天井には豪奢なシャンデリア。オーク材の大きな書斎机に、その前に置かれたやや低めのクリスタル製の長机。長机を挟むように設置されているのは、細かな装飾が背もたれから手すりに至るまで施されたアンティークな椅子だ。
壁の書斎棚に並ぶのは様々な戦車に関する書籍類。その横に飾られているのはセンチュリオンを描いた巨大な絵画。
「失礼致します」
古き良き英式メイド服に身を包んだ女性が、長机に置かれた
「ありがとう、後は私が淹れるから下がっていいわ」
ワインレッドのドレスを落ち着いて着こなす島田流家元・島田千代は使用人にそう言って退出させ、改めて正面に座る珍しい来客に声をかけた。
「……まずは無限軌道杯の成功と無事故にお疲れ様、と言うべきかしら」
「そうね。お互いに……お疲れ様」
千代がカップを手に取った後で自身のカップを指先で摘み、西住流家元・西住しほは静かに答えた。黒スーツに白シャツという機能性以外を感じさせない服装だ。
ここは福岡の島田家本宅。古くからの和式建築の屋敷が象徴的な西住流とは対照的な、モダン感溢れる西洋建築の豪邸である。とはいえ島田流戦車道の拠点は日本、海外ともに多数存在しており、大学選抜戦車道演習艦が小回りの良さから実質的な移動拠点となっているため、ここに千代が滞在する時間は存外少ない。
その僅かな時間を相談に割いて欲しいと西住しほから連絡が来たのは、ほんの数日前のことだ。
「珍しいわね、西住さんの方から急にアポイントを求めてくるなんて」
「ちょっと、貴女以外には相談しづらい事だったから」
「………」
千代の目が細まる。余程の事か。
日本戦車道を代表する二つの流派、西住流と島田流。戦車道連盟内での重要なポジションに身を置く二人ゆえに公私での交流はあるし──特にあの“巨砲”の彼が絡むようになってからはベッドの上で一緒になることも増えてきたが──それでも、こうやって相談相手になる事などは滅多に無い。
「安心して。ここは防音が徹底されているし、盗聴などもされていないわ」
「……ええ」
さて、何が出てくるのか。千代は芳醇な香りを堪能しつつ紅茶を口に運ぶ。
一方、しほは最初のひと口を飲み終えるとカップを置き、顔を上げて言った。
「
「ッ!?」
危うく気管に紅茶を流し込みかけ、千代は素早く胸元のポケットからハンカチを取り出し口元にあてた。軽く咳き込み、カップを戻す。
「……大丈夫?」
「コホッ、コホッ……ちょっと、不意を突かれたわね。どういう事なの、
しほがこちらを名前で読んでくる時は、戦車道とは関係ない、より深いプライベートについての話の時だ。そして「甘やかし」というフレーズから察するに──
千代は素早く推理を組み立て、続けて言った。
「和明君と何かがあったの?」
「表面的に何かがあった……という訳ではないのよ。
「……もう少し、詳しく話して」
千代に促され、しほは真剣な表情で頷くと話を続けた。
──そもそもの切っ掛けは和明が無理をしているのではないか、と感じるようになった事だ。
実際、無限軌道杯が始まって以降、和明は多忙を極めていた。大学生としての授業や課題の提出、レポートの作成などは勿論のこと、冬休みに入っても戦車道連盟のボランティアスタッフとしての仕事が連日あり、更に加えてみほや愛里寿相手の「お相手」である。幾ら二十歳前の若々しい青年とはいえ、その活力は無限ではない。
「……和明くん、大丈夫?」
少し前に横浜で行われた戦車道イベントの後、しほはイベントで残った疼きを治めるために和明を求め、いつものように和明もそれに応えてくれた。だが──
「あ、あれ?」
常ならば一発程度ならば瞬く間に回復して滾りを取り戻すはずの和明の巨根は、しほの手淫を受けても回復の兆しを見せなかったのだ。
「無理はしなくていいわ。今日はもう、大丈夫だから」
「い、いえ! ちょっと調子悪いですけど、菊代さんから精力剤を貰ってるんで、それ飲めばイケると思います!」
しほの気遣いの言葉に和明は慌てつつもはっきりと答え、こちらの更なる言葉を待たずに鞄の精力剤をひと息に飲み干した。
結局その後は和明は勃起を回復させ、しほが満足するまで相手をしてくれたのだが──事が終わって別れてから、しほはふとある事に気付いた。
自分は常に一方的に、和明にこちらのペースを求めすぎではないだろうか?
それはそう、で済む話ではある。元々しほ達と和明の関係は戦車道の熟練者ほど悩まされる欲求不満の解消であり、その関係をしほも、また和明も納得して続けてきた。
とはいえ相手の体力や疲労を考えず、ただ貪欲に自分の欲求の解消を求めるだけで良いのか、こちらも欲求を満たしながら相手を癒せるような形もあるのではないか。
──あるいは、今までは家元としての立場だけを考えていたしほがそんな事を考えるようになったのは、和明が自分にとってより深い存在になったからなのかもしれない。
「……それで、私にベッドマナーの相談を?」
「貴女、和明くんの前にも何人か若い子を抱えていたでしょう? 赤ちゃんみたいに相手を甘やかせるようなプレイをしてたのも知ってる。私は、そういうのは経験が無いのよ」
一通りの話を聞き終えた千代の問いかけに、しほは真面目に答える。
なるほど、確かにしほは相手を甘やかせたり癒したりするような性格ではない。それは苛烈な西住流家元の継承の中で培われてきた彼女の強さであり、芯の強さであり、美徳だ。
ただこれがセックス上でとなると互いが獣のように相手を求めあう激しいプレイか、もしくはしほが主導して行う、支配的なプレイになりがちだ。甘やかせプレイや赤ちゃんプレイなどを彼女が行っているのは千代も見たことがない。
「そうね……」
心がふたつある。
ひとつは和明の事を想い、真剣に考えているしほに対して真摯に手助けしてあげたいという気持ち。
もうひとつは、しほが自分に教えを乞うという滅多にない機会に、彼女を玩具にして弄り倒したいという気持ちだ。
そして──その二つは、決して相反するものではない。
「……分かったわ、慣れないしほにとっては多少は恥ずかしい思いをするかもしれないけど、教えてあげる」
「すまないわね、千代」
「気にしないで。さて……まずは形から入るとしましょうか」
こちらの了承に頭を下げるしほ。
彼女の視線に入らないところで、千代は薄く笑って言った。
──それから暫く後。
「お疲れ様でした。先、失礼します」
「お疲れー」
冷えた潮風がそよぐ港湾地帯、撤去作業が進む戦車道イベント会場。
鞄を背にした和明は、残るスタッフに挨拶をしつつ足を速めていた。冬至を過ぎたとはいえまだ日の入りは早く、17時過ぎで既に会場外は薄暗い。
「ええっと……」
携帯を取り出し、送られてきたメッセージの内容を確認する。送り主はしほだ。
「……あれか」
会場を出て少し外れた場所に停車している、なかなかに目立つ赤の外車。近づいてみると、こちらに気付いたのか運転席の女性が和明に手を振った。
「久しぶりね、篠原君。さ、乗って」
「あれ? 島田さん、来られてたんですか?」
こちらに声をかけてくる千代に和明は小さな驚きを覚えた。確か今日のイベントは西住流主催で島田流は関与してなかったはずだ。
「イベントには参加してないわ。今日はちょっと……西住さんの事でね」
「しほさんの?」
「ええ、まあ、詳しい話は乗ってからにしましょう」
右側のドアが自動で開きこちらを促す。和明は鞄を下ろし、車に乗り込んだ。
静かに車は走り出し、港の方へと向かい始める。
「西住さんだけど、いま問題を抱えているの」
「戦車道連盟のこと……ですか?」
「……まあ、関係はあるわね」
緩やかにハンドルを回しつつ千代は和明の言葉に答える。
「おっ……?」
ふと、和明の顔に影がかかった。
何なのかはすぐに分かった。港に横付けされた全長数kmの巨大な船、大学選抜演習艦だ。
てっきりいつものように近くのホテルなどに向かうと思っていた和明は千代に尋ねた。
「学園艦に乗るんですか?」
「ええ。今日は私の屋敷で行うから」
それ以上は千代は言葉を続けず、車を搬入口へと走らせる。
どうやら今日は普段とは違う、何かしらの趣向が凝らされているようだ。戸惑い半分、期待半分で和明もそれ以上は聞くことなく車外へと目を向けた。
他の搬入口に並ぶ車の行列に並ぶことしばらく、千代の顔パスで点検はほぼスルーされ、さほど時間もかからず車は艦上の千代の屋敷へと到着した。この艦の実質的な支配者の館とはいえ、いつ見ても圧倒される造りである。
「あの……しほさんは?」
「先に待っているわ。彼女には彼女で支度があったから」
車を使用人に任せて屋敷に入ってゆく千代の整った背中に和明が問いかける。千代の返答は静かながらも、どこか楽しげだ。
二階へと上がってゆく千代を追い、見覚えのある部屋の前に立つ。かつて島田愛里寿の後ろの処女を奪った巨大なベッドを備えた寝室だ。
「さあ、入って」
そう言うと千代は一歩引き、和明を促した。
何とも戸惑う状況ではあったが、自分に危険が及ぶような悪戯は流石に無いだろうと扉を開く。
「し、失礼します」
「……和明くん、お疲れ様」
「しほさん? ︎︎い、いえ、しほさんの方こ、そっ……!?」
室内からのしほの声に安心して入室したが和明だったが、その中の彼女の姿は言葉を失うに足りるものだった。
「し、しほさん、その格好は……!?」
「えっ……やっぱり、似合ってないかしら?」
艶やかな黒髪を飾る、白のフリル付きカチューシャ。
しかしそこから視線を下げて映るのは揃いのメイド服ではなく、髪飾り同様の白いフリルが彩られた黒ビキニ、それも布地の少ないマイクロビキニだ。ニプレスは着けておらず三角形の布地越しに乳首の位置がはっきりと分かり、ちょっとでもズレれば乳輪が覗きそうだ。
「いっ、いえ! 似合ってます! ただ、その……びっくりした、って言うか……」
声を上ずらせつつ和明は答え、更に視線を下げてゆく。
腰に巻かれているのはエプロン──と呼んで良いのだろうか。一応はフリル付きのエプロンに見えるそれは赤ちゃんの前掛けくらいのサイズしかなく、しかも透けたレース生地で織られており臍回りを隠す役割すら果たせていない。
そして下に履かれているのは上と同様の黒ビキニ。やはり布地はかなり小さく、しほの濃いめの陰毛が溢れてしまっている。中央に飾られたハート形の可愛らしい白リボンが逆に淫猥だ。
「そ、そう……それなら良かったわ」
黒ビキニから伸びる肉感的な太腿を包むのは、やはり可愛らしいフリルで飾られたガーター付きの白ストッキング。そこから黒のヒール靴へと繋がってゆく。
俗にメイドビキニ、もしくはビキニメイドと呼ばれるメイド服とビキニ水着を組み合わせた折衷コスチューム。それに身を包み、しほは恥ずかしそうにベッドに腰かけていた。
「フフッ、初見の反応としては二人とも満点ね」
和明たちの動揺が面白かったのだろう。口元に手をあてて笑いつつ千代が後から入ってきた。
「千代さん、あの、これは一体……」
彼女がしほにこの衣装を着せたのは察せられたが、その意図が分からない。以前に大洗の制服を着てのプレイこそあったが、あれは罰ゲームで着せられていたはずだ。
「和明くん、最近いろいろと無理をしてるんじゃないかって彼女が気にしてたのよ。ただほら、しほって『癒し系』って感じじゃないし、本人もそういうのは不得手だって言うから……私が
「プ、プロデュース?」
「ええ。いわば今日の私は島田Pと言ったところかしら」
そう語る千代は非常に楽し気だ。
「さて……それじゃあしほ、教えた通りにやってみて」
「……ええ」
千代に促されたしほはピクリと反応を見せ、和明に顔を向けた。
「和明くん……その、膝枕、させて貰えないかしら?」
「ひざっ……え、ええ、大丈夫です」
初めて見る──本人も初めて着るのだろう──メイドビキニ姿のしほは、同様に初めて見るほどに緊張していた。まだ驚きを残しつつも、和明は頷き彼女に歩を進めた。
「えと、その……失礼します」
妙な緊張を覚えつつ和明は上着とシャツを脱いで肌着だけになり、しほの横に座り、体を傾けた。彼女が背を反らして作った膝上の空間に横向きに頭を置き、身を委ねる。
「(考えてみれば……初めてだな、しほさんに膝枕されるの)」
そんな事が頭に浮かぶ。
しほの太腿の温もりを感じる。日ごろから戦車道の中で鍛えられているからだろう。芯にしっかりした筋肉を感じつつも固い訳ではなく、それをふっくらした脂肪が包んでいる。良質な枕のように、柔らかさと安定感を兼ね備えた膝枕だ。戦車道スタッフの疲労感が残っていたからか、これだけで緩い微睡みを覚える。
「和明くん、その……私の膝、固くないかしら?」
「いえ、気持ちいいですよ。柔らかいのにしっかりしてて、なんだか安心します」
「そ、そう……」
頭に柔らかな感触。しほの手だ。
「この所、思っていたの。私だけでなくまほ、みほの相手までしてもらって、無理をさせているな、って」
「それほ……」
そんなことはない、和明はそう言いかけて呑み込んだ。確かに翌日に疲労が残る日が増えていたし、何より今のしほの言葉を否定しては、余計に彼女には気遣いに聞こえるだろう。
「……ふぅ」
無意識に吐息が漏れた。
なで、なでと、しほの撫でる動きはまるで初めて動物に触れる子供のような不慣れさを感じる。
しかし不快感は無かった。「気持ちが伝わってくる」と言えば良いだろうか。しほが自分のことを思って抵抗を覚えつつもメイドビキニという衣装を着てくれたこと。今こうして自分を癒そうとしてくれていること。それが手の温もりから伝わり、自分の心身を安らかにしてくれている。
「だから和明くん、今日は……貴方が私の世話をするのでなく、思い切り、私に甘えて欲しいの」
「しほさん……」
和明は体を回し、顔を上に向けた。
「分かりました。それじゃ今日は……うおっ!?」
だが、しほに答えようとしたその言葉は途中で驚きの声に変わった。
巨大な肌色の山二つ。その合間から辛うじてしほの顔が覗いている。山の正体は言うまでもなく、しほの下乳だ。
「ど、どうしたの和明くん?」
「いっ、いえ、その、しほさんの胸で、顔が見えなくて……!」
「絶景」とはこういうものだろうか。
初めて見る景色であった。当然ながら和明は今まで、しほの乳房を見るどころか揉み、吸い、舐め、肉棒を挟み、精液で汚したことも幾度もある。だが、ここまで至近距離で真下から眺めたのは初めてだ。
「なんというか……今更ですけど、凄いですね、しほさんの」
圧倒的であった。
子供ふたりを産み育て、歳も四十に届く女性である。エイジングケアをしていたとしても流石に肌も衰えを見せ、張りも無くなる頃のはずだ。
しかし、しほの巨大な乳房はそんな一般論とはかけ離れて存在していた。うっすらと血管を浮かべるその爆乳は片側だけでも和明の顔より大きいかもしれない。にも関わらず、くすみひとつ無く瑞々しい張りを維持している。
「……あっ」
「ンッ……!」
気付けば和明の手は無意識にしほの乳房に触れていた。軽く添えているだけなのに、ずっしりとした重さが伝わってくる。
「す、すみません、しほさん! つい……」
「いいのよ、和明くん。あの……」
「しほ」
「……!」
謝罪する和明にしほは微笑み何かを言おうとしたが、そこで千代が声を挟んだ。ハッとしたようにしほが口を閉じ、少し考えてから再度口を開く。
「……和明くん、何が、したいの?」
なるほど。和明は今のやり取りの意味を理解した。
おそらく今、しほは「揉んで」「触って」のような事を言おうとしたのだろう。しかし、それでは彼女からの要望──乱暴な言い方をすれば「指示」になってしまう。それでは完全な「甘やかせ」にはならないのだ。
どうやら千代が言っていた「プロデュース」は本気らしい。和明はそんな千代の姿勢に感心すると共に、折角の機会を堪能しようと決めた。
「……吸いたいです。しほさんの、おっぱい」
「い……いいわ、吸って。いま、脱ぐから……」
そう言うとしほは和明の頭に添えていた手を離し、背中に回した。ビキニの紐が揺れ、緩み、フリル付きの黒いビキニが外される。
「うっ……!」
スラックスの中の肉棒が一気に跳ね上がった。支えていたビキニが解かれて尚、しほの爆乳はさほど形を崩しもせずそこにあり、うっすらと汗を浮かべる乳輪の中心では朱鷺色の乳首が尖り始めていた。
「あらあら、和明君も窮屈そうになってきたわね。しほ、こっちを脱がすのは私がやるから、貴女は自分のことに集中して」
少し離れた位置に立っていた千代がベッドに近づき、和明のスラックスの留め具を外して脱がせ始める。しほの胸を見ていただけで既に和明の肉棒は充血を初め、トランクスの生地を強く張り詰めさせている。
とはいえ、和明にもそんな千代の挙動に意識を向ける余裕は無かった。眼前で揺れる巨大な乳房と、先端で誘うように震える大きめの乳首。そこから視線が離せない。
「い……いただきます」
「んっ……ああっ!」
しほの乳首を柔らかく口に含む。味など無いはずなのに、凄く甘い。
「ふうっ……ちゅっ、ちゅばっ……」
「ああっ! か、和明くん……好きに、して。私の、おっぱい……!」
抱きかかえるように和明の頭に手を回し、しほが喘ぐ。乳首を舐めしゃぶる中でそれは次第に硬さを増し、口腔内で存在感を増してゆく。和明は更に夢中でしほの爆乳に顔を押し付けた。
「すぅ、ふうぅ……!」
「そ、そんな、吸ったらっ!」
「しほ、貴女からも御奉仕しないと駄目よ? 和明君のここ、こんなになってるんだから……」
悶えるしほに千代が言った。随分と風通しが良くなったと思ったら、既に和明の下半身からはスラックスと下着、靴下に至るまで脱がされ、上に肌着を着ただけの格好になっていた。驚くべき手際の良さである。
そして、その股間の和明の肉棒は完全に勃起して赤黒い亀頭をビクビクと脈動させていた。
「あっ……」
「触るのは和明君に確認してから。ほら、練習した通りに言ってあげなさい」
千代の言葉に、しほは僅かに和明の頭に回していた手を緩めて言った。
「あの、和明くん……貴方の、おちんぽに、奉仕させて……気持ちよくなって、欲しいから……」
普段とは異なる、甘く囁くような声での懇願。和明としても断る理由はない。
「ぷはっ……ええ、お願いします、しほさん……」
「ありがとう……んっんあっ!」
「れろっ、じゅるっ、ちゅ……」
眼前で揺れる突起に我慢できず、和明は再びしほの爆乳へと吸い付いた。しほは乳房からの快感に喘ぎつつも、和明の巨根へと指を伸ばす。
「んぶっ、うぅっ!」
「凄い……手が、火傷しそう……!」
ビクビクと跳ねる肉棒を優しく包み、しほの手が上下を始めた。亀頭の先端からは先走りが滲み、汗と合わさって摩擦を滑らかにしてゆく。
「んはっ、ちゅっ、じゅるっ……!」
「んあ、あっ、はあっ……!」
互いの喘ぎ声と、舐め吸う音と、粘りある摩擦音。しばらくの間、それらだけが室内に鳴り続ける。溢れる乳肉の隙間から覗く限りでは、和明の下を脱がせた千代は再び少し下がり、しほと自分の様子を伺っているようだ。
「むぐっ、うっうぅっ!」
とはいえ、和明にも余計な事を考える余裕は無くなっていた。しほの熟練の手淫は、あくまで優しく擦りながらも和明の弱点を的確に刺激して射精へと導いてゆく。
「ああっ……イキそう、なのねっ……嬉しいっ……!
「んぱっ、ちゅ、ちゅううぅ!」
「んああぁっ!」
手淫の速度を上げつつ耳をくすぐるしほの甘い囁き声に更に興奮を煽られ、和明は思い切りしほの爆乳に顔を埋め、思い切り乳首を吸った。同時に腰の力を抜き、堪えていた射精感を解放する。
「……ッ!」
「あぁ……素敵よ、和明くん。こんなに……!」
気持ち良すぎて声が出てこない。
噴水の如き勢いで放たれた精液は手のひらを、爪を、指を生臭く汚してゆく。
「……ぷはぁ!」
「んんっ!」
ドクドクと幾度も続いた射精が治まり、和明は息継ぎをするようにようやくしほの乳房から口を離した。重く揺れる乳房は乳輪どころか全体が汗と唾液で淫らに濡れ、しほもまた感じてくれていた事を教えてくれる。
「ふぅ……どうだった、和明くん?」
「な、何だか、凄かったです……いつもと、全然違って……」
「はい、はーい」
ぱん、と手を叩く音と共に千代が言葉を挟んだ。
「二人とも、終わったような雰囲気を出してるけど……まだまだこれからよ? まだ『最初の甘やかせ』が終わっただけなんだから」
「さ……最初?」
「ええ、もっと和明君には甘えて、委ねて、骨抜きになってもらわないと」
思わず問いかける和明に、千代は微笑んで答える。
「それに……しほだって、まだ全然、でしょ?」
「千代……」
千代の言葉にしほは困惑混じりの反応を返す。
だが──その視線は、半勃起状態の和明の肉棒に注がれたままだ。
これは、別の意味で普段より気合いを入れなければダメかもしれない。
果たして自分はどこまで理性を保てるか、そんな不安を抱きつつ、しほの膝枕に頭を置いたまま和明は喉を鳴らした。
まさか。前振りと授乳手コキだけで八千字を超えるとは思ってなかったのが俺なんだよね