主要キャラのほとんどが女性に変わったワンピースで逆レされまくる僕の話 作:パッパパスタ
簡潔に言おう。
およそ3日ほど前だろうか。森とボッッロボロになった小屋しか存在しないこの無人島に俺は───出現した。
出現したというのは、何も比喩などではない。
ある朝いつもと同じように目が覚めて、寝ている態勢のまま目覚まし時計を止めようとしたところ、バランスをくずしてベッドから落ちてしまった。
その瞬間に一気に目が冴え、次の瞬間に頭に大きな衝撃が来るだろうということを考えながら、次にくる痛みへ向けて体を備えた。しかし、何故かいつまでたってもその衝撃がこない。
すると次の瞬間─────急に体を真夏の直射日光のような熱が体を覆った。
怖さで瞑ってしまっていた目には、まぶたを閉じていてもそこを貫いてくるような光とともに、いつのまにか立ち上がっていた自分の足の裏にも小学校のプールの地面のような暑さがこべりつく。
あまりの急な出来事に咄嗟に目を開けると
、そこにはテレビなどでよくみる、おおよそハワイやグアムなどのどこか遠い海外などでしか見ることのできない光景があたりに広がっていた。
思わず顎が外れた。
いや、今の表現は先程とは違い比喩なのだが、まさにそのときは自分も『生まれて初めて』という言葉を用いていいほどにも驚いていた。
だって、そうだろう?
少し、考えてみてほしい。ベッドから態勢を崩していて次の瞬間目を開けたらそこは無人島だった───うん、誰でも驚く。もしかしたら見る人が人なら気を失うかもしれない。
そして、それほどまでに自分は今驚いているということだ。
しかし、なにも少しずつでも始めていかないと始まるものも始まらない。
そう思いながらまずは視界の隅に見えていたボロボロの小屋へ足を踏み出した。
中にはいってみると、確かに外観はボロボロになっていてどこか風穴が空いていそうな印象をもたせるが、その中は意外にもしっかりと『家の状態』を保っていた。確かに雨粒はひと粒かふたつぶほどは滴り落ちて来ているものの、いまさら住居に文句入ってはいられない。
更に奥に進むと、そこにはまるで俺を待っていましたとでも言っているように一つの箱が一つ。外観はおもちゃ箱のような陳腐な形をしていたが、箱自体を持ってみると中に一つ何か入っているように感じる。ひとまず持ち上げた箱を地面に降ろし、おもむろにその重厚な蓋を持ち上げると、中には黄ばんだ手紙に『プチプチ』とも呼ばれるプラスチック製の袋に包まれた丸い物体が入っていた。
その黄ばんだ手紙には何やら文字───日本語、いわゆる平仮名で『わんぴーす いあんりょこー ❤当選❤ じょうげんいちぶんのいち』と書かれてあった。
何だ、これ。
しかしそれと同時に頭の中では「あー、そういうことね」と、どこか納得した自分も存在していた。
要はいつものご都合展開の神様の暇つぶしで異世界に飛ばされた系の話、ということだ。
そして、それを裏付けるかのようにプラスチックの包装紙を一枚一枚剝していくと、案の定、そこにはこの『ワンピース』で悪魔の実と呼ばれるものが存在していた。
食べるだけで海に入れなくなる───海賊をするという点においてはまさしく死に直結する『悪魔』───しかし本質はそこではなく、最も重要になってくるのは、まさしくその『海に入れなくなる』ということと引き換えに神のような力を得られるというところだ。
本来であればいくら力が手に入るとて、一般人の俺なら食べることは憚るが.....空腹という生物にとって最大の敵の前では背に腹は替えられない。
おもむろにハートのような模様が折り重なった歪な形をしている身を頬張る。
───まず.....いや普通にうまいな、コレ。
しかし、予想とは真反対。およそ原作では食えたものじゃない、ゲロのような味と比喩されていたはずなのだが、俺は食したはずのその実は何故か甘い。それも高級のモモのようにまろよかな甘さで、なおかつみずみずしく生命力に富んでいるような印象を受ける。
まるで昼間のコメンテーターのように感想が思い浮かんだ瞬間、急に体がこの世界に自分が現れた時のように熱を帯びだした。
思わず、うめき声が口から溢れ、額からは脂汗が滲み出て来るが、絶え間なく襲い来る空腹がそれらの不快感をすべてグッと飲み込む。
不快感に包まれること数秒、熱中症のような気味の悪さを感じていたが、心臓が一度───ドクンッ! そう鼓動を発すると同時に不快感が体から吹き飛んだ。
そして───これで俺もめでたく『悪魔に魂を売った人間』の仲間入りだ。
先程までの異常なまでの気分の悪さはどこへ行ったのやら、地球の嫌気が差すような生活から自由になった高揚感と、人の身には余るほどの強大な力を手にした俺はにやけずにはいられなかった。
「はっ...はっはっは───はっはっはっはっ..........! 神様、ありがとぉおおおおおおおおお!!!」
そう、叫ばずにはいられないほどに。
しかし、このせいで後にあんなことになろうとは、その時の自分は小指の第一関節の先ほどにも理解をしていなかった。
自分がこの世界に出現してから数時間ほど経った。
空が少し橙色に染まりだした事から、おそらく自分は早朝、いや正確には時間を測れないために正しいかどうかは分からないが、多分それぐらいだろう。
意外なことにあの実を食べてからというもの、先程までの恐ろしくこの身に襲いかかっていた空腹──ゴキブリでも転がっていたらそれさえも口に入れてしまいそうな──は、驚くことに全く感じなくなっていた。
神様印はこんな配慮もしてくれたのだろうか、しかも嬉しいことに食事が全くいらないほどの満腹感はない、いえば何か食べ物があるなら欲するがないなら別にいいやといった感覚。
なんという絶妙な、能力を持った人間のその先も考えていてくれる、まさに神様々々といったところだ。
しかし、なにも嬉しい知らせだけ、ということではなかった。
しかも、それはだいぶ大きい。この世界に来た意味がなくなるほどには、だ。
──────実の能力がまったくわからない。
一時間。一時間集中して色んなことを試した。
腕に力を込めて空気を殴り腕を伸ばそうとしてみたり、逆に足を伸ばしたり全身に力を入れてみたり、挙げ句の果てには逆に力を抜いてだらけたらできるのではないかと試行錯誤してみるものの、すべてがボツ。
万策尽きた中で、自分はもしかしたらロギアなんじゃあないかと思い付き、小屋の中で転がっていた棒で体を叩いてみるが、その棒は体を貫通することなくダイレクトに衝撃を伝える。
「いっってぇ..........」
思わず棒が手からこぼれおちた。
本当に万策尽きた。そう落胆し膝からこぼれるように地面へ倒れた自分。地面へ顔つけるような格好で、中学の時好きだった人には見せられないほどにみっともない。
そこから駄々を捏ねるように倒れたままで数分間。すると、途中から糸電話のような要領で、どこから何かが聞こえてき始めた。
───ドン.....ドン.........ドン........
まるで地響きのような音だ。
その音は刻々とはっきりと聞こえるようになっていき、どんどん音の震音が近づいてくる。
───ドンドンドンドンドンドン.......
近づけば近づくほど音量も大きくなり、ついにすぐそこだとわかるほどまでに来ると、一つのものだと思っていたそれが、何かの足音の群れだというのが分かった。
一体なんなんだ、そう思うと同時にワンピースお馴染みの物理法則を無視した生き物かもしれないと、自然と再び拾い上げた棒をつかむ力が強くなる。
恐る恐る壊れた木窓から音の発生源へ目を向けると、そこには何やら砂浜の土煙を巻き上げながらこちらへ猪突猛進してくる生き物の群れ。もとい───人.......女の集団。
遠くから見てもわかるよう、鬼気迫るほどの勢いでわけもなくこちらへと向かってくる様はまさに鬼のようで、常人なら腰を抜かしてしまうだろう。
(なにあれいやエッッッッッッッ)
だが、この男は残念ながら常人ではなく学生.....そう、わけもなく一日に何度も自慰行為を繰り返し寝起きに一発、昼飯を食べ終わったあとに一発、休憩してちょっと疲れたからおやつタイム(オナニータイム)、夕食後に、寝る前に一発。
それを毎日繰り返すほどに性豪、いや、一度もセックスをしたことがない男を性豪とよんでいいのか分からないが、確かにそれほどまでに自らの欲望を持て余している人間だったのだ。
だからこそ、だからこそである。目の前で、スマホという小さな画面の中でしか見たことがない女の魅力───彼が魅力として見ているのはここでは胸部だが、ワンピースという極上グラマラスボディの人間しか存在していないこの世界において、それを体にぶら下げながらほぼ半裸のような部族の格好でこちらに向かってくるその姿は、まさに彼にとって天国のように見えて仕方がなかった。
しかし、流石にその彼も自分の命を粗末に扱うほど馬鹿な人間ではない。
即座に自分の今置かれている状況を認識し、あたりを見渡して彼女らの目的を探る。
周りにはまばらにあるヤシの木、森、オンボロな小屋......はて、おかしい。彼女たちは一体何を求めてここまで来たのか。
あの目を見る限りなにも普通のものを手に入れに来たようには見えない。なにもヤシの木目当てに鬼気迫る雰囲気を醸し出すほどこの島は文化的に貧しくはないだろう。そう考えると、彼女たちはなにか『特別なモノ』.....普段では目に入らない極上な──────。
そこでようやく繋がった。
条件そのいち、普段では手に入らない。条件そのに、特別なモノ。条件そのさん、いつも見えない極上な。
──────ああ、“俺”か.......俺か!??
いやなんで、何か俺がしたか? などなど様々な考えが頭をめぐり、どう対処しよう、抵抗していいのか、多くの決断に迫られ動く足も動かなくなってしまう。
頭だけが焦る心を表すようにせわしなく辺りを見渡すが、それだけでは逃げることはできないだろう。だが、それのおかげで少し勇気づけられることもあった。
視界の隅........映るおもちゃ箱の上に無造作に置かれた黄ばんだ手紙───そうだ、俺は悪魔の実を食べたんだ。
そう思うと同時に体に勇気がわき、今までにないような力が体から漏れでる。
(イケる───この感じなら.....イケる!!)
続けて更に体に力を入れると、何やら体の節々からピンク色の煙、例えるならルフィのギアセカンドの状態に上がる蒸気に似たモノ。
出た。ようやく、やはり俺には悪魔の能力はそなわっていたんだ。
その確信が起きると、恐怖が勇気に変わった。
すると、自分が体から上げたピンクの蒸気に当てられたのか、先までも恐るべきスピードでこちらへ迫って来ていた、ひとりひとりがモデル級並みのスタイルをした部族の女性たちは更にスピードを上げた。
彼女たちの容貌の高さだけに少し惜しいが......ここはなんと言ってもワンピースの世界だ。か弱い女性たちでさえファッション>戦闘なのだろう。
迫る彼女たちの目の前に手をかざした。地球でケンポー、柔道やそれら意外にも名称はあるが───それらに近い基本のフォー厶。
かざしていない方の腕は腰に辺りに据え、足は肩幅ぐらいに、少ししゃがんで腰を入れる。
そこから繰り出されるは───必中必殺であり、数々の猛者たちを打ち破りし果には千の神をも踏破した英雄の技。
「正拳突き────」
「───ふっ!」
「あっ───」
そこで場面はシャットダウン、もとい俺は気を失った。
なぁ、評価してくれや....。エロは次回ですごめんね❤