※この作品はR-18です。

寄生モンスター図鑑   作:それも私だ

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精液スライム後日談。ホラー色強め。
 ・3匹目の取り込み描写を削除(2024/9/4)。


 ├汚染:MC

 アリサは悩んでいた。

 

「相談しに行くべきか行かないべきか。でもスライムなんかに負(・)け(・)た(・)ってバレたくないし……」

 

 スライムは強敵だがザコも多い。従って世間ではスライム=(は)ザコと認知されている。

 そして自分(アリサ)の認知度もまた高い。これが彼女を悩ませていた。

 

 アリサは《拳制(けんせい)》の二つ名を持つ女武闘家でそれなりに有名人だ。

 そんな自分(アリサ)がザコモンスターに負けたと知れたら……。

 

 先日、彼女が戦ったスライムは決してザコなんかではない。

 並みの戦士では誰であろうとも敗北していただろう。

 

 対峙したスライムは、それは大海のようだった。

 巨大なスライムはアリサの身体を簡単に呑み込み、囚(とら)えて放さなかった。

 

 それはプールに溜められた水に挑むようなもの。人が敵うはずがない。

 人では水には勝てない。人と水では勝負にすらならないのだから。

 ただ単に、最悪の相性だっただけだ。

 

 では、そんな相手から彼女はどうやって逃げ切れたのか。

 アリサは水牢(スライム)からは確かに解放された。

 しかし、真の意味ではま(・)だ(・)逃げ切れていない。

 

「でも身体の中から早く追い出したいし……」

 

 人を丸々呑み込んでしまうほどに大きく育った、巨大なスライム。

 その制御核は、アリサの身体を新たな拠り所とした。

 

 制御核と云っても、それひ(・)と(・)つ(・)ひ(・)と(・)つ(・)は驚くほどに小さい。

 それ単(・)体(・)では肉眼では目視できないくらいに極小だ。

 

 身近なものでたとえるなら精子が最も適切だろうか。

 精子は単体では目視できないが、精液(・)になるまで集まれば目視できる。

 

 そう、アリサが敗北したスライムの中には、おぞましいまでの精液が漂っていた。

 推定60リットルもの精液、兆(・)単位のスライム精子が。

 

 そのすべてがアリサの卵巣へと濃縮して注がれた。

 アリサの卵巣は、スライムの精巣(すみか)にされてしまっていた。

 

「あーっ、もーっ! イライラするっ!」

 

 自分(アリサ)は強者だという自負。

 ザコに敗北したという屈辱。

 自(・)分(・)の(・)中(・)に(・)モ(・)ン(・)ス(・)タ(・)ー(・)が(・)入(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)という狂気。

 

 それらの事柄がアリサの心を荒立てる。

 

「──ん?」

 

 そんな彼女の足元に、先日と同種のスライムが現れた。

 だが、その大きさは比べ物にならない。

 

 このスライムの体積は、ニワトリの卵の白身ほどしかない。

 制御核の量も、成人男性の射精1回分程度だ。

 

 アリサの表情が、不機嫌なそれから養豚場のブタへと向けるそれに変わる。

 

「……へぇ~? ふーん? ──はっ! せいっ!」

 

 アリサの右足がスライムの真横スレスレを踏みつける。

 間を置かずして左足も同じように。

 

「殺すと思った? ……ザコにあたるほど落ちぶれてないわよ」

 

 続けてアリサの尻(・)がスライムに迫る。

 宣言通り、今度は何にも当たっていない。寸止めだ。

 

「ハァ……。お腹の中から追い出さなきゃいけないのはわかってるのに。……ホントどうしよ」

 

 その体勢のまま左手を頬にあて、ため息をつく。

 スライムの真上でM字開脚したまま、アリサは黄昏(たそがれ)る。

 

 ──まるで早(・)く(・)寄(・)生(・)し(・)ろ(・)と言わんばかりの体勢で。

 

「冷(つめ)たっ」

 

 スライムの粘液がパンツの二重布(クロッチ)を湿らす。

 スライムの一部が取り付いても冷たいと感じるだけで、何の疑問も抱かない。

 

 ミニスカートで作られた即席のテントの中、地面とパンツの間に立てられた粘液体の柱の中を制御核が上る。

 

 精液のような制御核は当然のようにパンツをすり抜けて、アリサの膣口へと飲み込まれた。

 そして制御核を失(・)っ(・)た(・)粘液体が、外に残された粘液はパシャと地面にぶちまけられる。

 

「……あっちにも居るし」

 

 アリサは目聡(めざと)く別の個体を見つけると、立ち上がってそ(・)れ(・)に近づいていく。

 

 足先が触れそうになるまで距離が近づくと、スライムは自分も中に入れさせろと言いたげにアリサの足に纏わり付いて上へ上へと登り始めた。

 

「──っ! 気持ち悪いッ!! 気安く登ってこないでよ!」

 

 足を登るスライムを、アリサは掴(つか)んで止めさせる。

 嫌悪感を隠さない心底嫌そうな顔でスライムを睨みつけた。

 

「ハァ、まったく。冗談じゃないわ」

 

 それこそ何の冗談か、アリサは鼻をならすとスカートの中へと手を運んだ。

 ……スライムが掴(つか)まれたままの手を。

 

 左手にはスライムが乗(・)せ(・)ら(・)れ(・)。

 右手はミニスカートを濡らさないようにた(・)く(・)し(・)上(・)げ(・)る(・)。

 

 その動作はとても自然だった。手で掬(すく)った湧き水を飲むような気安さだ。

 もっとも、飲むのは下の口でだが。

 

「……」

 

 スライムの本(・)体(・)は、やはりパンツをすり抜けた。

 2杯目のお(・)か(・)わ(・)り(・)をアリサの膣口(くち)が飲み干す。

 

 頑なにパンツを脱ごうとしないのは、必要なものだけを取り込むためだろうか。

 それとも、スライムで濡(・)れ(・)た(・)ことに何か意味でもあるのだろうか。

 アリサは至って平(・)然(・)としているが……。

 

「うわ、また出た! なんでこんなに居るのっ!? あっちにいきなさいよ!」

 

 そして現れる3匹目の同(・)種(・)のスライム──アリサはや(・)は(・)り(・)、自分から近づいていった。

 

 ……スライムを嫌悪しながらスライムを取り込むという、不可解なこの一連の言動。

 べつに彼女の気が狂ったからというわけではないが、正常とも云えない。

 

 アリサという存在は、スライムに制御(しはい)されかかっている。

 

 卵巣サイズにまで濃縮された制御核の元々の大きさ・量は、液体換算で約60リットル。

 それだけの量であれば意識に影響を及ぼしても不思議ではない。

 それだけの規模のスライムが彼女の身体に混入している。

 

 だが、それ程までの量をもってしてもアリサを征服するには足りていない。

 足りないからこそ、微々たる量であっても注ぎ足しているのだ。

 アリサの心と身体を操って。

 

 自我を残したまま操られるとは、ある意味では肉体を奪われるよりも悲惨だろう。

 疑問も覚えずに、精子のようなスライムを啜(すす)らされるなんて。

 

 たとえ新たな個体を産み出すという本(・)来(・)の(・)在(・)り(・)方(・)から外れようとも。

 スライムは《アリサ》という器を全力で乗っ取ろうとしている。

 ひとつの個体として完成するために。

 

 アリサが適切な処置を受けるのが先か。

 それとも完全に制御(しはい)されるのが先か。

 

 時間は、そう残されてはいない。

 

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