《シェパード》
・地面の中に潜む、球根植物(玉葱大サイズ)。地下を移動することはない。
・人間の尻に茎を差し込んで同化寄生し、養分(糞や体液など)を吸収する(茎先端部の形状は、剥かれたバナナによく似ている)。
・寄生されるのは主に死体で、生きた人間が寄生されることはまず無い(効率よく養分へと変換するためか?)。
・寄生された死体は死後もその肉体を動かされることになるが、一度死んでいるからか言動に知性は見られない(寄生体に高い知能があるわけではないことがここから推測できる)。
・生きた人間が寄生された場合、逆に寄生体側からも栄養などを送られることになり、自然死では死ねなくなる(ある種の一体化、共生関係となる)。
・茎は弾力があってよくしなる。非常に丈夫で、素手で引きちぎることはほぼ不可能(刃物であれば問題なく切り離せる)。
| 【被害者NO.██████】 ・██地方██村出身(現在説得中)。 |
「死んでやる、死んでやる。あんなヤツと結婚させられるくらいなら、首を吊って死んでやるッ!!」
まだ誰も出歩いていないような時間帯。
森の奥深くで、女は呪詛を唱えていた。
女が住む村では、押し迫る少子化に悩まされていた。
女児ばかりが生まれ、男児はあまり生まれないのだ。
その結果、頭のハゲあがった中年男性へ嫁がされることになった。
すでに何組かの歳の差カップルが生まれているが、嫁はみな生きながらにして目が死んでいた。
──薄汚い中年ハゲに犯されて孕まされるなんて冗談じゃない!
──あたしはそんな事のために生まれてきたんじゃない!
残酷な現実から逃れるには、村を出るのが一番だろう。
だが、ただの村娘が生きていかれるほど、外の世界は優しくはない。
食い物にされる場所が変わるだけだ。
だから、この村娘は残された選択死を選ぶことにした。
村娘──彼女の名前は『サクリ』。これから死ぬ人間である。
彼女の首には、すでに輪になった縄が繋がれている。
あとは登っていた木から飛び降りるだけだ。
「あははっ、誰が
サクリは最後にとびきりの呪詛を吐き出すと、木の上から飛び降りた。
痛みとともに首が絞まる。
圧迫感に吐きそうになるが、しばらくすると痛みは痺れに変わってきた。
視界がぼやける。
目は見えているのに、景色がよくわからない。
あと数秒足らずでサクリは気を失うだろう。
そして身体の力が抜けて、
今ならまだ助かるだろう。
だが、助けが現れることはない。
確実に死ぬために、時間も場所も選んだ。
サクリは誰にも邪魔されることなく、意識を失う。
予定通り、順調に死へと向かっていた。
……ここまでは。
サクリの真下にある地面から、1本の太い茎が生える。
茎の先には、大きな
茎はサクリの右足に巻きつくようにして急成長していく。
茎が
2つに咲いた花弁の中央には、
茎は器用にもサクリの下着の内側に滑り込み──下着を横へと強引に押し退けながら──メシベを尻穴に挿入した。
メシベが根元まで押し込まれ、サクリの尻の割れ目が秘裂ごと花弁の中へと隠される。
──ここに、上からも下からも縄が絡まる、奇妙な首吊り
(……あたしは首を吊って死んだはず……? なんで
死んだはずのサクリは、なぜか生きていて──戸惑っていた。
(人は首吊りなんかじゃ死ねないのね……、──ッ!)
サクリは、次の自殺方法を探すために、首の縄を外した。
宙に浮かんでいた身体を、冷たい大地が受け止める。
……足から降りたせいで、右足首を挫いてしまった。
大地はサクリに冷たかった。
「……なによ、これ?」
サクリは痛めた右足首に目をやると、右足に
茎の
これのせいで着地に失敗したのだと察したサクリは、腹いせに茎を引きちぎろうとしたが、茎はびくともしない。
諦めて、素直に解くだけにする。
地面に座ったまま、足首から順に茎を適切に外していく。
作業の進行に伴い、膝丈のスカートの中身が露出していく。
──茎の先端は、サクリの股間と繋がっていた。繋がったままだった。
「なーに、これー……?」
花弁は簡単に剥がれたが、尻穴に入り込んだ茎が抜けない。
どんなに距離をとっても、縄で繋がれた犬のように、その場から離れることは出来なかった。
「……次は餓死で
サクリは諦めて、次の自殺方法を選んだ。
「おかしい……ッ!! なんで死ねないっ!?」
数ヶ月後──サクリは、
尻穴と繋がった
もちろん、その事実にサクリが気付くことはない。
現状は、サクリの理外にあった。
理解できないことは、理解できない。
サクリが死ぬには、もう誰かに殺してもらうしかない。
しかし、ここは森の奥深く。
次の自殺志願者は、まだまだやって来そうにない。