婆ちゃんと彼女のサーヴァントと一緒に、傭兵になってから次の日に航達は近くにあったラブホを拠点としている集団の元に向かったため、俺達は陣地作成で新たに拠点を造り直した。
如何せん、項羽やイヴァン雷帝がデカすぎるので並大抵の建物では彼らが入りきらないのだ。
彼ら自身、掘立小屋でも構わないと言っていたがそれだとこっちの心情的に辛いので、虞美人やアナスタシアの後押しもあって巨大な拠点を造る事にした。その結果、建物も馬鹿みたいにデカくなったが。
何しろ、それぞれの階層の高さをイヴァン雷帝に合わせて7メートルにしたので3階建てでも20メートル超になったため、初見で外見だけを見た時には8階建てかな?と思ってしまうだろう。
ただ単に、彼がデカすぎるからこうなっただけで魔力供給のためと称してアビーちゃん達にこってり搾られたりとか、周りにあった瓦礫が資材になったので更地となったなんて事は些細な事だ。
そんな訳で、拠点が完了したので改めて傭兵稼業を再開するとイリヤ達から依頼という形である事を言われた。
それは
「クロエちゃんを助けて欲しい?」
「はい。守さんのお婆様が来た事で後回しにしていたのですが、実はクロエちゃんを助けてほしくて来たのです」
『依頼という形で、そちらが管理している掲示板に載せてもよかったけどスルーされる可能性があったから直接来たんですよー』
「なるほどねぇ。確かにコスパが見合わない依頼は引き受けてないからな。直接、こっちまで来て依頼を出すのも1つの手だね」
もう1人のサーヴァントを助けてほしいとの依頼だった。
つまる所、自分達だけではどうしようもないから依頼を確実に引き受けてくれる様に直接、俺達の所に来たという訳だ。
泣ける話ではあるが、依頼内容を詳しく聞くと東京方面の拠点にてクロエちゃんが拘束されているらしく、拘束している方は彼女をサーヴァントとして契約させた上で無理矢理、行為に及ぼうとするゲス野郎との事だった。
ロリコンを否定するつもりはないが、互いの合意を経て行為をすべきだと考えているし、幼女は愛でる物だろう。常識的に考えて。
それを無視して無理矢理、セックスしようなんてゲスの極みなので慈悲を与える間も無くあの世に送ろう。可能な限り、苦しませてから。
えっ。俺は良いのか、だって?
俺の場合、彼女達と合意の上でやってるし、たまに逆レイプ的な事もされているからノーカンでしょ。そもそも腕力では彼女達に勝てないし。
そんな理由から、依頼を引き受けようと思ったのだがその前に対価として報酬に関してはっきりとさせないといけないな。タダ働きなんて嫌だし。
その話をすると、イリヤと美遊は嫌悪する表情で「サイテー」と言ってきたが何も赤の他人のためにタダ働きするつもりはない。
何しろ、こっちも生活が掛かっている訳だし、親しくもない奴らのために働くのはちゃんとした対価があっての話だ。
それがない限り、いやあったとしても対価をもらっている相手に従うだけで忠義は微塵もない。
それが傭兵という存在だし、余程の事がない限りは仕事において情に流されてはいけないと思っている。情に流された時点で仕事は失敗する物だと認識しているし。
そんな訳で、報酬を聞き出した後で対象の人物が拘束されているというおおよその場所を聞いてから、それまで聞いていただけの酒呑童子と茨木童子に聞いてみた。
「今から俺らは目的の拠点に行くけど、君らはどうする?」
「そう。時と場合によっては大暴れでもするん?」
「その可能性は否定できない。なんせ、サーヴァントとして使役するつもりらしいし、相手方にサーヴァントがいれば戦闘は避けられないだろうな」
「せやったらうちらも祭りの気分で暴れまわりたいわねぇ」
「ほう。酒呑が行くなら一緒に行くしかないな」
酒呑童子と茨木童子はどうやら、途中でイリヤ達に合流したはぐれサーヴァントらしいのであくまで第三者として参加するつもりらしい。
まぁ、いないよりかはマシだと思いながら婆ちゃん達に声を掛けて事情を説明すると、彼女は怒りながらも一緒に行くと言ってくれた。
なんでも孫の俺より、年下の少女を無理に手籠にするのは許せんという事らしい。
そのおかげで、彼女に従っているサーヴァント達もついてくる事になったのだがその中で一番、驚いたのはキャスギルやオジマンディアスが素直に彼女に従っている事だ。
言論やら性格は変わらないが、その行動の節々から彼女を信頼している様子でそれを見た時は戸惑いを隠せなかった。
とはいえ、婆ちゃんに問いただしても素直な返答が返ってくる訳でもないので準備をしっかりしてから、現地に向かおうとしたのだがここで問題が発生した。
それは、イヴァン雷帝がデカすぎるのだ。
デカい事は良いんだが、そのデカすぎる図体で動き回られるとどうしても目立つ上に宝具である巨躯の像は、数キロ先からでもわかる大きさなので徹底して隠密行動には向いていない。
ロシアの皇帝だから、隠密行動はしなくて良いのだろうがだからと言って今回の場合、その迫力が仇になりかねないのだ。
さて、どうしたものかと考えていると婆ちゃんがこう言ってきた。
「だったら敢えて目立たせる行動を取らせればいいんだよ」
「てぇことは………」
「馬鹿デカい象で近くまで行進してから別行動を取らせるのさ。そして時が来たら戦わせれば良い。火力だけで言うならこれ以上にない強さだしね」
「あー、それだったらいいかな」
婆ちゃんが言いたいのは、その目立つ姿を陽動に使ってその間に俺達は対象のサーヴァントであるクロエちゃんの救出をして、可能なら悪徳マスターの抹殺をすると言う事だ。
まぁ、あくまで主目的が救出なので抹殺は補助的な意味合いが強いが、だからと言ってやらなくていい理由にはならない。
相手方が組織化された集団なら、報復目的で攻撃を仕掛けてくるだろうから叩けるうちに叩いてしまおうという事だからだ。
まったく、傭兵になったはいいが報復を恐れる事になるとは思っていなかったが世界が崩壊した以上、それまでの常識やルールはないと言っても過言ではない。
だから未だに俺は捕まっていないし、デカい建物を造っても文句は言われないし、警察や自衛隊も来ていない。
そのため、俺達は依頼を完了するために行動を取った。