※この作品はR-18です。

俺と家元(かのじょ)と巨砲主義   作:ターキーX

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第四話

 横浜のベイサイドが一望できる、ホテルのVIP用ロイヤルスイートルーム。一泊するだけで和明のバイト代の何ヵ月分が飛ぶやら分かりはしない。

 服を脱いだ和明が乗っているベッドの感触ひとつ取っても軋む音のひとつもせず、それでいて柔らかくもしっかりと体重を受け止めている。

 

「……待たせたわね」

「さあ和明君、続きをしましょうか」

 

 服を脱ぎ終えた西住しほと島田千代が和明に近づく。

 

「あ、はい……っ!?」

 

 顔を上げた和明は思わず硬直した。

 二人は確かに服を脱ぎ、下着姿になっていた──彼女らが纏っているものを「下着」と呼んで良いのであれば。

 

「ふふっ、どうかしら? 今日に備えて用意してみたの」

 

 自らのプロポーションを誇示するように身をくねらせる千代が着けているのは眼にも鮮やかな赤いガーターに黒ストッキング。しかし肝心のショーツは履いておらず、髪と同じ亜麻色の陰毛が時折覗いている。

 また、上は上で確かに赤いブラを着けているのだが乳房の部分の布地は無く、ブラ紐で乳房がより強調された形になっている。

 

「私は反対したのだけど……和明くん、あまり、じろじろと見ないで」

「しほ、さんっ……!」

「騙されちゃ駄目よ、和明君。これ、しほが自分で選んだんだから」

「………」

 

 自然と唾が溜まり、それをごくりと呑み込む。

 千代の横で少女のように恥じらいつつ立つしほの下着は、もはや「紐」と呼んで良い代物だった。数cmも無いような白く細い布地が水着のように彼女の股間と乳首周りだけを隠している。

 否、「隠している」という表現は適さないかもしれない。彼女の豊満な乳房や大きめの乳首を隠すには布地は余りにも小さく、乳輪はほぼ露出してしまっている。股間にしても彼女のやや濃いめの陰毛がはみ出ている状態だ。

 

「……凄いです。二人とも」

 

 この極上の美女にして夫を持つ身である二人を相手に、これから夜明けまでセックスをする。何度も肌を重ねた関係ではあるが、湧き上がる期待感は常に新鮮なものだ。

 既に臨戦態勢だった和明の肉棒は二人の下着姿に更に充血し、凶悪なまでの怒張となって反り返った。

 

「ふふっ、和明君も凄いビンビンね。観てるだけで濡れてきそう」

「和明くんも立派よ……この逞しいものとも、暫くお別れなのね……」

 

 赤黒くひくつく亀頭を千代は淫靡に微笑みながら、しほは切なそうに見つめる。

 

「それじゃあ和明君。ベッドの上に横になって」

「え? あ、はい。こうですか?」

 

 千代の指示に従い、和明はベッドの中央に裸のまま横になった。股間では血管を浮かべた肉棒が屹立し、強い存在感を放っている。

 何をするのだろう。そう思っていると千代がベッド横のテーブルから何かを取った。見覚えのある、ドレッシング入れを思わせる半透明の容器。

 

「ローション……ですよね、それ」

「ええ。まだ和明君にやってなかった事を、今からしてあげる……んっ」

 

 そう言うと千代はローションの容器を傾け、自身の胸に垂らした。とろみある透明な液体が千代の形良い巨乳を濡らし、艶やかに照り光らせる。

 

「(ローションパイズリ? それなら南の島でも……)」

 

 和明が怪訝に思っている間に千代は豊かな乳房を十分に濡らし、今度はその容器をしほに手渡した。

 

「はい、しほも」

「分かってるわ。ンンッ……千代、ちょっとこれ冷たくない?」

「冷たいのが温かくなってゆくのがいいのよ」

 

 しほも同様にローションを重みある自身の乳房に垂らしてゆく。濡れた布地が彼女の肌に貼りつき、乳首が既に勃起している事を和明に伝えてくれる。

 そこでようやく和明は二人が何をしようとしているのかを悟った。快感への期待で肉棒がびくんと跳ねる。

 

「まさか……これって」

「……フフッ」

 

 千代は微笑みつつベッドに上がり、寝ている和明の腰の右側辺りへ来るとそこで正座した。しほも続いて左側で正座する。

 

「和明くん、ちょっと、腰、上げるわね……」

「は、はいっ……」

 

 和明の腰が二人に持ち上げられ、更に寄せられた彼女らの膝に腰が乗る姿勢になった。必然的に和明の屹立する肉棒は4つの巨大な乳房に囲まれる形になり──

 

「うっ、うわっ!?」

 

 和明の口から思わず声が漏れる。

 

「あぁ……熱いわ、和明くんっ……!」

「しほ、もっと寄せて……和明君のを、押しつぶすくらい……んっ、はぁっ……」

 

 ローションの滑りと冷たさ、そして続いて与えられる火照った肌の温もりと堪らない4つの乳圧。和明の肉棒は二人の押し付けあう豊満な乳房の谷間にすっぽりと包まれていた。

 

「まだ弱音を吐いちゃ駄目よ? ここから、なんだから……あふっ、し、しほ、動くわよ?」

「ええ……感じて、和明くん。私たちの、おっぱい……あぁっ!」

「あぐっ! ちょ、これっ、凄いっ!」

 

 千代としほ、それぞれが乳房に手を添えて寄せつつ肉棒を扱き始めた。その力には強弱があり、時に千代の乳房の谷間、時にしほの谷間。時に二人が形作る谷間へと竿が移動する。

 

「くうぅっ! しほ、さんっ! 千代さんっ!」

「ンンッ! も、もう、暴れん坊ね……」

 

 だが、何処に挟まれようとも竿に与えられる快感は高まり続ける。和明は堪らず自分でも腰を動かし始めた。二人の膝の上で小刻みに腰を跳ねさせると、千代が喘ぎつつ吐息を漏らす。

 柔らかいだけの乳房では、ここまでの快感は得られなかったろう。日々の戦車道の鍛錬で磨かれた、張りのある身体と乳房。それが柔らかいだけでない堪らない弾力を生み、口や手とは異なる快感を和明に与えてくる。

 

「はぁっ……か、和明くんのここ、凄く苦しそう……あむっ、ンッ、ぺちゃ……」

「んんっ、こ、こら、しほ、独り占めは駄目よ? れろっ、んはっ……!」

「ああっ! そ、そんな、二人でっ!」

 

 和明の亀頭を奪い合うように乳房を押し付けつつ、二人の舌が鈴口をくすぐり、カリを舐め、亀頭を弄ぶ。

 そしてもう一つ、和明の快感を煽るのはその絵面だった。本来ならば一介の学生バイトである自分が挨拶を交わす事すら難しいような世界に住む淑女である彼女らが、自分の肉棒に欲情し奉仕する姿。例え今宵ひと時だけの姿だとしても、それは和明の中から堪らない支配感を覚えさせた。

 

「おっ、おぉっ! や、ヤバっ……!」

「も、もう、イキそうなの、いいわよ、いつでも、イッてもっ……!」

「んはっ……か、和明くん、出すときは、私の方に、出してっ! 思い切り、顔にっ……!」

「しっ、しほっ。貴女はさっき貰った、でしょ? 和明君、次は私の方にっ……」

 

 ローションによって滑らかでありながら同時にぐにぐにと弾力ある4つの乳房を押し付けられ、締め付けられる感触。しほの爆乳と千代の巨乳は淫らに形を歪ませつつもローションと汗で照り光る。肉棒からの快感と興奮を煽る情景に、和明の射精感が次第に強まってくる。

 射精を訴える和明にしほが一層身を寄せつつ精液を懇願すれば、負けじと千代が竿を自分の方に寄せつつ射精をせがむ。

 できるだけ長い間この極楽めいた快感を味わっていたいと思っていた和明だったが、ついに限界が訪れ、震える腰を上に突き上げた。

 

「ぐ、くうぅっ! も、もう、無理っ……う、あぁぁっ!」

「んあっ、あ、熱いっ……!」

「凄い……噴水、みたいに……」

 

 腰を突き上げたことで亀頭が4つの乳房が形作る谷間から顔を出し、直後に精液が迸った。二度目とは思えない程の大量の白濁液がまるで噴水めいて噴き出し、顔を寄せていたしほと千代、二人の顔を容赦なく汚してゆく。

 

「あっ……はあっ……」

「和明君、まだ、終わりじゃないわよ? ここを、こう……」

「ンッ……かずあき、くん……もっと、出して……」

「えっ!? く、あぁっ!」

 

 乳房を支えていた彼女らの手が下から上で揉み上げるような動きを見せる。同時に射精中の和明の肉棒の根本がきゅっと乳圧によって締め付けられ、それが上へとせり上がってくる。

 

「し、搾られるっ……!」

「じゅるっ……ま、まだ、残ってるっ……」

「あふっ、んっ……お、美味しいわ、和明君の、精液っ……」

 

 尿道に残った精液を搾り上げられる感触。溢れてきた粘りある白濁液をしほと千代は恍惚とした表情で舐めとってゆく。

 やがて完全に射精を終えると、二人は膝を引いて和明の腰を解放した。

 視界がチカチカする程の強烈な快感の余韻に、和明は大きく息を吐いた。

 

「ハアッ、ハアッ……!」

「ふうっ……どうだった、和明君?」

「さ……最高、でした……」

 

 口の端に残った精液を舐めとりつつ尋ねる千代に、和明は素直に答える。

 

「ふふっ、それは良かったわ……それじゃ、今度は私たちに……」

「ちょっと待って、千代。和明くん、起きられる?」

「あ、はい……」

 

 まだ余韻が抜けきらない中で身を起こす。その手に、やはり見覚えのある小瓶が渡された。

 

「これ……」

「来る前に菊代に伝言と一緒に渡されたわ。あの時は意味が分からなかったけど、彼女はもう和明くんから聞いていたのね」

「伝言?」

「『踏ん張りどころですよ、篠原様』だそうよ」

「……ははっ」

 

 どうやら菊代はこうなる展開を予測していたらしい。

 苦笑しつつ和明は渡された精力剤の封を切るとひと息に飲んだ。強い苦みと甘み、生薬の香りが口腔内に広がり、それは熱となって体に流れ込む。まだ吸収されていないだろうに、身体から活力が湧き上がってくるように感じる。

 

「……よし、もう大丈夫です」

「頼もしいわね。本当、暫くお別れと思うと本当に残念……」

 

 和明の言葉に千代はそう言いつつ、ころんと自身の身体をベッドに横たえた。仰向けの姿勢で脚を開き、和明を見上げる。

 

「次は、私たちに……一番奥まで、和明くんのを届かせて……!」

 

 同じくしほも千代の横に仰向けに寝ると足を広げ、既に濡れて染みが作られた紐をずらした。

 

「「ねえ、頂戴」」

 

 二人の声がシンクロする。

 

「……はい!」

 

 射精したばかりというのに、再び肉棒が反り返る。

 赤いガーターと黒のストッキングに彩られ、亜麻色の陰毛を濡らしつつ肉棒の挿入を待ち望む千代の秘唇。

 汗と愛液を吸い下着の機能を持たなくなった白布から豊満な乳房を溢れさせ、陰毛を照り光らせつつ陰唇を震わせるしほの秘所。

 どちらも堪らなく淫らで──同時に、美しかった。

 順番をどうするか和明は暫く悩んだが、やがてしほの脚の間に自分の腰を定めると亀頭を孔に宛がい、そのまま突き入れた。

 

「すいません、千代さん。しほさんの、後、でっ……うっ、うぉっ!」

「んっ、はぁっ! こ、これっ、これ、欲しかった、のっ! 来て、和明、くんっ! もっと、もっと奥までっ!」

「あらあら……しほ、本当に溜まってたのね」

 

 一応の詫びを千代に言おうとした和明だったが、その言葉を言い終える前にしほに抱き寄せられ、腰のうねりと共に激しい締め付けを受けて呻いた。

 表向きは日本戦車道の覇権を競う流派の家元の乱れる姿に、千代は咎める風でもなく言うと自らの股間に手を伸ばした。

 

「ンッ……し、仕方ないわね……和明君、私、濡らしておくから、早めに済ませて……ん、ふぅっ……」

「わ、分かり……ましたっ!」

「くひぃっ!」

 

 大きく腰を引き、ずんと杭を打ち込むようにしほの膣内へ強く肉棒を突き入れる。重く揺れるしほの乳房が押し当てられ、突起した乳首が和明の胸板をくすぐる。

 北海道で経験したみほの「蛸壺」は確かに名器だったがやはりしほの熟れた秘所はそれとは別で違う。肉厚の膣内全体で強く締め付けつつも和明の凶悪なまでの怒張を全て呑み込み、それから快楽を得ようと濡れそぼる襞が無数の舌のように亀頭を、鈴口を、カリを、竿を撫で上げてくる。

 

「ぐっ、うぉっ、し、しほさんっ! しほさんっ!」

「あぁぁっ! 和明くんっ! 和明、くんっ!」

 

 次第に腰の動きが早くなってゆく。ゆっくり味わおうと思っても止められない。心の中から湧き上がる激情が、理性を溶かしてゆく。

 

「俺、忘れませんっ! しほさんの、この、まんこの締め付けもっ、形、もっ! 熱さもっ! 絶対に、絶対に忘れずにっ、またっ、ここに戻りますっ!」

「んっ、はぁっ! お、覚えてっ! わたっ、私も、忘れない、からっ! 和明くんの、ちんぽの、固さも、熱さもっ、大きさ、もっ! いっ、いいっ! ちんぽっ、和明くんっ、ちんぽいいっ!」

「うあぁっ! しほ、さんんっ!」

 

 互いに一切の遠慮を含まない、腰を夢中で振り、激しく肉を打ち付けあう姿。それはもはや「セックス」ではなく「交尾」と呼ぶのが相応しいだろう。

 汗に濡れた艶やかな黒髪を振り乱し、しほは悶える。和明も歯を食いしばり、しほの膣内を削るような勢いで肉棒を擦らせる。

 

「ふひぃっ! ちんぽ、中で、大きくっ! 和明くんっ! 出るの、出るのっ!?」

「はっ、はいっ、もうっ……!」

「いいわっ、何度でも、何度でも、膣内(なか)で射精してっ! 和明くんっ、のっ、ああんっ! 精液、沁み込ませ、てっ! あひっ、あ、ああぁっ!」

 

 一際しほの締め付けが強まる。和明は彼女の子宮口に亀頭を押し当て、そこで我慢を開放した。

 

「ぐぁ、ああぁっ! しほ、さんっ! しほぉっ!」

「ふひっ! あ、あふぁ、ああぁっ!」

 

 獣めいた叫びと共に和明は絶頂に達し、しほの奥にどくどくと精液を注ぐ。先ほどの精力剤が回ってきたのか精巣がドクドクと精液を増産しているのが分かる。

 

「ふぅ……んっ!」

「ンンッ! か、和明、くん、もっと……」

「ちょっと我慢しててくださいね、しほさん」

 

 絶頂の余韻の中でなお和明を求めるしほに申し訳なさそうに言うと、和明は勃起したままの肉棒を彼女から引き抜いた。

 

「……お待たせです、千代さん」

「は、早く、お願いね……あんな激しいのを見せられたら、私も我慢、が……あぁっ!」

 

 脚を抱え、精液と先走り、そしてしほの愛液に濡れて照り光る怒張を今度は千代の秘所へと突き入れる。

 

「あうっ! す、凄い、濡れてっ……!」

「か、和明君も、あぁ……す、凄いっ……前より、もっと、逞しいっ……!」

 

 まるで熱した蜜を溜めた器に肉棒を突き入れたかのような感触に和明は呻く。一方の千代も和明の肉棒が与えてくる快感に悶える。

 考えてみれば、大学選抜の演習艦に乗っている時も千代は愛里寿と和明の間に入ろうとせず見守っていた。挿入するのは暫くぶりだ。

 

「あふっ! あ、あぁっ! そっ、そこっ、擦れ、てっ!」

「く、うぅっ! 千代さんの、まんこ、もっ、絶対、忘れませんっ! この、包み込むような、感じっ! 忘れませんっ!」

「ふぁ、あぅ、んあぁっ!」

 

 正面から貪欲に快楽を求めてくるのがしほの秘所なら、千代は全体を柔らかく包みながらも肉棒のツボを押さえ、射精へ促してゆく秘所と言えば良いだろうか。

 激しい締め付けという訳ではないのだが膣内の熱さはしほ以上で、根本辺りをきゅっと締め付けてくる感じが心地よい。和明は再び腰を使い始めた。

 

「あぁっ! す、素敵よ、和明君っ! 太くて、固くてっ! あ、愛里寿に、あげたくない、くらいっ!」

「千代さんの、まんこもっ、素敵、ですっ! エロくてっ! あったかく、てっ! ぐ、うぅっ!」

「ま、またっ、戻って、きてっ! 私の膣内、にっ! 待ってるからっ、待ってる、からっ!」

「あぐっ、ち、千代さんっ!」

 

 亜麻色の髪を揺らし千代が悶える。既に三度の射精を経て四回目で少しは疲労を覚える頃の筈だが、まるで身体から活力が衰える気配が無い。菊代の精力剤に感謝しつつ和明は更に千代の秘所に肉棒を突き入れ、子宮口を亀頭でノックする。

 

「も、戻って、きますっ! 絶対ここに、また挿入、してっ! 射精しますっ!」

「やっ、約束、よ……そ、それじゃあ、忘れない、ようにっ!」

「何ですか、千代、さんっ!?」

「射精、してっ! 和明君、のっ、精液の味っ! ちっ、千代のおまんこ、にっ、覚えさせてっ!」

「……喜んでっ!」

 

 腰の動きを早める。こみ上げる射精感を堪えることなく、和明はそのまま精液を放った。

 

「あぐっ、う、おおぉっ!」

「あふっ! あ、熱っ……!」

 

 びくんと千代の身体が大きく跳ねる。彼女の愛液より更に熱い精液がどくどくと溢れ、膣内に満ちてゆく。

 

「うっ……はぁっ……」

 

 千代を絶頂に導いたのを確かめ、和明は肉棒を引き抜いた。

 

「んっ……」

「し、しほ、さんっ……!」

 

 そこにいつの間にか余韻から覚め、身を起こしていたしほの顔があった。恍惚とした表情で精液と愛液に塗れた肉棒に頬ずりし、舌を伸ばして白濁液を舐め取る。

 

「ンッ……し、しほ、ずるいわよ? 私だって、もっと……」

 

 そこに千代も続く。自身の肉棒を愛おしそうに求めてくる二人の家元に和明は答えた。

 

「しほさん、千代さん……もっと覚えさせてください。二人の全てを」

 

 

 

 そこから何回交わったのか、和明も覚えていない。

 しほの膣内に出し、千代の膣内に出し、二人の顔に精液を浴びせ、豊かな乳房で挟ませ、重ねた二人で素股を行い、最後あたりには二人の尻穴(アナル)まで味わった。

 そして気を失うように眠りにつき──初めてしほと交わった日のように、目覚めた時には二人は部屋に居なかった。

 ルームキーをフロントに返しホテルを出た頃には既に昼前で、残暑の汗ばむ陽光が街には注いでいた。

 

『それでは次は戦車道の話題です。プロリーグ発足を目前に控え、日本戦車道の代表的流派である西住流と島田流の両家元が会談し、今後のプロチームの結成と調整について……』

 

 交差点のビルに設置された大型ビジョンがニュースを流し、並び立つ二人の美しい家元を映す。

 篠原和明はその映像に背を向け、歩き出した。

 

 

 

 ──人の想いがどうあれ、気が付けば残暑の暑気は去り、風は冷たくなり、木の葉は色づく。

 

 

 

『はい! という訳で今日も「蝶野が斬る!」始まったわけだけど、今日の最初の話題は先日行われた日本選抜チームとアメリカ戦車道チームとの初の国際交流試合について! いやー、凄かったわね! まあ相手は二軍で主力メンバーではなかったんだけど、それでも勝てたのは凄いことなの! 特に見どころとしては学生ながら参戦した西住まほ・みほの二人と、大学選抜隊長の島田愛里寿の活躍ね! 例えば序盤戦、敵の奇襲を掻い潜って……え? そろそろお手紙紹介? 了解、それじゃ最初のお手紙はラジオネーム「胃薬隊長」さんからのお便り……』

 

 パーソナリティー・蝶野亜美が贈る人気ラジオ番組「蝶野が斬る!」が戦車道ショップに流れる。今日の彼女のテンションはいつも以上に高い。

 

「……ふぁあ」

 

 思わずあくびが出た和明に、店長が声をかける。

 

「眠いのかい、篠原君?」

「あ、店長……いえ、まあその、ちょっと」

「昨日もボランティアスタッフに参加してたんだろう? ちゃんと休みは取れてる?」

「大丈夫ですよ。実際、明日は休み貰ってますし」

 

 店長の気遣いに笑顔で答える。

 

「それならいいけど……無理はしないでくれよ?」

「はい、ありがとうございます」

 

 和明は今、大学で授業を受けつつ戦車道ショップで働き、日にちを調整して近隣の戦車道の試合のボランティアスタッフとしても活動している。実際忙しいのは確かだが、これも二年までで必修以外の単位を取ってしまえば多少は楽になる。あと一年半ほどの辛抱だ。

 そんな話をしている内に壁に掛けられた時計が鳴った。今日のシフトは土曜午前のみの半ドンである。

 

「っと……それじゃ店長、お先に失礼します」

「はい、お疲れ様。()()()()()

 

 いつもの挨拶を経て、鞄を片手に街に出る。少し前まで緑だったイチョウ並木の葉は黄色味を増してきていた。もう少しもすれば通りに銀杏の匂いがするようになるだろう。

 

「ふぅ」

 

 果たして自分は前に進んでいるのだろうか。あの一ヶ月ちょっとが余りに濃厚すぎたせいか、逆に未だに今の日常に現実味が沸かない。

 通いなれた道を歩き、やがて自分のアパートへと戻る。ドアを開け、鞄を下ろし、ふうと息をつく。週が明ければまた忙しくなる。ちゃんとこの土日で休まなくては。

 そう思いつつ和明は押入れを開け、布団を出した。まずは寝るべし。

 

「……ん?」

 

 その時、ふとインターホンが鳴った。

 友人が来る予定などは無い。セールスマンか新聞勧誘だろうか。気持ち息を殺しつつ和明はモニターを見る。

 

「っ!?」

 

 半分寝ていた眼が驚愕に見開かれる。慌てて和明は玄関に向かった。鍵を開け、ドアを開ける。

 

「ど、どうしたんで……!?」

「失礼するわ」

「お久しぶりね、和明君」

「ご無沙汰しています、和明さん。少しお邪魔します」

「え!? あ、あれ、お母さん!? お姉ちゃん!?」

「………」

「篠原様、お元気そうで」

 

 こちらの返事を待たず彼女ら──西住しほ、島田千代、西住まほ、西住みほ、島田愛里寿、井手上菊代──がどやどやと室内に上がり込む。

 

「……え?」

 

 一瞬、脳が停止する。頭を整理しようとポンポンと自分の額を叩いてみる。ストレスから幻覚が見えるようになったのだろうか。そんな考えが浮かぶ中、和明は鍵をかけ直して居間へと戻る。

 

「どうしたの和明くん? まだ外に誰かいたかしら?」

 

 ──幻覚のはずの彼女たちは消える事なく、居間で車座に座り和明を待っていた。

 

「ちょ……ちょっと待ってください! 何で、その、揃ってここに!?」

 

 聞きたい事は山ほどあったが、とりあえず和明はその車座に加わるとしほに尋ねた。

 しほは数秒、言いづらそうに顔を伏せた後に言った。

 

「……しっくりこないのよ」

「はい?」

「だから、和明くんの決意をこちらも受け止めて、貴方が上がってくるまで待とうと思ってたのだけど……」

 

 そこでしほは視線を逸らし横の千代を見た。こんな状況でも千代の表情は柔らかく、しほより流暢に語り始める。

 

「あれから貴方の『代わり』を私たちも探してみて、実際に相手をしてみても貰ったのだけど……どうもあの一ヶ月で私としほ、和明君のにすっかり馴染んでしまって他だと全然物足りなくって、余計に欲求不満が溜まるようになってしまったの。困ったものね」

「『困ったものね』って……いや、『次に会うまで関係を一旦終わらせる』って話はどうなったんですか!?」

「ええ、そこは変更なしよ。今までの関係は一旦おしまい」

「だったら……」

「だから……ここからは『ビジネス』」

 

 和明の言葉を待たず、千代は封書を差し出した。

 

「今までは無償だったけど……和明君、貴方に正式に私たちの戦車道の鍛錬に伴う欲求不満の解消を依頼します。報酬は貴方が上に行くための補助。この世界、推薦状のひとつも無しで上がってゆくのは難しいわ」

「……!」

 

 言葉を失い、和明は助けを求めるようにまほに尋ねた。

 

「ええっと……ま、まあしほさんと千代さんの事は分かったけど、何でまほさんまで?」

「和明さんが関係を断たれたのは()()()()()()()()()()()と伺いました。私個人としても、和明さんなら信頼できるので今後も相手をお願いできればと」

「えっ!? お、お姉ちゃん!? 今日は篠原さんをボコミュージアムに連れて行くから来たんじゃないの?」

 

 みほが驚いてまほに聞く。どうやら彼女は来訪の目的を聞かされていなかったらしい。まほはみほに真顔で言った。

 

「みほ、お前は私やお母様と比べて自覚症状が弱いようだ。先日の国際戦の後から調子を崩しているのは知っている。相手をして貰ったほうがいい」

「そ、それは……そう、だけど……」

 

 まほの言葉にみほは顔を真っ赤にして下を向く。しかしそれは照れであり、拒絶の反応ではないようだ。

 駄目だ、これはまほも引き下がる気配はない。和明は今度は愛里寿に尋ねた。

 

「その、愛里寿ちゃんは……どうして?」

「………」

 

 愛里寿は白い頬を赤くすると、おずおずと言った。

 

「わ……私は、()()()()()()()()()()()()()()()()……」

「………」

 

 これは告白と受け止めるべきなのだろうか。頭痛がしてきた和明に菊代が声をかけてきた。

 

「まあまあ、篠原様。男子たるもの、ここまで据え膳を揃って出されたなら全て召し上がられるのが礼儀かと」

「……菊代さんは、何でここに居るんですか?」

 

 力なく和明が問い返す。

 

「それはもちろん、()()()()()への応援でございます」

「こ、後輩?」

「ああ、そういえばお渡ししていませんでしたね」

 

 何かに気づいたように菊代はポンと手を打つと、袖を探り一枚の名刺を取り出した。

 

「『日本戦車道連盟 スカウト部門 井手上菊代』?」

「はい。ですので戦車道連盟への就職を目指す篠原様はわたくしの後輩という事になります。そうとなれば……少し鍛えさせていただこうかと」

 

 にこやかに菊代はそう言うと、別の袖から見慣れた精力剤の小瓶を取り出した。 

 その時、ふと和明の頭に別の疑問が浮かんだ。

 

「でも、何でみんな揃ってこんなにタイミング良く来れたんですか?」

「少し前に店長様から伺いまして」

「そう、ですか……」

 

 なるほど、あの退勤時の「頑張って」はそういう事だったか。

 

「……ははっ」

 

 どうやら、まだまだ自分が「子供」を卒業できるのは先になりそうだ。

 和明は笑みを浮かべ、膝をぱちりと叩いた。

 

「分かりました、全員相手します!」

「……そう言ってくれると思ったわ」

 

 一見、変わっていないように見えるしほの表情。

 しかしそこに心からの安堵が表れている事が、和明には確かに伝わった。

 

「さて、そういう事ならまずは布団を敷きましょうか。和明君、他に敷布団ってあるかしら?」

「お母様、敷布団が足りないようなら買って参ります」

「お姉ちゃん! ほ、本当にするの!?」

「あの……それより、みほも和明さんとシていたの?」

「えっ!? 『も』って……愛里寿ちゃんも!?」

「うん……私の場合、前が無理だったからお尻だけど……」

「お、お尻って……えっ!? ええっ!?」

「落ち着いてください、みほ様。わたくし以外全員が篠原様と性交済みでございますので」

「えええっ!?」

 

 数分前まで静寂が支配していた部屋が、賑やかな喧噪に満ちる。

 季節の夏は終わったが、和明の『夏』はまだまだ続くようであった。

 

 

 

【俺と家元(かのじょ)と巨砲主義 終わり】




ここまで拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます。
「薄い本を漁ってもしほさんの凌辱ものかチャラ男やスポンサーおじさんに快楽堕ちされるのしかねえ! こうなったら自分でイチャラブ系を書くしかねえ!」という感じで書き始めた本作でしたが、11か月の連載を経てようやく完結させる事ができました。
これもここまでお読みいただいた方々の応援や感想、ブックマーク、評価の投票などに支えていただいたお陰です。感謝の限りです。

ここで一旦、和明と家元たちの物語は終了しますが、現在アンケートを取っている番外編なども含めあと数編は書く予定です(アンケートは今月末まで投票を受け付けます)。
そこまでハイペースには書けませんが、のんびりお待ちいただければと思います。
重ねて、本当にありがとうございました。
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