《プレグナント・スライム》
・スライム(核+被膜)。キューブスライム(サイコロまたはレンガ状被膜、ビー玉核)と同程度の規模だが、こちらは楕円形となっている。また、核も極小(0.1ミリ)と区別しやすい。どちらも消化能力(強酸性)を持たない。
・粘体を制御する核が無くなっても動く(しかし無力、ほぼ無害)。この種は人間の卵子を核に改造するため、子宮に粘体が入り込んでしまった場合は、核を得て復活する(被膜も再生する)。その後は寄生することもなく体外へと脱出する。なお核を得られず乾燥した場合は完全に消滅/死滅する。
・最も危険なのは、被膜が破れた核付きスライムが子宮に入り込んだ時。子宮壁に定着(着床)し、宿主の体液等を利用して粘体を増殖させる。核は成長しないが、恒久的に子宮内に定着/存在し続ける(なぜか生理は止まらない、子宮の状態を管理/制御している?)。被膜は再生しないが、別個体の生成/出産はする。
・粘体内の核が増えるほど合理性が増す。██個の核を持った個体(検証用の特別個体)に女性が近づいた際、積極的に膣内へ侵入しようとする動きを見せた(自ら爆ぜる等)。この事から、ただ本能に従って活動しているだけでなく、少なからず知能/知性を持っているものと思われる(ただし数█個の核程度では大した脅威になり得ない、しかし核1個あれば子宮の管理を行なえる)。
・メモ:粘体のみは寄生しないが出産はする(完全除去)。粘体+核の場合は寄生も出産もする(核残存)。
・メモ:男性、口膣内、直腸等にこの種が寄生した例は発見されていない。
| 【被害者NO.██████】 ・██████地方にて活躍中の傭兵(現在観察中)。 ・寄生の疑いあり。ほか2名の仲間も同様に寄生されているものと思われる。3名とも要観察対象とする。 |
「スライムめ! 女勇者の必殺の一撃をくらえ!」
少女Aの
スライムは爆散した!
「英雄サマのちから、思い知れぇっ! デッドエンド・シュート!」
少女Bは蹴りを放った!
スライムは四方八方へ弾け飛んだ!
「わたしもわたしもっ!」
少女Cの踏みつける攻撃!
スライムは爆ぜた!
「ボクらの勝ちだ!」
「スライムなんかに、オレ達の秘密基地を渡すかよ!」
「やったね!」
とある村の裏手にある小さな洞窟で、まだ7歳くらいの幼い女の子3人がモンスター退治をしていた。
彼女達が戦っている
このスライム種は消化能力を持たず、躰全体を覆う被膜を破られると中の液体がこぼれ出てしまう。そして呆気なく死んでしまう。
つまり、子供でも安心安全に倒せるモンスターだ。
……それが、
もう確かめようもないが、爆ぜたスライムは、
「でも足が、べったべた~……」
「なんかうぞうぞしてる……気持ちわるっ!」
さらに、おてんば
これがまずかった。
親達から押し付けられた理想に
少女達はわざわざ、スライムの体液が辺り一面に飛び散るほどの苛烈な攻撃を繰り出していた。
そのせいで地面も身体も、あちこちスライム
特にスカートの中がひどい。足元で弾け飛んだスライムの大部分をスカートの内側が受け止めていて、外側よりも粘液に
しかもスカート丈は
そしてスカートの下は当然、下着──パンツだ。それも普通の女児パンツ。
モモヒキでも穿いていれば結果は違っていただろう。これがトドメとなった。
いくつもの悪条件や不運が重なった結果。
スカートや太ももを伝って、パンツのわずかな隙間から閉じた割れ目へと、
「スカートもべたべただし……お母さんに怒られちゃう!」
「振り回せば落ちるかな?」
「やってみようよ!」
少女達はスカートを脱いだが、少し遅かった。
すでにスライムは下着の内側へとたどり着いている。
「落ちろ、カトンボ!」
「オラオラオラオラッ!」
「えいっ! えいっ!」
少女達はスカートの汚れを落とすのに必死だ。
ゆえに幼い膣へ侵入してくる者に気付くことはなかった。
極小のスライムが未成熟な膣の中を、ぬるぬると湿らせながら上っていく。
指の爪ほどの粘体に、少女達は違和も痛みも感じない。
「次、わいて出てきたら投げて倒そっか」
「投げるって何をだよ。石か? スライムか?」
「面白そう! 次は両方ともやってみようよ!」
何も知らない幼さ特有の残酷さを
極小の侵入者もまた、少女達に残酷さを突きつけようとしていた。
まだ生理も始まっていない子宮の中に、どろりとしたスライムが入り込み、子宮壁へと貼りついた。
粘体の中のスライムの核──異形の本体が動いて、子宮壁に近づいていく。
そして──
「ひゃうっ!?」
「おぅっ!?」
「きゃっ!?」
──
「な、なにいまの……?」
「わからん」
「なんかゾクっとした……」
少女達は、謎の悪寒に身を震わせる。
何だかよく分からないが、何か悪い事が起きたのかもしれない。
直感で、そう感じていた。
「も、もう帰ろうよ」
「そ、そうだな」
「うん……」
事実、その直感は当たっていた。
子宮壁と接触したスライムの核は、本物の受精卵のように根を下ろしていた。
植物が土の中へ根を伸ばすように、初潮前の未熟な子宮に、無数の根を絡めてしがみ付いた。
さらに、着床した核は連れてきた粘体に覆われて保護されている。
それはまるで植木鉢に種を植えたときのように。
念を押して、種の上に土を被せたように。
小さな鉢に、異形の種が植えられた。
数日後。
少女達は今日もまた、秘密基地に来ていた。
「じつは話したいことがあるんだ」
「あ、オレも」
「わたしも……」
少女達は示し合わせたように、黙って服をまくって見せた。
その腹は、ぽっこりと出ていた。
少女特有のイカ腹とは少し違う。
ご飯を食べ過ぎた時のように、ぽっこりとしている。
「シアン、お前もか」
「ルージュ、君こそ。ミドリも同じだ……」
「食べすぎってワケじゃねーよな?」
「2人とも服を脱いでくれ」
もちろん、A……シアンもだ。
全員が脱ぎ終わると、シアンは
「見ててね。──ふっ!」
シアンが自身の腹部に手を当てグッと押すと、割れ目からドロドロとしたものが垂れてきたと思えば、まだ被膜も無いただ粘性が高いだけのスライムが
中で繋がっているようで、垂れはしても、ちぎれて落ちたりはしないようだ。
腹部から手を離すと、スライムはのろのろと膣内を逆流していき、幼い子宮を再び満たした。
「……これが、ボク達の悩みだ」
「はっ!?」
「えっ!?」
シアンの言葉に2人も慌てて自分の腹を押したが、結果は同じだった。
同じように自分の中からスライムが現れ、同じように身体の中に戻っていく。
年相応に
3人とも知る
少女達はその幼い身体でスライムを……いや、その
スライムの本体──極小の核はその大きさを変えず、今も子宮壁に根を張ったままだ。
たとえ粘体を出産しようが、
意地の悪いスライムは少女達の
追い出された
母胎と結合している限り、無限にスライムの
「ま、マジか……」
「どど、どうしようっ!?」
「大丈夫。ボクにいい考えがある。──1人がお腹の上に乗ってスライムを追い出して、もう1人が出てきたスライムを
初めから
ルージュとミドリは
シアンが提案した
普段の生活の中には他人の目もあるのだ。やらないよりは、ずっとマシだ。
シアンは3人の中で最も賢かった。子供にしては賢かった。
──そう、子供にしては、だ。
シアンの考えは子供らしく、厄介事を親から隠すことを第一とした考え方だった。
シアンは、親に怒られることを恐れていた。
「あいよ。……大人にバレたらどうなるか、わかんねえしな」
「うん。モンスター扱いされたくないよね」
「隠さなきゃ」
怒られたくない……たったそれだけのために、少女達はスライムを孕んだまま、そうと自覚して幼少期を過ごすことに決めたのだった。
素直に大人たちへ話していれば、適切な処置を経て、元の身体に戻れていただろうに。
……このまま
そうなれば、次に待っているのは
いまはまだ粘体
何か器具などで物理的に取り除かれない限り、初めの核は
出て行くのは
少女達の
自分たちの意思でその選択をした。そうなる
おそらく少女達は
それはモンスターを産んでしまったことを認めたくないからかもしれない。
もしかしたら原因となった経緯を忘れてしまって踏みつけるかもしれない。
はたまたストレス解消に潰すこともありえるだろう。