※この作品はR-18です。

喰らいつくして、突き抜ける~ イート・ザ・ワールド~   作:KeI77777

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第6話 ~陰謀と、俺と~

「せいやっ!!」

「---甘いっ!!」

「うおりゃあっ!!」

「ああああっ!!」

 

あれから数日たって、クラスメイト達は今まで以上に訓練に励むようになった。

俺もその一人ではあるが、常に脱出の隙を伺っている。

脱出するための資金源となる貴金属は集め終わった。

後は、城から脱出し、最寄りの村か、街まで逃げ切る必要がある。

 

だが、そうも問屋は降ろさないらしい。

 

 

「・・・早瀬?どうした?」

「・・・いや、何でもない。」

 

これだ。あの惨状を目にしてからというものの、妙な連帯感、結束感が集団の中に生まれてしまっている。

何よりも、ストレス発散のため、俺をサンドバック代わりにしようとするやつらも出てきている。

もちろん、ステータスが底辺値で、スキルを持たない俺は仲間だとあまり思われていないからだろう。

 

今もこうして、他のクラスメイト達から声を掛けられるようになってしまった。

だが、好意ではなく、何かあった時のスケープゴートに。いじめの対象として。

 

(・・・・糞が。)

 

呪われろ、ゴミども。

 

 

「・・・・ちょっといいかい、早瀬君?」

「・・・・兵士長?」

 

訓練場で剣を振るっていたら、兵士長に声を掛けられた。

一体、なんだろうか。

場所を変える必要があるのか、指で場内のほうを指し示され、

そちらに向かって歩いていく彼の後ろについていく。

 

 

 

 

「・・・・・・・。」

 

 

更にその後ろをついてきている影に気が付かずに

 

 

◆

 

 

 

『・・・特別演習?』

『ああ。早瀬君だけまだ、ステータスが低く、スキルも開花していないのは周知の事実だ。だから、君だけ比較的安全なダンジョンに私の部下と一緒に行って、

レベルアップしてもらおうかと思ってね。』

『・・・・・・。』

 

つまるところ、俺が弱すぎて、他のクラスメイト達なら連れていけるような場所に、俺は行けないと。

だから、別の場所でレベルアップをさせようという魂胆。

選択肢に断る、はない。

俺にそんな力も、立場もない以上、従うしかないのだ。

 

がらがらがら、と車輪が回る音とともに、荷馬車に俺たちは揺られる。

俺と、兵士長の部下たちと。

 

「・・・・なあ、あんたら・・・。」

「・・・・・。」

 

どこに行くんだ、と聞こうとするが、何も返事をよこさない。

先ほどからずっとこの状態である。

 

(・・・・なんだ?いくら何でもおかしいだろ。)

 

異常事態なのはわかった。

嫌な予感がするのも。

だが、馬車を下りたところでどうするというのか。

金になりそうな貴金属が詰まった袋は、

俺の部屋に隠してあるし、あれがなければ資金もない。

 

 

獣道ではない街道をひたすら進んでいたが、業者が手綱を引いたのか、

荷馬車が急に止まった。

 

「・・・なんだ?どうした?」

「・・・・・・。」

 

俺の言葉にやはり反応しない。

 

---次の瞬間、銀色に光るものを右手に構えた兵士が、

体ごとぶつかってきた。

 

「---うおおっ!!?」

とっさに体を横にずらし、腹をけり上げる。

金属製の鎧に包まれているのでダメージはないが、

後ろにいたほかの兵士たちに向かって押し込むように蹴りあげ、

時間を稼ぐ。

 

馬車の布を切り裂いて、できたすき間から飛んで脱出する。

 

 

(・・・まじか!!マジかよ!!おい!!?

マジで消しに来やがった!!!)

 

後ろを向けば、剣を構えた兵士たちが追ってきているのが見える。

 

つかまれば死ぬだろう。

 

 

(ふざけんなっ!!死んでたまるかっ!!)

 

かくして、命がけの鬼ごっこが始まった。

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