※この作品はR-18です。

寄生モンスター図鑑   作:それも私だ

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生きることから逃げてはいけない地獄回。自殺表現あり。自殺ダメ絶対。
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寄生植物《シェパード》

《シェパード》

 ・地面の中に潜む、球根植物(玉葱大サイズ)。地下を移動することはない。

 ・人間の尻に茎を差し込んで同化寄生し、養分(糞や体液など)を吸収する(茎先端部の形状は、剥かれたバナナによく似ている)。

 ・寄生されるのは主に死体で、生きた人間が寄生されることはまず無い(効率よく養分へと変換するためか?)。

 ・寄生された死体は死後もその肉体を動かされることになるが、一度死んでいるからか言動に知性は見られない(寄生体に高い知能があるわけではないことがここから推測できる)。

 ・生きた人間が寄生された場合、逆に寄生体側からも栄養などを送られることになり、自然死では死ねなくなる(ある種の一体化、共生関係となる)。

 ・茎は弾力があってよくしなる。非常に丈夫で、素手で引きちぎることはほぼ不可能(刃物であれば問題なく切り離せる)。

 

【被害者NO.██████】

 ・██地方██村出身(現在説得中)。

 

 

────────────────────────────────

 

 

「死んでやる、死んでやる。あんなヤツと結婚させられるくらいなら、首を吊って死んでやるッ!!」

 

 まだ誰も出歩いていないような時間帯。

 森の奥深くで、女は呪詛を唱えていた。

 

 女が住む村では、押し迫る少子化に悩まされていた。

 女児ばかりが生まれ、男児はあまり生まれないのだ。

 

 その結果、頭のハゲあがった中年男性へ嫁がされることになった。

 

 すでに何組かの歳の差カップルが生まれているが、嫁はみな生きながらにして目が死んでいた。

 

 ──薄汚い中年ハゲに犯されて孕まされるなんて冗談じゃない!

 ──あたしはそんな事のために生まれてきたんじゃない!

 

 残酷な現実から逃れるには、村を出るのが一番だろう。

 だが、ただの村娘が生きていかれるほど、外の世界は優しくはない。

 食い物にされる場所が変わるだけだ。

 

 だから、この村娘は残された選択死を選ぶことにした。

 

 

 村娘──彼女の名前は『サクリ』。これから死ぬ人間である。

 

 彼女の首には、すでに輪になった縄が繋がれている。

 あとは登っていた木から飛び降りるだけだ。

 

「あははっ、誰があ(・)ん(・)た(・)達(・)の思い通りになんか、なってやるもんか!」

 

 サクリは最後にとびきりの呪詛を吐き出すと、木の上から飛び降りた。

 

 痛みとともに首が絞まる。

 圧迫感に吐きそうになるが、しばらくすると痛みは痺れに変わってきた。

 

 視界がぼやける。

 目は見えているのに、景色がよくわからない。

 

 あと数秒足らずでサクリは気を失うだろう。

 そして身体の力が抜けて、増(・)し(・)た(・)重みで死ぬ。

 今ならまだ助かるだろう。

 

 だが、助けが現れることはない。

 確実に死ぬために、時間も場所も選んだ。

 

 サクリは誰にも邪魔されることなく、意識を失う。

 予定通り、順調に死へと向かっていた。

 

 ……ここまでは。

 

 

 サクリの真下にある地面から、1本の太い茎が生える。

 茎の先には、大きな蕾(つぼみ)が付いている。

 

 茎はサクリの右足に巻きつくようにして急成長していく。

 茎が鼠怪部(こかん)あたりまで辿り着くと、蕾が開いた。

 

 2つに咲いた花弁の中央には、バ(・)ナ(・)ナ(・)のように肉厚なメシベが鎮座している。

 

 茎は器用にもサクリの下着の内側に滑り込み──下着を横へと強引に押し退けながら──メシベを尻穴に挿入した。

 メシベが根元まで押し込まれ、サクリの尻の割れ目が秘裂ごと花弁の中へと隠される。

 

 ──ここに、上からも下からも縄が絡まる、奇妙な首吊りし(・)た(・)い(・)が出来上がった。

 

────────────────

 

(……あたしは首を吊って死んだはず……? なんでま(・)だ(・)生きているの……?)

 

 死んだはずのサクリは、なぜか生きていて──戸惑っていた。

 

(人は首吊りなんかじゃ死ねないのね……、──ッ!)

 

 サクリは、次の自殺方法を探すために、首の縄を外した。

 宙に浮かんでいた身体を、冷たい大地が受け止める。

 

 ……足から降りたせいで、右足首を挫いてしまった。

 大地はサクリに冷たかった。

 

「……なによ、これ?」

 

 サクリは痛めた右足首に目をやると、右足に太(・)い(・)茎(・)のようなものが巻きついていることに気が付いた。

 茎の先(・)は地面と繋がっている。

 

 これのせいで着地に失敗したのだと察したサクリは、腹いせに茎を引きちぎろうとしたが、茎はびくともしない。

 諦めて、素直に解くだけにする。

 

 地面に座ったまま、足首から順に茎を適切に外していく。

 作業の進行に伴い、膝丈のスカートの中身が露出していく。

 

 ──茎の先端は、サクリの股間と繋がっていた。繋がったままだった。

 

「なーに、これー……?」

 

 花弁は簡単に剥がれたが、尻穴に入り込んだ茎が抜けない。

 どんなに距離をとっても、縄で繋がれた犬のように、その場から離れることは出来なかった。

 

「……次は餓死で逝(い)ってみるか」

 

 サクリは諦めて、次の自殺方法を選んだ。

 

────────────────

 

「おかしい……ッ!! なんで死ねないっ!?」

 

 数ヶ月後──サクリは、ま(・)だ(・)生きていた。

 

 尻穴と繋がったそ(・)れ(・)から、絶えず栄養を送り込まれているせいだ。

 もちろん、その事実にサクリが気付くことはない。

 

 現状は、サクリの理外にあった。

 理解できないことは、理解できない。

 

 サクリが死ぬには、もう誰かに殺してもらうしかない。

 

 しかし、ここは森の奥深く。

 

 次の自殺志願者は、まだまだやって来そうにない。

 

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