よろしくお願いします。
あれから約二週間、青森のいくつかの地を周り、商売を続けていった俺達は、おそらく青森では最後であろう場所に向かっていた。
「次で青森は最後になるな。此処は……、自衛隊の駐屯地か?」
「自衛隊、ですか?」
「ああ。マップにもそう書かれているしな」
俺は、マップが表示されているタブレットを椅子になっているフランシスに見せた。そこには、陸上自衛隊青森駐屯地と書かれている。
因みに、何故フランシスが足置きから椅子になったのかと言うと、何か足置きだと高さがあって乗せにくいから、椅子になってもらったのである。もちろん家事とかはきちんとこなして暇な時になってもらっているがな。
「それじゃあ、ここをやったら青森での商売は終わりって事だな。そうと分かったら、さっさと行くか」
「はい。ご主人様」
俺達は、自衛隊駐屯地に向けて船を飛ばしていった。
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その頃、その駐屯地では、
「みこっ!」
「うむ?」
「……この感じは」
『何か凄い物が近付いてますよ。イリヤさん!』
「うん。何となく分かったよ。ルビー」
四騎と一機が何かを感じ取って全員で同じ方向を向いて警戒していた。
「玉藻にネロ、何やってるんだ?」
「アイリとイリヤも。それにルビーまで」
そして、その様子を見ていた二人のマスターが怪訝な顔になってサーヴァント達と同じ方向を向くと、
「あれって……?」
「ふね?」
遠くの空からこちらに向かう一つの影が見えた。近付いて来てやっとそれが船だと気付く。
そして、その様子を見ていた他の者達も船の方を見る。皆が警戒する中、その船
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黄金の鹿号が駐屯地前に降り立つと、目の前に玉藻の前、ネロ・クラウディウス、アイリスフィール・フォンアインツベルン、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの四騎のサーヴァントが臨戦態勢をとって立っていた。
イリヤはルビーを持っているため、シトナイの方ではなく、魔法少女の方だと言う事が分かる。
その後ろには、多数の人がこちらを警戒して見ている。俺達を見て警戒されるのはいつもの事だが、何かあの四騎を見ると、いつものとは違う気配を感じる。例えるなら、母親が我が子を何か強大な力から守ろうとするような警戒の仕方だ。
取り敢えず、一度降りてみるか。
「どうも皆さん! 私達は」(ジャキ)
自己紹介をしようとした所で、首もとに刃が添えられた。いつの間にかネロが持っている剣を構えて接近していた。
「答えろ」
「はい?」
と、いきなり質問をしてきたので、俺は変な声を出してしまった。
「惚けるな! 何故そなたがせ」(カチャ)
「あんたこそ黙りな」
と、ネロがこちらに質問しようとした所で、ドレイク姐さんが銃をネロの頭に突き付けていた。
『!?』
それを見てあちらさんのサーヴァント達はさらに警戒を強くする。
場は一触即発状態。誰も動けない。
そんな中、俺はため息を吐き、
パァンッ
と大きく手を鳴らした。
その音にドレイク姐さんも含めて全員が驚いてこちらを振り向いた。
「お前ら! 一旦落ち着け!」
俺の大声で全員がビクッとなった後、少し冷静になったのか警戒が少し緩んだ。
「よし。んじゃあまず、ネロ」
「な、何だ?」
「あんたは今『せ』と言ったな。次に続く言葉は『い』か?」
「う、うむ。そうだが」
「……はぁ」
「ど、どうしたのだ?」
ネロが何か訊いてきているが、俺は無視する。あの様子からして、気付いているのはサーヴァントだけか。だとしても、いつマスターに言うか分からないからな。しょうがないか。まさか、青森にいる間に気付かれるなんてな。早すぎるだろ。
「おい」
「なんだ?」
「ついてこい」
そう言って、俺は振り返り船に戻る為に歩き出した。ドレイク姐さんも俺の後に続いてくる。
「お、おい! どこに行く気だ!」
「いいからさっさと来い! それとあんた以外の三騎と、そっちのマスター二人もついてこい」
俺の言葉にマスター二人が何か話し込むと、それぞれ自分のサーヴァントに指示を出して俺達の後を付いてきた。
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俺達は二人と四騎を船に乗せてある場所の前まで連れてきた。
「着いた。ここだ」
「ここって……」
「小屋?」
マスター二人は、何の変哲もない小屋に案内させられた事に未だに疑問符を浮かべている。サーヴァント達は、早くもそこに何があるのか分かったようで、口を閉ざして黙る。
「ここに何が」
「見れば分かる」
あるんだ?と続けそうなのを遮って、俺は小屋の扉を開けた。
中にある物を見て、マスター二人は目を開いて固まった。
そこにあったのは、黄金の杯。そう。ここは、聖杯が置かれた小屋だ。
パァンッ
「うわ!」
「び、びっくりさせんな」
案の定、二人揃って固まってしまったので、さっきと同じく手を叩いて正気に戻す。
「これが、さっきからそっちの四騎が緊張感を出している原因だよ」
俺が二人のサーヴァント達を見て言うと、二人も自分達のサーヴァントを見る。
彼女達はまだ警戒しているようだった。ドレイク姐さんはワインボトルを持ってぐびぐび飲んでいる。
「それで」
「ん?」
「これからどうするつもりなんですの?」
玉藻の前が訊いてくる。
「まさか、秘密を知った私達を口封じするつもり!」
『!?』
アイリスフィールの言葉に俺とドレイク姐さん以外が警戒態勢に入る。
それに対して俺は、
「それはまさかだよ」
と、肩をすくめて軽く言った。
他の面々は俺の反応に変な顔になって驚く。
「口封じするつもりなら、わざわざ聖杯を見せたりしないよ。攻撃を仕掛けるならもっと早くやっていたしな。それに」
「それに?」
「今そこでワインを飲んでるドレイク姐さんが戦えると思うか?」
『…………ああ』
俺がワインを飲んでるドレイク姐さんに顔を向け、他の面々もそれを見て納得した。
ドレイク姐さんは折角サーヴァントと戦えると思ったのに、俺が戦いを止めたせいで楽しみが無くなったのでやけ酒を飲んでる。
「納得してくれた所でだ。悪いんだけど、甲板に戻っていてくれないか? ちょっと取りにいかなきゃいけない物があるから」
そう言って、俺は船内に戻って行った。
数分後、
甲板に揃っていた面々の前に俺は戻ってきた。ドレイク姐さんは酔い潰れて寝ている。その脇には10本程のボトルが転がっている。いや、あの短時間でどんだけ飲んだんだよ。
「早かったな」
「何をしていたんだ?」
マスター達が俺に質問してきた。俺は二人の質問に答える代わりにとある物を投げ渡した。
「おっと」
「……これは?」
二人は渡された物を見て怪訝な顔になった。それは、スマホよりも少しミニサイズの端末だった。
「良いから。指をその画面に触れてくれ」
二人は、取り敢えず俺の指示通りに指をその端末に触れてみた。
すると、
『指紋認証完了シマシタ。甘木結羽様。貴方様ヲハインド商会VIP会員ト認メマス』
『指紋認証完了シマシタ。二ノ宮シロ様。貴方様ヲハインド商会VIP会員ト認メマス』
「うわ!」
「な、何だ!?」
端末から聞こえた機械音声に二人が驚く。
「言い忘れていたけど、俺達は『ハインド商会』って名前で商売をしているんだよ。それはハインド商会のVIP会員の証。それがあれば様々な特典が得られるよ」
「特典?」
「例えば、うちの商会の商品を全品価格の7割引きで買えますし、宅配でお届けします」
『おお』
「他にも、毎月うちの商会の商品を三品までなら無料でお届けします。どちらも聖杯の力を使えば注文した所に時間差なく発送出来ますし」
『おお!』
「まあ、前者の方は今は使えないんですけどね」
『え?』
俺の説明に期待で興奮していた一同が最後の言葉で固まった。
「いや、だって。まだ商会は始めたばかりだから価格設定とかはこれからやっていくから。後者の方は今からでもちゃんと使えますよ」
俺の補足に固まった一同が安堵の表情を浮かべた。
「それは聖杯の事を黙ってもらう為の口止め料です。商品の方はその端末で後で調べておいて下さいね」
俺は、それを言って甲板で寝ているドレイク姐さんを踏んで起こした。
「ふぎゃ!」
「ほら。さっさと起きる。始めるぞ」
「始める? 何を?」
「何をって、商売だよ」
俺は、ハインド商会の商売を始める為に他の面々を連れて船の外に出た。
という訳で、如月ユウさんの
『世界が崩壊して死にかけたら良妻狐が出てきました』
『アインツベルン親子の甘々ドロドロ性活』
とコラボさせて貰いました。
ハインド商会のVIP会員になるための条件は、
《ハインド商会の持つ聖杯の存在を知ってそれを黙っていてくれること》
です。
VIP会員証の機能は、
『ハインド商会の商品を価格の7割引で買える』
『毎月三品のみではあるが、無料で何でもプレゼント』
『VIP会員証を持っている者の名前とサーヴァントの真名を知れる』
『VIP会員証を持っている者同士で、通話が出来る(場所等は関係ない)』
その他にも、色々な機能を追加したいと思いますが、それはまた後の話。
ハインド商会の聖杯を感じ取れる可能性のあるサーヴァント
1、fgoの本編やイベントで、聖杯を手に持った事がある
イアソン、メイヴ、刑部姫等
2、staynightやextra等での戦争で勝者となる
アルトリア、ネロ、玉藻の前等
3、一部のヤベェサーヴァント
水着ジャンヌ、タマモキャット、BB(サクラファイブも)等
4、聖杯関係の一族
アイリスフィール、イリヤスフィール、クロエ、美遊等
ギルガメッシュとかは最初から除外しています。理由は、言わなくても分かりますよね。
ハインド商会の商品には、食料品の他にも、鉄材や木材、銃や弾、工具や調理器具、衣服やアクセサリー、医療器具や医薬品等もあります。特殊な魔法薬はおいてません。
他の作者様達も、これ等に該当するサーヴァントを持っていた場合、どうぞVIP会員証をお使い下さい。
因みに、VIP会員証を持っているのに聖杯の存在を誰かに教えようとした場合、とても大変な事が起きます。
次回の投稿も頑張りますので、楽しみに待っていて下さい。