──ユージェリアさんが【ゼエルの茶会】に入室しました──
頭の中にそんな言葉が浮かぶと同時に、僕たちの意識はどこかの空間へと吸い込まれた。
意識を取り戻すと、そこはきらびやかな調度品の置かれた個室になっていた。
今まで僕達のいた場所ではない。
僕達の精液まみれの一張羅はどこかに行ってしまい、体には傷一つない。
もしかしなくてもアバターが切り替えられたのだとわかった。
僕も驚いたが、ユージィも驚いていた。
どんな仕掛けかわからない以上、最新の注意を払う必要がある。
こういう時ユージィは頼もしい。
僕だけだったらテンパりすぎてきっと時間を無駄に過ごしていたと思うから。
『うわ、天使の技術やべーな。まさか魂ごと拉致されるとは思わんかったわ』
「うん。僕もびっくり」
『それに俺のお気にまで消失してやがる。チッ、やる気半減だぜ』
「ユージィはほんと族長のザーメン好きだよね。ザーメンを塗りたくったスカートワンピもマフラー代わりにしてたし」
『当たり前じゃねーか。好きなオスの残り香に惹かれねーメスはいねーよ。シェリアもメスならそんくらい嗜まなきゃダメだぜ?』
「うん。僕にもいつかそんな相手見つかるかな?」
『ああ、見つかるといいな』
「うん、がんばってみる」
『おお、頑張れ。さて、こっから先は未知のエリアだ』
「ユージィ一人で大丈夫?」
『お前もこいよ。多分天使の認証無いとこのドア開かねーと思うし。
さっきから俺がドアノブ握ったまま突っ立ってる理由はそういうことだと思うぞ。ここから押しても引いてもビクともしねーんだわ』
「あはは、何してるかと思えばそういうことだったんだ。それじゃあお供します」
『おう。主導権は俺が握る。シェリアはだんまりで頼むな?』
「得意分野だよ!」
『いばんな!』
◇
宣言通り、体の主導権をユージィに渡し、僕は背中にくっつくようにして隠れていた。いや、魂でそういうアピールしても意味ないって分かってるけどさ。
こういうのは雰囲気だよ雰囲気。
長い廊下を通り、真っ直ぐ一本道の突き当たり、大きなドアの前で止まるとユージィは泣かんに人がいるか確認するためにノックをした。
「どうぞ」
声に誘われて扉を開けると、さっきまでの個室よりも煌びやかな調度品が置かれる大広間が目の前にひろがっていた。
中には僕と同じくらいの背格好をした女の子が1人。
間違いない、天使だ。
こんな過酷な世界に落とされたと言うのになんの悲壮感もなく、優雅な振る舞いで紅茶を嗜んでいた。
なんだろう、この差は。
僕達がゴブリンのザーメンやおしっこを飲んで喜んでいる一方で、こんな世界があったなんて。
まるで絵画から抜け出してきた天使な彼女に視線を奪われていた。
僕だって同じ天使なはずなのに、全然格が違うや。
いたたまれなくなって俯いてしまうけど、ユージィはどんな時でも真っ直ぐに前を向いている。そしてやたらとふてぶてしいんだ。
そういうとこ、ホント羨ましいよ。
「あら、見かけない顔ね」
「お初にお目にかかります」
「まぁいいわ。一見さんだろうとここに来たら仲間も同然よ。座って座って」
「ではお言葉に甘えまして」
誰だろう、この子。
それがよそ行きのユージィの取った仕草に対する僕の感想だった。
いや、だってさぁ。今まで俺様系で来てたのに、急にこんな態度されたら、本来の姿を知っている僕からしたら、うくくくく……笑いをこらえるのに必死だよ。
「ふーん、あなた最近登録したばかりなの。それじゃあここでのこともよくわからないわよね?」
「そうなんですよー。あ、でも先輩のような優しい
「あらお上手ね。お姉さんがなんでも教えてあげるわ。でもその前に喉を潤しましょうか。丁度お湯が沸いたみたい。いい茶葉があるのよ。あなたお紅茶は苦手かしら?」
「いえ」
「それは良かったわ。
『なんか変なニュアンスで聞こえたね』
『そうか? ま、用心だけはしとくわ』
『そうしておいて。天使ってだけで僕より油断できないからさ』
『お前より下なんてそうそういねーよ』
『なにをー』
『っと、念話切るな。あんまり心ここに在らずだと疑われちまうからよ』
『はーい。了解でーす』
「ではおひとつだけで」
「ふふ、遠慮しなくてもいいのよ?」
先輩天使は優雅な動作でありながらもて慣れた手つきで僕達の前に紅茶と角砂糖、それとお茶請けを差し出した。
遅れて自分の分を注ぎ、ソファの隣に腰掛けると、席を詰めてくる。
なんて言うか、距離感の近い人だ。
僕もうわって思ったし、ユージィも苦手みたいだ。
「それで、それで? あなたはここへどのような情報を披露してくれるの?」
先輩天使は息がふきかかるのでは? という距離まで迫るとユージィの両手を胸の前で握りしめて迫ってきた。これは流石にユージィでも、きついかな?
今まさにユージィは困惑してた。
「あの、近いです」
あのユージィが推しの強さで負けた。
少し俯きながら先輩天使から視線を外すのに必死だ。
「あ、ごめんなさい。別にとって食べようというわけじゃないのよ?」
「大丈夫です。少し、ドキドキしただけですから……」
「ふふ、可愛い反応するのね? さっきのは冗談だったけど、少し味見してみるのもいいかしら?」
「何を……きゃ」
「んふふ。天国に連れてってあげるわ。あなたは私を受け入れるだけでいいのよ? ふふ、流石即効性の媚薬ね。もう下のお口は固くて太いものが欲しくてたまらないんじゃないの?」
「やめて……ふゅん♥」
「可愛い声。もっといじめたくなってきちゃった♥」
「あ…………♥」
「私の虜にしてあげる♥」
ユージィは先輩天使に組み敷かれ、そのまま唇を奪われてしまった。
っていうか結構乗り気で相手してるよね?
僕知ってるよ。これって百合っていうんだよね?
女の子どうしの絡みでユージィが満足できるのかは置いといて、リード奪われっぱなしのユージィを見るのは新鮮だね!
いいぞー、やれやれー! 見てる僕は気楽でいいや。
『バカ言ってないで手伝え。このパイセン結構手強い』
『ふーん、僕の力が必要?』
『ああ、シェリア。お前の力が必要だ』
『じゃあ貸しひとつね?』
『しゃあなしだ。なに、直ぐに奪い返してやるさ。シェリア、左手で乳首攻め頼む』
『オッケー。右手は?』
『俺が使う。俺の本気のベロチューに夢中にさせてやんぜ』
『あっはは、それでこそ僕の知ってるユージィだ』
『は? いつ俺がらしくない行動したってんだよ』
『さっきとか笑いをこらえるのに必死だったよ?』
『うるせー、忘れろ』
ユージィのその言葉が合図となり、左手の制御件が僕の元へと帰ってきた。
ふふ、僕頑張っちゃうもんねー。
「ふふ、怯えてるの? いいのよ、今だけは私に甘えても。いっぱい気持ちいいことしてあげるからね?」
「……んむ、ちゅ、ふぁい♥」
「素直な子ね。いいわ、ますます欲しくなっちゃった。今日からあなたを私の庇護下に入れてあげる。その代わり、わかるわよね?」
「…………♥(こくん。先輩天使をぽやっと見つめたまま無言で頷く)」
「舌を出しなさい」
「ふぁい…………♥」
指示通りに恐る恐るべろを突き出すユージィに、先輩天使は絡め取るようにしてその舌を快楽の渦へと叩き落とした。
そこから先はキスの応酬。
舌と舌の舞踏会。唾液を流し込みあったリ、堪らず目を開けた先には微笑んで待っていてくれたりしてユージィは押されっぱなしだった。
たしかにこれは手強いね。
『どこで仕掛ける?』
『そうだな1回イクからそれを合図にして動け。指示は出さないから声で判断しろ』
『了解。油断を誘うんだね』
『本来なら女にとって絶頂直後なんて無防備を晒す状態だ。でも俺達は違うだろ?』
『出産アクメを決めたあとでも活動できるよ!』
『そういうことだ』
◇
「ん……れろ、ちゅ、んおっ……ちゅぷ、んぐ……ん〜〜♥」
「あら、キスだけでイッてしまったの。まだまだ本番はこれからなのに。こんなに敏感だとこの先辛いわよ?」
「ふぁ……ん♥ ん♥」
「今はその余韻に浸っていなさい。でも、ふふ。今日はどこまで頂いてしまおうかしら? 丁度うるさいのも来てないし、このまま最後まで頂いちゃおうかしらね……ふふふ」
◇
『最後って何処までだろうねー?』
『知るか、セックス以外あるわけねーだろ』
『それにしてもユージィ、キスでメロメロにしてやるんじゃなかったの?』
『うるせーよ。あのパイセン結構上手いわ。女であんなキス上手いやつ初めてだったからちょっと油断したぜ』
『そりゃそうだよ。だって天使って一期違うだけで100年は違うし、何期上かもわからないんだよ? 口振りから結構な数の女の子囲ってるみたいだし、きっと百戦錬磨だよ』
『それを早く言え! こりゃ舐めてかかるわけにゃ行かねーな。シェリア、壊すつもりでいけよ』
『良いの? 僕が本気出したら衣擦れだけで乳首でアクメ決められちゃうぐらい本格的に開発しちゃうけど?』
『そんぐらいで行かなきゃやられるのはこっちだからな?』
『流石、キスでメロメロにされちゃった人の言うことはひと味違うね』
『うるせー、こっから巻き返すぞ!』
『はーい、やるだけやってみるよ』
◇
「あらお目覚め?」
「きゃ、私……なんで裸に?」
「これからする事に必要ないから脱がしちゃった♥」
「…………♥(頭の中でこれからされることを想像しながら太ももをもじもじさせる)」
「ふふ。期待してるのね。でも本番は1番最後よ? まずはあなたのいろんな表情を私に見せてちょうだい」
「あ……痛っ♥」
先輩天使から伸びた腕は、まだ膨らみを見せない僕の乳房をつまみあげる。
下から掬い上げるように優しく、それでいて指先には力が込められていた。
痛い……けどその力加減は絶妙で、痛過ぎず、程よい刺激が乳房に快楽を流し込む。
言うだけあって揉みの技術も一流だ。
さっきから揉み返そうと腕を伸ばすも、ユージィが気持ちよさそうに腰を浮かすから、その度に脱力して力が抜けてしまう。
なんだよ。あんなに偉そうにしてたくせに簡単に手玉に取られちゃって。
いいもん、僕がこのピンチから抜け出してやるんだから!
◇
よし、シェリアも少しやる気を出したみたいだな。
とはいえ、俺のテクで打つ手無しって言うのも想定外だ。
最初はいいようにやられて、あとから巻き返すって言うのが俺の黄金パターンだったが、こりゃ相手が悪い。
ちょっとパイセンの下につくのもいいかな? なんて思い始めてる俺がいるくらいだ。
まだ抵抗はしとくけど、このまんまじゃいつ堕ちるかわかんねー状況だわ。
シェリア、ここはお前がどこまで動くかでこっちの今後が変わってくる。
ファインプレーを期待してるぜ?
連続更新はここまで。
続きはゆるりとお待ちください。