「あ、ちょっと和明君。少しだけお尻、上げて貰っていいい?」
ベイサイドホテル大型スイートルーム。ベッドの上で組み敷かれたレザーウェアの少女と、彼女の「主人」である青年。
レザーウェアから零れる掌サイズの乳房を汗に濡らしつつ挿入を待ち望む島田愛里寿、彼女の秘唇に和明が自身の亀頭を押し当て腰を突き出そうとした瞬間、二人の後ろから千代が声をかけてきた。
「ど、どうしたんですか、千代さっ……!?」
顔だけ彼女の方に向けた和明は、思わず言葉を失った。
いつの間にやらベッドの後方に三脚が立てられ、そこにビデオカメラが設置されている。
和明の問いかけに千代は嬉しそうに答えた。
「一生に一度の娘の処女喪失ですもの。それが親の眼前で行われるとなれば、記念撮影は当然でしょう?」
「当然って……いや、俺はともかくとして愛里寿ちゃんが……」
「あぁ……と、撮ってください、お母様。私がご主人様の、か、固くて太いオチンポ様で、初めてを、奪われる所……全部、撮って……!」
「………」
やはり、何と言うか千代たちのこういう所はどこか浮世離れしていると感じる。
とはいえ多数決で撮影が決定したなら仕方ない。和明は少し腰を持ち上げた。
「ど、どうですか、千代さん?」
「ん……ちょっと遠いわね。えっと、ズームを上げて、ピントを……あら?」
「島田さん、その操作はこちらです」
ピントを合わせるのに苦心する千代にまほがフォローする。両方ともが下着姿なのを除けばホームビデオを撮影しているような雰囲気の絵面だ。
「……うん、いい感じになったわ。それじゃあ和明君、改めてお願いね」
「は、はい」
何だか水を差された格好になったが、気を取り直して和明は愛里寿に向き直った。
「ごめん、愛里寿ちゃん。じゃあ今度こそ……うっ!」
「ンッ……ご主人様の、さっきより、ちょっと萎んで……今、戻しますね……」
和明の背中に回っていた愛里寿の両手がするりと解かれ、そのまま肉棒へと移る。10本の細い指が白い蛇のように絡みつき、しこしこと竿を扱く。
忽ちの内に肉棒は寸前までの固さと大きさを取り戻し、愛里寿の手の中で激しく脈動した。
「はぁ……伝わって、きます……オチンポ様、どくどくって……!」
嬉しそうに愛里寿は瞳を輝かせる。
何とも健気な性奴隷になったものだ。和明は内心で可愛らしいと思いながら、同時に強い興奮が湧き上がるのを感じていた。
愛里寿の指が肉棒から離れるのに合わせて、和明は竿に手を添えた。亀頭を秘唇に擦りつけると、既に十二分に濡れそぼった愛里寿の秘所から更に愛液が溢れ、赤黒い亀頭を照り光らせる。
「はっ……早く、くださいっ……我慢できない、だらしない、奴隷に……思い切り、強くっ……!」
「……ああ、いくよ」
和明は腰に力を籠めて肉棒を愛里寿の陰唇へと亀頭を埋め込んだ。
「んくっ……!」
愛里寿の身体がびくんと震える。しかし和明を抱きしめる手が緩むことはない。むしろより密着しようと力を増してくる。それに応えるために和明は更に腰を進めた。
「ぐっ……愛里寿、ちゃんっ……!」
間もなく強い抵抗を返す箇所に到達した。愛里寿の処女膜だ。結合部に目をやれば秘唇は限界まで広がっており、何とも痛々しい様となっている。和明は腰を少し進めてみた。
「はぁっ、あ、くっ……!」
「(……まだ、厳しかったか?)」
愛里寿の顔が痛みに歪む。和明の心に彼女への気遣いと共に迷いが生じる。
この五年で挿入できる程度に成長した愛里寿の身体ではあったが、それはあくまで「多少無理をすれば可能である」というだけで「スムーズな挿入が可能である」という訳ではない。これだけ濡れていてもなお固く閉じられた処女膜をここで破るべきか、もっと入念な準備をしてからの方が良いのではないか? 和明は腰を止め、考える。
その時、愛里寿が息を吸った。
「すぅ……う、あぁっ!」
「あ、愛里寿ちゃん、ちょっ……!?」
直後の愛里寿の行動は予想外のものだった。
ずり上がりを堪えていた愛里寿が自ら腰を和明に寄せてきたのだ。幾ら愛液で滑らかになっているとはいえ、和明の巨根を迎え入れるには余りに早急な手段と言えた。確かに少しずつ肉棒は愛里寿の膣内へと挿入されてゆくが、同時にプチプチと密着していたものが千切れてゆくような感触を覚える。
「愛里寿ちゃん、そんな無茶、したら……ンッ!?」
「んっ、ちゅ、んはっ……ご、ご主人、様……うぅっ!」
制止しようとする和明の口が愛里寿の唇で封じられる。幾度か唇を重ね、彼女が言った。
「だ、大丈夫です、ご主人様! お願いします、この、ままっ!」
「いや、だって愛里寿ちゃん、こんな……痛いだろ?」
「痛い、です……じんじんして、身体が裂ける、ようなっ……!」
「だったら、そんな無理しないでも」
「
背中に回された彼女の手に力が籠るのが分かる。瞳に涙を浮かべつつ、愛里寿は和明に懇願した。
「五年間、私はご主人様にケツ穴で奉仕してきました……でも、お母様や、西住さんのおまんこで、ご主人様がコンドーム無しで、んっ、き、気持ちよさそうに射精している姿に、いつも悔しさを感じて、んくっ! ま、ましたっ……!」
「愛里寿ちゃん……!」
「今日、18歳の誕生日に折角ご主人様が初めてを貰ってくれるのに……出来なかったら、私、絶対後悔、する、からっ!」
「……分かった!」
──本当に健気で可愛い、自分だけの奴隷。
そんな彼女の意思を無下にするのは、それこそ男として失格だ。和明は腹を決め、自分からも肉棒をより奥へと差し込んだ。強烈な締め付けを感じつつ、怒張を更に埋没させてゆく。
「……流石は我が娘、強く育ってくれたものね」
「あ、あの、これってそういう場面なんですか?」
しみじみと言う千代の言葉に、みほが思わず問いかける。
今もビデオカメラでは自分と愛里寿の結合部が映っているのだろう。破瓜の出血は避けられなかったが、ここまで来たら行くところまで行く。すなわち、愛里寿の処女を完全に奪い、
「あぐっ! あっ、あぁっ!」
「くうっ……う、はぁっ……!」
やがて亀頭はこつんとした感触へと到達した。愛里寿の子宮口だ。和明は大きく息を吐き、身体を支えていた手を愛里寿の身体に回すと優しく抱きしめた。
「ふぅ……愛里寿ちゃん、もう、大丈夫……全部、
「はっ、はいっ……分かり、ますっ……ご主人様の、奥まで、来てますっ……!」
「早めに終わらせる。ちょっと、待ってて……うっ、くうっ!」
「ひぅっ! あ、ひぃっ!」
処女の相手をしたのはかつて北海道でみほの相手をした時以来だが、当時のみほよりやや小柄な愛里寿の膣内はやはり狭く、強い締め付けで和明の肉棒全体を包んでくる。しかしその中は温かく滑らかで、細かく擦るだけで十分な快感が得られた。
結合部を見れば破瓜の血が愛液に混じり溢れているのが見える。出来るだけ早めに一旦終わらせ、彼女を満足させると同時に休ませたい。そんな思いで和明は腰を使い始めた。小刻みな動きに合わせ、途切れ途切れに愛里寿が喘ぐ。
「ごっ、ご主人様っ! あうっ! ど、どう、ですかっ!? わたっ、私のおま、んこっ、痛く、ない、ですかっ!?」
「ああ、気持ちいいよ。最高、だっ!」
「うれっ、嬉しい、ですっ! もっと、もっと感じて、下さいっ!」
まだ痛みは治まっていないだろうに、愛里寿は涙を流しつつも嬉しそうに笑みを浮かべ、自身の中を蹂躙する肉棒の動きに合わせて身体を震わせる。
普段のような我慢をしていない事もあり、射精感はすぐに高まってきた。ストロークを気持ち大きくしつつ、和明は更に腰の動きを速める。
「そ、そろそろ、出るっ……!」
「っ! だ、
「うおっ、あ、愛里寿ちゃんっ! うあぁっ!」
卑猥な言葉を連呼し射精を懇願する愛里寿の姿に、和明は遠慮する事無く射精感を解き放つ。怒涛の勢いで精液が迸り、破瓜したばかりの愛里寿の膣内に吐き出された。
歯を食いしばりつつ、愛里寿は身体を離すことなく身を震わせ、初めての射精を受け止めてゆく。
「ンッ、凄い、これっ……ゴム越しに出されるの、より、全然っ……!」
「うっ……ヤバ、止まらないっ……」
白い肌に玉のような汗を浮かべ悶える愛里寿の膣内に、和明自身が驚く程の量の白濁液が更に注がれてゆく。
「あっ……ふぁ……」
そこでついに愛里寿の緊張が解けたのだろう。力尽きたようにぐったりと身体を横たえると、膣圧に押されるように肉棒が抜けた。彼女の秘唇から破瓜の血が混じった精液が逆流してゆく。
「……お疲れ様、和明君」
「いえ……正直、途中で一度やめかけました。最後までいけたのは愛里寿ちゃんのお陰です」
背後から優しくかけられる千代の声。振り向きつつ和明は答えた。
「愛里寿がそこまで覚悟できたのは、相手が和明君だったからよ。謙遜しなくていいわ」
そう言って微笑むと、千代はカメラを片付け始めた。
射精の余韻が次第に治まってゆく。和明は自分の調子を確認した。まだまだ活力は残っている、十分に連戦可能だ。
「えっと、それじゃ次は……」
「お待ちください、篠原様」
五人相手ではそう待たせてもいられない。和明は口を開いたが、控えていた菊代がそこで声をかけてきた。
「菊代さん? 俺ならまだまだ……」
「いいえ、そうではなく……一度、逸物を洗われた方がよろしいかと」
「え? あ、うわっ!」
そう言われ、和明は自身の股間を見て思わず声をあげた。まだ大きいままの和明の巨根は愛里寿の愛液と自身の精液に加え、まほやみほの時と比べ結構な量の破瓜の血に濡れていた。確かにこのまま他の女性へ挿入する訳にはいかないし、拭き取るだけでは不十分だろう。
「ご入浴の用意は出来ております。島田のお嬢様のケアはわたくしが引き受けますので、篠原様は身体をお清めください。明後日の朝までは時間もございますし、慌てず参りましょう」
「分かりました……じゃあ、ちょっと失礼します」
周囲に頭を下げ、和明は浴室へと向かった。菊代が手で示す「bathroom」と書かれたドアを開ける。
「うぉ……!?」
ホテルにありがちなトイレ併設のユニットバスを想像していた和明は、ドアの向こうの景色に再び驚いた。
ドアを開けた先は洗面台と衣類置き場を兼ねた小部屋で、更にそこからガラス戸を経て浴室へと続いている。どうやら部屋だけでなく浴室も大人数での利用を想定して作られているようで、ちょっとした銭湯並みの広さだ。
「流石はスイートルーム……」
変なところに感心しつつ、和明はそのまま浴室に入った。床には子供の転倒時のためか柔らかいマットが敷かれている。菊代が用意ができていると言っていた通り給湯器は既に稼働しており、温かい湯気が身体を包む。
「えっと……よっ」
壁際に積まれた風呂用の椅子のひとつを取り、幾つかある蛇口の前に座る。備え付けのボディソープの容器から適量を取り、置かれていたスポンジに付ける。
結構汗もかいてしまったし、股間だけでなく全身も洗おうか。そう思っていた和明の背後でガラス戸の開く音がした。
「うわぁ……こんなに広いんだ……」
「みほ、そんなにキョロキョロしていると転ぶぞ?」
「六人家族が余裕で入れる設計になってるの、湯上りにマッサージを頼むことも出来るわ」
「へ? え? え!?」
みほ、まほ、千代の三人が当たり前のように浴室に入ってきた。風呂に入る以上は当然と言えば当然だが、三人とも全裸だ。
完全な不意打ちに、和明は思わず股間を隠しつつ言った。
「ちょ、ち、千代さん!? 何で!?」
「お疲れの和明君にサービス……という所かしら」
「島田さんから提案を受けて、私達も手伝おうと思ったのでご一緒させていただきました」
「私も、その、朝から篠原さんには迷惑をかけたから……」
和明とは逆に千代たちは自分の裸身を隠そうとする気配もなく答える。
その時、ふと和明の脳裏に疑問が浮かんだ。
「ま、まあ話は分かりましたけど……しほさんは?」
まだすぐに復帰できないであろう愛里寿が居ないのは分かるが、おそらく一番溜まっている筈のしほが居ないのは何故か。
和明の問いに千代はさらりと答えた。
「しほなら愛里寿と話をしているわ」
「愛里寿ちゃんと?」
あまり接点の無い二人である。何か優先すべき相談事でもあったのだろうか。
「どちらにせよ、まずは和明君は自分を綺麗にしないとね。さ、そのまま座っていて」
「は、はあ……」
少し気になるところであったが、千代に押し切られる形で和明は再び椅子に座らされた。
「それじゃあ、私が後ろ、まほさんが右、みほさんが左ね」
「分かりました」
「は、はい!」
千代の指示に合わせ、三人が和明を囲むように展開する。
「和明君、少し目を閉じて貰ってもいい?」
「目、ですか? いいですけど……」
何をするつもりかは分からないが──まあ、千代の指示なら少なくとも自分を危険な目には遭わせまい。和明は目を閉じ、そのまま待った。
「………」
暗闇の中、三人の気配だけがする。
「……あの、千代さん? そろそろ目を……ふぉっ!?」
突如、背中に柔らかい感触が押し当てられた。きめ細やかな肌と、ボディソープの香り。
「ちょ、千代さん!? スポンジは、うぅっ!?」
今度は左右の腕にそれぞれ別の温もりが密着する。
「ンッ……」
「どうですか、篠原さん?」
右の耳にはまほの艶っぽい吐息、左の耳からはみほの囁き。
「和明くん、そのまま目を閉じて、集中してみなさい……んっ、あふっ……」
後ろから千代の声がしたかと思えば、彼女は身体を上下に動かし始めたようだった。背後に押し付けられた千代の豊かな乳房の弾力と、その先端で固くなっている乳首の突起の感触がいつもよりはっきりと感じる。
「和明さん、私も……あっ、はぁっ……」
「こ、こう、かな……ンンッ……!」
同時にまほとみほも身体を動かし始めた。どうやら二人はそれぞれ股から下腹部にかけてを使って腕を挟み、自身の秘所を擦りつけているようだ。三人とも身体にボディソープを塗っているようで、滑らかに和明の全身を愛撫してくる。
「うお……こ、これっ……!」
未知の快感に和明は呻いた。目を閉じているせいか、それ以外の間隔が鋭敏になっているようだ。三人の甘い吐息や肌の感触、次第に濡れてきているまほとみほの秘所の襞の滑り、それらが和明にも快感を与えてくる。
「さて……肝心の
「……はい」
「ふぁ……あ、あんっ……!」
「みほ、自分だけが気持ちよくなっては駄目だぞ? ちゃんと和明さんにしてあげないと」
「うっ、うん……」
ふと、三人の身体が少し離れた。体温を感じるので近くには居る筈だが──
「えっ? あ、あぁっ!」
突如、和明の肉棒に強烈な快感が与えらえた。イソギンチャクのような無数の触手に一斉に襲い掛かられたような感触。いや、これは──
「ちょ、ちょっと待った! 三人は反則だって!」
堪らず和明は目を開けて声を出した。
「あら、目を開けちゃた」
「みほ、位置を交代しよう。次は私が……」
「あぁ……篠原さんのおちんちん、まだ大きくなる……!」
三人はそれぞれの位置のまま腰を落とし、同時に和明の肉棒を扱いていた。和明の肉棒の太さと長さがあってこそ可能な芸当だ。千代、まほ、みほの計三十本の指が時に分担して、時には絡み合って全体を扱き上げている。
不意打ちだった事もあり、和明が堪える間もなく強い射精感がこみ上げてきた。
「ふふっ、この感じだともう射精しそうね……構わないわ、和明君。このまま射精して……」
「遠慮なく、私たちの指でイってください、和明さん……」
「篠原さん……ちょっと、速くしますね……」
「ぐっ、うっ、うおぉっ!」
ローション代わりのボディソープ液と先走りが混じり、くちゅくちゅと音を立てて肉棒が扱かれ、その手の動きは泡が立つ程に早くなってゆく。
何とか堪えようとした和明だったが、三人がかりの前にそれは余りに無力な抵抗だった。
「ぐうっ! も、もう、駄目、だぁっ!」
断末魔めいた叫びと共に和明は鈴口から精液を迸らせた。その最中も搾り取る勢いで三人の手は肉棒を更に扱く。
「かっ、あ、うぅっ……!」
勢いよく飛んだ精液はマットを濡らし、やがて勢いが衰えると三人の手に垂れ、その美しい指を濡らしていった。
「あっ、ハァッ……!」
射精の余韻に和明が快感と苦悶の混じった声を漏らし、そこでようやく肉棒が解放された。腰が抜けるような快感に立てない和明に千代が言う。
「どうだった? こういうのも、悪くないでしょう?」
「た、確かに気持ち良かったですけど……毎回やられると大変かも、ですね……」
「フフッ、和明さんならすぐに慣れるかもしれませんね」
素直な感想にまほが微笑む。和明は千代に聞いた。
「どうします? このまま……しますか?」
「そうしたい所だけど……そろそろ一度上がりましょうか。
「……?」
「先に出ておくから、和明くんはゆっくり来てね」
やはり、しほが入ってこなかったのには何か事情があったのだろうか。
そんな事を思う間に三人は湯をかけて軽く身体を流し、浴室から出ていった。何だか一方的に色々とされただけのような気もするが、股間を中心に全体を洗ってから身体を拭い、和明は最後に浴室を出た。
「すみません、しほさん。待たせ……」
部屋に居るはずのしほに和明は詫びを言おうとしたが、それは途中で途切れた。
「大丈夫よ、和明くん。こっちも話が済んで、準備が出来たところだったから」
愛里寿がちょこんと座るベッドの隣のベッドの上に、しほが居た。服装は和明が浴室に向かう前と変わっていない。例の紐のような、乳輪と陰毛を隠しきれていない下着だ。
しかしそれにもう一つ、彼女を彩るパーツが加わっていた。花飾りを添えられた白く半透明の布が頭に乗せられている。あれは──
「(ウェディング……ベール?)」
親族の結婚式などで見たことはあった。確か花嫁が着ける純白のベールだ。しほの艶やかな黒髪とのコントラストが何とも似合っている。
和明の視線がベールに注がれているのに気付いたのか、しほが恥じらうように言った。
「その……どうかしら?」
「えっ!? いや、どうって……その、似合ってます、けど……?」
だが、何故そんな衣装を着けているのか?
頭からの疑問符が取れない和明に、バスタオルを巻いた千代が言った。
「ふふっ、驚いてくれたようね」
「千代さん?」
「これはしほから貴方へのサプライズ。和明君には内緒にしていたけど、これも予定の内」
「サプライズ……ですか?」
確かに驚きはしたが──
「和明くん……その、五年前、貴方が私たちに決意を話してくれた時の事、覚えているかしら?」
その時、しほが問いかけてきた。
忘れるはずもない。和明は答える。
「……勿論、覚えています」
「結局、関係そのものはなし崩しに続いたけど……和明くんはあの時の決意のまま、本当に五年で私たちと肩を並べて仕事を出来るほどになった」
「それはしほさんや千代さんのお陰ですよ。俺だけじゃ、多分今もヒラの現場スタッフだったと思います」
「いいえ、きっと私たちの手助けが無かったとしても、和明くんは此処まで来たと思う」
「そんな……」
しほに正面から褒められるというのは、考えてみればあまり無かった。和明は少し赤面し、言葉を濁す。
そんな和明の反応に、しほは静かに言った。
「考えていたの。ここまで来てくれた和明くんに、私は何が出来るのだろうって」
そう語るしほの瞳は潤み、白い頬は赤く染まっている。彼女がここまで緊張しているのを見るのも初めてだ。
「……ねえ、和明くん」
「は、はい?」
「ここ最近なのだけど……その、折を見て夫との『回数』を増やしているの。まほも大学を出たし、来年にはみほも卒業で手がかからなくなるから、あと一人くらい欲しい……って、言ってね」
「はあ……」
突然にしほの夫婦生活の事を聞かされ、和明は余計に混乱した。何故この場でそんな話を?
そんな和明のリアクションがツボに入ったのだろう。千代が笑いを堪えつつ言った。
「ンッ、フフッ……しほ、伝わってないわよ? 和明くん、困ってるじゃないの」
「えっ? あの、千代さん、どういう意味なんです?」
思わず尋ねた和明に、千代はやはりさらりと答えた。
「分からない? 『アリバイ作り』よ」
「アリバイ、って……」
この場合の「アリバイ」が意味するもの。それは──
「……っ!?」
どくん、と心臓が鳴った。
ここまでのしほの言動と衣装、そして「アリバイ作り」。それは、つまり。
「ちょうど周期が合っていて助かったわ……
しほはそう言うと、右手を左手に添えた。
今までどのような行為の最中でも外さなかった、結婚指輪。それを抜き、ベッドの傍に置く。
姿勢を四つん這いに変え、緩やかに尻をくねらせつつ、しほは言った。
「……孕ませて、