※この作品はR-18です。

寄生モンスター図鑑   作:それも私だ

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寄生粘体《ディック・アーマー・スライム》

《ディック・アーマー・スライム》

 ・スライム(皮膜+核)。男根型の核を持つ(以下、『男根核』と呼称)。皮膜も持つが主に寄生行動の補助に使われるだけであり、このスライムの存続に直接は関わらない。

 ・寄生対象は人間の女性のみ。膣内へと男根核を埋め込んで女性との一体化を図る。この寄生生物については研究段階にあるため、以下、段階別に別けて書き記す。

 ・第1段階:宿主候補へと接触後、膣内へと皮膜の付いた粘体を挿入/注入して膣口を拡張する。

 ・第2段階:皮膜の中を通り、男根核を膣内へと侵入させる(皮膜を突き破る形で侵入する)。

 ・第3段階:特殊な粘液によって膣口を接着、塞ぐ。膣口はピタリと閉じられてしまうが、押し広げると群青色の処女膜/防護膜が形成されていることが分かる(完全封鎖型)。これは刃物でなければ破ることもできない。破れてもすぐに再生するため、除去には何らかの水分吸収等の手段が必要となる。

 ・第4段階:宿主の調教を開始する。膣~子宮間を男根核が激しく前後する等して、その存在を宿主の認識へと刷り込む。この行為は男根核への水分供給にも使われる。

 ・上記の事から、この寄生生物は宿主を自身の収容器として見ている事が理解できる(第5段階以降については調査中)。

 ・メモ:水分が不足している場合は一時的な休眠状態となる。

 ・メモ:1~2の手順は寄生するための準備行動。状況次第では省けるものと思われる。また、段階の移行速度には個体差が存在することを確認している。

 ・メモ:防護膜が下着状に展開した事例あり(ワンピース水着、ボディスーツに類似)。発生条件は不明。耐久性は皆無に等しく、実戦的な損害には対応できない(宿主の保護以外の目的がある?宿主を守るためという考え方自体が間違っている?)。

 

【特記事項████】

 ・████地域を中心に要注意団体████が活動しています。

 ・入手した情報から、この寄生生物を販売しているものと思われます。

 ・各調査員は不審人物を確認次第、確保にあたってください。

 

 

────────────────────────────────

 

 

 とある都市国家の裏路地にて。

 

「変わったディルドね。この質感と色合い……まるで生きているみたい」

 

 流れ者のヴァージニアは、性玩具の露店(アダルトグッズ)を眺めていた。

 

「へへへ……お目が高い。そいつは特別性でねぇ、きっとお嬢さんとも相性抜群だ」

 

 対する商人の性別は、なんと男。

 

 しかし、そんな事は些細な問題だ。

 いや、問題ですらない。

 

「と(・)も(・)? えっ、これ中古なの? うわぁ……」

「違う違う。量産品だよ。いま手持ちにあるのはそれだけだから証明できないけどな」

 

 ヴァージニアは生(・)粋(・)のオナニストだ。男を男として見ていない。

 正確には、他人と性的な関係を持ちたくないだけの、ある種の個人主義者だ。

 面倒くさい事は抜きにして、自分だけ気持ち良ければいい。そんな感じの個人主義。

 

 腰まであるストレートの茶髪に、スカート裾の切り詰められたエプロンドレス。

 その瞳の色は、やさしさを帯びた碧色(へきしょく)と。

 包容力があるように見えて、まったく無い。

 

 あるとすれば──

 

「ふーん、人気なのね。……いくら?」

 

 膣(・)くらいなものだろう。

 

 もっとも、ヴァージニアが包むのはディルド限定であるが。

 彼女が人間のチンポを包む事は、これまでもこれからもない。

 

 ディルドなら子供を孕む危(・)険(・)はないし、避妊の手間もない。

 関係を持った(セックスした)男が勘(・)違(・)い(・)する事もなければ、病気だって遠い存在だ。

 それでいて自分のペースでい(・)つ(・)で(・)も(・)楽しめる。とにかく都合がいい。

 

「500クレジット」

「500っ!? 一般家庭25日分の食費じゃない!」

 

 提示された価格にヴァージニアは目を剝(む)く。

 高い、あまりにも高すぎる。

 

 女にとって都合が良すぎる道具だとはいえ、これは法外な価格だ。

 食費25日分相当のディルドなど、なんとも都(・)合(・)の(・)よ(・)す(・)ぎ(・)る(・)価格だ。

 

「嫌なら買わなくてもいいんだぜ。別にあんただけに売る理由はないしな。噂(・)を聞いて来たほかの客でも俺は……おっと」

「くっ……! わかったわよ! 言い値で買うわ!」

「へへっ、毎度っ! 最後の一本だ、末永くかわいがっても(・)ら(・)え(・)よ」

 

 しかし、ヴァージニアもまた都合のいい女であった。

 大金を支払うだけの価値はきっとあると賭けに出た。

 

 商人は代金を受け取ると、すぐに店をたたんで表通りの雑踏へと消えた。

 

「……本当は、一目見た時から気になってたのよね~♪」

 

 ひとり、人気(ひとけ)の無い裏路地に残されたヴァージニアはそ(・)の(・)場(・)で(・)パンツを軽く下ろすと、短いスカートをたくし上げ、膣口へと買ったばかりのディルドをあてがった。

 

 下ろしたパンツの二重布部分(クロッチ)は湿り気を帯びている。

 ヴァージニアはディルドを目にしたときには濡れていた。

 

「ん……、太さはまあまあかな?」

 

 これまで各地で販売されていた数多くのディルドを咥え込んできた膣は、新しいディルドも難なく咥え込む。

 ある程度膣内(なか)に挿入(はい)ると掴むのをやめ、手のひらでディルドの底から押し上げていく。

 

「あっ♡ これイイ♡」

 

 今度のディルドはこれまでのものと確かに違っていた。

 ただ硬いだけでなく、どこか弾(・)力(・)が(・)あ(・)る(・)……。

 

 フィット感とでもいうのだろうか。異物感はあまりしない。

 それどころか、妙(・)に(・)し(・)っ(・)く(・)り(・)と(・)く(・)る(・)。

 

「もっと、もっと……奥まで──くぁっ♡」

 

 ただひとつ残念な点を上げるとすれば……このディルドは少し短かった。

 手のひらから変えて指(・)先(・)で(・)押(・)し(・)込(・)む(・)必要がある程度には。

 

 ヴァージニアの細い指が、彼女の身体の奥深くへとディルドを押し込む。

 太く短いディルドが、ヴァージニアの膣奥へと押し込まれていく。

 簡単には取り出せないくらいに深く、奥深くへと。

 

「はぁ……、はぁ……♥ これでよし……っと! いい買い物したなぁ♥」

 

 ヴァージニアの膣はディルドを丸ごと呑み込んでしまった。

 指で押し込む程だ。爪などを引っ掛けるのも難しいだろう。

 だが彼女に特に気にした様子はなく、そのまま湿ったパンツを穿きなおしていた。

 

 お買い上げされたディルドは膣で梱包され、パンツ越しにもその存在を確認できなくなった。

 そうしてスカートから手が離されれば重力に従って下に垂れ、パンツの染(・)み(・)も見えなくなる。

 ……たとえどんなにぐちょぐちょに愛液で濡れたとしても。

 

 ヴァージニアはオナニー狂いのディルド愛好家だ。

 ディルドを挿入(い)れたまま外を出歩くのは、これが初めてではない。

 

 膣内(なか)に異物を挿入(い)れ、誰も気付かない中、誰も知らない中を練り歩く。

 これは彼女が考えた中で、もっとも合理的なオナニーだ。

 

 身に着けられるものは身に着けることで手荷物を減らし。

 自らの異(・)常(・)さ(・)を客観的に見ることで興奮、オカズにする。

 

 仮に自分で取り出せなかったら医者の手を借りればいい。

 その医者が変態ならばその場で売りつけてしまえば次の購入資金になる。

 ゆえに彼女の顔に焦りの色はなかった。

 

 自らの身体をディルドの包装資材にして何食わぬ顔で表通りへと戻る、ヴァージニア。

 ……パンツの中では更なる包(・)装(・)が始まっているとも知らずに。

 

 ヴァージニアが挿入時に感じ取った、あの違和感は気のせいではなかった。

 このディルドは、ディルドであってディルドではない。

 

 愛液に混じってス(・)ラ(・)イ(・)ム(・)の(・)粘(・)液(・)がヴァージニアのパンツを湿らせ──ない。

 粘液はヴァージニアの膣口を塞ぐように留まり、愛液はディルドに吸われている。

 

 しっくりと合うのも当然だ。なにせ本当に生きているのだから。

 ディルドは、スライムの大きな制御核だった。

 

 スライムには複数の種類がある。

 

 粘液体の制御核を持つもの。

 制御核のいらない粘液体。

 その両方の特性を持つもの。

 

 それらを保護する皮膜を持つもの。持たないもの。

 

 このスライムはというと、粘液体の操作に制御核が必要な種だ。

 しかし、粘液体や皮膜は必ずとも必要としていない。

 

 いまや《ヴァージニア》という皮膜(うつわ)を得たこのスライムには。

 

 このスライムの種族名は《ディック・アーマー・スライム》。

 単純に《ディック・スライム》と称されることもある。

 

 ディックとは、もちろん《チンポ型の制御核》のことだ。

 チンポとは、マンコに挿入される(する)ために存在するものだ。

 

 それはたとえレズ同士の絡み合いだろうと変わらない、不変の定めだ。

 チンポを持たない女同士では双頭ディルドを使って繋がった気になるのだから。

 ニセモノでもチンポから逃れられていない。逃れられはしない。

 

 つまり女とは、いずれ何かしらを挿入される(する)定めにあるのだ。

 そしてヴァージニアはチンポ核スライムのチンポケースに定められた。

 

 ケースとは収めるためのもの。中身がこぼれ落ちることがあってはならない。

 膣口に集まった粘液へと制御核(ディルド)が指示を出す。

 

 粘液はたちまち分厚い膜となり、制御核(ディルド)の脱落を防ぐ防護膜へと姿を変えた。

 ヴァージニアが次に秘裂を開いた時には青(・)い(・)処(・)女(・)膜(・)を目にすることになるだろう。

 これで絶対に抜け落ちることはない。

 

「それにしても、かわいがってもらえ、ってどういう──っ!? ……っ、……♥」

 

 歩行中のヴァージニアの膣内(なか)でピストン運動を開始しても絶対に。

 完全封鎖された処(・)女(・)膜(・)は愛液の一滴も逃さない。

 

(ディ、ディルドに犯され……♥)

 

 ヴァージニアの愛液と少量のスライムの粘液を混ぜ合わせたローションを頼りにディルドが──いや、チンポが彼女の膣内(なか)を激しく上下する。一般的なディルドよりも少々短い理由はこ(・)れ(・)だったのだ。

 

 ここは街中……嬌声をあげるわけにはいかない。

 とっさに片手を口にあてて声を抑えたのはファインプレーといえよう。

 

 ヴァージニアは知らなかったとはいえ、自らの手で魔物を寄生させてしまった。

 彼(・)ら(・)にとって都合よくもスライムの器(・)にされてしまった。

 金を払ってまで寄生されにいった。

 

 彼女はまさしく都合のいい女だった。

 

(こ、こんなところになんか居られない……♥ は、はやく♥ ひとりにぃ……──っ♥)

 

 宿の部屋を借りに行くか、それとも都市から出るか。

 どちらを選ぶにしろ、彼女はひとりになるまで決して気付かれてはならない。

 

 その膣内(なか)にある存在(もの)を。

 

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