※この作品はR-18です。

俺と家元(かのじょ)と巨砲主義   作:ターキーX

18 / 44
俺と???と理髪店(後編)

 ──最初に感じたのは、香ばしい匂いだった。

 

「ん……」

 

 嗅ぎ慣れた、食欲を誘う匂い。

 何かはすぐに分かった。母がハンバーグを焼いている時の匂いだ。今晩の夕食の準備をしているのだろう。

 

 ──母が?

 

「お、お母さん!?」

「おお、やっと起きたか! 母さん、優花里が起きたよ!」

 

 布団を飛ばす勢いで跳ね起きた秋山優花里の傍らに座っていた男性が、台所でフライパンを手にしていた好子に声をかける。

 

「あ、あれ? お父……さん?」

 

 状況を把握できず、優花里は周囲を見回した。

 そこは見慣れた自宅の居間だった。その居間の隅に敷かれた布団で、自分は寝ていたようだ。身体を見下ろすと、制服ではなくパジャマに着替えさせられている。

 

「え? え?」

「どうした優花里、まだ寝ぼけてるのか?」

 

 傍らの男性──眼鏡とパンチパーマが特徴の自分の父、秋山淳五郎が自分を安心させるようにポンポンと頭に触れてきた。

 

「びっくりしたわよ、優花里。汗だくで帰ってきたと思ったらそのまま倒れるように眠っちゃうんだもの。母さん、熱中症かと心配したんだから」

 

 火を止め、エプロン姿の好子が居間に入ってきた。こちらを気遣いつつ優しく語りかけてくる様は、いつもの母だ。

 

『はひっ、ふひぃっ! 和明さんのちんぽ、凄いぃっ!』

「!?」

 

 見知らぬ男性と裸で絡み合い、想像もできないような痴態を晒す母親の姿がフラッシュバックする。優花里は母を見上げつつ尋ねた。

 

「お、お母さん! あの人は!?」

「……『あの人』?」

 

 好子は小首を傾げた。淳五郎が逆に問い返す。

 

「『あの人』って……誰も居ないぞ? 父さん、母さんから優花里の調子が悪いって電話を受けて五分も経たずに帰ってきたけど、居たのは母さんと優花里だけだった」

「……え?」

 

 好子は身をかがめ、呆然とする優花里を優しく抱くと背中をあやすように叩いた。

 

「何だかうなされていたもの……嫌な夢を見たのね。もうちょっとで夕飯も出来上がるから、食べて忘れましょ」

「ゆ……夢?」

 

 優花里は自分の見たものの痕跡を居間を見回して探した。男性の姿も、濡れた畳の跡も、どろりとした液体が入ったゴム袋のようなものも──何も無い。

 

「そんな……でも、確かに私は……」

 

 何かにすがるように優花里は胸に手をやり──

 

「あ、あれ?」

 

 ──自分の身体の調子が戻っていることに気付いた。胸の奥で熱く疼いていた「何か」が完全に無くなっている。眠気を脱した頭はすっきりとしており、今日の演習中に感じていた動悸や目まいも無い。

 

「まさか……」

 

 本当に、体調不良が見せた夢だったのか?

 

「ほら、着替えて夕食にしましょ? お母さんもお父さんも、優花里が起きるのを待っていたからお腹ペコペコなの」

 

 好子はそう言うと、優花里に微笑んだ。

 

 

 

 ──秋山優花里が目を覚ます数時間前。

 

「あぁ……で、出てるぅ……和明、さんの、溢れてっ……!」

「ぐ、うぅ……!」

 

 搾り取るような好子の膣の動きに和明は呻いた。既に何度も射精したというのに、自分でも驚くほどの量が彼女の子宮へと注がれてゆく。

 

「お、奥、さん……ちょっと、緩めて……!」

「ンンッ! そ、そんな事言っても、和明さんの精液、欲しくて、んはっ、か、勝手に、は、はへぇ……!」

 

 上体を伏せるような姿勢で舌を出し、蕩け切った表情で好子は和明の精液を受け止める。

 和明の腰が震える度にどくどくと放たれる精液は彼女の膣内から溢れ、結合部からボタボタと零れ落ちる。

 

「あ……あ……」

 

 その眼前、開けられた襖の向こうで腰を抜かした優花里が呆然とこちらを見ていた。

 

「うっ……はあっ……!」

 

 ようやく射精が治まり、同時に思考力が戻ってくる。和明は考えた。

 

「(ど、どうする……!?)」

 

 夫が外出中の人妻に全裸で絡み合い、娘の眼前で中出し。言い訳不可能にも程がある状況だ。

 このまま逃げる? 全裸で、しかも好子を残して? 論外だ。何より狭いコミュニティである学園艦の町内で、余所者の自分が逃げおおせられるとは思えない。

 では、優花里を介抱して一切合切を打ち明けて土下座する? これも論外だ。状況はもはや土下座ひとつで収まるものではない。

 何より、仮にこの中出しで好子が妊娠したとしたら間違いなく責任を問われる。そして一介の大学生である和明に子供を育てるような財力も甲斐性も有りはしない。人妻を妊娠させたとなれば実家からも勘当、大学も辞めなければならないかもしれない。

 

「(あれ、これ……俺、詰んでる?)」

「んっ……」

 

 萎えた肉棒が好子の中から自然と抜け落ちる。精液と愛液が混じった淫液に照り光る肉棒は、和明の懊悩を無視してビクビクと射精の余韻を味わっている。

 

「ん、ふぅっ……和明さん、その、いいかしら?」

 

 むくりと身体を起こし、好子が言った。

 

「え?」

「お願いなのだけど……()()()()()()()()()()()()()()()()

「なっ……!?」

 

 余りにも無茶苦茶な彼女の提案に和明は絶句した。この状況に自棄になったのか? あるいはまだ肉欲に溺れて、正常な判断が出来ないでいるのか?

 そんな和明の動揺が伝わったのだろう。汗に濡れる髪をかき上げつつ好子は更に言った。

 

「別に自棄になっている訳ではないわ。それが、和明さんと私がこの場を切り抜ける唯一の方法……だと思う」

「『思う』って……」

 

 好子の態度はどこまでも落ち着いていた。この状況で窮地にあるのは和明以上に彼女だろうに、随分と肝が据わっている。かつてしほや千代と並んで戦車道を修めていただけはあるということか。

 

「時間が無いわ。今の状況だけど……」

 

 そして好子は手短に自分の提案の意味を説明した。

 最初は驚愕した表情で話を聞いていた和明も、やがてその内容を聞くにつれ落ち着きを取り戻し、彼女の話に聞き入った。

 

「……そういう事よ」

「確かに……それしか無いですね」

 

 和明は迷いはしたが、彼女の言葉に頷いた。どのみち他の選択肢は人生のバッドエンドに繋がっている。

 ──となれば、取るべき行動はひとつだ。

 

「お願いね。和明さんなら出来ると思うわ」

 

 そう言うと好子は優花里に視線を向けた。未だに身体に力が入らないのか、ガタガタと震えつつ優花里は股の間から精液を溢れさせたままの実母を見た。

 

「お母、さん……」

「大丈夫よ、優花里。この人が優花里の事もちゃんと気持ちよくしてあげるから」

 

 好子はそう言いつつ優花里に微笑んだ。その微笑みは娘に対する愛情が伝わる、優しいもので──それ故に和明はどこか寒気を覚えた。

 とはいえ、そういう話になったのであれば和明も棒立ちではいられない。襖を開けたまま廊下に出ると、和明は優花里の前で屈んだ。

 

「えっと、その……なんて言っていいか。まあ、よろしく」

「ひっ、や、やめ……!」

 

 逃げようと優花里は何とか身をずり下がり、退こうとする。それはそうだろう。眼前で母親を犯していた初対面の男が、今度は自分の方に迫ってきているのだ。恐怖を感じるなと言うのが無理な話である。

 和明は彼女を引き留めようと、その二の腕を掴んだ。

 

「ん?」

 

 その時、和明は激しい違和感を覚えた。彼女の身体が、酷く熱い。

 通常、緊張や恐怖に陥った時、人間の体温は低下する。血管が収縮して血の巡りが緩やかになるからだ。しかし今の由花里の身体は、真逆に熱く火照っている。

 

「奥さん……えっと、優花里さんって、風邪引いてました?」

「え? いいえ、家を出るときはそんな風でも無かったけど……」

 

 和明の問いかけに、好子は全裸のまま畳を拭きつつ答える。

 だとすれば、これは──

 

「……まさか」

 

 その時、和明はある可能性に思い至った。改めて優花里の顔を見る。

 その表情こそ恐怖が浮かんでいるが、瞳は潤み、頬は紅潮していた。そして、それが如何なる状態かを和明は知っている。

 

「その、優花里さん。今、体が熱くて、中に焼けるような塊を感じてたりしないか?」

「え?」

「大事な事なんだ。どうだ?」

 

 全裸の男に腕を掴まれた状態で大凡する会話ではない。しかし、和明の真剣な様子につられてか優花里は律儀に答えた。

 

「は……はい」

「……やっぱりか」

 

 以前、しほが自宅に泊まった時の事を思い出す。あの時に「戦車道の優秀な選手ほど抱える欲求不満」について感覚や状態について聞いたが──おそらくは、それだ。

 

「ちょっと、ごめんな」

「は、はい? やっ、ちょ……」

 

 一応の詫びを入れてから、和明はその手を優花里のスカートの中に差し入れた。驚きつつ優花里は脚を閉じようとするが、力が入らないようだ。

 やがて和明の指は優花里のスカートの中、ショーツのステッチの部分に触れた。にちゃりとした、湿った布地の感触が伝わってくる。尿にしては、粘り気が強い。

 

「んっ、あ、あぁ……!」

「……濡らしてたんだな。俺と、奥さんのを見て」

「っ!?」

 

 びくんと優花里の体が跳ねる。

 

「な……」

「ん?」

「なんなんですか、これぇ……!」

 

 優花里の潤んでいた瞳から涙が零れる。

 無理もない。本人からしてみれば親の浮気現場で発情してしまった事になる。勝手知ったるはずの自分の身体がそんな反応を示したのだ。泣き出したくもなるだろう。

 

「何で、何でお母さんがそんな風になってて、私、一体……!」

「……大丈夫。君のそれは、治せるやつだ」

「な、何を、ていうか貴方は……!?」

 

 問いかけようとした優花里の声が途中で途切れる。立ち上がった和明が、おもむろに彼女の眼前に半勃起状態の肉棒を突きつけたからだ。

 

「ひっ!? は、離してくださ……」

「………」

 

 和明は応えない。自分の今までの経験を信じ、彼女の顔面に触れんばかりに近づける。

 

「……え?」

 

 優花里の口から戸惑いの声が漏れる。

 彼女は顔を背けるどころかスンスンと鼻を鳴らし、肉棒から漂うむせかえるような淫臭を嗅ぎ、身を震わせた。

 

「そんな、な、何で……?」

 

 優花里が激しく混乱しているのが分かる。自覚なく、体調不良を起こすまでに鬱積した自身の欲求不満が和明の肉棒によって呼び起こされ、発散せんと反応しているのだ。

 彼女からしてみれば、自分の思考と正反対の行動を取ってしまっている、まさしく夢の中のような状態だろう。

 

「んっ……!」

 

 和明はそのまま、優花里の鼻先に亀頭を押し当てた。粘液が彼女の小鼻を濡らす。

 

「ふはっ!? はっ、あ、あぁ……」

 

 ちょっと驚いた反応を見せた優花里だったが、やがて吊り上がっていた目がとろんと下がり、濡れた舌が自然と垂れてきた。

 

「嘘……わらひ、何で……!?」

「大丈夫。それは優花里さんの身体が自分を助けようとしてるんだ。抵抗せず、それに身を任せてくれ」 

 

 できるだけ優しく、優花里に語りかける。ある意味、彼女の状態がこんな様子だったのは幸いだ。素の状態だったなら、嫌がる相手を無理矢理に犯す形になっていただろう。

 

「優花里さん……これ、欲しくなってきてるだろ?」

「っ!? そ、そんな事、ないです……!」

「……そっか」

 

 和明の問いかけに、口を半開きにしながら優花里は否定する。

 その言葉に対して、和明はあっさりと腰を引いた。

 

「あ……!」

 

 不意を突かれたのか、優花里は離れてゆく肉棒を顔で追った。その動きを予測していた和明は途中で腰を止める。

 

「ンッ!? あ、ああっ……!」

 

 必然的に優花里の顔は肉棒と正面衝突した。少女らしい瑞々しい頬にぬるりと赤黒い亀頭が擦りつけられる。

 

「その、俺も詳しくは知らないんだけど……その症状って、我慢するほど良くないらしい」

「………」

 

 優花里は肉棒から目が離せないでいる。

 

「……我慢しなくていいのよ、優花里」

 

 ふと、傍らから優しい声が届く。

 和明が視線を落としてみれば、居間から出てきた好子が腰を落とし、和明の肉棒に同様に顔を寄せていた。

 

「お、奥さん!?」

「ごめんなさい、和明さん。うちの子があと一歩を踏み出せないみたいて……優花里、安心して。この人は貴女を痛くしたりしないわ。だから……あむっ」

「ううっ!」

 

 まるで子供をあやすように好子は言うと、眼前で屹立する和明の肉棒の竿の部分を笛を吹くように咥えた。びくりと肉棒が反応を示す。

 

「さ、優花里もやってみて」

「お母、さん……」

 

 和明と好子のまぐわいを見た直後の優花里であれば、母の言葉にも従えなかったろう。しかし彼女の昂ぶりを押さえていた栓は既に外れ掛けている。今なら──

 

「んっ、ちゅ、んはっ……こ、こう、ですか?」

 

 優花里は好子が咥えている反対側から、和明の肉棒にキスをした。最初はおずおずといった感じだったが、二度目はより強く、三度目はより大胆になってゆく。

 

「はふっ、んっ、ちゅうぅ……ンンッ、はっ、れろっ……」

「ふふっ、やっぱり欲しかったのね……どう、優花里? 初めての男の人のちんぽの味は?」

「あふっ……お、お母さん、変……です。こんなの、美味しい訳がないのに、んちゅ……口が、勝手に……止まら、なくって……!」

「いいのよ。優花里の本心が、そうしたがっているんだから……ちゅっ、じゅるっ……」

「うっ、くうぅっ!」

 

 肉棒を左右から母娘にしゃぶられるという状況に、和明の欲情は否応なしに昂ぶってゆく。

 右からの好子の手慣れた舌の動きも、左からの拙くも熱心に舐めてくる優花里の舌の動きも、どちらも堪らないものだった。勃起しきった肉棒は血管を浮かべ、赤黒い亀頭からは先走りが滲む。

 

「優花里、今度は先の方を咥えてみて。母さんはこっちをするから……」

「ふぁ、ふぁい……あむっ、んむぅ……!」

「ふふっ、すっかり素直になってくれたわね、優花里……じゅるっ、ン、ンンッ……」

「あぁ……い、いいです、二人、ともっ……!」

 

 好子に言われるがままに優花里は口を一杯に開けて、和明の亀頭を咥えた。制服姿のまま和明に奉仕する様は非常に倒錯的だ。

 一方の好子は伏せるように身体を下げつつ顔を上げ、和明の竿の根元の袋を優しく咥えた。まるで大粒のナッツを転がすかのように口腔内で舐められ、舌先で踊らせる。今までのフェラとは異なる未知の刺激に、和明は思わず呻いた。

 

「はぷっ、ンッ、んんっ……こ、これで、いいんでしょうか……?」

「あ、あぁ……いいよ、優花里、さん。堪らない……」

「あ……ありがとう、ございます……ちゅ、あむっ……」

 

 たどたどしくも優花里は和明の亀頭を舐め、具合を尋ねてきた。よくよく律儀というか真面目な娘だ。

 和明が素直に感想を言うと、優花里は少し嬉しそうに礼を言って再び奉仕を再開する。

 

「本当にいい子ね、優花里……じゅるっ、ちゅぅぅ……」

「うあっ!? お、奥さん、そんな、吸っちゃ!」

 

 そんな娘の様子に目を細めつつ、好子は和明の袋を咥えたまま強く吸った。

 和明の腰がびくびくと震える。母娘の同時フェラで十分に高まっていたところに、この連携攻撃は強力すぎた。

 

「ま、まずい、です! このままだと、射精るっ……!」

「……! んぱっ……優花里、ちょっと口を止めて」

「ふぁ、ふぁい……」

 

 和明の絶頂が近いのを察した好子が口を止め、優花里を制する。

 

「優花里、ちょっと服を脱ぎましょう」

「は……はい……」

 

 口の端を唾液と先走りで汚したまま優花里は母の言葉に従順に従い、彼女が脱がせるに任せる。和明は射精感が治まるのを待つ間にも、瞬く間に好子は由花里の下着までを脱がし切った。

 

「……凄いですね」

「大したことはありませんよ。この子の着替えなんて、何千回やったか分かりませんもの。さ、和明さん。優花里をこのまま気持ちよくしてあげてください」

「……あの、それなんですけど」

 

 優花里へと促す好子に、和明は言った。

 

「どうしたの?」

「その……優花里さんの処女を奪うのは、無しにしてもいいですか?」

 

 浮気に加えて準強姦罪──今は準強制性交罪だったか──までしてしまっている現状、処女を奪うどうこうで踏みとどまるのも奇妙な話ではある。

 しかし欲求不満のたがが外れ、半ば意識が飛んでいる今の優花里の「初めて」を自分が奪うのは余りに卑怯に思えた。

 その言葉を受けた好子は少し沈黙し、「困ったひとね」とでも言うように苦笑した。

 

「それはいいけれど……挿入せずに、優花里をどうするの?」

「そこは、まあ……頑張ります」

「……ふふっ」

 

 抽象的にも程がある和明の返事に、好子は思わず吹き出す。

 

「いいわ。それじゃ、こうしましょう」

 

 そう言うと好子は廊下の床板に自身を横たえさせた。

 

「さ、優花里。私の上に……」

「え? は、はい……」

 

 仰向けに寝そべる好子の身体の上に重なるように、優花里が横になった。脚を絡め合い、位置を調節する。

 

「優花里、ンッ!、そ、そうよ……その辺りで、もっと腰を前に出す感じで……」

「んはっ……は、はい……こう、でしょうか……あぁっ!」

「んっ……和明くん、準備、できたわ……ここの間で、思い切り擦って……」

「……!」

 

 身体を重ねる母娘の脚が広げられ、濡れた秘所が密着した様が露わになる。濃い桜色の好子の秘唇と、未だ誰も侵入を許していない優花里の桃色の秘唇。それぞれが愛液を滲ませ、ひくつきつつ和明の肉棒が与えてくれるであろう快感を待ち望んでいる。

 その淫らな様を見るだけで和明の肉棒は臍まで反り返った。

 

「わ。分かりました……いきます」

 

 和明のサイズであれば、少し身を引いていても十分に擦る事ができる。彼女らがあまり無理な姿勢にならないよう和明は正座のように足を揃えたまま肉棒の位置を直し、重なった二人の秘唇に亀頭を押し当てた。

 

「ふぁっ! あ、熱い……!」

「これが男の人よ……優花里も、分かるようになるわ……んんっ!」

「く、ううっ!」

 

 そのまま腰を突き出し、和明の肉棒は熱い滑りに挟まれた。

 膣内のような締め付けこそ無いが上下から押し当てられる濡れた女陰の感触と愛液の熱さは十分に刺激的で、腰を突き出せば二人の突起したクリトリスの感触が亀頭をくすぐる。

 何より自分の肉棒の感触に眼下で悶える好子と優花里の美しい母娘の姿は、それだけで和明の中に堪らない支配感を覚えさせる。

 しかし、今回は先ほどのように我を忘れて行うセックスではいけない。好子の提案通りに優花里を意識が飛ぶまで絶頂させねばならないのだ。

 

「ンンッ! ひぅっ! 熱くて、固いのが、擦れてっ……!」

「いいのよ、優花里……もっと押し付けて……ん、ちゅっ……」

「ふぁ、あぁ……お母、さん……ちゅ、れろっ……」

 

 悶える優花里と愛おしそうに見つつ、好子は優花里にキスをした。突き出された好子の舌と優花里の舌が絡み合う。

 和明はできるだけ優花里の側に強く擦れるように腰を振る。にちゃにちゃという水音が結合部から響き、蝉時雨が聞こえる廊下の床板がギシギシと鳴った。

 

「あ、ひっ、ひぅっ!」

 

 優花里の身体が細かく震え始めた。和明と好子のセックスを見ていた時点で既に昂り、それを限界まで理性で抑えていたのだ。その反動で絶頂が近いのだろう。

 和明は腰の動きに少し捩りを加え、亀頭でクリトリスを擦った。

 

「ふぁぁ! お、お母さんっ! 何か、なにか来ますぅっ!」

「いい子ね、優花里……それが『イク』って事なの、あんっ、そのままっ、イキ、なさいっ! お母さんが、見てて、あげるからっ……!」

「うぅっ……俺も、そろそろっ……!」

 

 再び和明の射精感も高まってきた。一気に優花里を絶頂に導こうと、腰の動きを速める。

 

「ひっ! んっ、あ、ああぁぁぁっ!」

「ぐっ、うあっ!」

「……っ!」

 

 優花里は全身を激しく震わせ、そのまま好子の胸に顔をうずめるようにして脱力した。同時に和明の亀頭が膨れ上がり、二人の身体に挟まれたまま精液を迸らせる。

 たっぷり十数秒は続いた射精を終え、和明は大きく息をついた。

 

「ふうっ、はあっ……」

「……ありがとう、和明さん」

 

 優花里の頭を撫でつつ好子が言った。

 

「……すぅ」

 

 汗と精液に塗れた優花里が寝息をたてる。どうやら、今の絶頂で気絶に近い眠りに落ちたようだ。

 そのままの姿勢で好子は言った。

 

「和明さん。今のうちに浴室のタオルを濡らして身体を拭いて、そのまま玄関から出て行ってください。裏口からだと逆に怪しまれるわ」

「よ、好子さんは?」

「大丈夫、後始末は私がしておくから」

 

 優花里を起こさないようにゆっくりと身体を起こし、彼女を居間に寝かし直し好子は言葉を続けた。

 

「『ここには私と優花里以外居なかった』って事にするのにお父さんにも電話しないといけないわ。だから、急いで」

「……すみません」

 

 詫びを言う和明に、好子は最後に言った。

 

「────」

 

 

 

「……うーん」

「どうした優花里? まだ食欲が沸かないのか?」

「へ? い、いいえ!」

 

 卓袱台を囲む秋山家の夕食。本日はハンバーグにポテトサラダ、味噌汁といった組み合わせだ。

 脂ののったハンバーグに箸を入れつつ、優花里は考えていた。

 母は夢だと言った。父は自分と母以外は居なかったと言っている。言われてみれば、自分の身体が自分のものでなかったような感覚は確かに夢の中のそれだ。記憶もあやふやで、男の顔も十分に思い出せない。

 

「………」

 

 しかし、アレは夢で片付けるには余りに生々しいものだった。乱れる母の姿も、我を忘れて男性の怒張を舐めしゃぶる自分自身も。

 優花里はご飯を食べつつ好子に視線を向けた。

 

「優花里、おかわり?」

 

 いつもの笑顔で聞いてくる母。優花里はご飯を呑み込むと口を開いた。

 

「お母さん、あ、あの……」

「どうしたの?」

 

 尋ねてくる母に、優花里は問い詰めようとする言葉を喉元まで出し──

 

「……いえ、おかわり、ください」

「はい、山盛りね」

 

 ──それを呑み込んだ。

 現実かもしれない。しかし、夢の可能性も否定しきれない。

 もし優花里の記憶が夢であったなら、自分は「夢で見た内容を現実と誤解し、自分の母が浮気したと責める最低な娘」となる。それは今まで愛情を注いで育ててくれた父母への酷い親不孝だ。

 

「それにしても、今日のハンバーグ本当に美味しいです!」

「ふふっ。まだお肉も残ってるから、そっちのお替りもできるわよ?」

 

 好子は優花里の茶碗にご飯をよそい、手渡すと言った。

 

「……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

『つまり下手に現実に引き戻すのでなく、本当に現実であり得ない程の状況にした上で意識を飛ばして、夢だと思わせようとしたって事かしら?』

「まあ……そんな感じです」

 

 翌日。

 昨日の事を千代に電話で報告して件の部分に差し掛かった時、千代はそう尋ねてきた。頭をかきつつ和明が答える。

 

『何とも思い切った事をしたわね……彼女、戦車道をやっていた頃からここぞという場面では肝が据わってたけど。でも、それで夢だと信じるかしら』

「半信半疑で十分って言ってました。痕跡も全部消しておくって」

『何か、彼女は他に言っていた?』

 

 千代の何気ない問いかけ。

 和明はその問いに少し苦い顔をすると言った。

 

「……『私がお願いした事だから、気にしないで』だそうです」

 

 ──正直、責められるよりも堪えた。

 「お願い」には和明を呼んだ事と同時に、膣内射精を懇願した事も含まれるのだろう。それを全部ひとりで背負い込もうとする好子の言葉に、和明は何も言えなかった。

 

「何ていうか、俺……守られていたんだなって」

 

 正直、今回の件は和明としてもかなり痛い、しかし身に刻まれた経験となった。

 襖を開けた時の優花里の反応を思い出す。衝撃と混乱と絶望が入り混じった、あの反応。

 他人の妻との浮気がバレるという事は()()()()()なのだ。そして仮にバレた時、一介の学生である和明に背負える責任は何一つ無いのだ。今まで二人の家元との関係では彼女らの地位や立場に多分に守られていた事を、和明は痛感した。

 

「………」

『どうしたの?』

「いえ、何て言うか……その、こういう時に責任をちゃんと背負える大人になりたいなって」

『その気持ちは大事にしておきなさい。世の中には、自分勝手なセックスをした上でそんな責任から逃げる事しか考えない大人が沢山いるわ。和明くんには、そんな最低のセックスをする大人になって欲しくないから』

「……はい」

 

 本来、浮気そのものが世間から許されるものではないのだろう。しかし、それでも求めたり、求められたりした時には──それを全て背負える男になろう。和明はそう思った。

 好子には今回、結果的に随分と迷惑をかけてしまった。改めてお詫びに伺いたくもあったが、もう逢わない方が良いだろうという気持ちもあった。

 彼女とのセックスは和明自身も耽溺してしまう危険なものだった。次に逢って誘われれば、やはり自分は断れないだろう。それは確信めいた予感だった。

 

「……あれ?」

 

 その時、通話中の耳にアラーム音が届いた。別の誰かからの着信が入ったようだ

 

『着信みたいね。これ以上は大丈夫。それじゃ和明くん、また』

「ええ、また」

 

 千代との電話を切り、通話を切り替える。着信欄には「西住しほ」の文字。

 

「(しほさん?)」

 

 怪訝に思いつつ和明は通話ボタンを押した。落ち着いたしほの声が聞こえてくる。

 

「もしもし、篠原です」

『和明くん? 今、大丈夫かしら?』

「ええ、大丈夫ですが……」

『ちょっと、都合が合うか確認したいのだけど……今から言う日って、空いてないかしら?』

 

 そう言うと、しほは8月下旬のある日を言ってきた。シフト表を確認すると、ちょうど空いている日だ。

 

「ええ、そこなら空いてます。演習とかですか?」

『演習ではないのだけど……高校戦車道大会のエキシビジョンマッチが開催されるのは、知っているかしら?』

「え? ええ、ニュースで見た程度には」

『その大会なのだけど、私も高校戦車道連盟の理事長として向かう予定なの。そこに一緒に居て貰えればと思うのだけど……』

 

 ふと、嫌な予感がした。

 

「あの、しほさん。そのエキシビジョンマッチの開催場所って……」

『大洗よ。茨城だからちょっと遠いけど、日帰りはできると思うわ』

「………」

『和明くん?』

 

 ──どうやら、好子との再会はそう遠くないものになりそうだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。