※この作品はR-18です。

寄生モンスター図鑑   作:それも私だ

32 / 38
奴隷苦の次話。少々消化不良気味ですが、今回も被害者寄りの描写が多めです。
途中までミリアの出自などの設定が山盛り続きます。
 ・一部過剰なルビの削除と文脈の調整など(2022/9/7)


 └学のない只の小娘

 ミリアは自分の境遇に不満を持って生きてきた。

 

 なぜ自分(わたし)はこんな寒村で過ごしているのか。

 なぜ父は娘(わたし)を迎えに来ないのか。

 なぜ母は平民の身分で満足しているのか。

 

 母は貴族ではない。貴族の館に勤めていたメイド──だ(・)っ(・)た(・)。

 現在は退職し、小さな村に移り住んでいる。

 

 貴族である父を誑(・)か(・)し(・)た(・)母は身篭ることに成功した。

 子供(じぶん)という存在を以(も)って、貴族と繋がりを得られた。

 ──しかし、母は貴族になることを選ばなかった。

 

 平民にとって、貴人の使用人になれることは大変な名誉だ。

 生活と身分を上位者に保障されたと云ってもいい、恵まれた立ち位置だ。

 よほどの理由がない限りは、自分から捨てはしないだろう。

 

 だが、母は機会(チャンス)も今ある職も何もかも投げ捨てた。

 唯一捨てなかったのは、血の繋がった子供(ミリア)だけだ。

 ミリアには、母の過去の行ないが理解できなかった。

 

 貴族と関係を持ち、成り上がることを夢見る平民は少なくない。

 ……母も諦めきれなくて私(ミリア)に出生の秘密を話したのではないのか。

 

 この世は我の強い人間ほど、欲の深い人間ほど有利になるように設計されている。

 同じ平民でも豪商を見ればよくわかる。血の代わりに金で、その地位を得ている。

 

 貴族は生まれながらにして権(・)利(・)を持っている。

 豪商も親から商(あきな)いを継いだり、自分で起こす権利を持っている。

 

 ミリアは確かに貴(とうと)き者に連なる血を引いているが認知はされていない。

 いわゆる《貴族の落とし胤(だね)》……庶子(しょし)だ。立場としては平民と同等である。

 それでも心は貴族のつもりだった。

 

 その無(・)駄(・)な気高さは友人関係にも表れていた。

 村での唯一の友達は、カリンだけだった。

 

 カリンはミリアのことを親友だと思っている。

 ミリアはカリンのことを自分専用の下僕のように思っている。

 

 流石に使い捨てるほど傲慢ではない。

 自分(ミリア)の意のままに従う人間がどれだけ貴重なものか、よく理解している。

 

 母は父のことを未練に思っているくせに、上位者へ成り上がる気が無い。

 自分(ミリア)は母と違って、こんな村で朽ち果てる気は無い。

 しかし、村の人間は誰も彼も『早くあ(・)い(・)つ(・)とくっ付け』と小うるさい。

 

 貴族の血を引く自分(ミリア)が、なぜ平民の男と交わらなければならないのか。

 それも自分の意思ではなく、平民(たにん)の意図(エゴ)によって……。

 

 ミリアは、地位も金も男もどれもほしい。だから村を飛び出した。

 母にその気がないのならば、自分でやるしかない。そう思った。

 

 ついでにカリンも連れ出した。カリンはミリアの所(・)有(・)物(・)だから。ミリアはカリンの主(・)人(・)だから。

 その時のカリンは不安そうではあったが、申し出を拒否することは一切なかった。

 

 ──そうして、女だけの2人旅が始まった。

 

 商隊の馬車に揺られて遠い都市へ辿り着いても、他人の下で使用人のように──店の従業員として働く気は起きなかった。

 

 代わりに目をつけたのは傭兵課業だ。

 

 貴族の中には戦いに身を置く者も存在する。なのでギリギリ許容することができた。

 やり方次第では貴族にも近づきやすいとも聞いた。《渡りに船》とはこういう事を言うのだろうと。

 

 最近は各地で女性の自立運動というものが流行(はや)っているそうで、格安で装備を整えることができた。

 それでも資金はカツカツだ。何か依頼を達成させなければ、明日が向かう先も分からない。

 

 露出の高い装備をすると男性の依頼者の目に留まりやすいと聞いたから、そうした。

 ここはカリンの主(あるじ)らしく、ミリアが着ることにした。

 残った資金で、カリンに堅実な装備を買い与えた。

 

 ちょうどよく、武具屋には依頼書が貼り出されていた。それも貴族からの依頼だ。

 記載された報酬額は恐ろしく高く、数年はそれだけで生活できるほどだ。

 

 話はとんとん拍子に進む。進んでいる。

 商隊の馬車から、何もかもが自分(ミリア)に都合よく進んでいる。

 やはり自分(ミリア)は成り上がるべき存在なのだ。

 

 依頼内容に『モンスターと交わらなければいけない』とあって一度は覚悟こそしたが、その役目はカリンにやらせればいいと後で気付いた。

 ──私(ミリア)のために働けるんだから、幸せでしょ?

 

 依頼では『1粒だけでいい』と言われていた目的のスライムの赤い宝玉だが、なら残りの7つは自分達が貰ってもいいはずだ。

 カリンの胎内(なか)に8粒すべて詰め込ませた。1体あたりが持つ最大数を回収させた。

 

 2人とも処女だが、たかが平民(カリン)の処女にそ(・)こ(・)ま(・)で(・)の価値なんてあるはずがない。

 依頼の報酬額と見比べてみると尚更だ。釣り合いが取れない。

 

 ミリアは、処女は自分の夫となるに相応しいも(・)の(・)に捧げるつもりでいる。

 一応は自分でも回収はしたが、ヘソで受け留めた。

 

 赤い宝玉は黒い粘液を挟んでヘソの窪(くぼ)みに浮いている。

 沼地(ヘソ)の中へと少しずつ沈み始めているが、特に危険視はしていない。

 

 いま、ミリアは《ビキニアーマー》という露出の高い装備をしている。

 下着のようなそれは乳房と鼠怪部を覆うだけで、残りの胴体部はすべて丸出しだ。

 

 宝玉は指の先くらいの、いや、それよりも小さな珠(たま)だ。

 装飾品のように考えれば、見栄えはそう悪くもない。

 

 そもそも、この宝玉には貴族が欲しがるほどに高い価値がある。

 価(・)値(・)の(・)高(・)い(・)ミリアに付けられるのはある種、当然だとも言える。

 

 天(・)然(・)由来のこの宝玉の真価は、スライム除けの効力を持つことだ。

 指輪などに加工、取り付けることで特定の脅威を遠ざけることができるのだ。

 

 赤い宝玉は、見た目以上の価値があるのは確定的だ。

 ミリアも、自分は見た目以上の価値があると思っている。

 

 ──では、価値が付与されたものは価値があると言えるのだろうか?

 

 答えは、その通りだ。希少な生物であれば排泄物すら高値が付けられる。

 しかしそれはあくまで人間が考えた範疇、人間が設定した基準だ。

 

 他(・)の(・)スライムにとっては、先にツ(・)バ(・)を付けられたものなど無価値に等しい。だから避ける。

 

「──生け捕りにしようかと思ったけど、全然捕まらないわね……」

「も、もう帰ろう? 報酬だけで充分だと思うな」

「ダメよ。まだここから離れるワケにはいかない」

 

 ミリアのヘソに寄(・)生(・)させてから、かれこれ数時間が経っていた。

 

 赤い宝玉はヘソの穴へ完全に沈み込み、隙間は黒く塗り固められている。

 

「じゃ、じゃあ……こ(・)れ(・)、取っていい?」

「ダメ」

「そんなー」

 

 その間もカリンの下着にはスライムの──クモ形の抜け殻が挟まったままだった。

 

 膣口には突起物が突き挿入(ささ)ったままであり、医療器具(クスコ)のように膣内(なか)を広げている。

 クモの器は無色透明のままだ。中身のほうはすべてカリンの胎内(なか)へと移り住んでいる。

 

 カリンの身体に違和感はない。多少嫌がりはしても、もう焦りはしていない。

 一滴も垂れない黒い粘液は、馴染ませるようにずっと静かだった。

 

「私にもアンタにも寄り付かなくなっちゃったんだから、もう無理やり捕まえるしかないでしょ。……あ~、もうっ! こんなことなら、先に何匹か捕まえておけばよかったわ」

 

 ミリアの欲は留まることを知らない。依頼を達成するだけでなく、各地(ほか)の貴族にも宝玉を売ってまわることを画策していた。

 ……もっとも、その計画は最初から破綻、つまづいていたのだが。

 

 自分達の身体の中に容(い)れたも(・)の(・)への興味は、もう薄れていた。

 しかしそれは、スライムにとって面白くないことだった。

 

 ──先にツバを付けたのはこの私(・)だ。なぜ他の個体を追い求める?

 ──誰のものになったのか、このメスにわからせてやらねばならない。

 

「何か道具が欲しいわね」

 

 ミリアは思案した。──このままではラチが開かない。

 スライムは行動に移した。──このままヘソは空けてやらない。

 

 赤の宝玉……スライムの赤い制御核はミリアのヘソの表面に当たると、細い神経のようなものを何本も伸ばしだした。

 

 ヘソの穴は、胎児だった頃に母体と繋がるために使っていた器官の名残だ。

 生まれ落ちてからは一切使われることはない。

 

 子宮が内で繋がる器官とすれば、ヘソは外で繋がる器官ということだ。

 母体にとっては胎児は内に、胎児にとっては母体は自分の外側の存在となる。

 いうまでもなく、胎児の中に母体が存在することはない。

 

 共通点は《そこで繋がる》こと。それだけで甲乙の関係は構築できる。

 

 スライムは長い時間をかけ、ようやく辿り着いた。

 ミリアという浅ましい小娘の浅い奥底(そこ)へと。

 ミリアも(・)スライムと、ついにひとつに繋がった。

 

 考える頭が足りないなら足せばいい。足してやればいい。

 なにせこ(・)ち(・)ら(・)は粘液体を制御する核なのだ。人間とは出来が違う。

 単細胞を操ることくらいは造作もない。

 

「……あっ! 道具ならここにあるじゃない……!」

 

 ミリアにとって、それは閃きだった。

 

 カリンの処女を強引に散らせた時と同じ笑みが、ミリアに浮かんだ。

 

 それは場所が悪かったのかもしれない。

 ──それはあまりにも早すぎた。

 

 それの頭脳が悪かったのかもしれない。

 ──それはあまりにも意(・)外(・)すぎた。

 

 ミリアはいそいそとビキニアーマーの下を脱ぎ捨てると、股を広げてその場にしゃがみ込み、2本の指で膣口をさらけ出した。

 

 カリンはその様子を不審に思うことなく、ジッと静かに見つめている。

 前以(も)って処女は考えないと話し合っていたせいだ。

 

 カリンは気付かない。大切な親友(ミリア)にスライムの意志が介入していることを。

 ミリアは気付けない。大切な処女をスライムへ差し出そうとする、自分のしていることに。

 

 気付く間もなく、1匹のクモがミリアの下へとやってくる。

 その個体は、ミリアのヘソに産み付けた個体だった。

 

 その個体は自ら裏返しになると、腹部の突起物を高々と示した。

 

 ミリアも年頃の娘だ。オナニーくらいは知っているし、している。

 流石にカリンの目の前ですることはないが、性をむさぼる下地は整っている。

 

 見る人によっては、それは道具のように見えただろう。

 ……ディルドでスクワットをする変態のように。

 

 見る人によっては、それは主(・)人(・)のように見えるだろう。

 ……女が腰を振る騎乗位に。

 

 ミリアは歳相応にワクワクしていた。

 オナニーはセックスよりも気持ち良いと聞いていた。よって試した。

 セックスはオナニーよりも気持ち良いか分からない。よって試す。

 

 ワクワクが止まらない。口(・)元(・)が意識せず半開きになる。よだれが止まらない。

 見る人によってはただのオナニーになるだろう。

 見る人によってはただのレイプになるだろう。

 

 上位者である自分(ミリア)はこれから無抵抗である下々(モンスター)を、抵抗も許さず一方的に蹂躙(じゅうりん)するのだ。ワクワクしないはずもない。

 

 まっさらだった、ただの村娘に色が付く。いや、これから新しく色が付けられる。

 

 ミリアは突起物を小刻みに動かして位置を調整すると……──笑顔のまま腰を落とした。

 

「──あはっ」

 

 ぶつっ、と処女が散った。よ(・)だ(・)れ(・)に赤い液体が混じるが、腰の動きは止まらない。

 

 初めてであるのにもかかわらず、膣は突起物を根元まで呑み込んだ。

 散々追い求めていたものだったのだ。何も遠慮はいらない。

 

 それだけに飽き足らず、ペタンと座って尻も足までも地べたに付けた。

 散々逃げられてきたせいだろう。欲しいのはこ(・)れ(・)だったのだ。

 

 あまつさえ、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすようにぐりぐりとクモの躰を尻で押し潰す。

 スライムであるそ(・)れ(・)には圧力なんてものは意味はない。意味があるとすれば感情表現か。

 

「ほら出せっ、出せっ! 出しちゃえっ!」

 

 挙句の果てには、命令口調で射(・)精(・)を懇願する始末。

 

 元よりそのつもりであったクモは、突起物を一度も出し入れもせずに黒い粘液と共に赤い玉を吐き出した。

 スライムは素早く膣内(なか)を這い上がり、子宮へとその姿を消した。

 

 既にヘソで制御核と繋がっていたミリアは、新しく胎内に宿った制御核の存在を明確に感じ取っていた。

 

「あ……この感覚……、すごっ……!」

 

 受精卵としては比べ物にならないほど大きすぎるそ(・)れ(・)の存在を。

 自らの奥底に根付いてしまった、異形の存在が。

 

 ミリアの身体を内側から駆けずり回り、快感として脳へと伝達される。

 ──価値あるも(・)の(・)達が、ついにひとつに結び付いたのだと。

 

「……さっ、残りも出し切らせないとね」

「大丈夫?」

「大丈夫よ。こんなことなら、あんたより先にやってればよかったわ」

「……」

 

 事が終わると、カリンはミリアを気遣った。

 

 自分(カリン)は痛かっただけなのに……、と少しの不満を抱いたが、ミリアが満足したならそれでいいかと思いを打ち切った。

 

 ──しかし、新たな不満がミリアを苛(さいな)む。

 

 カリンと同じように8つ吐き出させるつもりが、ミリアに対しては1粒しか与えられなかった。

 5分、10分、20分……何十分待とうともクモは一向に残りを吐き出さない。

 じたばたと、ミリアの尻の下で暴れるだけだ。

 

 疑問が焦りへと変わるのに、時間は掛からなかった。

 

「──なんで出さないのっ!? こんなにシ(・)てやってるのに!」

 

 合(・)意(・)の(・)上(・)で行なわれていた行為(こうい)は、一方通行に変わった。

 気分だけだったレイプは、ただの接合は、ミリアによるモンスターへの逆レイプへと変貌を遂げた。

 

 ヒステリック気味に腰を打ち付けても、クモの反応は芳(かんば)しくない。

 自分を押し付けるようにして突起を子宮に押し付けても、クモの反応は変わらない。

 責め立てるようにして責め立てても、出ているのは腹部の突起物だけであり、クモは何も吐き出さない。

 

 ──カリン(あいつ)には、たっぷりと吐き出したくせに、私(ミリア)にはなんでっ……!

 ミリアはそう思わずにはいられなかった。

 

 まさか自分はあいつよりも劣っているのか、と……強迫観念にも似た衝動が、ミリアを突き動かしていた。

 

 カリンみたいにパンツの中に閉じ込めておくつもりは、ずっと繋がらせておくつもりはない。

 今ここで、今すぐに欲しいのだ。

 

 相手は手で掴めるくらいしかないモンスターだ。長い脚を伸ばせば手と言えなくもない。

 尻に敷くだけではダメだと思ったミリアは、今度は手を取り合ってみることにした。

 ただし、主導権を渡すつもりはない。

 

「これならどう?」

 

 ミリアは洞窟の壁に背を預けると、手で掴んでそ(・)れ(・)の出し入れを続けた。

 それでも何も吐き出されることはない。

 

 ミリアは既に孕んだのだから。

 

 モンスターの仔を。スライムの仔が。

 

 ミリアとまぐわったクモは、いの一番にヘソに吐き出した個体だ。

 その制御核がミリアと結び付いたことで、ミリアを支配下におけたことで、姿を現した。

 

 ミリアに下された命令は、残りの7つの制御核を使って増殖、繁栄させることだ。

 ルールでは受(・)精(・)卵(・)は一度につき1つと定められている。

 額(がく)のない無料(ただ)の小娘にはそれが理解できない。

 

 制御核の元々の数は8つということから分かるように、1つでは効力は弱い。

 支配下においたといっても、せいぜいが誘導、洗脳くらいなものだ。

 違和感なく自発的にそうさせる。それだけだ。

 

 たったそれだけの力(こと)でレイプさせている。

 

 ミリアが何度もレイプしようとも、続けようとも。

 その胎に吐き出されることはない。

 

 カリンは親友が苦しむ姿を眺めることしかできなかった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。