あれから抑えの効かなくなった僕とそれを察してくれたゼエルさんは2回戦を始め、恋人同士の時間を堪能した。
恋人っていいもんだね。僕、こんなにも別れが寂しい相手に出会うとは思わなかったよ。でも新人にとって種情報ゲットは最優先。
過去の先輩天使達でさえクリアに躍起になってるんだもん。のんびりしてられないとやる気を出した僕はたちはゼエルさんと別れ、チャット空間を後にした。
『ゼエルさん、凄い人だったね』
『だな。お前なんかすっかりやり込められちまってたし』
上機嫌でユージィが僕を追い込む。
反論はしないでおこう。まったくもってその通りだから。
結局種を渡した直後、これじゃあ貰いすぎだからとゼエルさんから下位種族の種情報を5つも頂いてしまった。もちろん、散々イカされた後に優しく種付けされる形でね。
僕なんかはそれでデレデレになっちゃったし、ユージィもきっとされてたと思う。なんせ相手はこの世界に500年もいる大先輩だったし、たった20年ちょっとしか生きてないユージィがテクニックで敵うわけもなく……まるで恋人との出会いを語らうが如くの恋話を続ける。
もらった種情報はコボルド、オーク、リザード、リカント、ケットシー。
前の二種はゴブリンと合わせてオスしか存在しなく、待ってるだけで攫ってくれるとの事。ただしオークは乱暴なセックスを仕掛けてくるので気持ちよくなることは期待するなと言われている。リーザードから後ろは独自の種族体形でメスも居るが、出生率が悪く恋愛する事で身ごもる権利を得るという。
ここで恋をするという手段が出てくるのかと、僕は感心した。
『どこから先に行く? 僕迷っちゃって』
『ゼエルパイセンはコボルドが安定なんだっけか?』
『安定だけど、三年目じゃまだ苗床してる子居るかもって話だね』
ゼエルさん曰く、とある倶楽部がコボルドの種族解放に乗り出して幾星霜という情報を出してくれた。もちろん恋人特権で色々とね。
倶楽部というのは天使主体の集団行動を指し示すもので、これだと思った思想を追求していく形で賛同していく団体の事。別に入らないでソロで活動しても問題ないとの事だ。
ただし直ぐに行き詰まってしまう天使もいるので、あらかじめどこに所属するかくらいは方向性を決めておいた方がいいとも言われた。
ゼエルさんも入っているらしく、活動は自由でこの世界で年に一回集まってそれぞれ報告する形だとか。
僕もそっちに参加したいって言ったらとても残念そうな顔をされてしまった。
どうもその倶楽部、新規はご法度らしくこの世界で100年間暮らしたものにしか参加条件が解放されないのだとか。
なかなかに徹底されてる条件だなと思う。
逆に広く浅く団員を募集している倶楽部もあるけど、そういうところは末端の扱いが雑だし上部が腐ってるから入るのはやめたほうがいいと言われた。
倶楽部にも色んな形があるんだね。
僕はそんな風に思いながら目的地を決める。
当初予定していたコボルドを諦め、オークに行こうかと思っていたけど、オークはオークで人気があるらしい。
第一試練で被虐に目覚めてしまった天使達の憩いの場所として有名で、共感できないものは排他される恐ろしい場所だとか。
流石にそんな目には会いたくないので、南を選択しから外して一路樹海へと足を向ける。ゼエルさんから教えてもらったマップを頼りに、僕たちはリザードの住む地へと赴いた。途中、何回も転んでね。
なんせ僕、目が見えないから。ユージィはこういう時助けてくれないし、嫌になっちゃう。でも話し相手にはなってくれるから気持ちはずっとラクだったよ。
こういう時に相棒って頼りになるよね。
◇
と、思っていた時期が僕にもありました。
現状は、なんて言うのかな?
運悪く遭遇したコボルドさんの臨時はらみ袋として気持ちよく膣内射精をされております、はい。
やはり同じおチンポとはいえ、ゼエルさんほど気持ちの良いものではなく、どこか乱暴なピストンから自分勝手な態度が伺えるんだよね。
ゴブリンさんとかもそうだけど、メスには種さえつければあとは放っておいても勝手に妊娠するって本気で思ってそうで少々がっかり。
「んっ……ふぅっ」
ブルブルって、僕のおまんこにたくさん射精をしてスッキリしたのか、顔とかお腹をペロペロと舐められる。
なんだろうこれ、愛情表現かな?
ちょっとよくわからないまま身をすく寝ていると、種族言語で何やらつぶやいてるよ、こわっ。
「(すまぬな。戦を前に高ぶってしまった。幼き子よ、その種は己の分身として預かってくれると助かる。そして、その子には戦わなくても良い世界に生まれてほしい)」
なんて。勝手に襲って種をつけて、ずいぶんな物言い。
だから僕も言い返してやる。
種族が違うからって、言葉が通じないと勝手に思わない事。
えーっと、確かユージィはいつもこうやってたよね?
よし、繋がった。
『それが乱暴したメスに残す言葉でいいの?』
「(ぬ、何奴!?)」
『何奴も何も、今ほど貴方に組み敷かれたメスですけど?』
「(面妖な。我が種族の言語を操れる人間など……いや、人間ではないと、そう言うことか?)」
『何か勘違いしてるようだけど……まぁ普通でないことは確かだし』
「(よくわからぬが。だが会話が出来るのならば願いを聞いてくれるか?)」
『勝手なことばかり言って。どうせ聞く耳持たなくても勝手に喋るんでしょ? いいよ、聞いてあげる』
「(かたじけない)」
コボルドさんはジェイドと名乗り、これから一族の大義をかけて戦に乗り出すのだと語り出す。
正直な話、勝ち目のない戦に行くヒトの気が知れない。
それというのも僕に戦う力がないからだ。
コボルドじゃないから、そういうものだと言われてしまえばそれだけなんだけど、それってメスはただの子を産むための道具か何かなの?
お母さんになる身としては、戦争に向かわせるために子育てしたくないなぁって思っちゃう。
どうしてこの世には争いが生まれるんだろう。全くもって理解できないよ。
天使としてはラブアンドピースを推奨していきたいところではあるね。しないけど。
『それで? 種はありがたくもらって置くけど。この子は産んでいいの?』
「(数度の交尾で生まれる程、我らと肉体相性が良いのか、おぬしは?)」
『まぁね。なんなら今すぐ産めるけど、産んじゃう?』
「(面妖な。やはり妖の類であったか)」
『ひどーい。疑わしいからってすぐに決めつけるのよくないよ? それに、こっちは移動中貴方に急に襲われて種までつけられたの。とんだ災難。だと言うのに貴方は産んで欲しいと一方的に言ってどこかに行こうとしてる。被害者の僕に他に何かいうことはないの?』
「(それは悪かった。しかし森の中を全裸出歩くなど誘っているとしか思えん。嫌だったのなら抵抗してみせれば良いであろうに)」
『すぐにそうやって自分は悪くありませんて、他人に罪をなすりつけるのが貴方のいう正義なの?』
「(ぐぬぅ……そう怒るでない。そうだな、気を急いていた己も悪かった。認識の違いについては詫びよう)」
取り敢えず僕は彼を許すことにした。
気を取り直して和姦。
ちゃんと正面を向いて、お互いを認識しながらのセックスに、今度は気遣うような姿勢が見えた。
先ほどまでのは一体なんだというのかという雑さが嘘のようだ。
今、僕は胸の内から湧き上がる感情に晒されながら、膣内にびゅーびゅーと射精されている。
抱き合って、キスをして。ゆったりとした時間を過ごしていた。
戦があるといえど数週間後。
僕の方からそれまでに負けられない理由づくりをしてはどうだと提案した。
どうにも彼は死にに行く前に自分の生きた証を残すべく彷徨っていたらしいのだ。
だから僕が一時的な恋人になり、子を孕む。
家族ごっことはまた違うけど、互いの利害の一致した瞬間だった。
限定的な家族の生活に、ジェイドは落ち着きを取り戻していった。
交尾の際も僕を優しく抱いてくれたし、子も三匹産み落とした。
今回は本気で出産するつもりじゃないからサービスみたいなもの。
ゼエルさんの話では、ゴブリン、コボルド、オークはオスしか生まれないらしいから、息子の面倒は全部僕がした。
そして父親のジェイドには子供の分の食料を獲得するための狩猟を頑張ってもらっている。いつしか子が父親の背中を追い求めるように仕向けたのだ。
おかげでこの家族の中では僕の役目は都合のいい便所穴件、ミルク係。
おっぱいはちっとも大きくならないけど、妊娠するとミルクが出るようになるんだから不思議だよね。
大きく育つんだよってあやしながら、最初に産んだ子に種ずけプレスをされちゃってるのはもはや日常茶飯事である。
ジェイドが戦に行くまでの間、僕は彼に幸せな家族の形を与えてあげた。
息子達も勇敢な父親について行くとかなんとか。
僕としては少し寂しいけど、子供が親を離れて巣立って行く風景は初めてだったのでちょっと泣いちゃった。
これが巣立ちの心境なんだね。
ユージィが王様のところを出て行きたくないと駄々をこねていた気持ちをなんとなく理解する。
予想外のハプニングだったけど、コボルド種から中位モンスターを三種ゲットできたのでまずは良しとするかな?
そんなふうに思いながら僕たちは一路リザードの住む地へ足を向けていた。
【リセット期間3/100年】
<使命達成:18/300種>
ゴブリン種:10【complete】
コボルド種:4(+3)
オーク種:1
リザード種:1
リカント種:1
ケットシー種:1
父ちゃんより息子の方が種族的に強いため、ジェイドは生き残ります。
むしろ急成長して行く息子達に恐れをなしている模様。