私はルフィがエニエス・ロビーで暴れ出したのを受けて有休を使い船を出した。もしもこれが杞憂であれば良いけれど、バナロ島に……エースが来なければ良いと祈るように願いながら、1人その島に降り立つ。
白髭海賊団への手紙は出し続けていたけど、それで確実に運命が変えられる保証は無い。もしもエースが来てしまったら、私がエースを守らないと……!
ルフィの事は心配して無い。ルフィなら、皆ならば大丈夫だろうと何故か思えるから。
「こんな寂れた島に海兵さんか……。ゼハハハハ!!」
「黒髭……?」
「お?なんだ手配書が出たのか?」
その言葉を受けて、そう言えばこの時点では手配書が出てなかったんだったと思い出す。国を滅ぼしたけれど、それは王が酷過ぎたが故に寧ろ歓迎され問題にならなかったし、その後は様子を見ていただけ。
まだ……エースを捕らえていないこの男は、七武海でも無ければ当然海軍を裏切っても居ない。そう、この男の全ての計画はエースを海軍に引き渡す所から始まる。
即ち、今は私に手を出す確率が恐ろしく低いと言う事になる。捕らえた賞金首を持って、海軍将校と共に行動すれば七武海への道が見えやすいから。
「いいえ、手配書は出てないわ。貴方に今はまだ恨みも無い」
「なら何故、俺を知ってる?」
「……ヤミヤミの実は、食べる事ができたの?」
「……なんだ、サッチ〝隊長〟の知り合いか。まだだ。あの野郎まだ生きてるみたいでな、悪魔の実が復活しねェんだよ」
成程ね。だとしたらサッチさんはヤミヤミの実を1齧りした所で襲われ、1命を取り留めている。
その為に齧られたその実を持って移動し、サッチさんが死んだ所でそれを食べようと待っているのに、サッチさんが死なないから実が欠けたままと言う事かな。ならば、エースがここに来る筈は無いわね。
……だとしたら、ルフィに手を出させない為にここで私がこいつを抑えれば全てが解決するって訳ね。そうと分かれば話は早い。
もしここで私が負けても、今はまだガープさんがルフィの傍に居るから助けて貰えるかも知れないというのもあって、肩から力が抜ける。そんな状態から気を引き締め直してクリマタクトを構えれば、黒髭はオイオイなんて言ってくる。
「俺は、か弱い女海兵さんを虐めるつもりはねェぜ?サッチ〝隊長〟もまだギリだろうが生きてるんだ、恨まれる筋合いはねェ!」
「それがね……あるのよ。貴方が狙っている〝麦藁のルフィ〟は、私の弟だから」
「……そりゃァ……戦うしか無さそうだな。調度いいルーキーだから、俺ァ、諦めるつもりはねェんだよ。……それとだ、命までは取らねェから、俺の女にならねェか?」
「お断りよ!」
そうして始まった戦いは、人数の問題もありなかなかに厳しいものだった。けれども私が黒髭の想定よりも強いのが災いしてか、黒髭は本気で欲しいななんて言い出して……現在荒い呼吸を繰り返しつつ体力不足を痛感している。
「火拳!!」
突然聞こえたその声に驚いて視線を向ければ、そこに居たのはエースで、でも、私だなんて分かる筈もないのにどうして加勢を?というか、どうしてここにエースが居るの?
「……ナミ、だよな」
「どうして、わかったの?」
「蜜柑の香りがするオレンジ色の髪の女。更にその変な武器だ。分かるだろ」
「……大きくなったわね」
「ナミも、な。だが、挨拶は後だ。そうだろう、ティーチ。いや……黒髭」
「エース、隊長」
ティーチの反応が、私の読んで知っていたものと異なり、何でだろうと考える。そして、気付く。
この時点で本来ならば食べていた筈のヤミヤミの実を食べていない上に、私との戦闘で多少なりとも消耗してる。それらが重なり、今黒髭は追い詰められている。
サッチさんを殺そうとした事、ギリギリ生きていても、それでも許せるものでは無いとエースは言う。私はそんなエースに加勢する形で戦闘に加わり、からくも勝利を収めた。
意識を失う黒髭とその仲間達の傍で、体力を使い果たして私が膝をつく。そんな私を見て、エースは少し休めと言って来るけどそんな訳には……そう思った時、当身をされてしまい意識が急激に薄れて行くのを感じた。
「ナミは優しいからな。この先は、見なくていい。……ナミは、背負わなくて良い」
そんな言葉を聞いた気がした。目覚めるとそこは知らない部屋で、でもこの揺れ方は目眩でなければ船の……中?
「お!ナミ、起きたのか。良かった」
「ここは?」
「俺の部屋!親父にやる事終わったからって報告するのに帰ってきたんだ。……にしても聞いてくれよ!皆酷いんだぜ」
そう言ってエースは兄弟や白髭さんに叱られてボコボコにされた事を告げて来て、私が正義を纏っているからと言う理由で〝元いた場所に返して来なさい〟と言われたと言う。それを聞いてしまえば、アタシャ犬猫扱いか!と、思ったけどまぁ、そこは仕方ない。
「それなら、私も目覚めたんだから早めに帰った方が良さそうね」
「何言ってんだ?ナミの帰る場所はここだけだろ」
「それこそ、何言ってるの。私には私の家があるわ。エースの部屋にいつまでもお邪魔してるつもりは無いわよ」
そう言って立ち上がろうとしたら、膝がカクンといって崩れ落ちそうになる。慌ててクリマタクトに手を伸ばしたけど、クリマタクトが定位置に無くて、慌てている間にエースに抱き止められた。
「……満足に立てねェ癖に何言ってんだ。ナミは、この部屋に居ればいい。俺の傍にいろよ」
「エース、私は……「ナミは、俺のもんだ」」
「違うわ!私は……!!」
否定した瞬間、エースから発せられたのは覇王色の覇気で、弱っているからかそれに当てられてクラクラする。でも私は、誰のものでもない……!
「あ、悪い。つい……!大丈夫か!?」
「……大丈夫、よ。離して、私は帰るから、兄弟の皆さんに叱られたんでしょ、いい子に従ってなさい」
「……嫌だ。マルコ達にはちゃんと話してある。ナミがこの部屋に居るのは良いって言われたんだ!だから、ここにいろよ」
「エース、何言って……「ナミの事は俺の女だって言ってある。だから、ここから逃げても無駄だぞ」」
意味が分からないし、私は恋愛とか興味無いし……。そう思っていたけど、エースは止まる気等無さそうで……。
服だけが器用に燃やされて、私の素肌が顕になると迷う事無く唇を寄せられる。それに抵抗しようとした所で簡単に抑え込まれてしまい、開きすぎた力の差に愕然とする。
いくら勝てないだろうと思ってはいても、もう少し位戦いになると思っていた。なのに、実際は抑え込まれて身動きが取れなくなっている。
「や、やだ!ちょっと待って!冗談でしょ!?エース辞めて!」
服を脱がされて、抑え込まれては何をされようと言うのか位はわかる。分かるけど……!
「冗談な訳あるかよ。ナミ、抵抗するなら……つらくなるのは、ナミだって事だけ覚えとけ」
「やだ!エース辞めて!こんなの、嫌っ!」
「ナミ!」
「やだ……ベルメールさん、ノジコ、おつるさん……!」
思わず助けを求めれば、エースが困ったような顔をして……本当に可愛いなナミはなんて呟く。そして、楽しそうに笑うとすぐに良くしてやるなんて言い出すから、足に覇気を纏って股間を蹴りあげる。
それにより1瞬で力が緩んだので、正義のコートの前を閉めるという暴挙を犯しつつ、部屋のドアに向かって力の入らない足で必死に向かう。そんな私の腕を掴み、ベッドに引き戻すとエースは濡れてもいない私の中に無理矢理熱い楔を押し込んで来た。
それにより激痛が走るけど、エースは辞めてくれなくて、エースは私の首に噛み付くとそのまま首筋に歯を立ててきた。その状態でエースは言葉を放つ。
「このまま、俺に貫かれた姿で死にたいなら……抵抗しろよ。大人しくしてるなら、この先は優しくしてやる」
「……なら、殺しなさい!私は……アンタ達3人が生きていてくれるなら、それだけでもう、充分よ。だから……殺しなさい」
「ナミ……」
「辱めを受けるくらいなら、殺された方がマシよ!」
キッと睨み付けると、エースは私の顔を見て泣きそうにその表情を歪めた。でも、泣きたいのは私の方よ。
皆が生きていてくれるならそれだけで十分だから、私は海軍辞めてそろそろ帰ろうかななんて思ってたのに……どうして、こんな無理矢理……。
「俺に抱かれるのは、死ぬより嫌なのかよ。半分入ってんだから、後半分だぜ?」
「弟に犯されて喜ぶ馬鹿がどこにいるのよ!」
「俺はナミを姉だなんて思った事ねェよ。俺はずっと、女としてナミを見て来た。…………そうか」
突然エースは何かを思いついたような顔をして、私を見た。それは暗い、狂気に満ちた表情で……。
低い声が残酷な言葉を紡ぐのを、脳が理解する事を拒む。だって、そんな馬鹿な話がある筈ない。
「ナミが死んだら、ナミが寂しくないように、ナミの大切な人を1人ずつ殺してやるよ。最初は、姉か?」
「え?」
「ナミ、1人だと寂しいだろ。だから毎週1人ずつ、ナミの大切な奴を殺してやる。ナミが死んだら、ナミが大切にしてた村の奴全員、1人ずつ殺してやるよ。優しいだろ」
「なに、言って……」
体が、小刻みに震える。エース、何言ってるの!?
「ナミが、素直に俺に抱かれて、俺の女としてここで生きているなら……〝誰も死なない〟ぜ?」
どうする?とエースは視線で問い掛けてくる。私は……。
「……エースの、好きにしたらいいわ」
「なら、殺すか」
「エース!」
「好きにしたら、良いんだろ?ナミが俺以外を見ないように、俺以外の大切な奴は、全員殺してやる」
「……っ!エースの、女にして。お願い」
私の言葉にエースはにっこりと笑うと、よく言えたななんて言って、半分入ったそれをそのままに胸や腰を中心に愛撫してくる。それにより痛みが軽減して来ても、やはり初めてだから苦しくて……。
「……ナミ、まさか、初めてだったのか?」
「うる、さい……!」
「反抗、するのか?」
「……!……初めてよ。誰にも、こんな事、された事ないから……!」
「朗報だな。なら、時間かけてゆっくり可愛がってやる」
寧ろ早く終わらせてと祈るように願うけど、エースは辞めてくれる気配が無いどころか、ここからが始まりだと言う。嫌がったり、抵抗したりするとエースは薄く笑う。
それにより抵抗する事も許されずに、無理矢理体は暴かれてしまう。声を抑える事さえ、エースは許してはくれないのだ。
「んっ……ぁ……エース……も、辞め……!」
「まだ2回しか出してねェ……もう少し付き合え」
「ふぁっ……や、壊れちゃ……!」
「壊れても、愛してやるから……安心しろよ」
嘆く事も、怒る事も許されずに、ただ、熱いそれに翻弄される。体が目当てなだけならば、終われば開放される。
そう信じてこの日は耐え抜いたけど……エースには、私を解放する気なんか無かったのだと、そう思い知らされるのに時間は掛からなかった。エースが傍を離れる時は、前もって激しく扱われ意識を失い、意識が戻る頃にエースが帰って来る。
体が目的だとはしても、自力では部屋の中を歩く隙さえ与えられないのは流石につらい。そう思うのに、それに対して何か文句を言う事も許されはしない。
助けの来ない悲しみの牢獄の中で、女は抵抗する為の爪を抜かれて、子猫のように鳴き続ける。男が女に何も伝わっていないのだと気付き、多くの事を改めるのが早いか、女が心を壊すのが早いか。
それはこの話を読んだ方の、お心次第。