※この作品はR-18です。

寄生モンスター図鑑   作:それも私だ

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夏の風物詩、ホラー色強めの突然始まる電撃結婚式回。
 ・描写とセリフ等の微調整(2024/8/21)。
 設定をスキップする│昏睡中の寄生から


寄生蟲《オルガフロウ》

《オルガフロウ》

 ・蝉(せみ)もどき。芋虫状の本体(蛹(さなぎ))に、後付けの頭部、翅(はね)、脚部などを持つ。大きさは大人の親指ほどしかない。

 ・主な寄生対象は、人間以上の体躯を持つ動物のメス、女性に限られる。猫などの小型動物は対象外。逆に大きすぎる場合も対象から外れる。野外で女性器をさらして眠る、などといった無謀な行為に及ばなければ人間が寄生される事はまず無い。

 ・女性器に取り付くと、最初に尿道に細長い口吻(こうふん)を差し込んで尿を啜(すす)る(後述する再羽化のための一次栄養を蓄える、蓄積した尿が一定量未満の場合は寄生せずに飛び立つ)。次に白い胴体部分を膣口へと挿入、皮(ガワ)を置き去りにして膣内へと寄生する(脱皮して後付け部分と肥大した胴体部分を棄てる、本(・)体(・)は元の胴体部分より一回り小さくなる、脱皮せずに胴体ごと寄生する場合もある)。各器官は寄生後に時間をかけて再生成される。

 ・潜伏期間は█~██年以上。長い年月を膣の中で過ごす(個体差あり)。生理時の経血や自慰時の愛液などに押し流されて膣外へと排出されることもあるが、すでに脚部の再生成が行なわれていた場合、するどく尖(とが)った脚を膣壁に刺し、しがみ付いて流されないように耐えようとする。その際に生じた痛みを被害者は生理痛だと思い込んでしまう事が多く、突き刺されるのはこの一度限りなので見落とされやすい。

 ・脚部の次に再生成される器官は口吻(こうふん)。膣口から直接口吻(こうふん)を伸ばして尿道へ差し込もうとする。この時、何らかしらの要因で膣口が塞がれていると尿の獲得を諦めて子宮へと口吻(こうふん)を伸ばし、以後は経血を啜(すす)る。翅(はね)など他の主要な器官は、膣内より飛び立つ直前に再生成される。

 ・膣内に寄生された状態で張形を使った自慰または性交等を行なった場合、蟲は子宮口付近へと押し込まれる。蟲は子宮口に再度取り付こうとするが、さらに異(・)物(・)挿(・)入(・)による妨害を受けると、再度脱皮をして子宮内へと避難する(脱ぎ捨てた外皮は膣外へと自然排出される、排出までにかかる時間/期間には個人差あり)。そのまま卵管へと移動すると、再々度の脱皮を行なって侵入、最終的に卵巣に取り付く。排卵時に卵巣内部へとさらに脱皮、侵入する。

 ・原理は不明だが、卵巣侵入後は卵子に内包された状態で子宮内へと自然搬送、着床する(出産するまでの██年、生理も止まる、膣よりも潜伏期間は伸びる)。特に巨大/肥大化するなどの異常も起こらず、この蟲における平均的な体躯で出産へと至る(胎は膨らまない)。ただし膣内寄生時と出産時では蟲の状態は一部異なり、脚部は人間の手と同等の形状となり、宿主とヘソの緒で繋がる(繋がれたまま母体から飛び立とうとするが失敗するを繰り返す、その光景は被害者へと甚大な精神的負荷を与える)。母体への遺伝子汚染については不明(逆に蟲側が汚染される?)。

 

【被害者NO.██████】

 ・███国所属の██騎士団団員(保護済み)。

 ・被害者が自慰を行なった際、膣から蟲の皮が出てきたことから発覚。自ら保護を申し出た。

 ・過去の事例から既に寄生蟲は卵巣に移ったものと思われる。医師J、執刀医R、精神科医█との協議の結果、出産による体外排出を決定。精神的損害を考慮し、被害者への詳細説明は行なわないものとする。同時に担当者を割り当て、精神的支柱とさせる計画を立案。人員の選出は████を予定。

 ・被害者からの聴取により、同僚2名も被害に遭っていると思われる(確証は無い、要観察対象)。

 ・同騎士団が何度か同行させていたという下働きの男性(現在は退職している)にも聴取を行なったが、情報は得られなかった。

 

 

────────────────────────────────

 

 

 3人の女と1人の男が火を囲う、人気(ひとけ)の無い野営地。

 

「さっさとしなさいよね! このグズ!」

 

 そこでは、いつものやり取りが繰り広げられていた。

 

 雑用係の男を罵倒する、金髪ツインテールの女騎士《セラータ》。

 幼い印象を与える髪型と童顔から吐き出される言葉とは裏腹に、その胸や身体つきは大変オ(・)ト(・)ナ(・)らしい。

 

「これだから男は……」

 

 静かに貶(さげす)む、黒い長髪の女騎士《アカメ》。

 胸こそ控えめだが、するどい眼差しは控えることはない。

 

「まあまあ。マンさんは自分に出来る事をしているのですから」

 

 唯一男の名を口にしたのは、三つ編みの女騎士《サクラ》。

 理解があると見せかけて、言外に男の能力不足を指摘している。

 

「わかってるよ……」

 

 3人の美女に囲まれた太(ふと)っちょの男《マン》は、とても醜かった。

 

 チビでデブでハゲ。加えて短小包茎と、女性であればまずお断りする部類の最悪の男性像であるが。

 この男、裏方としては大変優秀……というほどでもなく。

 万人が出来る事程度の能力しか持ち合わせていない、ただの人だ。

 

 ではなぜそんな釣り合いの取れない男がこの場に居るのか。その理由は至極単純だ。

 

 ひとつ、誰もやりたがらない雑用を押し付けるため。

 ふたつ、自分(おんな)より劣る存在(おとこ)を配下にすることで自尊心を満たすため。

 みっつ、共通の敵(・)を持つことで結束力を図るため。

 

 いってしまえば、マンは女騎士達に捧げられた生贄だ。

 

「す、スープができました……」

「ふんっ」

「熱(あつ)っ!?」

 

 スープのよそられた器をひったくるように奪い取るセラータ。

 

「邪魔だ」

「ぐえっ!」

 

 マンを蹴飛ばして自分でスープをよそるアカメ。

 

「ん」

「あら、ありがとう」

 

 そして、アカメからスープを受け取るサクラ。

 

「ちょっとこぼれちゃったから、ちょっと足してくんない?」

「ん」

 

 アカメとセラータの仲も良好だ。彼女達の友好の輪の中に、マンだけがいない。

 

(なんでオレがこんな目に……)

 

 当然ながら男である彼は女性騎士団の構成員ではない。

 騎士団の宿舎に勤めていた、ただの使用人だ。

 

 今回の任(・)務(・)を遂行するにあたって、彼女達に連れ出されただけの、一(いち)料理人だ。

 必要とされて連れて来られたのに、それなのに、ぞんざいに扱われる。

 

(今に見てろよ……ッ!!)

 

 忍耐強い、我慢強いと評されるマンもこの扱いには限界がきていた。

 

 マンは復讐を決意した。

 

─────────────────

 

 その日の深夜。

 

 いつものように火の番を任されたマンは、足元でぐ(・)っ(・)す(・)り(・)と(・)眠(・)る(・)3人の女騎士を見下ろしていた。

 

(けっ……イイ気なもんだぜ)

 

 マンは自分が思っている以上にストレスを溜め込んでいた。

 決意するより前に、無意識に食事(スープ)へ睡眠薬を仕込んでいた。

 

 この復讐(けっか)は当然の帰結といえよう。

 なるべくして起きた事……いや、起きる事だ。

 

 マンは女達の前に屈むと、下劣と憤怒が入り混じった表情で順番にパンツを下ろしていく。

 O字開脚に合わせて足首まで下ろされたパンツは、まるで囚人の足枷のようだ。

 

 薬で眠らされた彼女達はなすがまま、されるがまま……何をされても起きることはない。

 

 マンもズボンと下着を脱ぎ捨て、いつの間にかギンギンになっていた勃起チンポを取り出す。

 ……しかし、見慣れぬ女性器を前にしてチンポを握り締めたことで、ふと冷静さがよみがえる。

 

(いや待て。こんな女達のために人生を棒にしてもいいのか……?)

 

 無抵抗の女を犯すことは簡単だ。だが隠蔽工作はどうだろうか?

 万が一、失敗したり後から気付かれては、その場その時で殺されてしまうだろう。

 

 なにより、田舎に暮らす母はどうなる?

 実家への仕送りは誰がしなければならない?

 罪人を生んだ親として、関係ないはずの母も後ろ指を差されてしまう。

 

 連座して母も殺されればそれまでだが、見(・)逃(・)さ(・)れ(・)でもしたら生き地獄が待っている。

 

(……やめよう、オレだけの話じゃない。次の村に着いたら辞職しよう……。任務中だし断られたら帰ってからになるか)

 

 関わって損をするならば、関わらないようにすればいい。

 そんな簡単な事に気づいたマンの横を、3匹の蟲がゆっくりと通り過ぎた。

 

「蝉(せみ)……?」

 

 その中でも特に活(・)き(・)のいい蝉(せみ)が、我先にとセラータの秘裂に覆い被さった。

 蝉(せみ)は素早くも細かく位置を調整すると、口吻(こうふん)を尿道口に差し込んだ。

 

「……んぅ……」

 

 蝉(せみ)に尿を啜(すす)られるセラータの痴態を、マンはわけも分からず、ただ呆然と見つめる。

 

 そうこうしている内に、2匹目の蝉(せみ)がアカメへと辿り着いた。

 秘裂を覆い隠した1匹目とは違い、今度は恥丘(ちきゅう)の上に降り立った。

 そして尿道へと口吻(こうふん)を挿入する。

 

「小便を吸ってる……のか? ……ははぁ、オレの代わりに復讐してくれてるのか」

 

 2匹目を観察することで蝉(せみ)達が何をしているのか、マンは理解した。

 不甲斐ない自分に代わって蝉(せみ)達が報復しているのだろうか、と。

 

 だがそれはマンの思い込みに過ぎない。

 見ず知らずの男に協力してやるほど親切な蝉(せみ)達ではない。

 蝉(せみ)達には蝉(せみ)達の目的があって、若い女の身体へと近づいたのだ。

 

 弱々しく飛ぶ、最後の蝉(せみ)が放物線を描くようにしてサクラのヘソの近くへと落ちる。

 寿命だろうか……そう思ったマンは、次に驚くべき光景を目にすることになる。

 

「お前らなんか虫のジュース樽がお似合(にあ)……へっ?」

 

 蝉(せみ)の尻が裂け、小指ほどの小さなイモムシが姿を現した。

 

 虫は卵から孵(かえ)り、成虫になるために脱皮する。

 より大きな姿へと、進んだ姿になるのが虫という生き物だ。

 

 だが……だが、これはい(・)っ(・)た(・)い(・)何(・)だ(・)?

 逆に退化しているではないか。自分(マン)の常識から外れている。

 

 マンが思考停止(かんさつ)する間も、イモムシは滑り落ちることもなくサクラの秘裂へと着実に近づいていく。

 

 そして次に目にした光景に、マンはまたもや我が目を疑った。

 

 サクラの秘裂の中へと、イモムシが姿を消した。

 いや、潜り込んでいった。

 

 どこに目を向けてもイモムシの姿は無い。見間違いはないはずだ。

 

(まさか……そんな……いや……本当に?)

 

 目の前で起きた異常事態に困惑するも蟲の行方が気になった彼は、サクラの膣口が見える高さ……地べたへとうつ伏せになると、両の手の親指を使って広げてみた。

 

 すると──確かに膣内(そこ)にイモムシは居た。

 

 小さな肉穴の中を、小さなイモムシが横たわっている。

 

「……!!」

 

 驚きのあまり、マンの呼吸が荒くなる。

 

(いや待て、これは偶然だ、そうに違いない、魚じゃあるまいし人間に寄生する虫なんて聞いたことが──)

 

 荒くなった息はサクラの女性器にかかり──

 

「……うぅ……ん……」

 

 彼女の膣をビクりと収縮させた。くすぐったかったのだろう。

 

 一瞬の収縮が収まると、サクラの膣内……膣口(くち)の辺りに居たイモムシの姿は再び消えていた。

 今度は見間違い様がない。蟲は膣奥(おく)深くへと呑み込まれた。

 サクラの膣内(なか)に、確かに取り込まれた。

 

(こんな事がありえるのか……?)

 

 マンはサクラから離れ、今度はセラータへと取り付いた蝉(せみ)の観察を始める。

 

 マンの視線に急かされたと思ったのだろうか。

 割れ目を覆い隠すように留まっていた蝉(せみ)は尿を啜(すす)るのをやめ、膣へと尻(・)の挿入を開始した。

 

 尻がめり込むや否や、痙攣(けいれん)し始める蝉(せみ)。

 見るものが見れば、部分的にだが犬猫の交尾に類似した反応だと思うことだろう。

 

 しかし、マンはそういった見識は持ち合わせていない。

 またもや眺めるだけだ。蟲に取り付かれた彼女達を助けようともせずに。

 

 そのまま待つこと数秒。

 

 蝉(せみ)はセラータから、ぼとりと剥がれ落ちた。

 ……白(・)い(・)腹(・)を(・)見(・)せ(・)ず(・)に(・)仰向けに倒れていた。

 

 蝉(せみ)は邪(・)魔(・)な頭や翅(はね)を棄て、胴(・)体(・)ご(・)と(・)セラータの膣内(なか)へと潜り込んでいた。

 

 先ほどと同じようにして割れ目を開くと、彼女の膣の隙間を塞ぐようにして陣取るイモムシの姿があった。

 

 サクラに寄生したイモムシよりも太く、大きい。

 なによりも違うのは、自らの力でセラータの膣奥(おく)へと進んで潜ったことだ。

 マンが見(・)守(・)る(・)中、蟲は小刻みに動くことで膣内を掘り進んでいった。

 

 ……二度ある事は三度ある。

 

 アカメの方を見ると、蝉(せみ)はやはり尻を挿入していた。

 そしてまた、ぼとりと崩れ落ちる。

 

 アカメに寄生した蟲は、セラータのも(・)の(・)ほど活きは良くない。

 この蟲だけが膣口(いりぐち)付近に留まったが、やはりそのうち奥深くへと姿を消すだろう。

 

 もはや疑いようはない。蝉(せみ)は人間に寄生する蟲だった。

 3匹中3匹ともが女騎士の膣内(なか)へと潜(ひそ)み宿った。

 やわらかな膣(つち)の中へと潜(もぐ)り込んだ。

 

 蟲はワガママ女達の番(・)を自ら買って出たのだ。

 ふたつのものが組み合わさり、今ここにひと組にされた。

 

 健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも。

 これから数年もの間、その身に蟲を宿したまま彼女達は暮らさなければならない。

 

 誰よりも何よりも限りなく近い場所に居る蟲(おっと)と共に。

 名前も顔も存在さえも知らない蟲(こ)と共に。

 

 膣内(なか)に蟲をくわえ込んだまま、彼女達は日常へと帰される。

 蟲の寄生が日常となるのだ。

 

 指輪や赤い糸なんて野(・)暮(・)なものは必要ない。

 彼女達はもっと深いところで繋がっているのだから。

 

 ──…(ふ)幸せな時間は……(あく)夢の様。

 

 最後の花嫁(アカメ)に取り付いた蟲の誓(きせ)いのキスを、神父(マン)は呆然と見届けていた。

 

「──お、オレは悪くない……! そ、そうだ! これは夢だ! パンツを穿かせれば夢から醒める……! 全部、全部元(・)通(・)り(・)にしないと!」

 

 それから、どれほどの時間が経ったのだろうか。

 その場に立ち尽くしていたマンは、やっとのことで我に返るが正気とは云えない状態にあった。

 

 それはそうだろう。彼は神父でもなんでもない、臆病なだけのただの一般人だ。

 厄(・)介(・)事(・)に巻き込まれたくない一心から証拠隠滅に走る、ただの小心者だ。

 

 彼女達に何か(きせい)したのは蟲であり、彼ではない。

 彼は手引きをしただけだ。彼は何もしていない。

 

「オレは悪くねえっ! オレは……ッ!」

 

 目撃者はただひとり。

 

 下ろしたパンツを戻せば、すべて元通り。

 蝉(せみ)の残骸も土に埋めた。

 蝉(せみ)の中身は膣に埋まった。

 

 すべてがあるべき場所へと収まった。

 

 睡眠薬の効果が切れるまで、あともう少し。

 夢から醒めても悪夢は終わらない。

 

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