一応、やるべき事はやったから問題ないかと思います(多分)。
問題あったら、向こう側から苦情が来ますので修正はしますので、ご了承をば。
それでは、本編をどうぞ。
「………大通りにカルト集団の人間が200、細い路地にも300ほどだ。後、シャドウサーヴァントらしき奴らもチラホラと感じ取れるな」
「じゃあ、人間達はなるべく殺さずにシャドウサーヴァントは殲滅する感じね?」
「あぁ、今回の勝利条件はこの拠点と周辺施設の防衛だ。全滅するまで暴れていい、という訳じゃない」
「わかりまちた。ああ言った人達はあちき達を憎んでいたり、怖がっている節があるでちから無闇矢鱈に死人は出さないつもりでち」
アビーちゃんの質問に答えると、紅閻魔がそう言った。
現在、俺が使っている能力は普段から身に付けている眼帯を外して黒白目となった左目による空間認識能力の大幅な向上であり、前方500メートル四方の空間に存在している生物やサーヴァントの気配の感知できる。
わかりやすく例えるなら、
ただし、障害物に当たって乱反射する音波や妨害に遭って撹乱する電波とは違って、任意の距離の範囲内にある物体の正確な位置情報を認識できる能力なので魔法の力ってスゲェんだなぁと改めて感じた。
とは言え、この空間認識の能力にも限界があって正確に認識できるのは500〜600メートルぐらいが今の限界で、それ以上の範囲だとモザイクが掛かったように分かりにくくなっていく。
しかも、この能力を使っている間は高い集中力も要求される上に展開している範囲に比例して魔力の消費量が増えていくので、戦闘が長く続けばこまめな補給が必要になる代物だ。
じゃあ、なんで車と一体化している時はそこまで魔力を消費しなかったのかと言うと、あの時は車体の周囲数メートルを感知すればよかっただけだし、それ以上の距離は目に見える景色として認識すれば良かった。
つまり、普通の視野としてみるか、立体的に感知するかの違いなのだが後者の方が魔力消費量が多いのだ。
アビーちゃん達も、その事を知っているのでとっととお帰り願おうと言った感じで気合が入っていた。
そして、今回の様な防衛戦の場合に備えて空間認識の能力をアビーちゃん達とリンクしているため、円滑な迎撃が可能になった。気配を感じ取るだけじゃ不十分だからね。
それと同時に、俺自身が無防備な状態なのでアビーちゃんとロリンチちゃんが周辺に来た人間やサーヴァントを迎撃してもらう事になった。
いや、無防備になるんだったら積極的に攻撃しろよ、というツッコミが入ると思うが今回の場合はイルカショーの施設の他、大勢の人達が住んでいる建物が背後にある。
それらが万が一、荒らされて壊されたらそれはそれで文句を言われるからこのやり方を採用した。
そして、適当な距離に敵対勢力が集まって来たので俺は号令を出した。
「それじゃあ、みんな。やってくれ」
『了解』
その言葉と共に、アビーちゃんとロリンチちゃん以外はそれぞれが目星をつけた場所へと向かっていった。
☆☆☆☆☆
「----------以上が今回の結果だ」
「わかりました。わざわざ、ありがとうございます」
「お気になさらずに。楽しいイルカショーを見れた、とアビゲイル達も喜んでましたのでそのお駄賃としてやらせて頂きました」
「そうですか。なら良かったです」
戦闘終了後、能力を解除して外した眼帯を左目を隠す様につけてからイルカショーをやる施設を始めとした建物の防衛戦は無事に成功した事をオーナー君に報告した。
まぁ、彼としては戦闘そのものがあまり好きじゃない様なので苦々しい表情で聞いていたため、説明を終えた俺はそう付け加えた。
すると、オーナー君の表情は少しマシになったので俺も一息つくとある事に気がついた。
「って、もう夕方っすねぇ」
「あっ、ホントですね。緊張してて気付かなかったです」
「俺達は一応、車で来たので頑張れば帰れなくはないんですが今の日本がこんな状況だと、夜道が怖いんですよねぇ」
「アハハ………」
現状の日本は、崩壊する前だと世界一の治安の良さを国内外に誇っていたがサーヴァントの登場と共に、魔獣達が跋扈する魔境へと変貌してしまった。
例えるなら、街中でもクマやイノシシがうじゃうじゃといる状況で夜に近くのコンビニまで、小さなナイフ1本で切り抜けて目的の物を買って自宅まで帰って来い、という様なものだ。
幸い、俺にはアビーちゃん達がいるからなんとかなるがそれでも戦闘後という事で体を休めたい、と言うのが俺達の本音だ。
俺自身、魔力の大量消費によって虚脱感が尋常じゃないので安全運転ができるかは自信がないし、魔物達は夜の方が活発になるのでここは安全を重視したい。魔物の生態系を観察しろ、という依頼もないしね。
「でしたら、近くにいいホテルがあるので使ってください。案内しますよ」
「では、好意に甘えさせてもらいますかね」
「そうしてください。僕もヘトヘトですよ」
子ギル君の提案に、俺とオーナー君が乗ったのでほぼ同時に立ち上がった瞬間、一定の大きさでとある呪文が聞こえた。
「お姉ちゃんビーーーィィィイイム!!」
「っ!?」
「あっ」
その呪文に、『まさか敵襲!?』と思って身構えて聞こえてきた方向へ振り向くとそこには水着ジャンヌが立っていて、オーナー君にその呪文を唱えた様だった。
そして、先程の呪文と同時にとある事に気が付いてしまった。
それは、彼女が本来のジャンヌ・ダルクじゃなくて姉を名乗る不審者である事を。
いやまぁ、水着ジャンヌという時点で夏イベで色々とヤベェ事になってたけどよぉ。まさか、弟成分を切らしたジャンヌがここで暴発するとは思わなかった。
その結果、当たってしまったオーナー君は危なげにフラついたものの水着ジャンヌが抱きしめた途端、年の離れた姉に甘える少年(弟)の様になったのでやれやれ、またかと思っていたら袖を引っ張られた。
「マスター、私もいけない事をしたいわ」
「いけない事?」
「そう、例えば………いけない子ビーム!!」
「ホワァァァアア!?」
その言葉と共に、なんらかの魔法がアビーちゃんのおでこの鍵穴から飛び出たため、咄嗟に避けてしまった。
だってねぇ。『姉ビーム』に対抗するかの様に、『いけない子ビーム』だっけ?が自分向けて発射されたら誰だって咄嗟に避けるでしょ、フツー。
しかも、アビーちゃんの最終再臨ともなればそれまでの禁欲が解かれて年相応の衝動と欲望を露わにするため、多分ではあるがあのビームを受けると欲望が制御できなくなるじゃないかな。
流石に、公の場である応接室でアビーちゃん達と乱交パーティをすると社会的にくたばるので一先ず、ホテルに行って入室してからビームの効果を確認しようと思う。
そう、提案したら子ギルは苦笑いしながらも「仕方ありませんね。案内しますよ」と言ってくれたので、彼について行った。
てか、バサスロよ。俺の背後、50センチの距離に立って追尾してくるのはやめてくれ。圧が高いし、周りの人が怖がってるから。
☆☆☆☆☆
翌日、アビーちゃん達7人を相手にエッチをするのは骨の折れる作業だった。
いやまぁ、女性とやれるなら文句はないんだが搾り尽くす勢いで迫って来るのはよしてくれ。ぎっくり腰になったら誰があの装甲車モドキを運転するんだよ。
ただでさえ、戦闘後の疲労が溜まっていたから聖晶石を使ったりしながらやったからそのうち、やりすぎで腹上死したマスターなんて事になったら死んでも死に切れない。嬉しいけども。
そのため、少しふらつきながら食欲がない状態で朝食を取っていると子ギルがやってきて話をしてきた。
「あっ、いたいた。傭兵の皆さん、オーナーさんが呼んでますので食べ終わって荷物をまとめたら昨日、応対した応接室に来てください。話があるそうですよ」
「わかりました。………今からだと大体1時間から2時間ぐらいで準備ができますのでその様に伝えていただけませんか」
「はい。あちら側にそう伝えておきますね」
今の時間は午前9時前なので、大体10時ぐらいには粗方の準備は終わって出発する事ができる筈だ。
その前に、イルカショーのオーナーとジャンヌから話があるとなれば昨日の戦闘ぐらいだろう。
昨日の時点で、ある程度の交流があったとしてもそれはあくまでビジネス的な意味合いが強かったと思っているため、そこまで仲が良くなったとは思えないんだよ。
こちらから攻撃をしない、という確約をしたとしてもね。
まぁ、こっちは修羅の道を選んだから認識や覚悟の違いはハッキリしていると思うから仲良くできないと考えているけどね。
そのため、出発の準備を迅速に済ませてから性的に搾り尽くした結果として艶々になったアビーちゃん達を引き連れて、オーナー達の元へと向かった。
「………それで、応接室に来ましたが今日の話し合いの内容について、伺ってもよろしいですか?」
「はい。実はマスター君の方に聞きたい事がありましてね」
「俺に、ですか?」
応接室に入ると、そこにはオーナーの太ももに座っているジャンヌが真剣な眼差しでそう聞いてきたので、ランスロットが身構えたもののそれを手で制してから続きを促した。
「貴方………一体、何者です?」
「ただの人間ですが?」
「聞き方を変えましょう。どうして、ただの人間である貴方がサーヴァントに近い魔力を有しているんですか?」
その質問にランスロットだけではなく、アビーちゃん達も身構えたので再び彼らを制した。
もしも、ジャンヌが敵対するのなら回りくどい事をせずに直に奇襲なりなんなりをすればいい。
幸い、オーナーの元にはジャンヌ以外にもマスター持ちのサーヴァントともいるのだから攻撃を仕掛ければいい。
そうすれば、少なくとも俺達の本性を暴く事ができるのだから目の前の危険はなくなる。
しかし、そうしなかったのは恐らくの範囲であるがオーナーの心構えやらができていないのだろうと推測する。
それに、俺が持つ左目の魔眼による未来視ではジャンヌから敵対的な行動を取るのは限りなくゼロに近いので、こちらがよっぽどのヘマをしない限りは問題ない筈だ。
問題があるとすれば、盗聴や盗撮の類いなので率直に聞いてみた。
「………盗聴や盗撮の類いはないですか?」
「えぇ。元々、この部屋は社長室みたいな様な場所だもの。付ける理由が見当たりません」
(呼吸や脈拍に変化なし。この部屋からそれらしい信号や不自然な電気の流れもないから盗撮対策をすれば問題ないか)
そう思いながら、応接室の窓に一工夫を入れて普通の会話をしているかの様に認識させる魔法を掛けてから、眼帯を取った。
「っ、その目は………」
「俺自身が持つ能力に関係している。普段は人目につかない様に眼帯をしているが能力をフルに使う時なんかに使うね」
眼帯を外すと、オーナーは驚いた様子で聞いてきたのでそう返した。
何しろ、右目は普通の白目と黒い瞳なのに対して左目は黒白目に金色の瞳をしていれば、一般的なオッドアイで済まされる範囲ではないからだ。
アビーちゃん達の様に、親しい間柄であれば気にする事もないだろうが赤の他人に毎回、事情を説明するのは面倒な上に要らぬ誤解を招かない様に普段から眼帯を付けている。
「なるほど。つまり、貴方は自分や自分の大切な人達を守ろうとした結果、そうなったのですね」
「そうなるな」
こちらの事情を説明すると、ジャンヌは一定の理解を示してくれたので話し合いはお開きとなり、俺やアビーちゃん達は車で座間に戻ってそれぞれの拠点で生きる事になった。