すまねぇ、本編を作る以外に私生活の方でも多少、忙しかったので遅れてしまいました。
とはいえ、今回と次回はアルテマ様の『崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話』とコラボします。
以下がコラボ先の小説のURLです。
https://syosetu.org/novel/201236/
実は、前々からオファーの方を出していたのですが本編を作成するのに手間取ってしまい、最近になってようやく内容の確認をしていただく事になってしまいました。
情けねぇ作者で申し訳ないです(土下座)
まぁ、投稿するにあたってアルテマ様にも確認してもらって修正箇所を直してから再度、確認してもらったらGOサインが出たので投稿する次第になります。
向こうの了承を得ているので、内容としては大丈夫だと思います。
それでは、前置きが長くなりましたが本編をどうぞ。
「よーし、出発するぜー!」
玉藻の前との遭遇から暫くして、ようやくと言っていいほどに傷が完治したのでアビーちゃん達と共に東京でイルカショーを行なっているサーヴァントの所へ向かう事にした。
「マスター? 運転しても大丈夫なの?」
「片目の事か? 能力が覚醒したせいで車とのリンクが無意識に出来る様になったらしい。目を瞑っても手足の様に動かせるよ」
アビーちゃん達を乗せ、東京へ向かっている時にアビーちゃんが心配そうに聞いてきたので俺は平然と答えた。
正直、半ば覚醒したかの様な錯覚をするレベルの能力向上を感じ取れたので今回の観光の前に婆ちゃんと一緒に、運転をして大丈夫なのかを確認するために拠点の周囲を見て回ったのだ。
その結果、運転は能力向上前とほぼ変わらずに出来た上にその際、車と一体化したかの様な感覚があった。
なんて言うか、ディ○ニー映画の1つである『カーズ』の登場人物達の様に俺自身が車体となった感じがした、と言えば分かりやすいだろうか。
まぁ、その結果としてミラーなどに視線を移す事はあってもそれは周囲に物の有無を目視で最終確認を行なうためであり、それ以外は視線を動かさずにレーダーなどの様に一定の距離内の空間を探知できる様になった。
それでも、向上前の癖は身に付いているのでちゃんとではないが目視で確認する様にしている。
それに、眼帯を装備しても特にこれと言って視野が狭くなったとは感じない。
なんて言うか、左目は眼帯越しに景色が見えているのでイメージとしてはスイミングゴーグルを片方だけに装着している様な感じだ。
能力を酷使すればその内、体全体がおぞましい姿になりそうで怖いなぁと思いながら北上を開始した。
そして、拠点から離れると人気が少なくなる代わりに魔獣とのエンカウントが上がってしょっちゅう、エンカウントとするのだが俺が指示を飛ばす前に素早さが高い紅閻魔ちゃんやジャックちゃん、メドゥーサやランスロットが車から飛び出して駆逐してしまう。
なんか、魔獣だと認識したらすぐに飛び出すから能力を使っている最中はアビーちゃん達とリンクしてるじゃないか、と疑うレベルだ。
しかし、この事に関してロリンチちゃんに質問しても適当にはぐらかされちゃうので、聞くに聞けないのだが。
そんな訳で、魔獣から取れる素材を回収しながら件のイルカショーをやっている場所までやって来た。
☆☆☆☆☆
世界が崩壊する前までは、ここから先を東京としていた県境を既に越えて都心から多少の距離がある場所に“それ”はあった。
崩れかけているビル群を片目に、日々を逞しく生きている人々には笑顔があって陰鬱な雰囲気とはかけ離れている様に見える。
そして、活気付く人々が暮らす生活拠点の集合体の中心にはイルカショーをやる為の施設があり、その入場ゲートで次にやる時間を聞くとどうやら1時間後にやるとの事だった。
「じゃあ、見て回りますかね。こちらの生活がどうなっているかをね」
「ちちゅん。それが良いでち。こっちの情報を持って帰って向こうで活かすでちよ」
「そうねぇ。向こうにない掘り出し物の部品なんかがあれば買いたいわ」
「美味しいお酒も飲めればええねぇ」
「肉なんかが食べたいぞ」
「買える余裕があれば買っていこう」
座間とは違う活気に、紅閻魔達も興奮している様で街のあちこちに行って冷やかしついでに軽食がてら、出店で食べ物を買って歩いているとあっという間に時間が過ぎていき、イルカショーの時間となったので目的の施設へと向かった。
「皆様! 本日もたくさんの方々が来てくださって本当にありがとうございます! これより、イルカさん達のショーを始めたいと思います!」
そう言って現れたのは、水着コスのジャンヌ・ダルクでアーチャーとしてイルカ達との完璧なコンビネーションを次々に披露していった。
その光景に、イルカショーを知らなかったアビーちゃん達は大興奮であり、俺としても息を切らさずにやれる範囲じゃねぇぞと思いながら、中々のショーだなぁと感心してしまった。
もしも、崩壊する前の世界だったら相当の盛況っぷりでかなりの人気が出たのになぁと思っていると、イルカを指揮しているジャンヌと目が合った。
そして、アビーちゃん達に目を向けた様な気がしたがイルカ達に指示を出すので忙しいのか、すぐに視線を外した。
恐らく、アビーちゃん達をサーヴァントとして認識したのかなと思いながら最後まで見たが、かなりの完成度だったので俺も含めた全員が満足した。
尚、ランスロットは身長が高かったので観客席の後ろの方に座ってもらった。防犯という意味でも、高性能な彼を離れた距離で周囲を見渡せる場所にいてもらった方が何かと都合が良いからだ。
そして、イルカショーが終わった後にランスロットと合流して帰ろうとした時に背後から声を掛けられた。
「そこの皆さん」
「ん?」
その声に反応して、振り返るとそこにはショーの最中に目が合ったジャンヌがいた。
「俺達に何か用ですか?」
「えぇ、随分と凄腕の方を随分とお連れになっているので気になって声をおかけしました」
「そうですか。まぁ、これだけの大所帯なら気になって当然だぇ」
ジャンヌは一応、営業スマイルとも言える笑顔を浮かべていたがその目は真剣で、俺達に色々と聞きたいことがありそうな雰囲気が感じ取れた。
とは言え、俺達がいるのは会場内の通路であり、他の通行人が通るかもしれないから込み入った事が聞き辛いだろうと思ってある事を持ちかけた。
「なんなら、場所を変えて話しましょうか? こちらとしても聞きたい事がありますので」
「そうですね! では、こちらにどうぞ」
その提案に、ジャンヌは嬉しそうに言いながら案内を始めたので紅閻魔が聞いてきた。
「ご主人、大丈夫でちか?」
「相手の戦力がどの程度なのかは分からんが、少なくともある程度は対抗できるはずだよ。能力的にもその多くを戦闘に回せるしね」
「ちちゅん。ならいいでち。ご主人がそう言うなら、あちきとしても全力を持って話し合いに参加するでち」
「ありがとう、紅閻魔」
「えへへ」
俺の言葉に、彼女は嬉しそうに言ってくれたのでジャンヌのマスターがいると言う部屋に案内された。
☆☆☆☆☆
「招いてくれてありがとうございます。俺は尾頭 守、しがない16歳だけど彼女達と共に傭兵集団を率いています」
「こちらこそ、来てくださってありがとうございます。僕はイルカショーのオーナーです」
ジャンヌに通された応接室には、イルカショーのオーナーである少年がいるのだが歳は俺と同じぐらいだろうか。
名前を名乗らなかった事について、疑問に思ったが現状の日本において自分の名前なんて余程の事がない限りは不要だろうなぁ、と思ってスルーする事にした。質問しても、まともな答えが返ってくるとは思えないし。
そんな訳で、挨拶がてらに俺達が作成した名刺をオーナーに渡すとこんな質問が来た。
「しかし、傭兵ですか。傭兵って聞くとアウトローな感じがしますが」
「そのイメージで合ってますよ。実際、俺らは人に言いにくい依頼も引き受けてますからねぇ」
「人に言いにくい依頼、ですか」
「まぁ、詳細な依頼内容は言えません。依頼した人や組織の情報にもか関わりますから」
とまぁ、依頼内容に関して多少の
何しろ、時間と空間を操る能力を持っていて一定の未来が見る事ができるので一例として、詳細な内容を伝えた際のオーナーの反応を確認したら大概の場合、拒絶反応を示された挙句にジャンヌとの戦闘に発展する未来が見えたからだ。
正直、マスターがいるサーヴァントとの戦闘はキャット達との戦闘で懲り懲りなので、この場においてジャンヌとの戦闘だけは避けたかったからだ。
しかし、未来が見えると言っても全ての未来が見える訳ではなく、こちらが想定していなかった事が起こったり、知らない出来事が干渉する未来までは見えないので万能という訳ではない。
また、限定的な未来が見えるだけで過去を見る事もできないので時間を操ると言っても、未来を見る他は対象の時間を止める事や早める事ぐらいしかできないので実戦においても、やり方を工夫しないでかなり難しいだろう。
まぁ、有り体に言ってしまえば生粋のサーヴァントじゃないんだからうまく立ち回って生き抜くしかないって事だな。
そんな訳で、話を続けようとした瞬間にオーナーのジャンヌがある事をしでかした。
「もうたまりません! 弟君が可愛すぎて抱きついちゃいます!」
「ちょっ、離してよ! ジャンヌ!」
「あぁもう! どうしてそこで意固地になるんですか! 昨晩もエッチの時に『お姉ちゃん♡』って沢山言ってくれたのに!」
「だからってこの場で言うのは恥ずかしいんだけど!?」
それまでの真面目な雰囲気が霧散したのたが、その原因さジャンヌがキャラ崩壊を起こしてオーナーを抱きしめてよだれを垂らしながら頬をすりすりし始めたのだ。
突然の変化について行けず、真面目な雰囲気までぶち壊したジャンヌにやや呆然としているといつから居たのかはわからないが、あるサーヴァントが話しかけて来た。
「あーあ、また始まっちゃったよ。ジャンヌさんはオーナーの事を弟と認識しているので弟ラブが爆発しやすいんですよ」
「君は………小さい方のギルガメッシュか?」
「そうです。気軽にギルくんと呼んでください」
話しかけて来たサーヴァント、アーチャーなのだが小さい方のギルガメッシュがいつもの様子を見る感じで彼らを見てから、そう言ったのでこちらも挨拶代わりに話した。
「そうか。こっちではキャスターの君にお世話になってるよ」
「あー、大変でしょう? 色々と話を聞かなくて」
「なぁに、好き嫌いがわかればどう対応すれば良いのかがわかるから問題はねぇさ」
デカい方のアーチャーギルガメッシュだったら、色々と面倒臭かったがキャスギルの方はまだ話ができるからいろんな話を聞けるのだが、盛大にヘマをかました場合は頭上からビームが来る。
まぁ、加減はしてくれるのでこちらとしてもキツめの説教だと思って毎回の様に受けているほどの物好きなのだが、子ギルの場合は年相応の少年の様な感じが見受けられる。
それでも、将来の慢心王になる奴だから気は抜けないが。
「それならよかったです。それで、今回はどんな用件で?」
「依頼の報酬でチケットが集まってね。イルカショーを見にアビゲイル達と一緒に来たのだが、帰る際にそちらのジャンヌさんに声を掛けられたのさ。今はあんな感じだが」
「仕方ないですよ。オーナーさんが好きすぎるんですからしばらく待っていてください」
「そうさせてもらうよ」
いくら、世界が崩壊してから自由気ままで身勝手に生きて来たからって言っても相手が楽しんでいる最中に話しかけるのは野暮って奴だ。
そのため、2人のやり取りが落ち着くまでゆっくりとお茶を飲みながら子ギルと互いの拠点についての情報交換などを行った。
「………お待たせしてすみません」
「気にしなくて大丈夫ですよ。慣れてますから」
しばらくして、ジャンヌからようやく解放されたオーナーは少し疲れた表情でそう言って来たので、話を続ける事にした。
「それで、俺達を呼び止めた理由はなんです? 理由がないとなればすぐに退散したのですが?」
「そう身構えないでください。ただ単純にわなんで傭兵を名乗っているのかなぁと思ったのです」
「あぁ、なるほどね。普通ならその疑問は浮かぶわな」
そう。普通の人、しかも世界が崩壊する前までごく普通の生活を送っていた人なら傭兵というアウトローなイメージがある職業に就こうとは思わない。
考えたとしても、普通なら何でも屋や民間警備会社として悪いイメージを払拭する職業を名乗るだろうし、その方が多くの人から色眼鏡で見られずに済む。
実際に、色んな人から依頼を引き受ける際も近くの拠点で何でも屋を営む佐藤 航達から斡旋されて来る場合が多い傾向がある。
と言っても、中にはどうしても表沙汰にしたくないマフィア系の人達が俺達の元に直接的に来て依頼を出してくる場合もある。商売柄、充分な対価が支払われれば引き受けているが。
そのため、簡単にではあるが事情を説明する事にした。
「まぁ、ざっくりと言うならその方が動きやすいからだ」
「動きやすい、ですか」
「そそ。今の日本は色々とめちゃくちゃだからね。自分の身を守る事ですら自分達でしなきゃいけない。しかも法律やらなんやらを執行する警察も都心ならともかく、それ以外の場所だと殆ど機能していない状況だ。将来、どうなるかは分からないが現状では特にね」
「………」
「その上で、俺の場合は自由気ままに生きる事が好きだったからアビゲイル達が来た事によって、どの組織に属さない自由な生き方を選択する事にしたのさ」
「でしたら、傭兵なんかよりも何でも屋の方が良くないですか?」
俺の言葉に、オーナーが質問して来たので傭兵を名乗るきっかけについて話す事にした。その後の展開が面倒になるから話したくはなかったが。
「実は俺、人を殺してるんですよねぇ。しかも何人も」
「っ!」
「初めは同級生を、その次からは依頼で殺めたり、拷問を仕掛けて情報を聞き出したりしている。俺が、俺達が自由に生きて生活する上でね」
「そうですか。それは大変でしたね」
「………」
俺の言葉に、ジャンヌは同情する様に声を掛けてくれたがオーナーの方は良い気分ではない様子で、複雑な感情を抱いている事が表情でわかった。
「しかし、傭兵とは依頼に対する対価によって動く存在です。貴方達もその事を承知の上で動いていると思いますが対価によっては私達、特に愛する弟君を傷付けるかもしれません。その可能性を排除できる根拠を提示してください」
「根拠かぁ………難しい事を言いますねぇ」
確かに、傭兵はその内容に対するお金や対価によって動く事が基本であり、条件が良ければ依頼主を選ばない存在でもある。
つまり、条件が良ければイルカショーを行なっているオーナー達を良しとしない組織に依頼されて来るかもしれない、とジャンヌは疑っているのだ。
書面で契約する、と言っても法の支配が及ばない現状ではただの紙切れによる拘束力はゼロに等しいし、そもそもアウトローな存在である以上は彼女とは正反対の存在と言っても過言ではない。
こちらがどう見繕っても、彼女が信じるに値する何かには程遠いもので口約束程度の信用しかない。
そのため、俺達とオーナー達の間で成立するものが必要となるのでこちらが提示できるものを模索する。
(婆ちゃん達に頼むか? いや、婆ちゃん達も傭兵だから彼女の信用に値しない。佐藤達とはなるべく干渉しない事で合意してるし、サーヴァントを敵視しているカルト教団なんてのは論外だ)
そう、こちら側の人間がいくら証明しても実際にやっていない証拠を出すのは難しいので、水掛け論に発展しかねないからこれは選択肢から外す。
(となれば、神様ぐらいしかいないのだがオーディンを始めとする北欧神話の神々とは対立したから何されるかがわかったものじゃない。オジマンティアス経由でエジプト神話の神々を仲介役として約束事をしても良いが、彼らもまた北欧神話の神々と対立しているからそっちで手一杯らしい)
神様の加護がない分、内部干渉されないのが良い点ではある一方でいざという時に味方になってくれないのが欠点である。
今回の場合、ジャンヌ達に危害を加えないという事を立証できる材料が必要なのだが、それをしてくれる神様がいないのが裏目に出た状況である。
その事から、ある考えに至った。
(となれば、後は玉藻の前を筆頭とする日本の神々かぁ。こうなるんだったら、軽はずみで煽って院長らと対立するんじゃなかったぜ)
顎に手を当てて、考え込んだ末の結論に深いため息を吐いてから持っていた肩掛け鞄から縦長の箱を取り出して、その中から手持ちの小さい呼び鈴を取り出した。
「………それは、呼び鈴ですか?」
「えぇ、とある方が必要な時にこれを使って呼ぶ様に、と言われたんです。こちらとしては、使いたくはなかったんですがね」
ジャンヌの問いに、そう答えてから呼び鈴を鳴らすと何もない空間からその存在が姿を現した。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャーン! みんなの巫女狐である玉藻の前でーす」
「えぇ………」
ドロン、と煙を出しながら姿を現したのは俺達に事情を聞きに来たキャス狐である玉藻の前である。
彼女はマスター持ちのサーヴァントではなく、神々との仲介役をしている存在なので何処かで召喚されているであろうサーヴァントとは違う存在である。
彼女に頼むと、その対価を支払わないといけないので今回の件で何を注文されるか、わからないがこうなった以上は狐の手も借りたい気分で玉藻の前を呼び出した。
その状況に、それまで黙っていたオーナーは驚き半分でそう言ったのだがそれを無視して玉藻の前は俺に聞いて来た。
「それで………何の理由で呼び出したのかしら?」
「あぁ、とある依頼を神々に出したい」
「ほほぅ、この玉藻の前を中継して依頼を出すとは前回の事が冷め止まぬ時に大きく出ましたな」
「現状では、この依頼を頼めるのは貴女しかいないからねぇ」
俺の言葉に、彼女は怪しげな笑みを浮かべて返して来たので事の重要性を伝えると話を促して来た。
「それで? 依頼の内容とは?」
「そこにいるオーナーとジャンヌ、そして彼らの元で働いている従業員達に今後一切、危害を加えない事への証言と証拠の提示を彼らが必要な時にして欲しいんだ。無論、その対価は応交渉となるが」
「ふふん、人間とは実に難儀な存在だな。自分の立場やその他諸々の末にこうして神にすがるのだから」
依頼内容に、玉藻の前は愉快そうに笑みを浮かべてそう言ったのだが、仕方のない事なので頭を下げながら話を続けた。
「貴女方からすれば滑稽なのかもしれないが、こちらとしては真剣なのでね。よろしくお願いしたい」
「僕からもお願いします。この人達と会話をしていくうちに、一概に悪い人達だとは思えませんので」
すると、それまで黙っていたオーナーからもお願いする言葉が出て来たので玉藻の前はこう言ってくれた。
「承った。決して悪い様にはしない。依頼のお駄賃はこっちから取るから安心して良いぞ」
そう言いながら、俺の頭を掴んでグリグリと撫で回した。
その際、アビーちゃん達が少し身構えた気がするが玉藻の前からは敵意や殺気はないので問題はない。
こうして後日、日本神話の主要な神々の署名が入った契約書が書かれたものが双方に届く、という事で話が纏まってから玉藻の前が姿を現した時と同じ様に煙を出しながら姿を消した。
「………何故、一般人である貴方が彼女と知り合ったのですか?」
「それには色々、事情があってね。俺の過ちで彼女が動く事を起こしてしまったのさ。その結果、しでかした出来事の詫びとして対価を払う事になったのさ」
玉藻の前が姿を消した後、ジャンヌが多少の警戒心を露わにしながら尋ねてきたので説明すると応接室の扉が勢いよく開いて、1人の従業員と思われる男性が息を切らして入ってきた。
「どうしたんです?」
「実は、人間同盟などのカルト教団が攻撃を仕掛けて来ました!」
「っ! どうしてこんな時に!」
「ジャンヌ………」
なんか、俺達が疫病神になった気分だ。
とは言え、せっかくのイルカショーをやっている施設に攻撃を仕掛けるカルト教団とか、イルカを虐めるな!とかイチャモンを言って取り上げる魂胆なのだろう。
アビーちゃん達が楽しんだイルカショーを、潰されては困るので楽しませてもらったお駄賃として追い払うとしますかね。
「みんな、出陣だ。盛大に暴れよう」
「当然、なるべく殺さない様にね?」
「あぁ、勿論だ」
恐らく、オーナーは人を殺す事への覚悟はできていないし、心の用意もできていないと思う。ジャンヌの反応を見てそう思っただけだが。
そのため、今回のミッションは可能な限りの死人を出さずに撃退する事に重点を置く事にして応接室から出た。
で結局、オーナー君の名前って何なんだろうと思ったのは内緒です。