「なぁ、誰か説明してくれよ」
横須賀のマスターを
尚、まだ契約を済ませていないイリヤ達はその間でおたついていた。
互いのサーヴァント達は全員、既に集まっていて相対しているサーヴァント一向に対して敵意を示していたが、そんな中でアビーちゃんがこんな事を言ってきた。
「私達はなぁにもしてないのに、いきなりこの地を崩壊させようとしたから止めに入っただけよ?」
「だからってここまでの雰囲気になりますかねぇ?」
「問題ないでち。ちょっと痛めつければすぐに帰るでち。あっちのマスターは弱々マスターのインポ野郎なので問題ないでち」
「………おぅ、無闇矢鱈に喧嘩を売るんじゃねーよ。事実だけどよ」
アビーちゃんと紅閻魔の言葉に、向こうから殺気が溢れ出したので否定せずにそう言うと更に殺気立ったので内心、ビビりながらどうしたものかな?と考えていると向こうのマスターが降りてきてタマモキャット達に事情を聞いた。
つーか、そっちにはシトナイがいるのな。こっちのイリヤは、未だに俺達の行動に疑問を持っていて契約できてないのにそっちはできてるとはたまげたなぁ。
そして、タマモキャットが向こうのマスターの質問に答えた言葉でアビーちゃん達を殺気立たせた。
「無用ではないゾ。ご主人の周りの鼠を狩るのはキャットの宿業なり」
「………!」
「言葉が過ぎるぞキャット! すまないがバーサーカーと言うか、タマモキャットのセリフは聞き流して貰えないか?」
うわっ、いきなり爆弾発言したよ。このキャット。
アビーちゃん達を鼠扱いするとか、怖いもの知らずの馬鹿か、何か秘策でもあるのか。
確か、あのキャットってバーサーカーじゃなかったっけ? フォーリナーのアビーちゃんは天敵じゃね?
それを無視して、あの爆弾発言だとすれば余程の自信と余裕があるか、もしくはアルターエゴぐらいしかねーぞ。
(クラスが変わる、とかか? あり得るのか、そんな事)
そんな事を思いつつ、俺は言葉を発しようとするとその言葉を遮る奴がいた。
「俺は別に 」
『残念ですがそれは無理ですね〜。仮グランドマスターさんのサーヴァントは愛が深い方達ばかりですから、これはもう流血沙汰からの身ぐるみ剥ぎ取らねば済まない流れですね〜』
「煽らないでルビー!?」
またお前か! これで何度目だよ!?
最初はキャスギルに不敬な事を言ってた、なんて本人に虚言を言ったから室内なのに空中からビームを喰らったんだぞ!?
途中から、俺が
だからって、そうやって煽って面白おかしくしないで!
『イリヤさんイリヤさん。もういっその事、真っ黒な悪党である仮グランドマスターなんて見切って、あちらにお引越ししましょうよ。あちらならイリヤさんと美優さんの貞操の危険も無さs 』
「ルビー!!??」
そんな俺の願いを無視する形で、愉快型魔術礼装がそう言ったので空間能力を使ってそいつをイリヤの部屋に放り込んだ。
こうしないと、更に荒れそうだなと思っているとシトナイが火に油どころか、石油以上の物をぶち込んできた。
「いいわねそれ。私の
「ゑ? だんなさま…? えぇぇっ!?」
あーあ、その言葉でイリヤがドン引きしたじゃねぇか。
俺自身は彼女とか、美遊に対してそういったセクハラ会話などはしてないがアビーちゃんやメドゥーサが、そう言った話をしてる筈だからそれを聞いている可能性がある。
つまり、真面目そうな院長先生が実は俺と同じロリコンだったなんて聞いたら驚くだろうな。
俺も彼女の言葉に、同じロリコンとして認識を変えないといけないのか、と思いながら驚いていると彼女は言葉を続けた。
「ええそうよ。院長先生は私の旦那様。毎日優しくシてくれるわ」
「するって、するって…」
「多分、彼女の発言は嘘だと思うぞ?」
「え?」
とはいえ、頬が赤くなり始めているシトナイ対して俺はイリヤに理由を言った。
「だって、彼女の挙動にそういった兆候、興奮とかの仕草なんかがねぇからな」
「………どうしてかしら?」
「俺も伊達にロリコンじゃないからな。ロリババァとかでもそういった体の変化や瞳の開閉、そいつを包んでいるオーラと言った要素から想像してそう判断した。これも、アビーちゃん達のおかげだが」
「マスター………」
全ては言わなかったが、その言葉にアビーちゃん達はうっとりとしたのでシトナイのマスターである彼が彼女を制した。
「シトナイも嘘をつくな。お前はオーディンから押し付けられただけで、一度も同じベッドに入れたことは無いだろうが」
「ふふっ、そうね。でも、旦那様が望むならいつでも受け入れる準備は出来ているのよ?」
彼女の言葉に、彼は吹き出したもののそんな時に何もない空間から声がした。
「そないになったらおもろうないですしぃ、あんさん隙だらけどすえ」
その言葉に、彼は硬直したものの俺としては酒呑さんにナイスタイミングと言いたい。
如何せん、今のままだとサーヴァント同士の戦争が勃発してヒデェ事になりそうだからこのまま、事態収束に
「 ってオイ! 勝手に殺そうとするな!」
「問題ないわ。そのための私だもの」
そう思った瞬間、酒呑さんが己の爪で彼を殺そうとしたのだがその寸前でルーンが発生して即死は免れた。
それと同時に、酒呑さんの行動が引き金となってタマモキャットが行動に移した。
「ブッ血Kill!!」
「っ!? 殺すなキャット!!」
「………あぁ、そうかよ!」
タマモキャットが、獰猛な笑みを浮かべて地面に爪痕を刻みながら静止する彼の言葉を置き去りにしながら跳んだ。
それを見た瞬間、俺は腰のホルスターに入れてあった拳銃を抜いて空に向けて引き金を引いた。
「戦闘開始!」
銃声と共に、俺がそう叫ぶとこちらのサーヴァント達が一斉に動き出した。
そして、俺は取り出したホルスターに拳銃を戻してから持って来ていたサブマシンガンに切り替えて、無駄だと思うが彼に向けて3発ほど撃ってみた。
「大丈夫よ」
「………」
すると、当然ながらシトナイが氷の壁を形成して弾丸を防いだ。
一応、拳銃弾の中でも最大火力である12.7ミリの50AE弾と言うものを使っているのだが、所詮は対人戦の武器だな。サーヴァントには威力不足だ。
「火力不足か…なら、削り取る!」
そのため、セミオートからフルオートに切り替えながら今度は2つのドラムマガジンを空にする勢いで連射した。
「ちょっ!?」
「大丈夫!」
その結果、氷の刃を持って酒呑さんを警戒していたシトナイの言葉と共に100発近くの弾丸は軌道を逸れて明後日の方向に向かったため、ある事に気が付いた。
「ちぃ! 『矢除けのルーン』か! メドゥーサ!」
「うん、わかってる」
指示と同時にメデューサの魔眼が彼を捉えるが、しかし変調らしき気配はない。
「………? 弾かれた?」
「うん。他のルーンもかけてあるみたい」
「あぁ、マスターを無防備にしておく訳無いでしょう? 院長先生には百個のルーンが刻んであるわ。 矢避け、対石化、対呪術、対魔術、汎ゆる障害から守れるよう刻んだルーンを抜きたければ、サーヴァントに身を落としていない神霊を連れて来なさい」
「ハリネズミかよ!?」
「有り難いけどせめて断れよ!?」
俺の疑問に、シトナイはそう言ったのだが院長先生と一緒にツッコミを入れてしまった。
しかし、彼女は何事もなく、ツッコミにこう返した。
「だって言ったら絶対自分より三笠を優先って言ったでしょ?」
「そうだけ…」
まったく、どこまで行ってもアマちゃんだなと思っていると急に彼がふらついたのでシトナイは更に続けた。
「あ、ルーンは院長先生の魔力を吸い上げて発動するから注意してね?」
「だから先に言えよ………」
随分と難儀なルーンだな、と思いながら空になったマガジンを交換したのだが、その間にレムが飛び出して来て手持ちのショットガンなどを連射して来た。
因みに、レムは先の広海さんの依頼の後にレベルアップとロリンチちゃんが持ち寄ったガラクタによって、魔改造と言っても過言ではないほどに火力が強化されている。
頭の上にショットガン4丁、と言うのは変わらないが連射速度と火力が倍以上になった挙句、丸っこいシルエットの下にM2重機関銃を備え付けられた。
この重機関銃は、米軍が第二次世界大戦から幾度となく改良されながら基本設計は変わらず、その信頼性の高さから崩壊前は世界各国の陸・海・空軍で広く使われていた機関銃である。
その弾丸の太さは、12.7㎜NATO弾を使用しているのだが威力自体は20㎜機関銃よりかは劣るものの、持ち運びが可能な銃器の中ではトップクラスの威力だ。
これにより、中距離から先の火力不足を補える様になったのだがその弾幕さえも魔力的にシトナイの使い魔だと思われる存在に防がれた。
防がれているレムの弾幕を縫う様に、サブマシンガンの弾幕とメドゥーサが投擲したヘルペーの刃先を防ぎながらそのまま、鎖を掴んで巨体に相応しい膂力でメデューサをぶん投げる。
その力に、驚きながら彼女の名を叫んだ。
「メデューサ!!」
「問題ありません」
俺の叫びに、彼女は軽やかな身動きで綺麗に着地したので一息付いてから周りを見渡すと、イリヤ達がまだいた。
「美玲さん………」
「はぁ………今は言いたい事が山ほどあるが後回しだ。戦う気がないんなら離れてな」
「すみません」
俺の言葉に、彼女達は静かにいなくなったのだ。
「魔力が尽きれば『矢避け』は切れる。だからそうなるまで叩き込んでやるよ!!」
「くそっ!!??」
そして、彼女が去った後に弾幕を張るとそれを躱してその間に彼は持って来ていた銃、しかもAKシリーズのどれかを手に取ってから弾幕を張ってきた。
「ぬおっ!?」
その行為に、一旦は回避行動を取ったものの背後にあった壁に実弾でできる凹みがなかったため、こう言った。
「殺す気がねぇんなら銃なんか、人に向けるな!」
「それはこっちの台詞だ!!」
そう言いながら、こちらからも弾幕を張ってみたが手段こそ、わからなかったが先ほどの魔力消費から回復した様で全くと言っていい程に当たらなかった。
「これじゃあ、消耗戦だ」
そう呟きながら、彼を煽ってみる。
「簡単に人を殺そうとしやがって、お前は何様だ!!」
「何様もクソもない! 俺達はただやりたい事をやり! 守りたいものを守るだけだ! それをテメェの勝手な主義主張で片付けて押し付けんじゃねぇ!」
「黙れクソガキが!!」
俺の言葉に、彼は何かが切れた様にそう返して更にこう捲し立てた。
「テメエのそれはただのガキの
その言葉と共に、彼はブチギレながらある行動を取った。
「そんなにほざきてえならV6の『未成年の主張』でやってろ!!」
「っ!?」
彼はクルリとこちらを向いて、爆発させた魔力を推進力として加速してから俺の鼻面に思いっきり、AKの銃床を叩き込もうと行動した様だ。
しかし、その余りの粗い行動に少しは驚いたがこちらも対策を打つ事ができた。
「がぁッ!!」
彼はその加速力のまま、俺の体をすり抜けて背中側の地面に墜落した事で多少の擦り傷はできたが難しい事はしていない。
ただ単純に、
そもそも、時空そのものである外なる神の能力を使うアビーちゃんが操る触手から精製した液体にその能力が滲み出ていたのだ。
彼女自身、触手を好き勝手に出し入れできる便利な能力と考えているが俺の場合は違う。
昔から、漫画や小説に接する機会が多かった俺がこの能力を得た時に考えたのは某有名忍者漫画の時空間忍術である神威だ。
これにより、対象を異空間に持っていく事が可能なので攻撃の回避などの手段に応用できるのだが欠点がある。
それは、魔力消費がやたらと多いのでバカスカと使えない事だ。
この魔法を使う度に、その物体の質量分の魔力を使うのでそう簡単に使えない上にバレたらバレたで、俺に攻撃を集中してしまう事を警戒して普段から使わなかったし、この戦闘でも回避不能な攻撃が来るまで使ってなかった。
その結果、不意打ちには丁度良かった様で地面に墜落した際の衝撃で碌に動けない彼にレムを近づけてショットガンでトドメを刺そうとした瞬間、タマモキャットが庇う様にレムを攻撃した。
しかし、その一撃で壊れない自信があったので距離を取りながら衝撃を逃している間に彼女が院長に声をかけた。
「無事かご主人!?」
「ああ、それよりも………」
心配するタマモキャットに、院長は周りをキョロキョロと見渡していると俺の後ろから声が聞こえた。
「マスター………大丈夫かしら?」
「あぁ、大丈夫だ。ただ、想定以上に魔力を消費してしまったよ」
「そう。ならマスターを苛めるなんてあなた達、とっても悪い人ね!!」
少しふらつきながら答える俺の言葉に、彼女は己の魔力を高めて黒いドレスから素肌が大きく出る服装になり、小麦色の肌と金髪は色素が一気に抜けていった。
(あぁ、あれをやるのか)
その姿を見て、俺は彼女が行う事を悟った。
「悪い人たちは皆、遠くに行ってもらいましょう」
まるで、夢うつつを彷徨うようにそう嘯くアビゲイルの魔力を感じ取ったのだが、かなり背筋の凍るものだったものの俺は対象外なので冷静だった。
しかし、その力を院長も感じた様で慌てた彼がタマモキャットにこう言ったがもう遅い。
「っ、何がなんでも止めろキャット!!」
「いぐなぁ…いぐなぁとぅふぐぅん…」
アビーちゃんの額の鍵穴から光が溢れ、彼とタマモキャットを飲み込みかけたがその刹那、タマモキャットがある事をした。
「ご主人!!」
「キャット!!??」
「ほぉ?」
それは、彼女がその身を挺して院長を光の範囲外に投げ出したため、彼は無事になったのだがその代わりにタマモキャットがアビーちゃんの宝具をもろに受ける事になった。
「
その結果、タマモキャット自身が認識するだけで精神を汚染される光に飲み込まれて消滅した。
「………キャット?」
その光景に、院長は呆然として現実を受け入れられずに膝立ちの状態で放心した様にそう言ったが、彼の言葉に答える存在はもういない。
その事を実感して思わず、俺の心配は杞憂に終わった様だったと笑みを浮かべそうになったが気を引き締め直して、後は紅閻魔達の状況を確認するだけだ。
「があっ!?」
「中々手こずらせてくれまちたね。そう言えば、あんた様を解体したら獅子肉と牡丹肉のどっちになるんでちかね?」
そう思っていると、紅閻魔がアタランテをボコボコにしてくれた様で所々、出血が確認できるもののすぐに回復できる一方、アタランテはその傾向が見られないほどにボロボロだった。
その他にも、続々とサーヴァント達がやってきた。
「竜殺し持ちやったさかい危なかったどすがぁ、なんぼが強かったのはうちの方みたいやねぇ?」
「………やっぱり、シロウがいないときついなぁ」
お互い、深手を負いながらも勝敗はほぼ着きかけた様で酒呑さんは余裕そうだがシトナイは苦しそうだ。
「グォン…」
「厄介でしたが所詮は使い魔でしたね」
その一方、メドゥーサは力が尽きて魔力として飛散したシトナイの使い魔を見ながら鎌を振って血のりを払っていた。
それらの勝敗を見て、俺は持っていたサブマシンガンを彼に向けてこう言った。
「お前さんには覚悟が足りねぇ。何かを捨てても己の守りたいという覚悟がな。残念だが、それに気付くのが遅すぎた」
そう言ったものの、彼はまだ茫然自失といった感じでまったくと言っていい程に動かなかったので、彼の側頭部を銃床で殴り付けてから酒呑さんを呼んでこう言った。
「他の場所に連れて行って処分しろ。やり方は問わない。ここでやるとギルガメッシュがうるせぇからな」
「おおきに。そないならうちが貰いますえ。人の肉食うんも久しぶりやきに愉しみどすなぁ」
俺の言葉に、彼女はそう言って美しいと思える妖艶な笑みを浮かべながら彼の喉を片手で掴んで、締め上げながら持ち上げて宙に浮かせた。
その苦しさに、彼は顔を赤くさせて力なくパクパクと口を開閉させたがその程度で息ができるとは思えない。
そして彼が最後に何かを呟いた瞬間、俺は空間にヒビが入って姿を現したサーヴァントを見た。
そのサーヴァントは、ガラ空きとなった酒呑さんの腹をデカい手で切り裂きながら院長をその身に引き寄せると距離を取った。
ありえねぇ……だが、確かに見た
ありえねぇ………だが、彼女は異空間からこの空間に現れた
ありえねぇ…………だが、確かにアビーちゃんの宝具は発動した
ありえねぇ……………だが、クラスの得手不得手を何かしらの方法で突破した
あり得ない状況に、頭が混乱したものの冷静に状況分析をしてからこう言った。
「………なんでバーサーカーのタマモキャットが、フォーリナーのアビーが発動した宝具を喰らって無傷、しかも精神汚染されてねぇ状態で帰還できたんだ?」
腹の中身をぶち撒けながら、ケラケラと笑う酒呑さんを見下ろしてからタマモキャットの方を見て静かな疑問を聞いたタマモキャットは胸を張りながらこう答えた。
「キャットの居場所はご主人唯一。外宇宙の果てだろうが蒼穹銀河の端であろうがご主人の呼びかけに即参上するが正妻の特権なのだワン。キャットを染めたくばご主人の残り湯を浴びてから来るがいい!!」
「キャット………」
その言葉に、院長は安心した様に答えたが戦いの最中に感じていた懸念していた内容が現実になった事を実感して、俺は行動に移した。
まず、負傷した酒呑さんを別の場所に転移させてからそれと並行して魔力回復を行った後、タマモキャット達に銃口を向けながら銃と体に魔力を通して移動速度と弾丸の威力を上げてかは、あらゆる方向から弾丸が当たる様に移動しながら引き金を引いた。
この間の時間は、能力である時空を操ってこの場にいる全員が認識できないほどの速さでやったものの時間を戻した瞬間に防がれてしまった。
そして
「
その言葉と共に、彼女から膨大な魔力が噴出したので最早、相対しているタマモキャットはバーサーカーではなく、アルターエゴとしてのタマモキャットだろう。
その事実に、彼女の解説が耳に入らなかったし、魔力の残りもそう多くなかったがここで諦める訳にはいかない。
俺との出会いを求めて、来てくれたアビーちゃんや何かと気にかけてくれる婆ちゃんとそのサーヴァント達、そして俺達の噂を聞き付けてやってきた多くの人達を守るために無駄な足掻きかもしれないが、最後まで諦めずに抵抗してやろうじゃないか。
「アビー、そしてこの場にいるみんな。俺に力を貸してくれるか?」
「勿論よ、マスター」
「あの猫があそこまで暴走するとは思いまちぇんでちたが、ここまで来るとあちきも地獄に堕ちるのは当然の宿命。ならば、最後までお供するでちよ」
「うん。マスターと出会えたし、悔いのない生き方だったよ」
俺の問いに、アビーちゃん達は笑顔で応えてくれたので残った魔力を総動員して対抗する事にした。
「………俺は、俺達は負けねえ!!」