何はともあれ時間は進む。
隣に座るスルーズをちらちら気にしながらの夕食をすませ。
横からのプレッシャーを感じつつ絡んできたジャックら子どもたちと会話して時間を潰し、胃が落ち着いたころに走り込みである。
走って走って限界が来たらそこから死ぬ気で走るというシンプルなメニュー。
槍持ち薄く笑う女性は別段何か教えてくれるわけでもなく。
ただ槍を戯れに放ってくる。
走るも転ぶも全て慣れで、わかりやすく大事という話はわかるけれど、とぼんやりと思いながら。
前に倒れるように走る。
珍しく一緒に走ると意気込んでいた刑部姫はすぐに壁の花となっていた。
控えめに手を振ってくれている彼女にああ、ここで何か反応するとほう、余裕があるな、なんて槍が追加で飛んできそうだと、そんなことを思って。
手を振り返して、飛んできた槍にほらきたと焦りながらある程度避けるのを想定したギリギリの閃光にただ冷や汗を流した。
「あっこれ姫のせいでは?」
走り、走り。
やがて自分の喉から笛の音のような、外れた音が聞こえる。
大量の滴が肌を伝い、涙すら流れて。
限界状態で走り続ける。
ぜひ、と呼吸が濁り、吸い込んだ空気に血の味を感じた。
糸が切れたように力を入れたはずの足ががくりと曲がる。
転がって、無様に、大仰に回転して前にと。
曲がった足を庇い、痛む手首ではなく腕全体で回る。
それを繰り返す。
積み重なる鈍痛。
骨が軋み歪むような感覚。
これは大変だ、なんて。
どこか他人事のように思いながら足を動かした。
「――失礼します」
どのくらい走ったのか。
よし、という声で転げて、転げていられることに安心して。
大の字になってただ目線をずらすのもおっくうで、そのまま体が冷え始めるまではと思っていた。けれど。
視界に入ったスルーズにこのまま寝転がっていては、と。
痛む体を起こそうと試みて、首の筋肉ではなく顎が震えるような気分の途中に地面と頭の隙間に彼女の手が滑り込んだ。
「あまり頭を揺らさないように、そのままでお願いします」
枕のように柔らかな手に頭を預け、顔にタオルが押し当てられた。
「痛むようならばわずかにでも顔を揺らしていただければ。では」
ふかふかの生地が汗を吸って、優しい手つきでこすることなく当ててはまた次へとという調子である。
汗を吸って、分厚いそれをずらして、また。
血と泥も混じっていただろうか。特に汚れているのか何度も繰り返す部分もあった。
顔、首、そうして。
服に手をかけた彼女に慌てて起き上がり、スルーズから用意したのか飲み物を横目でとらえてこれだ、と。
喉が渇いたとお願いして受け取って、やっと一息、といったところだった。
「あ、ゴミ! ゴミ捨てるよー? えへへ」
それから突然声を張り上げた妙な調子の刑部姫に空になった飲み物を渡し、お礼を言ってから三人で廊下を歩いた。
走った後は軽く歩くことも必要であるとかなんとか。
痛む足で数度強く地面を踏みしめ、痛みの上限を理解して醜態をさらさないように。
そうして歩きながら適当に会話していると、刑部姫とスルーズとなると自然ゲームの話も出てくる。
楽しそうな二人になんとなく嬉しい気分になって、ならばとレクリエーションルームに歩を進めた。
割合相性もいいのだろうか。
仲良さげな二人を横目で見ながら歩いて問題なく到着し。
とはいえ体にのしかかるような疲労であったりきゃあきゃあと姉妹に絡まれるスルーズに割って入るのも野暮だろうということもあり、到着早々物陰で眺めるパールバティーに頭を下げて自室へとそのまま移動した。
楽しそうな声に後ろ髪が引かれる思いであるが休むのも大事である。
数歩足を進めるとたちまち静かになって。
自室へも特に問題なく、たどり着くことができた。
そして。
「うわ」
少しばかりの寂しさを抱えて、という気分は部屋に入ってすぐに霧散した。
面倒そうな声。
小さな体で、しかし自分の部屋のようなふるまいで。
カーマが勝手にお菓子を食べていたのだった。
「何じろじろ見てるんですか。あげませんよ」
ベッドに座った彼女はしまっておいたチョコレートをもぐもぐとつまんでいる。
なんとなくイライラする空気だったので嫌がらせに来ました。
少女の姿を取ったカーマはそんなことを淀んだ瞳で言ってのけた。
「これあんまり甘くないですね。存在意義を疑います」
雑に袋がテーブルに広がって、特に片付ける様子もない彼女。
さて、どうすべきかと思ってると。
「…………」
カーマはにやぁ、と子どもの姿で、子どもらしくない笑みを浮かべた。
「何ですかその目は。あ、足気になっちゃう感じですか? ねぇ」
ぱたぱたと足を揺らし、にたにた笑う。
ただ視線をずらすのがおっくうで、ぼんやりみていただけなのだけれど。
妙に挑発的な彼女。
疲れていると流せるものも流しにくくなる。
一歩、二歩と近付いて。
「ん、汗臭いですねぇ。女性の前でそれはどうかと思うんですけどー」
ぷい、と露骨にわざとらしく。
どこか明後日の方向を見ながらせせら笑う彼女の頭を、くしゃりと乱暴に撫でつけた。
さらさらの髪を乱す。
悪戯をした子どもと遊ぶような、そんな心理だった。
「…………」
ぐしゃぐしゃ、なでなで。
そうして撫でまわして。
あれ、と。
頭の中が徐々に冷静になっていった。
何も反応がないということに気付いて。
恐る恐る、手を髪と絡まないようにゆっくりゆっくり手を離した。
影がかかったようなカーマの顔が見えて、うわという声を口の中で飲み込む。
彼女はただ真顔だった。
「……満足しましたか?」
カーマは乱れた髪で人形のような視線を向けていた。
「ほら、楽しかったんでしょう? 笑ってくださいよ」
じー、と見つめられているとどんどんと視線が下がり。
ごめんなさいと素直な謝罪をしていた。
「はあ。謝るようなことをしないでください。ほら」
いっそ正座と思っているとカーマは自分のベッドの横を叩き。
「責任を持って綺麗にしてください、ね?」
笑う彼女。
相変わらず皮肉な笑みを浮かべて。
はい、と。
勧められるがままにベッドへ向かった。
「――あ、今適当にやりました? ダメですよーもう。ちゃんと真面目にやってくださいよ」
撫でる。
髪の毛は柔らかく、絡むということがない。
それほどの長さがないからか多少雑にやってもすいと手櫛で逃げるように。
いっそ犬のように体を震わせれば元の姿に戻るのではないかと思った。
けれど。
少しでも雑になるとすぐに怒られてしまった。
「そうそう、それでいいんです」
丁寧に、丁寧に。
指先に集中しようと、しっかりと見ようとするとカーマの肩がやけに目に入る。
幼い姿でも肩が光るようで、肌を覆っている部分もやけに薄い。
彼女の無表情な瞳で射抜かれるとやましいことをしているような気分になって。
そういえばと臭いのことを思いだして極力離れようとも思うけれど、少し腰を動かそうとするとすぐに怒られてしまった。
「きちんと集中してください。ね」
そうしてカーマは元の髪に戻った。
と思ったころから元に戻すのにかかった時間の倍ほどの時間ここが、とかもう少しとかでしばらく調整をさせられた。
それも終わって何か会話を交わすこともなく。彼女はひょいとベッドから跳ね降りて。
「それじゃあ、今度はもっと甘いものをお願いしますね」
それだけ言って、迷いのない足取りでカーマはさっさと部屋を出ていってしまった。
なんだったんだろう、とか。
お菓子の掃除もしなければといった考えをまとめながら。
部屋の外の甲高い騒がしさに気付き、ああ、どうしようかと視線を飛ばしてため息をつく。
運動したしやはり臭いのだろうか、と。
自分の服の胸元を開いて適当にひっぱり、嗅いで。
丁度入ってきたスルーズに見られてしまった。
「……あの。失礼しました」
事務的な言葉。
すっと頭を下げる彼女。
恥ずかしい所を見られてしまったようだ。
お互い何とも言えない状態で、静かになると先ほどの騒がしい声がより大きくなっていた。
やけにはっきり聞こえる声はそう、カーマとパールヴァティーのようだ。
顔を突き合わせば騒ぎというほどではないがほどほどにやっているけれど、タイミングが悪いとこうしたこともある。
スルーズが急に入ってきた、と思い込んでいたがちょうど騒がしい二人と彼女の声が重なったんだろうか。
そんなことを思っていると気を取り直して、というふうに彼女は言葉を発した。
「何か服に不備でもありましたか」
え、と一瞬悩んで。
ああ、納得する。
けれど真面目な姿に嘘を言うのも、と。
もう正直に話すことにした。
「……匂い、ですか」
すすすと近付くスルーズ。
その姿にどきりと慣れないさまを自覚する。
「確かに汗の匂い、ですが。……別段不快ではありませんが」
臭い漂う至近距離。
彼女は最後は小さく、そんなことを言った。
なおかつ離れることもせず。
「もう少し、近付いて……」
さらにと抱き着いて。
すん、ともう一度。
そもそも彼女は寝起きの時点でさんざん、と思い出しそうになって。
首をかしげたスルーズの次の言葉であっと声が漏れた。
「むしろ、花のような香りの方が気になるのですが」
平坦な声。
目が合って、瞳が鏡面のように見えて。
ごめんなさい。
彼女の一言に、無心に言葉が漏れた。
詰問というよりもただの感想であるというふうであったけれど。
続けて素直に話してしまったのも仕方のないことだろう。
「そうですか」
スルーズは話が終わると数秒、悩むこともなくただ確認のように呟き。
胸元に顔をぽすんと寄せてきた。
「いえ、単純に気になっただけですので。好みの香りならば、と」
ささやき、深呼吸。
すいと瞳が動いて、横目で部屋を見ていた。
雑多なものが転がっている部屋。
香りの強いものはまた別な誰かが嫌がるだろうということもある。
けれど逆にスルーズの好みも聞くべきかと尋ねてみたけれど。
「自然な方がよろしいかと」
と、それで終わりだった。
ただの本心だろうとは思う。
きっと。
「……それで、ですね」
そのままくっつくこと数秒。
スルーズは眼を閉じて。浮ついた期待を隠そうともせずに、感情が滲むような吐息を吐き出した。
「……二人きり、です」
背中に回された彼女の手にぐ、と力が入った。
しわはできない程度の強くという程度のそれ。
そっと、顔を近付ける。
自分の汗の臭いを気にして一度呼吸をすると、スルーズの香りがした。
それは近付くとより強くなり。
加速度的にそれを意識する。
「――んっ」
触れ合いながらの情交のさなかの口付けではなく、キスそのものがゴールのようなキス。
触れた瞬間香りが花開くように。
五感のうち複数を一度に刺激されて、鋭敏になっていた。
「ん、ぁ……は、ふ……」
そのまま離すことなく、ただ唇を触れ合わせ、こすり合わせる。
柔らかい、甘い、熱い。
そうした混ざり合ったものをさらに互いに加速させるように。
けれど。
「……ぁ」
当然のように、体は疲労していても性欲は溢れていくようだった。
むしろぼんやりと理性が失われている気がする。
唇は離れ、互いの息だけがやけに熱い。
スルーズは目線を下に向けて、目を一度閉じた。
すぅ、はぁ。
音が聞こえるほどの深呼吸。
緊張がひしひしと伝わってくる。
そうして、ごくりと伝わった緊張を唾液で飲み込むと。
「私にお任せください」
スルーズはきりっとした表情でそんなことを言った。
自信満々なのか、やけになっているのか。
涼しげな表情でいようと努めているのか、その分なおさら赤いようだ。
「……で、では」
音を立てるような勢いで膝を突くスルーズ。
互いにベッドの上で、と口出しする間もない。
膝裏に彼女の手がまわり、勢いのままに顔が股間に近付き。
このまま脱がされるか、と思った瞬間。
さきほどの延長のように鼻を一度鳴らした彼女はそのまま。
ぴたりと止まった。
吐くのではなく、もう一度無理に息を吸って、のけぞり。
ぱちりと瞬きをしている。
両手は上にふいと持ち上がり、落ち着かないように指は揺れ。
最後は猫の手のようになって。
ゆっくり膝へと落ちていった。
「…………」
スルーズは眼だけ見開いたままで、は、と息を漏らし。
口を開きかけたまま、目の前の膨らんだ下腹部を注視していた。
シャワーのときとは別な緊張があるのだろうか。
服の上からとはいえずいと見せつけているようで、変な気分になる。
「……あ、の」
上目遣いのスルーズ。
彼女から言った以上、あまり何か言うのも失礼だろう。
ということで指示もといお願いをすべきか。
固まったままの彼女にええと、と。
じれたふうにお願いすることにした。
服を脱がせてから手で、ああいや。
手でするにしても摩擦が足りないだろうか。ローション、はあったかしらと探そうとする時点で気分は盛りさがるだろうと思いめぐらせて、では唾液は。
なら口は、と。
そこまで自分が垂れ流しにしていたことを目の前のスルーズの反応で悟った。
「く、く、口で、その、ええ、と。男性、器を、口、で……?」
ひきつった声。
まだ直接至近距離では見ていないものを口にする想像をしたのか。
乱高下する声の調子で、背筋だけが妙に伸びている。
慌てて謝罪して、けれど彼女は頭をかくんと頷くように落とした。
「……いえ、そうした、行為が。……はい。あって、ええ、喜んでいただけるなら。……くち、口」
ぶつぶつ呟くスルーズ。
荒療治ではないけれど、と。
混乱しているであろう彼女にそうした行為の最後。
精液を顔にかけたり、飲ませるという話をしてみると。ぼん、と弾けたようになってしまった。
「――はう」
ともかく。
ベッドに移動しよう、という話になった。
臭いがきつかかったか、距離がきつかったか。
どちらにしても今度はシャワーなどもなく、けれどなるべく目に触れないように直接に触れてもらうだけ、ということで。
二人並んで、普通に寝るように布団をかぶっていた。
「では。……では、その、手で失礼します。状況も違いますので何かあれば、その、調整します」
向かい合って横になって。
隠された中にスルーズの手が伸びた。
白くすらりとした指。
それが、肌をくすぐる。
「……熱い。シャワーの熱とは違う、鼓動を感じるような」
顔と顔を突き合わせて、彼女の肩だけが細かく揺れていた。
肉竿に手を添えてゆっくりとさするだけの動き。
「こうしてると、かえってはっきりと形がわかるような気がします。……硬く、柔らかく、不思議なもの、です」
何か話していないといられないのだろうか。
シャワーでの手淫は石鹸や流れる水もあったけれど、それがない。
ただ蒸れた肉棒を撫でさすり、手の中になすりつけていた。
「……何か、出てきました。我慢、汁? ですか」
真剣な表情で呟くスルーズになんだか恥ずかしくなる。
気持ちいいからだ、と。防衛反応かどうかはおいておいてそういうものだと自分の感想を伝えると照れくさそうに笑った。
そしてその、使い道を。
「なるほど。これで、滑りを。……こすりつければよいのでしょうか」
呟いて、赤くなる。
これから行う、指先に汁を絡ませて、その指で愛撫するという宣誓。
「つ、続けます」
正直スルーズのそれは朝ほどの快楽はなかった。
朝は彼女に触れていて、見えていた。
その威力に本人はあまり意識していなかったのか、今はただ亀頭付近を手のひら中心でなじませるように撫で、竿を優しく撫でるばかりだ。
あまり細かく指示しても彼女のプライドを傷つけるだろうかと思いながら。
同時に、別なこれだけでも十分に射精できそうな要素があった。
「びくびく震えて、跳ねるようです」
スルーズがただ実況を繰り返す。
硬さを、自分の指に帰ってくる感触を。
「随分と手のひらが濡れています。心地よいのでしょうか」
ふぅ、と難儀そうに息を吐いて、頬は赤く。
だから。
もっとリクエストすることにしてみた。
「ええと、その。……はい」
スルーズがもっと、と顔を近付け。
「好き、です。貴方を、あ、愛しています」
瞬間。わ、わ、と彼女。
恥ずかしそうに、噛みしめるようなその言葉に一気に興奮が膨れて、そのまま熱として放出されたようだった。
かろうじて耐えて、息を吐き出す。
「興奮したの、ですか。いえ、嬉しく思います。本当に」
照れ笑いの彼女に若々しいやりとりのようだとも思いながら、それでも下半身は手淫を続けていた。
音はわずかに、快感だけは痺れるように。
「精はこちらに」
好き、という言葉を彼女は何度もささやいた。
それはてきめんに股間を刺激し、すぐに限界は訪れた。
タオルが布団の中に潜り、亀頭にかぶせられたまま、根元をスルーズの指がしごく。
互いの息は荒く、手の音よりもよほどうるさく。
「私の手で、どうか射精してください。気持ちよくなって、ください」
まっすぐな目で、愛していますと小さく。
その声に、精を吐き出した。
「あっ、震えて、熱く。……もう少し、はい」
どく、どくとスルーズの手のひらと比べると随分と粗雑な布へと精を吐き出す。
ゆっくりと彼女の手は快楽を与えてくれて、亀頭を震わせている最中も気持ちよく息を吐いた。
尿道の精子もと吐き出し、それでもまだ繰り返し震え。
「ゆっくり、綺麗に拭き取りますので」
タオルが磨き上げるように亀頭を撫でていくのを感じた。
精が抜けて力も抜けて、そのまま。
「……気持ちよくできていたでしょうか」
頷き、笑うと緊張がほどけたようにスルーズも釣られていた。
そうして彼女は精液が詰められたタオルを見つめて。
あ、ティッシュで拭いてから、と伝える前に。
すん、と鼻を鳴らした。
「……っ」
それを見られたと思った彼女はそのまま小さくなって、非難の言葉を待っているようだった。
「これが私の中に、と思うと。その、気になってしまい」
心臓が高鳴る。
「それに。……の、飲む、ということでしたから」
どくん、と。
またすぐに勃起してしまいそうな言葉だった。
ひとまずは慌ててティッシュで拭って、端に放り投げるようにしたけれど。
スルーズはそのままで。
その顔は羞恥だけではなく、わずかに火が灯るような。
「あっ……」
頬に手をやり、顎、そして首と流れ。
胸よりも、さらに下。
彼女の女性器。
下着の中に入れると、熱を感じ。
蒸れたような感覚。
そうして、隠された部分に触れた。
「……は、う」
スルーズの秘所はわずかに湿っていた。
粘つき糸引き汁が溢れて、というわけではなく。けれど。
確かに熱を持っていた。
「好意を口にすると、貴方に触れると。熱くて、喜びが……ひゃっ」
思わず彼女の肩に手をやり、起き上がり組み敷いていた。
布団は端に投げるように。
スルーズのスカートを乱暴にまくり上げ、深呼吸を一度。
そして下着を、下ろした。
彼女は抵抗もなくただぱっちりと目を開いて、その行為を見つめている。
パンツはするりとずり落ちて、わずかな抵抗のように土手の部分が遅れてずれて。
むわ、と湯気がたった。
「―――っ!」
綺麗な女性器が晒されて。
言葉にならないと口を引き絞るスルーズ。
いくらか赤らんでいるそこに息が荒くなり。
その性器に指を沈め、彼女の口を開かせた。
「っ、ぁ、はっ、あ! あ、ぁ、の。体は、痛みは、ないのです、か」
指を動かしていると手が痛む。
けれど、もう止められないと返事の代わりにと。
「……あっ、あの、ん、ンッ!」
乱暴なキスをした。
無理に動いて感じた多少の痛みを凌駕する興奮。
指先がだんだんと馴染み、彼女の膣もたちまちのうちに濡れてゆき。
十分だ、と思えるレベルになるまでそれほどの時間はかからなかった。
理性で押さえていたのだろう。いざそうした行為に移るのだと彼女が認識した時点で体が受け入れていたのか。
「ちゅ……ん……は……あ……ふ。あ」
勃起した股間をさらし。
荒い息のまま下着を完全に脱がせ、事後承諾のように彼女を見た。
「どうぞ今度は私の中に、お願いします」
スルーズは頷き。
彼女の言葉に、理性が振りきれたのを感じ。
気持ちのいい彼女の中へと、腰を沈みこませた。
吐き出すような声に、彼女も同調し、深く、深く。
それから何度も。痛む体を忘れ。
スルーズの膣内に精子を吐き出した。