『……では、彼女は?』
「前回の視察から、一番の伸びを見せていまし、た……自信を無くしているようであれば『期待している』と私が言っていたと、伝えなさい……」
『ありがとうございます。お疲れかと思うのですが、あと一件、よろしいでしょうか?』
「構いませ、んんっ……!」
懸命に嬌声を抑えつつ、扉の外のまほの問いに答えてゆくしほ。
その一方で彼女の膣内は何度も突き入れられる和明の肉棒を強く締め付け、射精を促してくる。
「(くっ……締まるっ……!)」
やはり声を上げないように声を殺しつつ、歯を食いしばりながら和明は腰をゆっくりと突き出した。思い切り肉棒を動かしてしほの膣内を堪能したかったが、それをすれば流石に彼女も自分も声を抑え切れないのは確実だ。
戸棚に手を置き、扉に顔を向けたままのしほの背に身を寄せる、いわゆる立ちバックと呼ばれる体位で二人は繋がっていた。時折、彼女の身体が小さく震えると和明の肉棒の根元がきゅっと締められる。彼女も軽い絶頂に何度か達しているようだ。
『……という意見が出ており、次の対外試合の方針が割れています。ご意見を伺いたいのですが』
「対戦相手は……ヨーグルト学園、んくっ……でしたね」
『はい。練度は低いですが、島田流の支援を受けるようになってから強力な戦車を複数用意するようになりました』
「練度に大きな差があるならば、電撃戦が、良い、でしょう……っ!」
しほは時折、責めるように和明を見る。
しかし和明は、彼女の抗議が本気でない事に気づいていた。戦車道の日々の鍛錬で磨かれているしほのフィジカルは大学生の和明以上だ。その気になれば、難なく自分を引きはがし、まほとの対応に専念出来るはずである。
では何故彼女は本気の抵抗をしないのか?
「(しほさんも……興奮してるんだ……!)」
「で、ですから、次の試合はティーガーⅡや、エレファントの運用は抑え、Ⅳ号や駆逐、戦車での、編成、を……!」
『……家元、お薬をお持ちしますか?』
次第にしほの言葉が途切れがちになってきた。本気の絶頂が近いのだ。扉の向こうのまほの言葉に気遣いが混じる。そこに不審の響きは無い。それはそうだろう。自分の母親が、ドアひとつ隔てた場所で戦車道ショップの学生に犯されているなど通常の環境で出てくる発想ではない。
そう考えていた和明も、自身のこみ上げてくる射精感に我慢できなくなってきた。少し抽送のペースを上げ、濡れそぼるしほの膣内をコーラ缶サイズまで膨れ上がった肉棒が擦り上げてゆく。
しほはびくんと体を一瞬跳ねさせたが、呼吸を整えるとまほに言った。
「……大丈夫、です。あと少し休めば、元の調子に、戻ります」
『そうですか……失礼しました』
「もう……大丈夫ですか?」
『………』
しほが尋ねる。しかし、扉の向こうのまほの気配は動かない。
怪訝に思いつつも、和明は腰を使いつつしほに囁いた。
「(ごめんなさい、しほさん……俺、もう……!)」
「(い、いいわ……私、も……)」
『……
その時、まほがしほをそう呼んだ。
「っ!?」
「(うっ!? く、くうっ!)」
急にしほの締め付けが強くなり、危うく和明は呻きを漏らしそうになった。
しほは顔を更に赤くし、戸惑いを浮かべつつも彼女に答えた。
「……どうしましたか、
『今日は……皆への指導の際、今まで以上に気遣いをいただき、ありがとうございました』
まほの声に柔らかさが混じる。
「いいえ……んっ、思った通りの事を、述べたまでです」
『今日の演習内容であれば、以前のお母様であればメンバーを全員二軍に下ろす程の事を言われたかと思います。メンバーも指導を真摯に受け止め、反省していました』
「………」
和明からすればアレでも十分に厳しいものであったが、それでも相当に抑えていたという事か。ならばテントの中でのしほの求め方も理解できる。
また、同時に和明はしほの反応の変化に気づいていた。まほから「お母様」と言われる度に膣圧が上がり、締め付けが強くなる。
おそらくは──「お母様」と言われる事で、彼女は気づかされているのだ。自分が只の一人の女性ではなく、母親なのだという事に。同時に、その母親である自分が夫以外の男性に犯されているという事実に、興奮しているのだ。
『……それだけです。お母様、ありがとうございました』
言葉を残し、まほの気配が遠ざかってゆくのを足音と共に感じる。
しほは泣きそうな顔で扉に目を向けていたが、やがて、和明を見た。
「お、お願い……和明くん」
「………」
「このまま……
「……しほさんっ!」
和明としても既に我慢の限界だった。荒々しく肉棒を突き入れると、待ち望んでいたように膣内の無数の襞が肉棒全体を弄ってくる。
「ぐうっ! し、しほ、さんっ! く、あぁぁっ!」
「来て、来てっ! んっ、あ、ふぁぁっ!」
しほの一番奥まで突き入れた瞬間、精液が迸る。堪らない射精感と共に、他人の妻である女性の膣内に白濁液が注がれてゆく。
「ぐっ……はぁっ……!」
「あ、あぁ……」
「……はぁぁ」
腰が震える度に精液が吐き出されると、それに合わせてしほの背が震える。やがて長い射精を終えると、和明は大きく息をついた。
「その……すみません、でした」
我ながら今更と思ったが、それでも和明は荒い呼吸の中で言った。
「俺、我慢できなくて……」
「………」
「う、ううっ!?」
射精を終え萎えかけていた肉棒が再度柔らかく締め付けられ、和明は小さく呻いた。
汗を浮かべ、紅潮した顔でしほは和明の方に振り向くと言った。
「もっと……もっと、して」
「………!」
涙に濡れたしほの瞳にはまだ強い欲情の光があった。先ほどまでの搾り取るような動きとは打って変わった、優しく撫でるような襞の動きに和明の肉棒は再び大きさと硬さを取り戻してゆく。
しほの腰が震え、しなやかな脚はがくがくと震えている。快感の強さに立つのが難しくなってきているようだ。
自分の娘の間近で隠れて行うセックスに、しほは和明が思っていた以上に昂っていた。和明はしほの手を取り、その身体を支えた。
「しほさん、床に……」
「……え、ええ」
少し恥じらいながらもしほは一度肉棒を抜き、半裸のまま厚手の絨毯に膝を下ろし、手をつけた。もともと大きさを見せつけていた豊かな乳房は重力を受けて更に重そうに揺れ、精液と愛液で濡れる秘所は淫猥に照り光っている。
汗に濡れる黒髪はうなじに貼りつき、白い彼女の肌に艶めかしい色彩を加えている。
四つん這いになったしほに、和明は覆いかぶさるように身を寄せると、豊満な尻に手を置いた。
「……挿れますよ」
「来て、そのまま、奥、まで……ンンッ!」
「あぁ……凄い、熱っ……!」
しほは絨毯に顔を埋め、嬌声を抑えながら悶える。和明はそのままの姿勢で一気に奥まで突き入れ、再び腰を引き、やはり奥まで突き入れた。
最初の射精で更にどろどろになった膣内を、滑らかに怒張が抽送されてゆく。
「あ、あっ! ああんっ!」
「ぐっ、し、締まるっ……!」
突かれる度に甘い声を漏らすしほの痴態。我を忘れたかのような乱れ方にも関わらず、和明の肉棒は滑らかながらも強い締め付けを受け続けていた。
「全部、見えてます……しほさんと、繋がっている、ところ……!」
「い、言わないで……ンッ!」
和明は結合部に視線をやった。愛液と精液に濡れた陰毛に彩られた朱色の秘唇が一杯に広がり、血管が浮き上がった凶悪な和明の巨根を受け入れている。その上でひくつく尻穴まで丸見えだ。和明は堪らなくなり、薄茶色のそのすぼまりに指を這わした。
「っ! か、和明くん、そこは……ひうっ!」
しほは和明の行為に思わず声を高くしたが、それだけで締め付けはより強くなった。
今までの行為でもそんな気配はあったが、しほには被虐欲があるようだ。日ごろ他者の上に立ち指導者としてプレッシャーを負う側であるが故に、その反動として誰かに支配され、依存したい願望があるのかもしれない。
「し、しほさんっ……しほさんっ……!」
「あぁっ! か、和明くんの、来てるっ、奥……もっと、もっと……!」
尻穴を弄る手を止めず、和明は更に腰を振った。それに応じるようにしほも体を前後させ、肉棒の与えてくる快感をより強く貪ろうとする。
もはや和明には、そしておそらくはしほも、声を殺そうという意識は無くなっていた。和明はしほの肉体が与えてくれる快感を、しほは和明の肉棒が与えてくれる快感を、夢中で求めあっていた。
既にしほは上体を支える事が出来なくなっており、尻だけを上げた体勢へと変わっていた。和明はより結合を深くするために上体を伏せ、獣の交尾めいた体位に移した。
「ああぁっ! か、和明、くんっ! と、届いてるっ! ふぁあっ!」
「うぐっ……やば、これっ……!」
尻穴を弄っていた手をゆさゆさと揺れる乳房に移し、掌に余るサイズの豊かな乳肉を揉みしだく。先端の乳首は固く尖り、優しく弄るとしほは嬌声と共に反応してくれる。
確かな弾力で手を押し返してくる乳房の感触を堪能しつつ、和明は更に腰を動かす。
部屋に入ってから二度の射精をしているというのに、早くも三度目の射精感がこみ上げてきた。
「ま、また、出ますっ! 出るっ!」
「ひぃ、あ、はぁぁっ!」
もはやしほは返事を返す余裕もなく、獣めいた喘ぎと強烈な締め付けで和明に応えた。半開きの口から喘ぎを漏らし、黒髪を頬に貼りつかせて悶えるしほの姿に和明はとどめの一突きと共に達した。
「出っ……!」
「あ、あぁ、んあぁっ!」
しほの乳房を掴むように揉みつつ、和明は腰を止めるとしほの子宮に精液を叩きつけた。もう出し切ったと思っていたが、自分でも驚くほどの量が彼女の膣内に注ぎ込まれてゆくのが分かる。
「はあっ……と、止まらなっ、しほさっ……!」
「あ、あはぁ……こんな、溢れっ……!」
溢れた精液が逆流し、結合部に戻り、零れてゆく。上体を伏せたままのしほに体重を乗せたまま、和明は射精感が治まるまで余韻を味わう。
やがて射精が止まると和明は肉棒を引き抜き、そのまま腰を抜かしたように床に尻をついた。
「はぁっ……はぁっ……」
「んっ、はぁ……」
一方のしほも、腰を突き上げた姿勢のまま余韻を味わっているようだった。秘唇から溢れた精液が絨毯に落ち、染みを作る。
「しほさん……凄い、良かったです……」
「和明、くん……」
ゆっくりと身を起こし、しほは和明に向き直った。精液と愛液に塗れた半勃起の肉棒が彼女の視線を受けて揺れている。
しほはその肉棒に、改めて口を寄せた。
「え!? し、しほさん!?」
「このまま帰す訳にもいかないわ。今、綺麗にするから……」
「ちょ、そんな……うあっ!?」
かぷりと汁塗れの亀頭を口に含まれ、和明は思わず背を反らした。
「ンッ、ンンッ……じゅるっ……んぷぅ……」
そのまましほは竿を喉奥まで呑み込み、丁寧に肉棒を舐め始めた。自分の愛液も混じっているというのに、眉ひとつ寄せることなく和明の肉棒に舌を這わせてゆく。
それは最初の、和明から精液を搾り取ろうとする口淫とは明らかに違っていた。汚れた肉棒を綺麗にしようという気遣いの籠った、細やかな舌使い。
絶頂した直後の肉棒は、その奉仕にも如実に反応を示して再び充血してゆく。しかし、口腔内で膨れ上がる肉棒にもしほは舌を止めず、カリの裏に残った精液まで吸い上げてくる。
「しほ、さん……これじゃ、またっ……!」
「れろっ……んんっ、んふぁ……ふぃ、ふぃいふぁ。ふぉのまま……」
黒髪をかき上げつつ、肉棒を呑み込んだまましほはくぐもった声で言った。「射精しそうなら、このまま射精して」と言ってくれているようだ。
「あっ、ああっ! ご、ごめんなさい、もうっ!」
「ふぅっ、ン、ンンッ……!」
どくんと和明の腰が跳ねた。流石に四度目で勢いはさほどでは無かったが、しほの口の中に結構な量の精液が放たれる。
「ぐ、ぐうっ……!」
「んぷっ……ンッ、んくっ……」
しほは口を離すことなく、そのまま精液を受け入れた。その間も舌は止まらず、和明の肉棒を綺麗にしようとする動きを続けている。
「はっ、はぁっ……!」
「……ふっ、ふぅっ」
鼻息を荒くしつつも、最後までしほは口を離さずに肉棒を舐め続けた。
──和明が戦車道ショップに戻ってこれたのは、夏至直後の日の遅さでなお暗くなってからの事だった。
しほは精液塗れの秘所を部屋のティッシュで申し訳程度に拭くとショーツを履きなおし、和明に退室を勧めた。
「ありがとう、和明くん……後始末は私がしておくから、もう帰りなさい。余り遅くなると店長さんが心配するわ」
そう言い、まだ精液と愛液の匂いが残るキスを交わすと、乱れた服装のまましほは和明を見送った。
体液の付いたエプロンは畳み、和明は出来るだけ自然な風に建物を出るとタクシーを呼んだ。
「……あ」
「今日は、お世話になりました」
「いいえ、こちらこそ」
タクシーを待つ途中、建物から出てきた西住まほと挨拶を交わした。
出来るだけ自然な態度をしたつもりだったが──「お世話になりました」に商談以外の響きを感じたのは思い過ごしだろうか。
彼女は西住流の後継者として育てられていると、和明は聞いた。という事は、彼女も将来はプロの戦車道の選手となるのだろう。
だとすれば──まほも将来、欲求不満を覚えて男性を求めるようになったりするのだろうか。
「………」
先ほどのしほの様に男性を受け入れ悶える姿のまほを想像し、和明は軽い自己嫌悪を覚えた。
「それはまた、大変だったねえ」
戦車道ショップの事務室で、和明の話を聞いた店長はさほど大変そうでない口調で言った。
そんな風な店長に対し、和明はふと頭に浮かんだ疑問を投げかけた。
「……店長。ひょっとして先に帰ったの、家元がああなるのを把握してたんじゃないんですか?」
「いや、それは無いよ。その話だと、家元は相当我慢して黒森峰のメンバーへの指導をしていたんだろう? 今までの家元なら、そんな遠慮はしなかったからね」
「え、そうなんですか?」
「ああ。僕も何度か見た事があったけど苛烈というか熾烈と言うか……一言でいうなら『鬼』だったね」
店長の話に嘘は無さそうだ。だとすれば、何故しほはそんなに抑えて指導していたのだろう?
そう問いかけると、店長は少し考えてから答えた。
「あるいは……この前の大会の決勝での黒森峰の敗北で、彼女も思う所があったのかも」
「決勝?」
「ああ。優勝した大洗女子学園だけど……あっちの隊長も、家元の娘さんだったんだよ」
「ええっ!?」
「まあ、そっちの娘さんとは、その、上手くいってないみたいなんだけどね」
「………」
色々と彼女も抱えているという事なんだろうか。そして、自分の行為は──世間から見れば、浮気以外の何物でもない行為は──少しでも彼女の助けになっているのだろうか。
そんな事を和明が考えていると、ふと事務室の電話が鳴った。
「おっと、こんな時間に……はい、戦車道ショップヨコハマ……ああ! どうも、お世話になっております!」
夜になっての電話は実際珍しい。怪訝な表情で電話をとった店長は、驚きと共に突然姿勢を正した。
「……?」
「いいえ、大丈夫です。はい……はい、明後日ですね。数は……」
根拠はないが、和明は嫌な予感を覚えた。慌ただしく店長はメモを取りつつ対応を続けている。
「え? あ、はい……大丈夫です。今もおりますが、代わりますか? はい、ああ、分かりました」
ちらりと店長は和明を見た。だが、先方が断ったのだろう。そのまま電話を回す事無く受話器を下ろす。
電話を終えた店長は、困り半分、嬉しさ半分の表情で言った。
「やれやれ、千客万来だねえ……すまない篠原君、また忙しくなりそうだ」
「え?」
「明後日なんだが、また大型発注が入ったよ。今度は大学選抜の演習艦が寄港するそうだ」
「……大学選抜?」
その名前は和明にも聞き覚えがあった。各大学の大学戦車道の優秀なメンバーを揃えた、社会人によるセミプロ戦車道にも匹敵する強さを誇るエリートチーム。確か代表者は、13歳にして飛び級で大学入りした島田流の天才少女──
「ひょっとして、今の電話の相手って……?」
「ああ、島田流家元だよ。ちょうど今、視察も含めてその船に居るんだそうだ」
「………」
「篠原君に伝言があったよ。『
「………」
果たして大学演習艦には防音設備のある部屋はあるだろうか。それだけが和明には気がかりだった。