※この作品はR-18です。

俺と家元(かのじょ)と巨砲主義   作:ターキーX

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第二話

 豪奢なシャンデリアが天井に幾つも吊るされ、晩秋の夕闇に包まれた外の暗さを感じさせない光を広い室内に行き渡らせる。

 ホール内で立食しつつ談笑する人々の多くは高級感あるフォーマルスーツやドレス姿だが、その中にはパンツァージャケット姿の女性も少なからず確認できる。戦車道ワールドカップでまほやしほの指揮のもと奮闘した日本選抜チームの選手たち、もしくは島田愛里寿が主将を務めるプロチーム「群馬ボコーズ」の選手たちだ。

 

「いやいや、西住さん。この度は本当にお疲れ様でした」

「ありがとうございます、理事長。この結果は陰で尽力していただいた連盟の方々あってこそのものです。こちらこそ負担をお掛けしました」

 

 和服姿の恰幅の良い壮年がまほと挨拶を交わす。

 戦車道連盟のトップである理事長、児玉七郎。和明からすれば会社の社長にあたる存在なのだが、その腰の低さと好々爺めいた人の好さは「理事長」と言うよりは「校長先生」と呼んだ方がしっくり来る感じの人物だ。

 紙製の皿に分けられたローストビーフを口に運びつつ、和明は場内に視線を巡らせた。幾つか人の集まっている箇所、そこが本日の「主役」たちのいる場所だ。

 そのひとつが動きを見せた。男物のスーツに白いワイシャツという出で立ちの女性、今回の戦車道ワールドカップにおいて日本代表の監督を務めた西住しほがこちらに歩み寄ってくる。

 

()()()()、この度は選手間の調整、本当にありがとうございました」

「あ……いえ、西()()()()、こちらこそお世話になりました」

 

 折り目正しく礼をするしほに、和明も皿を置いて「戦車道連盟・渉外課職員」として挨拶を返す。

 二、三の言葉を交わし、ほんの少しだけ視線を絡ませ、しほは再び別の人物に挨拶に向かった。周囲の取り巻きは西住流の門下生や、西住流に縁しようとしている戦車道関連企業の幹部などだ。文科省が莫大な予算を投入している事もあり、それ狙いでひと稼ぎしようと考える連中も出てきている。

 

「大変だよな、しほさん」

 

 周囲に聞こえない程度の小声で呟く。

 今のしほは西住流家元としての立場に加えて戦車道プロリーグの最高顧問、高校戦車道連盟理事長も兼任している。顔にこそ出さないが、その忙しさは尋常ではないだろう。監督として彼女もまほやみほと共に昨日までドイツに行っており、会ったのは暫くぶりだったのだが──

 

「あれは……相当に溜まってたな」

 

 先ほど視線を絡ませた一瞬で和明はそれが理解できた。何と言うか、瞳の奥にゆらりと「炎」が見えたとでも言うべきか。

 次に彼女と身体を重ねる時には──まあ、それが()()なのはほぼ確定なのだが──相応の覚悟が必要だろう。そう思いつつ和明は腕時計を見た。もう少しで次の式典が始まるくらいだ。

 ふと和明は尿意を覚えた。式典が始まれば中座は難しい。

 

「……済ませておくか」

 

 足早にホールを出てトイレへと向かう。少し歩いたところの男子トイレは幸いにして空いており、並ばずに利用する事ができた。

 今日の式典は二つの意味を持っている。ひとつは日本代表の三位決定を祝う祝賀会、もうひとつが現・島田流師範代にして未来の島田流家元、島田愛里寿の18歳を祝う誕生日会。無論メインは祝賀会だが、戦車道界のプリンセスである愛里寿の成人は界隈において大きく祝うに足りるニュースである。

 手を洗い、トイレを出る。

 

「おっ……と」

 

 その時、ちょうど廊下を通りかかった人影とぶつかりそうになり和明は慌てて一歩引いた。

 

「すみません、どうも……!」

「いや、こちらこそ申し訳っ……!?」

 

 お互いに謝ろうとした時、同時に言葉が途切れる。

 

「愛里寿ちゃ……島田、さん」

「………」

 

 その人影、島田愛里寿は相手が和明である事に気づき、驚きを顔に浮かべこちらを見た。

 ──この五年間で最も大きく変化したのが彼女なのは間違いないだろう。かつて視線を合わせるには少し腰を落とす必要があった背丈は少し首を曲げるだけで合うようになり、二次性徴を経たその身体は細身ながらもしなやかな、女性らしいラインを描くようになっていた。着ているパンツァージャケットも昔の子供用ではなく大人用のもので、首には銀のチョーカーが巻かれている。

 和明は咄嗟に廊下に自分たち以外の他者が居ないか確かめ、その上で公での立場で挨拶をしようとした。

 

「その、島田さん、今日は……」

「……っ!」

 

 和明の言葉を待たず、愛里寿は顔を伏せるとホールへと小走りに駆けてゆく。

 

「……ふぅ」

 

 その背中を追いかける事なく、和明は小さくため息をついた。

 この五年間、和明を取り巻く状況は()()全てが上手くいってくれたが──思い通りにいかなかった事も当然ある。この五年で大きく変わってしまった和明と愛里寿の関係もそうだ。その事に後悔は無いが、幾らかの「申し訳なさ」が和明の心を刺す。それは和明だけでなく、母親である島田千代ですら見落としていた誤算だった。

 そのままホールに戻ると、間もなく会場奥に設置された壇上に司会がマイクを手に立った。

 

「──えー、皆さま。ご歓談中のところ恐れ入ります。それでは只今より島田流師範代、島田愛里寿様の誕生日セレモニーを行わせていただきます。壇上にご注目ください」

 

 賑わっていた会場内が次第に静かになり、人々の視線が壇上へと向けられる。そこには直径1mはありそうな巨大なホールケーキが置かれ、その横には愛里寿と千代、そして一歩離れて理事長が立っていた。

 司会からまず千代にマイクが渡され、一礼した千代は聴衆に挨拶を始めた。

 

「今日良き日、戦車道ワールドカップを祝う場でこうして娘の誕生日を同時に祝っていただける事に深く感謝致します。プロリーグ発足より四年……微力ながら私たち島田流はその一員として貢献させていただきました。そしてこれからも我が娘ともども誠心誠意、日本戦車道の未来のために努めさせていただきますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします」

 

 背筋を伸ばし、張りがありながら柔らかい声で語る姿が何とも様になっている。こういった場での挨拶に慣れた人間の優雅な所作に和明は改めて感心する。

 千代がマイクを司会に戻すと場内にBGMが流れ始めた。誕生日にはお決まりの曲だ。同時に会場スタッフがケーキに刺さっている18本の蝋燭に火を点けてゆく。

 

「それでは島田愛里寿様に蝋燭を吹き消していただきます。皆様におかれましては、島田様が消されたら拍手をお願い致します」

 

 司会が案内をしつつ愛里寿をケーキの正面へと促す。愛里寿はこくりと頷くと一歩踏み出した。

 

「すぅ……ふぅぅ……!」

 

 大きく息を吸い、ひと息で蝋燭の炎を消す。同時に場内は万雷の拍手に包まれた。和明も壇上に向けて拍手を送る。

 愛里寿は呼吸を整えると、壇上から一礼して千代からマイクを受け取った。

 

「皆さん、ありがとうございます。18歳の私の誕生日をこの記念すべき場でしていただいた事は、私の生涯の記憶として決して忘れません」

 

 再び拍手。軽く一礼して、再び愛里寿は口を開く。

 

「18歳……本当の意味で私は成人となりました。まだまだ若輩ではありますが、これからも群馬ボコーズを、そして戦車道界隈をより盛り立ててゆけるよう頑張らせていただきます」

 

 そこで愛里寿は少しだけ沈黙した。マイクを握る手に力が籠り、壇上に注がれる視線の中で改めて顔を上げる。

 

「……ついては今日、私からも大事な発表があります」

 

 愛里寿の通る声がホールに響く。

 イレギュラーな彼女の言葉に聴衆は戸惑いを見せた。これは式次第には無い内容だ。

 

「………」

 

 和明は無言で壇上の愛里寿へ視線を送る。愛里寿は続けて言った。

 

「私、島田愛里寿は婚約を発表させていただきます」

 

 最初は静かな動揺。そしてそれは次第に大きなどよめきへと変わり広がってゆく。18歳の少女の誕生祝いが婚約発表になった瞬間だ。

 こうして直接聞いてもどうにも現実味の沸かない話である。和明は動揺することなくそう思った。

 そこでマイクは愛里寿から千代に移った。聴衆を落ち着かせるようなゆったりした所作で周囲を見渡す。

 

「本日、その婚約相手もこの会場内に来られています。篠原さん──こちらへ」

 

 どうにも現実味の無い話である──()()()()()()()()()()

 千代の言葉を受け、和明はネクタイを締め直すと壇上へと向かった。次第に周囲の聴衆も和明が「それ」だという事に気づいたのだろう。値踏みするかのような視線を受けつつ和明は階段を上り、愛里寿の横に並び立った。

 そこでマイクが初めて理事長へと渡った。照り光る頭に浮かぶ汗を拭いつつ、和明を手で示して紹介を始める。

 

「えー、彼をご存じの方も多いかと思いますが、改めて紹介させていただきます。篠原和明君、彼は学生時代から戦車道ショップに務め、また大学一年生の頃から戦車道の試合のボランティアスタッフやボランティアリーダーとして活躍しておりました。現在は我々、戦車道連盟の一員として渉外課に務めており……この度、渉外課・課長補佐への昇進も内定している前途有望な青年であります。彼と島田さんは戦車道ショップで知り合ったのが縁となり……」

 

 自分の事を大衆の前で褒められるのは何とも面映ゆいものだ。こういった場に慣れていない事もあり、緊張しているのが自分でも分かる。

 愛里寿はどうなのだろうか。和明はちらりと横に立つ彼女を見た。

 

「………」

 

 愛里寿は和明と同様に聴衆の側へと顔を向けつつ、やはりこちらが気になっていたのか横目で和明の側に視線を送っていた。それと和明の視線が合う。

 

「……すぅ」

 

 彼女が大きく息を吸う。息苦しいのか、ジャケットの胸元へと手を伸ばそうとする。

 和明はスッと愛里寿の腕に触れた。

 

「……っ!」

 

 ぴくん、と愛里寿が反応を示し、上げようとしていた手が下がる。

 

「……という訳ですので、急な発表ではありますが、皆々様には是非とも二人の前途を祝福していただければと思います。篠原君、では君からも」

 

 その間に理事長の話は終わったようだった。マイクを渡され、和明は軽く咳払いをしてから言った。

 

「只今ご紹介をいただきました、篠原和明です。自分は……」

 

 

 

 その後、自己紹介を終え壇上を降りてからの和明は、それこそ料理を食べる暇もなく人々に囲まれる事になった。愛里寿の夫になるということは将来的には島田流家元の夫として戦車道界隈に大きな影響力を有するという事だ。様々な質問に当り障りない回答を心がけつつ、和明はパーティーの終了を待った。

 やがて司会から閉幕の挨拶があり、拍手と共に式次第が締めくくられる。閉場を促された人々が語り合いながら出口へと向かい、送迎のタクシーや専用の送迎者に乗ってゆく。

 和明はその流れから一歩離れたところで様子を伺っていた。そこに一人の和服の女性が近づく。

 

「ふふっ……大変だったようですね、篠原様」

「菊代さん……しほさん達はいつもこんな思いをしてるんですね。良く分かりました」

「慣れておいた方がよろしいかと。明日からはより注目される事になるでしょうから」

 

 彼女、井手上菊代の微笑みに和明は安心したように言った。本音を隠し続けながら社交的に話すというのは、なかなかに難しいものだ。

 菊代は和明の耳元に口を寄せ、小声で言った。

 

「皆様、既に階上に向かわれました。あとは篠原様だけでございます」

「もう、ですか!?」

「それだけ()()()()()()()という事です。お急ぎを」

 

 確かに言われてみればしほ達も愛里寿達も会場から姿を消している。こういった場に慣れているだけに「逃げ方」も心得ているのだろう。和明は菊代に導かれるままにホールを出てエレベーターへと向かった。何故か時折、あえて回り道になる廊下を使って菊代は歩いてゆく。

 

「何でこっちから行くんですか?」

「ホテルスタッフの中に何人か、週刊誌や新聞社から謝礼を受け取って『スパイ』をされている方がおられます。まだ篠原様は顔バレこそしていませんが、面倒は避けるに越したことはございませんので」

「はぁ……」

 

 和明にはさっぱり分からなかったが、菊代には見抜ける何かがあるのだろう。やがて二人はホールから階段で二階に上がり、更にそこから別々のエレベーターに乗った。高速で上がってゆくエレベーターの階表示は最上階付近で止まり、和明を開放する。

 

「えっと……ここだな」

 

 廊下を歩きつつ部屋番を確認し、足を止める。

 大家族用スイートルーム。海外富裕層の家族客の利用を想定した大部屋である。和明はネクタイを緩めつつドアをノックした。

 十数秒の間隔を置いて、ドアが小さく開かれる。

 

「……お疲れ様でした、和明さん。菊代さんも来ているのでどうぞ、中へ」

「まほさん?」

「もう私を含めて()()()()()()()()()ので、これ以上、開けられないんです。早く……」

「わ、分かった」

 

 体を横にして、ドアの隙間に滑り込むように和明は入室した。背後で鍵を閉め直す音がする。

 

「ふぅ……すみません、和明さん」

「いや、まあ、その恰好だと……ね」

 

 和明は苦笑しつつ下着姿のまほに言った。瑞々しい肢体を黒のレースに彩られた上下で包んだ彼女の姿は実に艶めかしく、パーティー会場で疲弊した和明の精神を見るだけで癒してくれる。

 そのまま和明は部屋の奥へと進んだ。

 

「……ようやく主賓の到着ね」

「あら、しほ。この場合は彼は主催者(ホスト)と言うべきではないかしら?」

「おぉ……その下着を見るのも久しぶりですね、しほさん、千代さん」

 

 ダブルベッドが複数設置されながらなお広々としたスペースを残す室内、窓からは横浜の煌びやかな夜景が見下ろせる。

 その室内に足を踏み入れた和明を最初に迎えたのはしほと千代だった。それぞれが五年前、和明と二人が一時的に別れる決意をした時に記念にと着てきた下着──しほは紐めいた細い布、千代は局部を露出させた赤いガーターとブラ──を着込んでいる。あれから五年の月日を経て二人とも四十代に手がかかる程になったが、その身体も顔も「老い」を全く見せていない。むしろ年を経るごとに熟成された美しさがより増してきているようにさえ思える。

 

「お、お疲れ様でした、篠原さん」

「みほさんこそ、今日は本当にお疲れ」

 

 続けてしほの背後からおずおずと顔を出したのはみほ。薄いピンクのシンプルな下着が彼女に何とも似合っている。

 

「………」

 

 ──そして彼女らの前に立つ。パンツァージャケット姿の愛里寿。

 

「……愛里寿ちゃん」

「………」

 

 和明の事は既に気付いている筈だが、顔をうつむかせて此方を見ようとしない。和明は彼女に歩み寄り、その細い肩に触れつつ言った。

 

「もう大丈夫……よく我慢できたね」

「……はい、()()()()

 

 和明の言葉に愛里寿は短く答えるとジャケットのジッパーを下ろした。その中身を見て和明がため息を漏らす。

 

「やっぱり……もう、着ていたんだ」

「は、はいっ……あの場所でこれを見せて、『私はご主人様の所有物です』って言えたなら、凄く興奮すると思って……」

 

 ジャケットの下のシャツのボタンはひとつも閉められていなかった。本当に壇上で愛里寿がジャケットを開放していたなら、聴衆は()()()()を見る事になったろう。

 

「あふっ……ご主人様、もう、我慢、できません……早くっ……」

 

 和明の身体に顔を押し付け、匂いを確かめるように鼻をスンスンと言わせつつ愛里寿はジャケットをシャツごと脱ぎ、スカートを床に落とした。

 露わになったのはレオタードめいた黒のレザーウェア。しかし乳房と局部だけは剥き出しで、小ぶりな乳房の先端では薄桃色の乳首が既に固く突起し、股間は股間で亜麻色の陰毛が既に愛液で濡れそぼっているのが和明のスラックス越しに伝わる湿り気で分かる。

 

「(あそこで止めてなかったら、本当にしてただろうからなァ……)愛里寿ちゃん、んっ……」

「ん、ちゅっ……はぁっ……!」

 

 愛里寿の頤を上げ、唇を重ねる。今や完全に和明の雌奴隷となった愛里寿は嬉々として唇を重ね、それだけで軽く達してしまったようであった。

 

 

 

 和明が、そして母親の千代ですら見落としていた誤算。

 それは彼女、島田愛里寿が飛び級で13歳で大学入学を果たす程の天才であり、大規模な戦車戦の指揮を大人以上に行える程の判断力と才覚を持ち合わせていたが故に見落としていた事──どれだけ聡明でも、彼女の精神性(メンタリティ)は年相応の少女と同じだったという事実だ。

 13歳の少女の精神性はスポンジのようなものだ。周囲の様々な事柄に興味を持ち、知り、吸収してゆくことで成長してゆく。だからこそ親は子供により良いものを与えて成長させようとするし、子供はそんな親が隠すものを見つけ、吸収しようとする。

 

 

 では、そんな13歳の少女がアナルセックス等を入口としてセックスの強烈な快感を知り、特定の男性に依存するようになったなら? ましてやその少女が天才的な学習能力と吸収力を持っていたとしたら?

 

 

 ──雑な表現をするならば「ドハマり」である。

 日頃、少女として年上の戦車乗りを叱咤指導している重責からの反動か、愛里寿は和明に屈服されるプレイを望むようになり、和明もそれに応えようと()()()()()()()()

 その結果──気づけば愛里寿は戦車道での欲求不満などを抜きに和明とのセックスを望むようになり、それこそ触れただけで発情する程の「和明専用の雌奴隷」となっていた。彼女の首に巻かれたチョーカーも、もともとは首輪を望んだ愛里寿に代替品として贈ったものだ。

 

「ふぁっ……ご主人様のオチンポ様、もう固くなってます……」

「くっ……こ、こら、愛里寿ちゃん、まだ挨拶も終わってないのに……」

 

 和明の股間に顔を埋めるようにしつつ、愛里寿は器用に和明のベルトを外すとスラックスをずり下げさせた。トランクスの中で跳ねる肉棒を愛おしそうに撫で、熱い吐息を吐きかける。

 

「ごめんなさいね、和明君。躾がなってなくて……」

「い、いいえ、これは俺も責任がありますから」

 

 申し訳なさそうに言う千代に答える。その間にも愛里寿は動きを止めずにトランクスを引き下ろし、和明の赤黒く肥大した肉棒を外気に晒した。

 ところがその時、ふと愛里寿は動きを止め、怪訝な表情で和明を見上げた。

 

「ご主人様、ここからみほの匂いがしますが……今日、()()の?」

「えっ!? や、ああ、それは……」

「ご、ごめん、愛里寿さん! 時差呆けしちゃって、明日だと思って私から篠原さんに……」

 

 しっかり洗った筈なのだが、愛里寿には通用しなかったらしい。言いよどむ和明をフォローするようにみほが言う。

 愛里寿はみほに少しだけ不満の視線を送ったが、切り替えるようにその視線を亀頭へと移した。

 

「怒ってません。どの道、これからは私の匂いで上書きします……ンッ、んむっ……」

「ううっ……!」

 

 愛里寿の小さい口がいっぱいに開かれ、和明の肉棒を呑み込んでゆく。竿を唾液に塗れさせると口を一旦離して、細い指を絡ませると慣れた動きで扱いてゆく。

 

「んっ……それと、ご主人様。何故あの時、トイレに行くなら言ってくれなかったの? 我慢できなくなったら、()()()()()()()()のに……」

「くぅっ……いや、それはまた、次の機会、でっ……あぁ、堪らないよ、愛里寿ちゃんっ……!」

 

 愛里寿の手淫は技量こそしほや千代の手淫に比べれば拙いものだが、それを補うだけの健気さがあった。ビクビクと竿が跳ね、先端からは先走りが滲む。

 このまま彼女に任せて一度射精するのも悪くないと思ったが、今日の『式次第』はそうではない。和明は愛里寿の頭を撫でつつ言った。

 

「愛里寿ちゃん、一度『おあずけ』だ。最初の射精は、愛里寿ちゃんの手じゃなくて……」

「あっ……はい、ご主人様」

 

 発情しつつも和明の言葉に何かを思い出したのか、愛里寿は手から肉棒を開放するとベッドに腰掛けた。改めて和明も上着を脱ぎ、靴やスラックスと共にまとめて床に置く。筋肉質ながらも固太りしていない、精悍な身体。その中央では怒張した肉棒が強烈な存在感を放つ。

 愛里寿が素直に離れたのを確かめ、本日の「司会役」の千代が言った。

 

「さて……それでは、始めましょうか。『娘、島田愛里寿の処女喪失セレモニー、及び戦車道ワールドカップ・本当の凱旋パーティー』をね」

「……はい」

「皆様方のお食事やお飲み物、精力剤などのご用意は全て整っております。ごゆるりとお楽しみください」

 

 部屋の隅の椅子に腰かける菊代が微笑みつつ言った。

 

「(……頑張らないとな)」

 

 和明は快感への期待と同時に強い責任感を覚えた。この部屋は今日、明日の二日間予約しており、更に和明を含めた全員が予定を調整して明日は完全にフリーとなっている。

 ──つまりここから24時間、五人の美女、美少女を相手に休むことなく交わり合うのだ。「18歳の誕生日に愛里寿の()の処女を奪う」というのはそれとは別で交わした約束だったのだが、ワールドカップの日程が上手く噛み合ってくれた格好だ。果たしてどこまで相手をし切れるか。

 服を脱ぎ終えた和明は愛里寿のベッドに乗った。

 

「お待たせ、愛里寿ちゃん……それじゃ、貰うね」

「は……はいっ……」

 

 愛里寿は白い肌を赤くして、ベッドで仰向けになると自分から秘所に指を添え、淡い色の陰唇を広げた。

 

「この日を、待ってた……ご主人様、これからはケツ穴や、口だけでなく、おまんこでも逞しいオチンポ様のお世話を出来るのが、幸せで、堪りません……もう、十分濡れてますから、そのガチガチのオチンポ様を、思い切り挿入してください……私の初めては、全部、ご主人様のもの、だから……ンンッ!」

 

 無口でクールな天才少女、それが世間の島田愛里寿のイメージ。そんな彼女が自ら挿入をねだり腰を振る姿。それを知る男性は自分だけだという事実は和明の中から否応なく興奮を湧き上がらせる。

 

「……愛里寿ちゃんっ!」

「あふ、あぁっ! ご主人、さまっ! 早く、早くくださいっ!」

 

 組み敷くように彼女に覆いかぶさり、ひくつく亀頭に手を添えて狙いを定める。銀のチョーカーを汗で光らせつつ、愛里寿は和明の背中に手を回し悶えた。

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