・Twitterでの内輪ネタで作られた作品です。苦手だという方はブラウザバック推奨です。
・百合要素
・R-18要素(今回は含まれていませんが今後含まれる予定です)
4月。
桜の花びらが舞い散る出会いと別れの季節。
……もとい、花びらと共に花粉が舞い散る、私にとって一番苦手な季節。
めでたく志望校であった高校に入学する事となった私は、先ほど入学式を終え、帰りの電車に乗っている。
平日の昼間という時間帯だがそこそこ混んでいて、電車内には同じ制服を着た子がちらほら見える。
電車内では特にする事もなく暇なので、スマホで音楽を聴き電車に揺らながら、ふと電車の窓をみた。
その風景は、昔から出掛ける時によく通る、見慣れて、見飽きてすらいた町並みだった。
けれど高校からの帰り道からだろうか、スマホで流している好きなアニメの音楽もアクセントとなり心なしか違った風景に見えてくる。
そんな風景を眺めながら、これからの高校生活の事を想像してみる。
どんな友達が出来るかな、とか、どんな先輩が居るかな、とか。
───好きな人とか出来たりするのかな…とか。
私はこれまでの15年間の人生の中で恋愛経験ゼロの人間だけれど、1度くらいは恋ってものを経験してみたいなぁ…なんて。
……でも、あんまり過度な期待はするものじゃないか。
あんな趣味持ってるわけだし…。
まぁ、取り敢えずは新しい友達を作れるように頑張らないと。
★
入学式の日から2日が経った頃、担任の先生から部活についての案内が入った。
学校の掲示板に色々な部活についての貼り紙が貼られるから見ておく様に、だそうだ。
正直、部活についてはあまり考えずに入学したので最悪帰宅部でも良いかなと思っているけれど、折角だし、一応入っておきたいなとは思う。
授業終わりの休み時間に学校の掲示板へ行くと、そこには部活の貼り紙を見に来た1年生達で賑わっていた。
前に結構な人がいて見にくかったので、少しだけ背伸びをしてどのような部活があるかをざっと見てみる。
サッカー部、テニス部、バスケットボール部、手芸部、茶道部、吹奏楽部…などなど、様々な部活があるが、どれも自分の性に合うものじゃない。
一瞬、美術部の貼り紙に目が止まったが、部活内容が「デッサンや彫刻など」と書いてあったのであまり興味を示せなかった。
絵を描くのは好きだけれど、あくまでイラストなのでそこまで本格的な美術の方面にはあまり興味がない。
特に入りたいものもないかな、と見るのをやめようとした時、ふと「写真部」と書かれた貼り紙が視界に入る。
「自由に自分の好きな被写体を撮る部活」だそうだ。
写真部。
あまり聞いたことのない部活だけど、少し興味があるので、今日の放課後にあるという部活見学に行く事にした。
★★
写真。
私にとっての趣味の一つであるけれど、何の写真を撮っているかと問われると、あまり人に言える様な内容ではなかった。
私が撮っているものとは、フィギュアの写真だ。
それも、仮面ライダーやウルトラマンと言った特撮のフィギュア。
確かに女子が、それも15歳にもなった高校生がする様な事では無いことは分かっている。
けれど、楽しいから仕方ない、という半ば言い訳のような理由付けを何度も自己暗示し、何だかんだでこの趣味を続けて1年ほどが経った。
幸いにも私の両親や姉は他人の趣味な寛大な人だったのでこの趣味を反対する事は無かったけれど、私の友人には誰1人としてこの趣味の事を言っていない。
だけど、正直な所そろそろ同じ様な趣味の友達が欲しい所だ。
別に写真を撮っていなくてもいい。どんな特撮作品が好きかとか、どんなキャラクターが好きかとか、そんな事を話し合ってみたい。
それが、ジャンルがアニメやゲームといった女の子にとって比較的メジャーな趣味だったなら好きな子達も多いし、既に何人か居るけれど、特撮という男の子に向けた作品群が多いジャンルなのだ。
ほとんど居るわけがない…のである。
閑話休題。
放課後、「写真部はこちら」と書かれた部屋へと向かった。
扉にノックをし、
「失礼します」
と言いながら扉を開けた。
「えっと、写真部の見学って…」
「お、見学の子?」
そこでは、茶色がかった髪でロングヘアーの生徒が椅子に座りながらお茶を飲んでいた。
「はい、ぜひ見学したいなと」
「そかそか〜。私、写真部2年生の
「えっと、1年生のステラです。こちらこそよろしくお願いします」
「よろしくー。まぁあんまり綺麗な部室じゃないけどさ、ゆっくり見てってよ」
まったりとしてると言うかなんと言うか、マイペースな雰囲気の先輩だ。
そんな香取音先輩に迎え入れられ、部室へと入る。
大体8畳半ぐらいの大きさの部屋に小さい被写体を撮るための撮影ブースや、撮影機材だけでなく、編集作業をする為だと思われるPCなども置いてあり、思っていたよりかなり本格的な設備だ。
自分の部屋にあるものと比べてみると段違いのレベルだったので、すごいなと感心しながら部屋を見渡していた時だった。
コンコン、と扉がノックされ、ガチャリと開く音がした。
「失礼しまーす…写真部の見学ってここであってますか…?」
入ってきたのは、黒く長めの髪に紫色のリボンを付けた大人しい雰囲気の女の子だった。
───あれ、この子どこかで見覚えがある様な…?
「そだよ〜。私、写真部2年生の香取音。よろしく〜」
「1年生のお気楽です。よろしくお願いします」
───お気楽ちゃん……
あ、思い出した。同じクラスの前の席にいた子だったっけ。
先輩と話終えると、お気楽ちゃんは興味深そうに部室を見渡していった。
こういった撮影に関してのものが趣味なのだろうか、ちょくちょく驚いた様子で目を見開いたりしていて可愛らしい。
もしそうだったら嬉しいな、なんて淡い期待を持ちながらお気楽ちゃんに話しかけてみる。
「お気楽ちゃんって写真撮ったりするの好きなの?」
「えっ…あ…うん。」
急に話しかけられてびっくりしたのかすこし驚いた様子で受け答えた。
すると、壁に貼ってあった何枚かの写真の中からビルの写真を指した。
「例えば…この壁に貼ってあるビルの写真みたいに、都心に行って撮ったりしてるよ。」
「後は…」
言ってはまずいと思ったのだろうか、何か言いかけた様子で1枚の写真を指そうとしていた手を戻した。
その写真は、先輩の部員が撮ったものだと思われる仮面ライダーのフィギュアの写真だった。
「いや…何でもない、何でもないよ」
心なしか顔を少し赤くし、手を振りながら先程までの自分を否定する。
「あ…えっと…お気楽ちゃんってこういうのも撮ったり…する?」
ないだろうな、と思いながらも一か八かで聞いてみる。
「っ…………」
すると既に少し赤くなっていた顔がぐんと真っ赤になった。
お気楽ちゃんはひと呼吸おき、私の質問に答えた。
「………うん。こういうの……撮るよ」
その言葉を言うと、お気楽ちゃんは真っ赤になりながら顔を背けてしまった。
その一言は、お気楽ちゃんに対しての「仲良くなりたい」という感情をぐんと引き上げた。
今しかない。
「実は…ね」
覚悟を決め、言葉を続ける。
「私も撮るんだ、こういう写真」
「……えっ……本当?」
私の言葉に、お気楽ちゃんは驚いた様子で背けていた顔をこちらに向けた。
「だからさ、ずっと同じ趣味の子が居なかったからさ、今凄く嬉しい。」
私は微笑みながら言う。
私がずっと誰かに言いたかった、言えなかったセリフを。
言い切った。
するとお気楽ちゃんは、
「そっか」
と微笑み返し、言葉を続けた。
「実はね、私も同じなんだ。ずっと一緒の趣味の人がいなくて寂しかったの。」
「じゃあ、似たもの同士…だね。私達。」
私が笑いながらそう言うと、お気楽ちゃんが笑い返してくれた。
少し経つと、一通り部室を見終わったのかこちらを向き、話しかけてきた。
「そう言えばステラちゃん、入る部活ってもう決まった?」
その声は、話したばかりの緊張していたお気楽ちゃんの声色とは違い、心なしか緊張が溶けたような、リラックスした声色だった。
「んー、今の所はここが第一候補かなあ」
私の言葉を聞くと、お気楽ちゃんが少し嬉しそうな顔をして答えた。
「じゃあさ、私と一緒にここ入らない?」
私は新しい友達を作るまたとないチャンスだと思い、半ば反射的に答えた。
「うん!そうするよ」
「本当?それじゃあ…よろしくね、ステラちゃん」
「よろしく、お気楽ちゃん」
2人はまた、微笑みあった。
お待たせしました。JKブンドドマン小説化第1弾です。
……あの、本当は1話でわーっとやらせる(意味深)つもりだったんですけど、どんどん書いて行くうちに長くなっていってしまったので今回は馴れ初めというか、キャラの紹介というか、そんな感じのお話です。
次回!香取音、出番不足で死す!
デュエルスタンバイ!