高い白壁が長く続く、戦車道西住流家元・西住家本宅。正面玄関にはつい先ほど停車したばかりの送迎車が再発進してゆく。
「お帰りなさいませ、家元。予定よりも随分とお早いお帰りで」
「………」
「柳眉を逆立てる」とはこのような表情を言うのだろうか。にこやかに主人を出迎える菊代に、しほは刺さるような視線を向けつつ言った。
「……何のつもりなの、菊代?」
「何のつもり……とは」
「彼の勤めているところの店長さんが教えてくれたわ。居るのでしょ、ここに」
「……そうでしたか」
菊代は笑みを崩さず答える。しほは視線を逸らさずに更に言った。
「もう一度聞くわ。何のつもり?」
「何のつもりも何も……既に分かっておられる事を、今更言うこともないかと」
「……!」
これ以上はらちが開かないと踏んだか、しほは菊代の横を足音も荒く過ぎようとした。
菊代はそんなしほに視線だけを向け、静かに言った。
「どうされたのですか家元? 貴女様らしくもない」
「……何が言いたいの、菊代?」
「少年ひとりに入れ込み過ぎておられるかと……たかだか竿の一本、お嬢様にくれてやれば良いではないですか」
「っ!」
しほの目が見開かれた。
彼女の激情を更に煽るように菊代は主人であるしほへの言葉を続ける。
「正直なところ近頃の家元の、まるで
「菊代っ……!」
しほの手に力が入る。菊代は目を閉じ、あえてしほが叩きやすい位置に自身の身を置く。
「………」
「……すぅ」
「………」
「フゥ……」
しかししほは大きく息を吸い、吐き、全身の力を抜いた。
余りにも露骨な菊代の煽りであった。それはしほを激昂させるのが目的でなく、逆に怒りのラインを超えさせ、冷静さを取り戻させるための煽りだったのだろう。しほは振り上げかけた手を戻し、今度こそ菊代を無視して廊下を歩く。
幾つかの角を曲がり、ある部屋へとたどり着く。まほの自室では始めまい。家人に声を聞かれずに事を進めるならば、来客を寝泊まりさせる時に使うこの床の間が最も適している。
「……!」
しほは襖に手を掛け、一瞬だけ開けるかを迷い──そのまま開け放した。
しほが襖に手を掛ける二時間ほど前。
布団が敷かれた小さな和室。壁の掛け軸には「疾風迅雷」と墨痕鮮やかに書かれており、天井近くに掛けられた額縁には戦車黎明期のⅠ号戦車のモノクロ写真が飾られている。
そんな床の間の布団の上で、ゆったりとした寝間着姿の和明は落ち着かなげに独りでいた。
「……はぁ」
現在、西住まほは支度として湯浴みを行っている。
──結局のところ、和明はまほの頼みを引き受けた。まほは静かに礼をすると立ち上がり「準備してきます」と言って部屋を出て行った。
残された和明は菊代から別の浴室──おそらくは客人用か使用人用に、複数の浴室があるのだろう──に案内され、床の間の場所を示されて別れた。そして簡単に体を流し、用意されていた寝間着に着替え、今に至る。
「………」
和明の胸中には、奇妙な後ろめたさと罪悪感があった。どちらもこの場には居ない西住しほに対してのものだ。
本来、しほの事実上の浮気相手である和明が他の女性と関係を持ったとしても、それを責められる筋は無いはずである。
しかし和明の脳裏には嵐の夜に「特別なひとになりかかっている」と言ったしほの姿が浮かぶ。あの時の彼女の事を考えると、しほ以外の女性と秘密に関係を持つのは彼女への裏切りになるのではないか。そんな気がしてならないのだ。
更に問題なのは、その相手がしほの実の娘であるまほだという事だ。それも今回は愛里寿や秋山優花里の時とは違って、まほは処女喪失まで願っているのだ。この夏に濃厚かつ様々な経験をしてきた和明だが、処女を奪うのは初めてになる。
果たしてそれが自分に──
「ああもう、悩むな俺!」
自分の頭にかかる不安の雲を払うように和明は言った。
愛里寿の時もそうだったが、こういう時に後から悩むのは自分の悪い癖だと自身でも思う。今は「まほの溜まったものを解消させる」ことだけを考えればいい。しほには──まあ、バレるのは確実だから後で謝ろう。そう思った。
『篠原さん?』
その時、襖の向こうからまほの声がした。慌ててそちらに返事をする。
「え? あ、ああ。もう中に居るよ」
「……失礼します」
音も無く襖が開き、和明と同じ寝間着に身を包んだまほが入ってきた。客人用に造られた床の間は外部からの光が最小限になるように調整されており、読書用のルームライトの弱い光だけが室内を照らしている。
襖を閉じ、まほは布団の上に腰を落とすと正座して和明の正面に向き直り、三つ指を手前に置いて深々と頭を下げた。
「……改めて感謝します、篠原さん。初めてで至らないところも多いかと思いますが、よろしくお願いします」
「いや、その、頭を上げて。そんな堅苦しい事するんじゃないんだから」
慌てて和明はそう言い、まほの頭を上げさせた。
「す、すみません……」
彼女なりに緊張しているのだろうか。少しの戸惑いを見せつつまほは顔を上げた。風呂上りの濡れた髪と火照ったうなじが何とも艶っぽい。
また、厚い生地のパンツァージャケットに包まれていた時に比べ、寝間着になったことでまほの身体のラインがくっきりと浮かび上がっていた。菊代の言っていた通り、顔立ちもしほと似ているが身体もそうなのだろう。布地を押し上げる乳房の豊かさも、そこから腰への引き締まったくびれも見事なもので、それを見ているだけで和明の中には「これからこの身体を好きにして良いのだ」という興奮が湧きあがってくる。
とはいえ、彼女はこれが初めての経験になる。こちらの欲望に任せて一方的に犯すような体験ではあんまりだ。和明はまほの肩に手を回し、優しく寄せた。
「あっ……」
「正直、俺もかなり緊張してる……まほさん。こちらこそよろしくだ」
「……はい」
まほの緊張を解こうと軽い口調で語りかける和明の気持ちが伝わったのだろう。彼女は微笑み、和明に体重を預ける。
「んっ……」
「ン!? ん、んふっ……」
軽いキスをまほと交わす。少しの緊張を残しながらもまほは抵抗せず、和明の唇を受け入れる。
彼女の肩に置いた手がやけに熱かった。やはり冷静に振舞っていたその内面には結構な欲求が溜まっているようだ。
「んはっ、あ……篠原、さん」
そのまま次の段階に進めようとした時、唇を離してまほが呼びかけてきた。
「どうしたの? やっぱり、実際にやってみると俺じゃ嫌だった?」
「い、いえ、そうではなくて……」
まほを気遣う和明の言葉に、まほは顔を赤くさせた。
「その……先に言った通り、私は今まで男性経験とかはありません。でも、それは戦車道を修める中でそういった事にまで気を回す余裕が無かったというだけで、私自身が恋愛をしたくないと思っていた訳では、なくて……」
「………」
ここまでの彼女の姿からすれば、やけに回りくどい言い回しだ。
しかしそれがまほの「照れ」から来るものであることは、そこに含まれた意味も含めて和明に伝わってきた。
和明はもう一度キスすると、まほに問いかけた。
「だから……どうしてほしい?」
「厚かましいお願いなのですが……今だけ、私を恋人のように抱いてくれませんか?」
和明を見上げつつ、潤んだ瞳でまほは言った。
黒森峰学園艦で、大人数の戦車道履修者を前に凛とした姿勢で指示を飛ばすまほの姿を思い出す。大人顔負けの鋭利さと冷静さ、落ち着きを併せ持つ黒森峰戦車道隊長──それでも、彼女はひとりの少女なのだ。
まほの可愛らしい懇願に和明は答えた。
「……それは、無理だな」
「そう……ですか」
「俺『だけ』が恋人と思ったとしても、君が俺の事をそう思ってくれなければ……それは恋人同士のセックスにはならない」
「……!」
ぴくりとまほの背が震える。和明は彼女の背を優しく撫でつつ言葉を続けた。
「俺はまほさんの事を好きになる。だから……まほさんも、俺の事を恋人だと思ってく……んむっ?」
「ン、ンンッ……」
まほは自分から和明に顔を寄せ、唇を重ねてきた。彼女の熱い吐息が和明の中に流れ込み、こちらの体温も上がってくるようだ。
たっぷり数十秒ほど経ち、まほは唇を離して言った。
「ぷはっ……分かり、ました。篠原さん。それでは……恋人にしてみたかった事を、全部貴方にさせてください」
「……喜んで」
再度唇を重ね、身を寄せてくるまほの寝間着の襟元のボタンを外し和明は手を差し込んだ。下着は着けておらず、湯上がりの彼女の、張りのある乳房の感触と重みが直接伝わってくる。
「んっ、んくっ……!」
まほは体を震わせつつも唇を離すことなく和明の愛撫に身を任せる。自分を信頼してくれているまほの反応に悦びを覚えつつ、和明は柔らかく彼女の乳房を揉んだ。
瑞々しさと強い張りを保ちつつ、同時に手に余る大きさとしっかりした重みを備えた素晴らしい乳房だった。
流石に大きさではしほに譲るが、日々の戦車道の鍛錬で磨かれた余分な脂肪を持たない肌は和明の指を弾かんばかりに押し返してくる。
「はぁっ……んちゅ……あ、あの……もっと、キスをしても、いいですか……?」
「ちゅ……ああ、まほさんの、好きなだけ……んっ」
和明の言葉に、まほは嬉しそうにキスを重ねてくる。
しほには強く責められたいという被虐欲めいた所があったが、どうやらまほには誰かに甘えたいという依存的なセックスを望む傾向があるようだ。親であるしほとも師弟関係めいた緊張感ある空気が漂う彼女にとって、確かに甘えられる相手は居ないだろう。
それなら、とことん自分に甘えて貰おう。和明はそう思い、キスをしながら胸を揉んでいた手を一旦抜くと寝間着のボタンを更に外して再度差し入れ、そのまま下に移動させてゆく。
「っ! そ、そこは……!」
「大丈夫。力を抜いて、俺に任せて……」
和明の指の行き先を察したまほが吐息混じりに言う。和明はまほの耳元で囁きつつ、更に指を進める。
指はまほの豊かな乳房から臍へ、臍から下腹部へと進む。やがてむわっとした熱を伴う湿気が指先に伝わってきた。
「んくっ……!」
上と同様に、まほはショーツも履いていなかった。風呂から上がり、寝間着だけを着けてきていたようだ。
薄い陰毛をかき分け、他人に初めて触れされるであろう秘唇に指が到達し、まほは小さく喘いだ。
和明は壊れものを扱うかのように陰唇を丁寧に弄り、まほの反応を伺う。
「あぁ……篠原さん……あ、はあっ……」
「可愛いよ、まほさん……んっ」
「ンッ……ちゅ、はふっ……!」
同時に、キスを重ねる中でまほの緊張が和らいだのを確認して和明は舌を伸ばし、まほの舌に触れた。一瞬だけまほは戸惑うように舌を引っ込めたが、和明の意図が分かったのか自分からも進んで舌を伸ばし応えてくれる。
「はっ、あふっ、れろっ……し、篠原さん……もっと……」
その舌の動きは積極的で、熱が籠もった舌先を蛇のように和明の舌に絡ませ、吸い、舐めてくる。どうやら自分が相手を興奮させている事が嬉しいようだ。
実際自分の愛撫に如実に反応してくれるまほの様子は、平時の鉄の淑女めいた凜とした姿とのギャップも相まって和明の中から興奮を湧き上がらせていた。それに加え、自分しかこんな彼女の姿を知らないという事実は和明に堪らない独占感を覚えさせた。
「あ……」
まほの手が和明の股間に触れた。既に肉棒は寝間着越しでもはっきり分かるほどに勃起しており、巨根の存在感を否応なく示していた。
「これが、あんっ、し、篠原、さんの……!?」
「ああ。まほさんに興奮して、こうなってるんだ」
「こんな……こんな大きいものが、お母様に……?」
本能的なものだろうか。まほは布地の上から和明の肉棒への愛撫を始めた。下から上へ、撫で上げるように手を繰り返し動かしてゆく。
まほの与えてくる快感に竿がビクリと跳ねる。それに負けじと和明はまほの秘唇を弄っていた指の動きを少しだけ強くした。ヒクヒクと蠢く陰唇の震えが指先に伝わると共に、とろりとした液体が絡みついてくる。
「んあぁっ! ど、どうですか? ンンッ!」
「ううっ……あ、ああ、上手いよ、まほ、さん……堪らない……まほさんこそ、どうだい?」
「ふ、不思議な、感じがします……自分で、触っている時より、全然……」
「オナニーはしてるんだ」
「……っ!」
和明の言葉にまほは顔を赤くし、誤魔化すように再びキスを求め唇を重ねてきた。覚えたてのディープキスだというのに懸命に舌を絡めてくるのが何とも愛らしい。
まほの身体を抱き寄せつつ、和明は指の動きを更に大胆にしてみた。感触で孔を探り当て、そこに指を一本挿入してみる。
「んっんはっ、あぁっ!」
まほの反応がひと際強くなる。初めて異物を受け入れた秘所の中は狭く、和明の指を強く締め付けてくる。その中を
「くっ、あぁっ! そんな、胸と、一緒にっ……!」
「(このくらい……かな?)」
「ふあぁっ!」
ベッドの上でも百戦錬磨のしほや千代と同じように扱ってはいけない。すぐにでもまほに挿入したいという衝動を堪えつつ、和明は粘り強く彼女の身体を責める。まほの身体の震えはより小刻みなものに変わり、吐息が荒くなってゆく。
指を動かすのも難しかった膣内も、奥から溢れてきた愛液によって次第に滑らかになってきた。まほの感じやすいポイントを探りつつ、指の抽送を次第に早めてゆく。
「あ、あぁっ! し、篠原さ……んっ、ああぁっ!」
びくんとまほの身体が大きく跳ね、同時に指の締め付けが強まる。くたりと脱力したまほの身体を受け止めつつ、和明は言った。
「……大丈夫、まほさん?」
「え……? あ、い、今の……?」
どうやら自分がイッたという自覚が無いようだ。まだ半ば意識が飛んだような状態のまほの秘所に挿入したままの指を、再び動かし始める。
「ひうっ!? し、篠原、さんっ、待って……!」
「まほさん、もっと感じて……俺も、まほさんを痛くしたくないから……」
「あふっ、あ、ああんっ!」
脱力した事でより抽送が用意になった膣内を指で拡げてゆく。多少解れてきたのを確かめ、和明は指をもう一本増やしてみた。指先に絡みつく愛液の粘りが強くなってきた気がする。
「篠原さん……わ、私、も……」
まほも次第に意識が戻ってきたようだ。潤んだ瞳が和明の股間に向けられ、ズボンをずり下げようとする。和明はそれに合わせて腰を少し浮かし、より脱がしやすいようにする。
やがてズボンはトランクスごと脱がされ、和明の巨根が露わになった。
「……!」
息を呑むまほの気配が伝わってくる。
「これが、男の人の……ンンッ!」
喘ぎつつもまほは血管を浮かべる肉棒から視線を離さない。
和明の脳裏に、この巨根を見て怯えてしまった元彼女の記憶が浮かぶ。
「大丈夫。ちゃんと解せば、まほさんを痛くしないで……ううっ!?」
「んっ、はっ、あぁ……」
和明の言葉を待たず、まほはその指を肉棒に絡め柔らかく握った。そのまま、和明の反応を伺うようにその手を上下させてくる。
「ま、まほさん……くぅっ!」
「あ! い、痛かった、ですか?」
「いや、そ、そうじゃなくって……気持ち、良くって……」
「……良かった」
和明がそう素直に答えると、まほは汗に濡れた顔で嬉しそうに微笑んだ。
「篠原さん……んっ、わ、私だけでなく、篠原さんも、気持ちよくなって、くださ……あぁんっ!」
膣内を蠢く指の動きに喘ぎつつも、まほは更に手を動かす。亀頭から滲む先走りが彼女の綺麗な手を汚してゆく。
おそらく、それが彼女の「恋人としたかったセックス」──互いが互いを気持ちよくさせ合い、高め合う。そんなセックスだったのだろう。
ならば、そんな彼女の期待に応えねば男ではあるまい。和明は再びまほにキスをすると、肉棒への愛撫をまほに任せたまま指の抽送を速くしてゆく。痛みを感じさせないように丁寧に、しかし迅速に。
「はあっ、じゅるっ、ふぁ、あぁ……!」
「ちゅ、う、くうっ……!」
名を呼ぶこともなく互いの秘所を弄り合い、同時に舌を絡ませ、吐息を、唾液を交換する。
薄暗い室内には和明とまほの喘ぎと、くちゅくちゅと粘りある水音だけが響く。
「ふぅ、はぁ……あ、あんっ!」
「ううっ、くっ、ぐうっ……!」
まほの手の動きは次第に大胆さを増してきた。小さな動きだったものが竿の根元から亀頭手前までを扱く大きな動きに変わり、それでいて強く握りすぎないよう絶妙に加減をしてくる。おそらくは彼女はそれら全てを計算ずくではやっていまい。相手を気遣いながらも気持ちよくなって欲しいというまほの気遣いが、そのまま所作に表れているのだ。
初見の際にはどこか険しい印象を覚えた西住まほという少女。彼女が実際は相手の事をどこまでも気遣う事ができる優しい少女である事を、和明は快感の中で理解した。
膣内の二本の指を少し拡げてみる。最初に指を挿れた時よりもまほの中は柔らかさを増し、締め付けつつも指がより動かしやすいように愛液をより滲ませて抽送を願うように陰唇をひくつかせる。
「あふっ! し、篠原、さんっ! 私っ!」
「あ、ああ、俺も……まほさん、もっと手を、速くっ……!」
再びまほの反応が強まってきた。同時に和明の中からも堪えがたい射精感がこみ上げてくる。
和明の言葉に従い、まほは肉棒を扱く動きを速める。赤黒く膨れ上がった亀頭の先端で鈴口はぱくぱくと開閉し、射精が近いことを訴えてくる。
同時に彼女と達しようと、和明も指の出し入れを速めてゆく。
「あ、あ、あぁぁっ!」
「ぐうっ! で、射精るっ!」
まほの身体が大きく震えた。同時に和明も腰を震わせ、精液を迸らせる。
白くドロドロとした液体がまほの手を、彼女の汗が染みた寝間着を汚してゆく。
「んっ、は、あぁ……」
「ふう、はぁ……よ、良かったよ、まほさん……」
「あ、ありがとう……ございます」
和明の言葉に、まほは照れつつも素直に礼を言った。
──そろそろいけるだろうか。
「まほさん、服、脱いで……俺も脱ぐから……」
「は……はい」
和明の意図を察したのだろう。まほは和明から身を離し、既に寝間着としての用を足さない程に濡れたそれを脱いでゆく。汗に濡れた豊かな乳房が揺れる様を見つつ、和明は自身の寝間着も下着ごと完全に脱ぎ捨てる。
さほどの間もなく、和明とまほは生まれたままの姿になった。まほの思った以上に細い肩に触れ、和明は彼女をゆっくりと布団に横たえさせた。
「綺麗だ。まほさん」
「………」
賞賛に対して、恥ずかしそうに視線を逸らす。
「素晴らしく均整の取れたしなやかな肢体」。そんな陳腐な表現しかできないほどに美しい裸体だった。仰向けになっているというのに重く揺れる乳房は全く形を崩しておらず、その先端では桃色の突起した乳首が揺れている。
またそこから腰へと引き締まってゆく曲線には一切の無駄な肉が無く、それでいて尻にかけては女性的なふっくらしたラインを描き、しなやかな太腿へと続いていた。薄い陰毛に彩られた陰唇は乳首と同じ桃色で、二度の絶頂で愛液に塗れ、未知の肉棒の挿入に備えるようにひくひくと震え、和明を誘う。
これからこの美しい身体に自分の肉棒を挿入し、射精する。それを想像しただけでも射精したばかりの肉棒は再び充血し、和明の臍まで届かんばかりに反り返る。
「あっ……」
「ゆっくり行くから。まほさん、出来るだけ力を抜いて……」
彼女の脚を抱え、ゆっくりと広げる。暴れる肉棒に手を添え、まほの膣孔に狙いを定める、
自身の結合部に視線を向けていたまほは、ふと和明を見た。
「篠原、さん……あの……」
「どうしたの?」
「お願い、します……キスしながら、挿れて、ください……」
「……分かった。んっ」
「ンッ、ンンッ……!」
上体を倒し、もう何度目か分からないキスを交わす。そのまま舌を絡め合うと、まほの身体の緊張が解けてゆくのが伝わってくる。
「ちゅ、ふぅっ……いくよ、まほさん……」
「んっ、や、もっと、キス……!」
「……ああ」
ヤバいな、そう和明は思った。
あくまでこの場限りの恋人のふりをするだけのセックスだった筈だが、頬を紅潮させ、キスをせがむまほは本当に可愛らしく、愛らしく──本気になってしまいそうな自分がいる。
そのまま和明はゆっくりと腰を突き出した。僅かな抵抗の感触。そこから、熱く潤む肉を押し広げてゆく感触が亀頭から伝わってくる。
「うっ、く、ぐうっ!」
「あ、ひっ、し、篠原、さんっ、ああぁっ!」
──襖はまだ、開かれない。