《ミルキーウェイ》
・線虫(類線形動物)。幼体時は太さ1ミリ以下だが、成体時には1cm以上に肥大化/成長する。
・長さは約3~20cm程のものが確認されている。体長には個体差があるが、幼体のまま変わることはない。
・この蟲は幼体時に他生物の乳腺から乳房内へと侵入、寄生する。成体が寄生することはない(物理的にも通りそうにない)。
・寄生されると乳房が肥大し、母乳を分泌するようになる(男性の場合は慢性的な女性化乳房症も)。幼体はこの母乳を吸って成長しているものと思われる(蟲たちに都合の良いように宿主の肉体を改造している)。乳腺も拡張される(弾性が増して押し広げられるようになる、軟体化)。
・蟲は乳房内部で爆発的に増殖する(推定数█単位以上)。成体は寿命を悟ると自発的に体外へと脱出を試みる。乳房内で寿命を終えたとしても、別の個体が死骸を押し出そうとする(その際、乳房がうごめくので寄生状態の判別を簡単に行なえる)。外に出た成体は平均して██日ほどで死亡する(誕生/発生時からの通しだと██日間生存する)。
・寄生箇所や増殖数から、完全除去/治療はやはり不可能に近いとされる(従来の虫下しではあまり効果がなかった、専用の駆虫薬の開発が待たれる)。
・被寄生者(宿主)が母乳を販売/提供していた事例もあるが、第三者が摂取しても異常は認められなかった。よって乳房以外では生存不能だと推定(ただし母乳愛飲者の便には大量の蟲の死骸が混じっていた)。
・寄生母乳(便宜上の仮称とする)の危険性はそれほど高くなく、注意を払えば飲用可能(目の細かいザルや布袋での
・メモ:総合的な危険度は限りなく低い(ほぼゼロに等しい)が、世間一般の被寄生への忌避感を維持させるため、無秩序な感染拡大は避けられたい。
・メモ:被寄生者の男女比率(人間限定)は意外にも男性のほうが高い(異性変身願望を満たすためか?)。単に発見のしやすさの違いか。
| 【被害者No.██████】 ・████地方███村在住。 ・母乳譲渡経歴なし(観察期間██ヶ月)。以後も第三者への提供等は行なわないものとして、要観察対象から除外とする。 |
ここは、とある地方の、とある村の、とある一軒家。
「良質な卵をありがとうございます。おかげで市場に買いに行く手間が省けました」
「気にしないの。こっちだって牛乳もらってるんだから」
「ふふ、そうですね」
女傭兵ネーナは村娘アーリエと、
ネーナはエッグプラントに寄生されたことにより
「ネーナさんは、このまま次の村へ行商に行かれるんですか?」
「そのつもりだったけど、あんたと話すの結構楽しいし、1泊くらいはしていこっかな」
2人は今日出会ったばかりではあるが、見る人によっては、昔からの友人同士の関係に映るだろう。
その程度には打ち解けていた。
「本当ですか! じつは友達の証に受け取ってほしいものがあるんです!」
「え! なになに!」
唐突にもアーリエは──嬉しそうな顔のネーナをベッドに押し倒しながら──10代のものとはとても思えない豊満な胸を、ネーナの眼前にさらけ出した。
「……あんた、
「ちが……わなくもないけど……、そうじゃなくって!
アーリエは自身の両胸をそれぞれの手で掴み、その形を歪ませる。
すると、乳首をこじ開け、中から生きた紐のような虫が顔を出した。
豊満な胸の中に詰まっているのは夢と希望ではなく、おぞましい蟲の現実だった。
「いっ──!?」
まさかの展開にネーナは悲鳴を上げそうになるが、自分も似たようなものだとすぐに思い直し、なんとか堪える。
そんな彼女の様子に気付いていないのか、それとも気にしていないのか。
アーリエはネーナの反応を気にも留めず、そのままの調子で
「あの牛乳、じつは私の母乳なんです。この子達を
「……へぇ~……。でもあたしには入らないんじゃない?」
この異様な雰囲気に呑まれたのか、それとも被寄生者同士なにか感じるものがあるのだろうか。
ネーナも──恥じることなく、恐怖することもなく──胸をさらすが、太さ1cmもの蟲が乳首の中を通るとは思えない。
仮に通ったとしても、握りこぶし程度の大きさの乳房に収まるとも思えないが、アーリエの考えは違った。
「大丈夫です。こうすればきっと──」
アーリエがネーナへとさらに迫り、2人の距離が縮まる。
乳首同士が擦れ合うと、顔を出していた大きな虫が引っ込み、代わりに糸のように細い蟲がうじゃうじゃと出てきた。
「あっ……、どんどん入ってきてる……」
1匹目が迷うことなく、ネーナの乳首の中をするりと通ると、2匹目3匹目4匹目……と、次々と
蟲が目指すは、乳管を進んだ先にある腺房──
母乳を作り蓄える
袋はひとつひとつが小さく、蓄えられる量に限界があるが、その代わりいくつも用意されている。
そのすべてに蟲が蓄えられていく。そのすべてに蟲が殺到した。
「ネーナさん❤」
「んっ♥」
アーリエ自身も蟲に
「ん……ちゅ……じゅる……❤」
「れろ……んふっ、あたし達女の子同士なのにキスしちゃってる……♥」
2人がキスに飽きるころには、ネーナの両胸は、元より一回りは大きくなっていた。
もう充分だろうと判断したアーリエは、擦れ合っていた乳首をそっと離した。
「あっ……❤」
最後の1匹が、にゅるんとネーナの乳首の中へ消えていき、蟲のおすそ分けは終わった。
1ヶ月後、アーリエに別れを告げて旅立ったネーナの胸は、たわわに実っていた。
そんな胸をぶら下げて町を歩けばどうだ。
男達の視線は皆、
思わぬ拾い物もあったものだと、ネーナはほくそ笑んだ。