「………ちっ、やっぱバレるか」
「ふん!どうせ、暴れるんだから早いか遅いかのどっちかでしかないよ。正面突破に限る」
「ったく、陽動云々はどこに行ったし」
俺と婆ちゃんは、それぞれの双眼鏡で進行方向にある依頼の対象となったある拠点を見てそう言い合った。
その拠点は、俺達の拠点や航達がいる拠点とは違って幾つかの建物が残っている拠点であり、そこに陣取っている奴らの事を前から多少なりとも聞いていた。
これが奴らの組織名であり、サーヴァントを絶対的な悪と認識していて世界を崩壊させた元凶とみなすカルト的教団と同時に、サーヴァント達を倒す為にはあらゆる手段を使って滅ぼすクソ共の集まりだな。
世界を崩壊させたのは、エネミーと呼ばれる魔獣達が偶然である魔力の暴走で並行世界のこの世界に来ただけであり、サーヴァントだけを倒しても元の世界には戻らない事を解さないアホ共でもある。
まぁ、fateをよく知らない連中からすればサーヴァントも魔獣と同じに見えるだろうが、まったくの別存在なのは共に生活していても明白な事実だ。
その集まりの中に、サーヴァントを手籠にする奴がいるだけでも充分な矛盾が発生しているのだが、それ以上にムカッ腹がして仕方ねぇ。
人間、十人十色という言葉があるようにいろんな考え方や心情があるから1つにまとめる事はできねぇ。
だから、どんな組織を作ってもいいが相手の同意も無しに無理矢理、手籠にするのは許せねぇし、そもそも幼女は遠くから見守って愛でる為にあるもんだから余計に許せねぇんだ。個人的に。
そのため、何がなんでもあの拠点にいるターゲットを見つけ出して捻りミンチにしてやろう、と意気込んでいると婆ちゃんがこう言ってきた。
「そう言えば、守んとこは子供系サーヴァントだけだね。理由があるんだろう?」
「まぁ、しがない理由だが………」
「どーせ、幼女好きが発症したんだろう?婆ちゃん、許さないからね」
「!?」
(なん………だと………!?あの寛容な婆ちゃんの口から許さない、だと!?)
そう思いながら、混乱しているとこう続けた。
「あの子達を残してくたばったりしたら許さないからね」
「あっ、あぁ………死ぬつもりは毛頭にねーすよ」
そっちなのね、と思いながらホッと息を吐くと敵に動きがあった。
「ん?あれは………弓矢か?」
「その様だね。おい、ギルガメッシュ!ちゃんとした弓の打ち方を教えてやりな!」
「この我に命令を出すのはあんただけだぞ、雑種」
婆ちゃんの指示に、キャスギルがいつもの口調でそう返しながら宝具である
その結果、遠目でも分かるほどに死傷者を大量に出した様でパニック陥っていると判断して俺もイヴァン雷帝の宝具、
すると、婆ちゃんがイヴァン雷帝に指示を出して宝具を解除させたのでそのまま、落下死する危険があったが偶然にも項羽が婆ちゃんと俺を自身の背中に乗せて降りてくれた。
それと同時に、各々のサーヴァント達も自力で地表に降りていったのだがジェットコースターも真っ青な降り方だったので情けない叫び声を上げてしまった。
その結果、後で笑われるなと思いながらも絶対に次回はマシな降り方をしてもらう事を決意しながら、周囲を見渡すと目指していた建物から人々が武器を持って出てくるのがわかった。
どうやら、移動手段か地上に降りた事で戦力差を生かせると思ったのだろうが生憎、こっちにはサーヴァントがいると思って指示を飛ばそうとしたが敵方にもサーヴァントがいた様だ。
建物から出てくると、人々の先駆けとして俺達の前に立ってこう言ってきた。
「マスターの命令によっててめぇらをぶっ潰しにきたぜ!」
「AaaaaAaaaa!」
「君らには悪いがくたばってもらう」
バーサーカーのランスロットに森長可、バベッジか。
長可はともかく、バーサーカーになったランスロットは
特に、俺のサーヴァントは幼女だけなので俊敏さはいいとしてもパワーと耐久力がねぇ。
酒呑や茨木なんかは、絆レベルが低いからやりあっても力負けしそうだし、イリヤや美遊は魔法少女なので論外。
残るは婆ちゃんのサーヴァントなのだが
「先に行かれよ、主導者の孫よ」
「いいのか、項羽さん」
「ここは我らが相手をするとしよう。何、彼の者達には引けを取らぬ自信はある。それに、彼女達のサポートもあるしな」
「………婆ちゃん、任せていいか?」
彼らの言葉に、頷きかけたがその前に彼らのマスターである婆ちゃんに了承を得ないと前に進めない、と思って聞いてみると強い口調でこう言ってきた。
「とっとと連れて帰ってくるんだよ。そして、この依頼を出させたクソ野郎をぶっ飛ばしてやりな!」
「恩に着る、みんな!」
彼女の表情を見ると、本気で怒っている様なので婆ちゃん達にそう言ってから俺のサーヴァント達に合図して走り始めた。
「………良き、人物だな」
「あぁ、悪くない。まったく持って悪くない」
「さぁて、私らはあいつらを叩きのめして追い付かないといけないけど、虞美人達も行けるかい?」
孫である守達が走っていった後、彼女と彼女のサーヴァントである項羽とイヴァン雷帝とそんな会話をしてから他のサーヴァント達に聞くと既に気合い充分と言った感じで返してきた。
「当然だわ。なんせ、項羽様に無様なとこ、見せられないしね」
「私もいつでも行けますわ!」
「ふん!誰に向かって聞いている、雑種よ!」
「余を甘く見てもらっては困るな!なんせ、太陽の化身だからな!」
口々にそう言ったが、それも自分達のマスターである邦子を慕ってのことであり、決して悪い感情はない。
寧ろ、彼女や守の世界に来てもこうやって他のサーヴァントと戦えるのなら、充分に満たされているのだ。
そのため、双方がそれぞれの得物を構えると戦いが始まった。