※この作品はR-18です。

寄生モンスター図鑑   作:それも私だ

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ダブル後日談、というよりも次話です。
納得のいく出来ではありませんが、一応の形にはなりました。
 ・一部表現等を修正(2021/5/22)。
 カークの決意から読む│ラケル再始動から


 ├蟲食い林檎:NTR

「あぁ……っ! ほ、本当にい(・)れ(・)た(・)ま(・)ま(・)穿いちゃった……!」

 

 とある宿屋の一室で、まだ少し幼さの残る女は恍惚とした表情を浮かべながら、自分の股間を眺めていた。

 普段と違い、蟲(・)1(・)匹(・)を余分に覆ったパンツは、もっこりと少しの膨らみを帯びている。

 自らの手で作り出した倒錯的な光景に、女は口元を緩ませつつ、ごくりとツバを飲み込んだ。

 

「こんなっ、こんな……♡ 私、すごっ……すごいドキドキしてる……♡ 外から見ただけじゃ、中に蟲が入ってるって分かんないよ、これぇ……♡」

 

 彼女の名は《ラケル》。まだ齢20にも満たない、駆け出しの女傭兵だ。

 ラケルのマンコは、寄(・)生(・)蟲(・)の輸蟲管(チンポ)をずっぽりと咥え込んだまま、蟲に覆われたまま、パンツで封をされている。

 その事実がラケルの興奮をより引き出していた。

 

 女性が穿くパンツは、けっして中(・)身(・)が露出しないよう、肌に吸い付くように、肌に若干食い込むように設計されている。

 下着の足ぐり──布地が折り重なった縁(ふち)に走る縫い目(ステッチ)が、その役割の一端を担っている。

 

 つまり蟲は躰全体(からだ)を布地で押さえつけられ、さらには逃げられぬよう──蟲に逃げる気は更々ないが──縁(ふち)に走る線で外界から隔離された状態にある。

 

 それも、結合(セックス)したままで。

 それは、結合(セックス)を維持するために。

 それが、結合(セックス)をさらに深いものへと変えていく。

 

 人間同士では絶対に真似できない密着度だ。二人羽織(ににんばおり)など足元、いや、腰元にも及ばない。

 

 人間……そうだ、彼女(ラケル)には人間の恋人がいる。その男の名は《カーク》。

 共に傭兵稼業を営み、時には命を救い合ってきた、仲間にして相棒の地位に収まった男だ。

 また、ラケルが初めて寝所(ベッド)を共にした男でもある。

 

 その男はいま、薄い木の扉を挟んだ先に居る。

 覗(・)か(・)れ(・)た(・)ことに激怒したラケルによって、男は廊下に追いやられていた。

 

 ひとり外を出歩いていたカークはなんとも間の悪いことに、彼女が生(・)理(・)用(・)ナ(・)プ(・)キ(・)ン(・)を交(・)換(・)している時に宿へと戻ってきてしまったのだった。

 これは弁護の仕様もない。恋人だからといって、何もかもが許されるということはないのだから。

 

 そして、そ(・)れ(・)はラケルにも当て嵌まる。彼女は先ほどまで浮気をしていた。

 いや、現在進行形で浮気は続いている。浮気相手はもちろん、パンツの中の蟲だ。

 

 ──挿入は出来た。

 ──い(・)つ(・)も(・)より奥に挿入(はい)ってった……気がする。

 ──カークと恋人になってから、初(・)め(・)て(・)イけた。

 ──挿入(い)れただけでイっちゃった。

 ──こんなの初めて。

 ──なぜだか身体だけじゃなくて心までも満たされていく気がした。

 ──でも邪魔された。

 

 なんとも間の悪いことに、さあこれからという時に邪(・)魔(・)が(・)入(・)っ(・)た(・)。

 

 ──カークはいっつもひ(・)と(・)り(・)で(・)イクのにね。

 ──私はオ(・)ナ(・)ニ(・)ー(・)もしちゃダメなの?

 

 三大欲求の阻害など、許されたことではない。

 

 ──ううん、これはオナニーじゃない。

 ──カークが悪いんだよ? だって……。

 

 罪を犯した者には罰を与える必要がある。

 

「蟲チンポ(このこ)も落ち着いてるし、うん、このままでいいや……♡ ──……よし。もう入ってもいいよー!」

 

 カークへの罰の内容は、彼に間(・)男(・)の存在を隠すことだった。

 ラケルはあ(・)え(・)て(・)蟲と結合したまま、蟲をパンツの中に隠したまま、カークに入室の許可を出した。

 

「うーい」

 

 気の抜けたような、ふざけた返事でカークが部屋に入ってくる。

 それと同時に、蟲の幼体がラケルの子宮内(こどもべや)に入室した。

 

「あれ……?」

 

 子宮口にめり込んだ輸蟲管(チンポ)の先端から、ダンゴムシに似た寄生蟲の幼体が次々と現れては腹部から管を伸ばし、子宮内膜へと──生理中であろうと無視して──着床していく。

 羊膜にこそ覆われていないが、その姿は胎児の様だった。

 

 ラケルへの罰の内容は、幼蟲の寄生受胎だった。

 いかなる理由があろうとも浮気など、信頼を裏切る行為など許されたことではない。

 ほかの男(オス)のチンポを嬉々として咥え込んだ淫婦にはふさわしい罰といえよう。

 

「ん? どうした?」

「今なんか……んー、気のせいかなぁ?」

 

 ラケルは何やら違和感を抱いたが、それが何なのかまでは分からなかった。

 

 列になって1匹ずつ順番に入ってきていたためか。

 細く尖った先端(チンポ)が子宮口を貫いているためか。

 

 着々と子宮を占領していく存在に気付くことはなかった。

 

「変なヤツ」

「女の子に向かって変とか。ひどいなぁ、もう」

「はははっ、ごめんごめん。ほら、こいよ。仲直りしようぜ?」

 

 カークは手近な椅子に腰掛けると、右肘をテーブルにつきながら左手でラケルを手招きする。

 つい先ほどまで廊下に立たされていたというのに、すぐ軽口を叩くのは、彼女とイチャつくための口実だ。

 

「ふふっ、はいはい」

 

 ラケルもいつもの調子で彼と接しているが、先ほどまでのドス黒い重い思いはどこへいってしまったのだろうか。

 何食わぬ顔でカークの膝の上に腰掛けたとき、ラケルは自分の胎内(なか)で起こっている事態に、ついに気が付く。

 

(──えっ? ウソ……、膣内(なか)に出されたっ!?)

 

 何の因果か。ラケルがカークに触れたと同時に幼蟲たちは列を守ることをやめ、一斉にラケルの子宮(なか)へと──このメスを渡してなるものかと──なだれ込んだのだった。

 

 お腹の奥深くに何かを吐き捨てられたような嫌な感覚に、ラケルは焦った。

 

 蟲の生殖器(チンポ)をオモチャにして遊ぼうとは思った。

 だが、中出しを決める気は、そこまでする(させる)つもりはなかった。

 

 想定外の事態に、ラケルは頭の中が真っ白になってしまった。

 

「あっ、と……忘れるところだった。これはちゃんと言っとかないといけないよなぁ。鍵かけとけよ。無用心だぞー」

 

 だが、カークは何も知らなければ何も気付かない。何も気付けない。

 彼が把握している事といえば、間が悪かった事と、ラケルが無用心な事……このふたつだけだ。

 だから彼は──本日二度目となる不満気な表情を浮かべながら──的(・)外(・)れ(・)な注意をした。

 

 カークは、女の理不尽さは嵐だと思ってやり過ごしはするが、確りと釘を刺すことは忘れなかった。

 無防備な姿を見たのがたまたま自分(カーク)だったからよかったものの、これが別の男だったら襲われていたかもしれないのだ。

 彼の心配(ちゅうい)は至極真っ当だといえよう。……的(・)外(・)れ(・)ではあるが。

 

 ラケルの置かれた状況が何ひとつ見えていないからこそ出た言葉だった。

 

「あうあう……!」

 

 カークは呆れと心配を多分に含んだ視線を注ぐが、ラケルは今それどころではない。

 一(・)線(・)を越えてしまった焦りと後悔に心を捕らわれていて、すべき善策を取れないでいる。

 ましてや、彼に隠して浮気をしていたのだ。彼に相談などできるはずがない。

 

 仮に事情を話すにしても、どう相談したものか。

 

 蟲とのエッチが気持ち良かったから、では彼の尊厳を傷つけてしまう。

 これでは、カークより蟲のほうが気持ち良い、と言っているのと同じだ。

 ──それだけは絶対にダメ!

 

 パンツの中に蟲を入れた事を知られれば、よくて変態女、悪ければ狂人だと思われてしまうことだろう。

 穢(けが)らわしい女だと、浅ましい女だと、さげすまれて捨てられるかもしれない。

 ──そんなの嫌! こ(・)ん(・)な(・)事(・)で(・)彼と別れたくなんかない!

 

「なあ、聞いてる? 俺、結構マジメな話(はなし)してんだけどさ」

「あ、えっと、えっと……! あぅぅ……」

 

 結果、ラケルは何も話すこともできず、ただオロオロとうろたえる事しかできなかった。

 ……そして今もなお、彼女の子宮には新たな幼蟲が続々と送り込まれている。

 

 そんなラケルを、カークはさらに追い詰めていく。

 

「怒ってないから。俺はただラケルが心配なだけ」

 

 幼子をあやすように片手で彼女の頭を撫で、安心させようと空いた腕を彼女の前に回しながら、どこか諭すように語り掛ける口調(すがた)は恋人でありながらも父親のようでもあった。

 

 しかし、そんなものは今のラケルにとっては大変ありがたい迷惑でしかない。

 彼女の逃げ道は、愛しい彼の手によって塞がれてしまったのだから。

 

 いま彼女が取るべき善策は、パンツの内に潜ませた成蟲を引き剥がすことだ。

 そのためには、まずは彼から離れなければならない。

 だが、不(・)幸(・)にも彼に抱えられてしまった。

 

 ここでカークを振り払えば信頼関係に亀裂が生じてしまうだろう。

 ここで『トイレに行きたいから離して』などと言えば呆れられてしまうだろう。

 ()『(部屋に)入ってもいい』と言った手前、再び『出て行け』とも言えるはずもなく。

 

 ラケルはなすがまま、おとなしく幼蟲をその身に受け入れる事しかできなかった。

 

「……っ」

 

 最愛の人に抱えられながら、間(・)男(・)の子(・)種(・)を注がれる。

 

 わけのわからない状況に、悪夢のような状況に、考えられもしなかった最悪の状況に、ラケルの目から涙がこぼれた。

 身体は意味もなく震え出し、口からは嗚咽(おえつ)がもれ始める。

 

「ご、ごめん! そんなつもりじゃなかったんだ! ラケルを泣かす気は……っ!」

「違う……、違うの……」

 

 ついには、幼児が駄々をこねた時のように、イヤイヤと首を横に振りだす。

 

 予想もしなかったラケルの反応に、カークはギョッとした。

 もしかしたら怖がらせてしまったのかもしれない、と。

 

 彼女に嫌われる事を恐れたカークは、彼女が泣き止むまで謝り続けるのだった。

 

────────────────

 

「すぅ……すぅ……」

「ははっ、これじゃあ大きい子供だな……って言ったら怒られるよなぁ、やっぱ」

 

 あれから。ラケルは泣き疲れて眠ってしまっていた。

 寝台(ベッド)で眠る彼女の寝顔を、カークは少し離れた椅子から眺めていた。

 

「俺ももっと確りしないとな……。思い返せば俺はいつもラケルにサポートしてもらってるけど、俺がラケルをサポートしたことってほとんどなかったよな。ラケルにはいつも助けてもらってばかりなのに。……これからは俺もラケルを助けていかないとな」

 

 事情は訊き出せなかったが、これからは彼女の身だけでなく心も守ってみせると、カークはひっそりと無(・)駄(・)に(・)決意したのだった。

 

 ……無駄、無価値、無意味。

 

 彼の決意は、じつに無意味なものだ。

 彼が決意するには、何もかもが遅すぎた。

 

 あの場で事情のひとかけらも訊き出せなかったカークに、いまさら何が出来るというのか。

 いや、訊き出せたとしても、万策すでに尽きたあとだ。

 

 ラケルの肉欲(こころ)はすでに、蟲のチンポに冒されている。

 ラケルの胎内(み)はすでに、蟲の幼体に侵されている。

 ラケルの精神(こころ)はすでに、蟲に犯されている。

 ラケルの膣内(み)はいまも、蟲のチンポで満たされている。

 

 カークが突(つ)け入(い)る隙間(すき)など、もはやどこにも無い。

 

「おっし! そうと決まれば寝るか! 明日からがんばるぞ! ……おやすみ、ラケル」

 

 禍報(かほう)は寝て待て。彼に出来る事といえば、そのくらいのものだろう。

 

────────────────

 

 誰もが寝静まった時間に、ラケルは目を覚ました。

 

「……んぅ」

 

 その眼は絶望した人間のそれであり、また、寝ぼけているようでもあった。

 

(いつの間にか眠っちゃってたんだ……。うん……何があったかも、ちゃんと覚えてる。カーク以外に精(・)液(・)出されちゃったんだ……。なんか、もう……全部どうでもよくなってきちゃったな……)

 

 思い出すようにパンツに手を添えれば、そこには蟲の気配がある。

 

(蟲のチンポは挿入(はい)ったままだし……。そっか、カークは気付いてないんだ……)

 

 そのことにラケルは安堵すると共に落胆した。

 

 自分た(・)ち(・)の尊厳が守られたことに安堵した。

 自分(ラケル)の身に起こった異変に、恋人(カーク)が気が付かなかったことに落胆した。

 

 そして自分(ラケル)がひどい目にあったのに傍に居てくれないことにも落胆すると共に、彼の姿がないことに思い至る。

 

「カーク?」

 

 彼はどこへいったのだろうか。頭を少し横にそらせば、テーブルに突っ伏して眠る彼の姿がそこにあった。

 

 それは自分(ラケル)を見守っているようにも、何(・)か(・)を遠慮したようにも見える。

 

(……ちゃんと寝台(ベッド)で寝ればいいのに。……でもカークらしいかな。私のこと、見守っててくれたんだよね?)

 

 不幸中の幸いというべきか。それとも更なる不幸とでもいうべきか。

 彼女は前者だと思った。

 

 見守る姿が、彼女に希(・)望(・)を(・)与(・)え(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)。

 

「まったく、もう……風邪ひいちゃうよ?」

 

 自分にかけられていた布を彼に掛け直すと、ラケルはランタン等を手に部屋を抜け出した。

 向かう先は宿の共用トイレだ。そこなら今(・)度(・)は(・)誰(・)の(・)邪(・)魔(・)も(・)入(・)ら(・)な(・)い(・)。

 

 芽生えた希望は、彼女に冷静さを取り戻させた。

 

(ずっと挿入(い)れっ放しってのもね)

 

 ──個室(トイレ)に入り、扉に閂(かんぬき)を差し、ランタンを足元に置き、パンツをずり下げ、扉に背を預け、スカートをたくし上げる。

 

 数時間ぶりに解放されても蟲は、最初の出会いの時と同様に微動だにしなかった。

 まるで、ここは自分の場所だと、ここは自分の物だと云わんばかりに。

 しかし、小さな蟲の意図など人に伝わるわけがない。

 

 ──蟲に手を掛ける。握(・)り(・)潰(・)さ(・)な(・)い(・)よ(・)う(・)に(・)優(・)し(・)く(・)掴む。引き抜こうとして……蟲が陰毛に食らいついた!

 

 所詮は小さな蟲だ。力の差など人間と比べるまでもない。

 だが、まさかの抵抗にラケルは手を滑らせてしまった。

 

「んっ♡」

 

 数cmほど引き抜かれた蟲のチンポが、勢いよく膣内(なか)に戻される。

 

「ダメ──あんっ♡」

 

 掴む、滑る。引く、戻る。抜く、挿入(ささ)る。

 

「あっあっ♡ あはっ♡ すごっ♡ いいっ♡ あっ♡」

 

 掴む、握(・)る。引く、押(・)す(・)。抜く、挿入(さ)す(・)。

 

 掴む度に取りこぼしていた手は、いつの間にか確りと握られていて。

 抜こうとする度、膣内(なか)に挿し戻されていた蟲チンポを膣内(なか)に挿し戻して。

 理性を帯びていた瞳は次第に獣欲を帯びていき。

 

「わたっ、わたしっ♡ 蟲とセックスしてる♡ しちゃってるよぉ♡」

 

 蟲を取り除くための行(・)動(・)はいつの間にか蟲との行(・)為(・)にすり替わっていた。

 

 なぜ蟲は突如として反抗の意を示したのか。それは、この寄生蟲《ダブル》には穴(・)に幼蟲を産み付け終えると、自らの躰を蓋(ふた)にして幼蟲を護ろうとする習性があるからだ。

 欲求不満だった身体(ラケル)にそれはよく挿(さ)さる。

 

「ねえ♥ これでイク? イケるの? ねえっ♥ イケっ、イこ♥ イク♥ イクッ♥ イこっ♥」

 

 小さな蟲に人の意図など伝わるわけがないというのに、ラケルは蟲に語りかける。

 だが、次にする行動は伝えるまでもなく人蟲(じんちゅう)共に一致していた。

 

 ラケルは蟲弓形(ゆみなり)に限界まで蟲チンポを引き抜くと……──勢いよく押し込んだ!

 

「いぐっ♥♥」

 

 力任せに押し込まれた蟲チンポが子宮口を押し潰す。

 乱暴な抽送だろうと、やや先のとがったチンポの先端部分は確りと小さな入口を射抜いていた。

 

 イクには充分過ぎる威力(けっか)だった。

 

「~~ッッ♥♥♥」

 

 初めての本イキに、ラケルはその場に崩れるように座り込む。

 だらしのない半開きの口からは涎が垂れ、ぼんやりした目は宙空を眺めた。

 

 十何分、そうしていただろうか。

 

(……これがイクってことなんだ。私、蟲でイっちゃったんだ)

 

 ようやく落ち着いた頃、先ほどの行為を思い返したラケルは──

 

(こんなの、人間相手じゃ絶対味わえないよぉ! ずっと挿入(い)れたままでいたい……♥ その方が絶対いい……♥)

 

 人としてありえない選択肢を選ぶ。

 

 彼女の心はいま、とても不安定になっている。

 いや、心は元からヒビが入っていた。そ(・)う(・)なってしまったのは必然だったといえよう。

 

 すべてはカークへの不満から始まった。

 カークによるカークのためのカークの独りよがりのセックス。

 

 初めて交わった日は、ただただ痛みに耐えるだけだった。

 数日を経て破瓜の痛みが引き、肉欲を貪る下地が整った。

 

 しかし、そこでも彼は先に果てた。そして行為はそこで終わった。

 カークが先にイって終わる。それが何日も、何回も続いた。

 

 ラケルは彼をおもんばかって、イったふりをしていた。

 円滑な関係を続けるには相手を煽(おだ)てることが望ましい。

 だが偽りの積み重ねは、結果的に彼への気持ちにヒビを入れてしまった。

 

 そんな日々を送る中で起こった、蟲との衝撃的(とつぜん)な(の)出会い。

 身体の相性もあったのだろう。カークとの交際を始めてから、ラケルは初めてイった。

 蟲が割れ目(ヒビ)をこじ開け、膣内(なか)に挿入(はい)り込んだから。

 

 そして最後は、蟲の植え付け。割れ目(ヒビ)は肉穴(あな)となった。

 空いた穴に蟲が詰め込まれた。ラケルの心身は虫食いにされた。

 

 巣食ったのは成蟲だけではない。ラケルは気付きもしないし気付けもしないが、眠っている間に彼女の子宮には、子宮壁を覆い隠すほど大量の幼蟲が隙間なくぎっちりと詰め込まれている。

 そのすべてが彼女と繋がっている。成蟲が蓄えていた、そのすべてが彼女の胎内(なか)に在る。

 ……その後に待っている展開など想像に難くない。

 

 彼の事を思うなら、彼とはここで別れるべきだろう。

 しかし、ラケルはその選択だけは選ばない。選ぼうとはしない。

 

 実務的な事だったり、現実的な問題だったりと理由はいくらでも並べられるが、それらすべてを凌駕する理由がある。

 

 別れる利点(りゆう)がラケルには無いのだ。

 むしろ別れた方がカークにとって大きな不利益となるとすら考えている。

 

 ──カークは私がいなくちゃダメだからね。

 

 ラケルはパンツを穿き直すと、愛しの彼(カーク)の眠る部屋(もと)へと引き返した。

 

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