがぐるぐると回り続けていた。
次に会うときに気まずくなりそうでなんとも言えない気持ちになる。
大切なことだから覚えていないといけないという考えも同時にあり、よこしまな気持ちだけ汗と共に流そうと体育館へと、小走りで向かった。
運動は楽しい。
無心になれる時間は大切だと思いつつ、絡んでくれる人たちとも面白おかしく話し、励むことができる。
厳しい英霊ならば善意で皮は裂け血が流れるくらいはするけれど、それもまた。
交流ならばレクリエーションルーム、はどうにも遊びすぎてしまうきらいがあるというか。
特に対戦ゲームなどは盛り上がると止めどきがわからなくなってしまうことがある。
真面目な声をあげてくれる人がいるならばいいのだけれど、引きこもり……もといゲーム好きが固まっているとなかなかどうして思い通りにはいかない。
筋力トレーニング、種々の運動。
今日は平和なようだ。
汗を流す面々も爽やかというか、血生臭さはなく。スポーツを楽しんでいる。
とりあえず昨日を思い出して運動はほどほどに図書館で知識と、居合わせた知識人や勤勉な努力家に合わせた文化的なあれこれもと一緒に頭に入れ、最後に鋼鉄の乙女のメンテナンスで汗を流した。
最後には無心で、丁寧に。
そういえば、ダ・ヴィンチちゃんにそれとなく聞いて流されてしまったけれど。
避妊についてサーヴァントは話にでてこなかった。
もちろん体は魔力で編まれているし霊体化で、などあるのだろうけれど。
思いを巡らせて、少しいけない想像をしてしまうのだった。
ほんの少しだけ。きっと。
なんて。
自室に戻り、シャワーで汗と油を綺麗にしている間に反動のように蘇った煩悩を抱えて来客に足を向けると、スルーズが部屋の前に立っていた。
「……マスター?」
朝の件を思い出して対面した瞬間ぎょっとしてしまい、彼女を困惑させてしまったようだ。
「少々、よろしいでしょうか」
一も二もなく頷いて、部屋に招き入れる。
彼女が何か言いふらすなどありえないだろうし、なんの用だろうと思いながらも慌てて周囲に目をやったのはちょっとした勢いだった。
「…………」
無言。
心配はさておきスルーズは両の足を揃えて行儀よく座っている。
いつもの冷たい表情とは違い、顔に朱が滲んでいるのは何か理由があるのか。
そしてそれは黙り続けていることと関係があるのか。
しばらくの間待って、ようやく。
「……あの。……いえ、お時間を取らせてしまい。申し訳ありません」
謝罪と共にスルーズは小さく頭を下げた。
そして、深呼吸しているのがはっきりと見えた。
緊張しているのか。
膝の上で重ねた両の手に力が入っている。
「マスター」
スルーズはまっすぐに、射抜くような眼光を向けた。
真剣な表情に気を引き締め、唾液を飲み込み。
口を開いた。
「私は、貴方に好意を抱いています」
まっすぐな言葉。
赤面してしまうほどの。
ぐい、と顔を近付けて、彼女もまた顔を真っ赤にして。
「私のこの胸の熱は。この高揚と、不安定な揺らめきは。いまだ理解できない感情の、さらに不可解な部分です。懸想、恋慕、愛情。それらを未だはっきりとした形として捉え得ない私ですが、それでも」
どうか私の思いを受け止めてください、と。
スルーズは言った。
ロボ、とも呼ばれた彼女。
感情豊かな戦乙女の長姉と比べてもはるかに機械的であった彼女。
この突然の告白はあるいは、恋に恋するようなものかもしれない。
悩み、成長のさなかにあるがゆえに、と。
マスターとサーヴァントという関係上共に過ごすことが多く、真面目で、初心ともいえる彼女はそれがより強く出ているのではないか。
もちろん彼女に好意は抱いているし、普段からクールではあれど嫌われてはいないだろうとは思う。
しかし、と。
それをぶつけるのはあまりに無神経かもしれないけれど、それでもやはりと小声で伝えてしまった。
けれど。
「それは定番かと」
え。
「いえ、お気になさらず」
一瞬おかしな会話が挟まれて、一気に彼女のペースになってこっちだけが乱されてしまった。
今度読んだ本についてもっと聞いてみるべきだろうか。
なんて思考を飛ばしかけて、こほんと咳払いが聞こえた。
「………………」
気を取り直しスルーズを見つめる。
また最初の無言に戻った彼女にはじわじわと照れが滲んでいるように思えた。
唇が乾燥しているのか下唇を噛むように、舌を出さないようにわずかな時間だけ口元が動いた。
真顔を経由しているのは責める気持ちの表れだろうか。
まとまったころにはこちらの喉が渇ききっていた。
水分の少ない喉を鳴らし。
口が開くのを見た。
最初大きく、けれど最後には笛を吹くような隙間でか細く。
貴方がいい、と彼女に言わせてしまった。
それきり無言になったスルーズは返答を待っているのだろう。
冷静さを取り戻そうと肩を上下している。
美しいと思った。
サーヴァントたちはどれも違った顔つきでありながらみなまさしく解語の花というふうだ。
けれど二人きりのこの状況においてはもっと、錦上のというべきスルーズの輝く瞳はその頬の赤らみよりも真っ赤で、綺麗だ。
すぐそばで照れた表情を見続けるなどなかったことで。
つい、吸い込まれそうになる。
朝からの熱気が残っているのだ、という言い訳はひどく不誠実で。
ごほ、と咳をし、朝の話題をほのめかしてみたけれど彼女はまるで変わりなく。
「その言葉は私の今、この状態になんら関わりはありません。それに」
そうした男性の機微については本で学習済みです。
と、今度こそ司書を交えて話し合うべきだろうという言葉を口にした。
「……?」
スルーズの瞳を見つめる。
手を伸ばし、彼女の両手に重ねる。
当てられているのだと思いながら。
「……ぁ」
そっと持ち上げた彼女の手の甲に唇を落とした。
びくんと、震えを感じ取る。
いかにも気取っていて気恥ずかしい行為。
それでも彼女はその手の甲を自らの頬に寄せて、大切そうに目を閉じて。
その姿がとても尊く見えた。
絵画のように。
なんて、そのままでは抱き着いてしまいそうになる自分を抑える。
咳払いで空気を払い、払えたと自分の中で思い込んで。
なんとか口を開き――
「……逢引、ですか」
結局、先ほどのやりとりはごまかしでしかない。
だからまずはちょっと色々行ってみようとごまかした。
少し散歩でもすればお互い、こう、などと自分でも言葉にならない呟きでうやむやにする。
彼女より先に出ることでペースを取り戻そうと。
夜を歩く。
二人並んで、小指が触れる距離でのんびりと。
「静かで良い夜です。……けれど、これはきっと」
ちらりと、スルーズの視線になんだかそわそわとした気分で、大きめに足を開きかけて、すぐに歩幅を合わせる。
なるべく会話したほうがいいかとそれとなく話題を振り、どうにも口が滑らかでない彼女に一方的に話しかけて謝罪して。
「口を開けば、溢れてしまいそうでした」
指先でつ、と唇をなぞる彼女の姿に声が詰まった。
静かな夜に自分ばかりが騒がしい。
それでも、道化のように無理に話をしていた。
「…………」
歩いていると自然、誰かしら見かけることもある。
妙な噂を立てないようにとお互いのためという言い訳をかぶせ、それとなくスルーズとの距離をいくらか開けて触れ合うか触れ合わないかの位置にあった指を離す。
けれどそのたびにあっ、と寂しそうに小さく呟くスルーズに、また時間が空いたら今度はもう少し、そばにと。
「やはり、胸が熱くなります。貴方の手、言葉。……もう少し、おそばに」
最初は指が触れ合うだけで。
次は、指を数本を絡める程度。
そうして、最後にはがっちりと握るように。
腕を組むまで行くともう勢いでという感じである。
スルーズの胸は十分に豊かで、自然とそれも押し付けられていた。
「不快では、ありませんか?」
柔らかさに体が硬くなったのを見抜かれたか。
彼女は離れずにただ呟いた。
お互い赤くなって熱を共有しているようで。
嬉しいという答えは的を外していそうだけれど、顔を伏せて無言でいる彼女は、喜んでいるようにも感じた。
「こんな気持ちを、お姉様も。熱く、胸が。……人の、情動」
彼女のつぶやきが空間に溶けていく。
かつかつと足音が響く。
ゆっくりとしたその音に別な何かが重なることがあっても、だんだんと気にならなくなっていた。
生活感がある場所に近付けば、自分たちが浮き彫りになるようで。
鼓動が高鳴る。
手はもう離れることはなく。
「…………」
いつの間にか戻ってきた自室は寒々としていた。
あるいは誰か出入りしたのかもしれないけれど。
硬い椅子ではなく、ベッドにスルーズを腰かけさせ。
お互い無言のまま足で地面をこするわずかな音だけを耳に。ゆっくりと、呼吸音をごまかしながら。
静かに顔を近付ける。
彼女の柔肌、露出した肩に両手を置き、びくりと震えを感じる。
深呼吸。
緊張が伝わりませんようにと手からなるべくと力を抜いて。
目と目を合わせたまま、唇を一文字に閉じた彼女を見つめる。
「……私は」
口を開いたスルーズに、ああと頷く。
「私は。……貴方が好き、です」
呟き、どこか納得したように彼女はまた同じ言葉を呟いた。
溢れた言葉を止めたくないというふうで、それでも行儀のいい姿勢のまま顔だけ赤くして。
自然と、同じ言葉が出た。
普段と違う姿。
喜んでいる姿を見せられるという喜びはどうしても重なってしまう。
「思考が乱れています。私の、この、熱は」
スルーズの手が顔に伸びてくる。
確かめるように、体温を移すように。
「どうか、私に」
するりと頬を滑った指先は顎をひと撫でするとまた彼女の膝に収まった。
手のひらは小さく丸めるようにして、爪と指は徐々に白く。
スルーズはそのまま目を閉じ。
口付けを受け入れた。
緊張を隠し切れない、唇だけを合わせるだけのキス。
彼女は背筋を伸ばしてただ目を閉じることだけをしていた。
彫像のような彼女へのそれはあまり上手ではなかったろう。
互いに固まったように、数秒間のそれはとても長く感じた。
「……ぁ」
ふっ、と。
どちらの息か、両方か。
彫像同士のキスのようでも、風が吹いてずれるように。
何がきっかけかはわからない。
唇が離れてしまった。
しかし離れてもスルーズは目を閉じたまま、空気を求めるように唇が開いて、遅れて目も開いた。
彼女は自らの唇に指を置いて何度も確かめるように沈みこませて、ぼうっとしている。
はっと、見惚れていることに気付いて顔を左右に振った。
見ている方が赤くなるような所作。
すう、はあと深呼吸をして余分に足に力を入れる必要があった。
惚けた彼女の横に座り、今度は腰に手を回す。
細い腰を何度も確かめるように抱きなおすと目が合い。
嫌かどうか聞いてしまう自分に恥ずかしくなって、けれど彼女は。
「いいえ。……この感情は喜び。私は、貴方にもっと触れてほしいと思っています。ですから」
スルーズは絹が肌にかかるような繊細さで体重を預けてきた。
手が、膝に乗せられ、全身で彼女を感じる。
手のひらをなじませるように肌を撫でるさまは特に意識してはいないのだろうけれど、どこか淫靡である。
「さあ」
ぎゅう、と。
いつの間にか抱き合っていた。
それ以上を彼女が本で読んだかは知らないけれど、耳まで真っ赤なのは見える。
「……」
目を伏せて緊張をそのままに。
スルーズをより強く抱きしめた。
腕をさすり、その終として指を絡ませ合う。
最初は人差し指同士。
ごまかすように手のひらの大きさを比べて、一気に。
すべすべの肌をなぞり、爪の形ひとつとっても輝いているようだ。
鼓動もまた、愛おしく。
もっと、と確かめるように強弱変えて抱きしめているとついに。
「……あっ」
スルーズを押し倒していた。
目を見開いたところはいつもの彼女とはまるで違う。
彼女が抵抗しようと思えばすぐだろうに、手弱女を無理やり、という構図にさせてくれている。
息を荒げかけて。
けれど、ここでいきなりというのもよくないと頭では理解している。
だからごまかすように慌ててベッドに寝転がり、二人隣り合う。
「密着して、互いの体を確かめる、のですか」
胸は触らず、肩を撫で、背中をさすり。
彼女にわざと言葉にした。
これからすること、してほしいことを。
相手の手のひらにくすぐったさを感じる。
「……失礼します」
顔を触り合い、耳をくにくにと撫でる。
頭の羽は触っていいのだろうか。
期待するようにぴこぴこ揺れるそれはともかくと頭を撫でて、目を伏せた彼女に安堵した。
可愛らしい、けれどそれ以上に異性を強く感じさせた。
腕枕するように、至近距離で見る瞳、睫毛。
触れあっている部分は言うに及ばず。
股間はとうに痛いほど勃起していた。
腰が引けているのを見られていないだろうかと不安になる。
スルーズにぺたぺたと触られ続けるとどんどんと、雰囲気が変わってくるようだ。
腋のあたりは触っていいのだろうか、そう思い胸の下部分を持ち上げるように一度かすめて、腹部に当てる。
無駄な脂肪はないけれどうっすらと筋肉を覆い、バランスのよい肉体。
さすれば滑り押せば弾力に満ちていて、顔を寄せて頬ずりしてみたくなるような。
お腹を一通り撫でて、周囲を控えめに触って。
そうして、お互いまさぐっていた手を中途半端に止めた。
これ以上はそういうことだとわかるのだろう。
深く息を吸うのを感じ、それが止まると自分もまた、息を止めていた。
わずかな間を開けて決心したように。
スルーズは耳元でそっと。
「その。……優しく、いえ」
貴方の望むままに。
そう囁いた。
照れたようにまた少しばかり離れて、りんごのような頬で。
微笑みとともに送られた言葉に胸が高鳴る。
「……んっ」
キスを一度、二度。
少し乱暴だったか長い金髪がベッドに広がり、シーツと彼女の髪、そして匂いに包まれている気がした。
口付けは強く、ならばと望まなくともわずかずつに唾液の交換は進む。
瑞々しい唇にコーティングする。
雰囲気のせいか甘く感じるそれをお互い貪るように。
上書きして、また、と。
けれど未だ稚拙に。
は、とスルーズが頬に髪の毛をつけて、息を吐いた。
そうして、ついに。
「わ……ぁ……」
自らの肉竿を空気に晒した。
まじまじと見られているわけではないがとても興味深そうな視線は気恥ずかしいものがある。
限界まで勃起した肉棒はひんやりとした空気の気持ちよさとは別の期待に膨らみ、先端が濡れていた。
「ひゃっ……う……」
スルーズは言葉にならない言葉を普段見られない表情の変化とともに吐き出していた。
他の妹が見たらどんな顔をするだろうなんて思考はどこかに投げ捨てて真面目に。
がっついてはいけないし、彼女に何かさせるのもよくないだろう。
複雑そうな服の構造に手間取るのも萎えてしまいそうだ。
というわけでそのまま勢いに任せて。
「は、はい。……どうか、お願い、します」
お尻を軽く、背筋から撫でるようにしていくとスルーズは強く頷いた。
太ももを撫でられているだけであたふたとまばたきを繰り返し、最初は彼女もあちこち体に触れてきたのだけれど、それもなくなった。
秘所に近付くほど顔が赤くなっていく。
「……ぁ」
むに、と下着ごしに女性器に触れた瞬間、キスをした。
「……ん……は……ぁ……ちゅっ……」
唇同士何度も柔らかく触れ合わせ、そのたびに指も動かしていく。
不慣れなのをごまかすように優しく、優しくと。
柔らかで、わずかに湿り気を感じる。
縦になぞりながら舌を唇を割り開く程度に押し込むと、一度硬くなったスルーズの体はこぼれる息とともに柔らかくなっていた。
ゆっくり、けれど変化も入れなくては、と。
クリトリスはどうか。
控えめなそれの周辺をなぞり、刺激するというよりも手全体で、女性器全体をさすっていく。
「……はっ、あ……心地よい、です。……んっ……」
太ももを絡ませているのは無意識だろう。
キスに集中して、なるべく彼女も答えようとしてくれていた。
舌を奥に入れると彼女も真似をするように、唇の先端同士が触れ合う。
つ、と離れて寂しげに伸びたままの舌にまた吸い付き、繰り返す。
すると彼女もまた、ささやかに口をすぼめて受け入れてくれた。
もう目は閉じたままで、唇もべとべとになっていた。
清廉ないつもの姿とは違い、必死になっていることにそそられる。
「もう少し……あっ……ちゅぅ……ふ……ぅ……」
その間も彼女の股間に触れていた。
輪郭をなぞり、未熟な縦筋に埋めるように指先で形を描く。
荒い息と高揚はキスとごっちゃになり、酸素を求めて、より熱い吐息が混ざり合う。
「……ふっ……くっ……あの、あっ」
指の腹で陰核をはじくのでなく、さすっていく。
なるべく優しくゆっくりと。
「耳は、あっ……っふ、あっ……ひゃっ」
さらに密着して、耳を舐める。
スルーズの金髪に顔を埋めているようで楽しく、甘噛みすると跳ねる姿につい、と繰り返し。
調子に乗って、彼女の可愛さを語った。
かじかんだような耳の形を舌でなぞり、息吐くついでに褒めそやす。
身をよじる彼女の動きに合わせて愛撫も止めず。
そうして。
「――……く、ぅ」
股間に忍び込ませていた手が強く圧迫された。
ぎゅうと太ももで押さえつけられ、小さくなるように丸まる彼女を強く抱きしめて。
耳元でスルーズの名を呼び、シンプルな言葉で好意を伝え続けた。
「……ふっ……はぁっ……あ……何、か。……体が、熱、く……?」
背中を撫でる。
運動後のようにじっとりと湿り、こわばっているようにも感じた。
スルーズに気持ちよかったか尋ねると、子どものような素直さでこくりと頷き、ふぅふぅと息を吐いている。
浅くとはいえ絶頂に至ったのか上気して色っぽい表情で体を揺らしていた。
潤んだ瞳、荒い呼吸。
彼女の女性器は下着の上からでも蒸れ、じっとりと湿っているのがわかった。
「……」
ごろりと。
スルーズの肩に手をかけ、彼女の背をベッドに付けた。
彼女が伸ばした指先は抵抗ではなく、触れ合うためのもので。
「……んっ」
甘い口付けを交わした。